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2022.08.28
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カテゴリ: 雑感
って案外と多いものだ。まず若いころ観てさっぱりつまらんかった映画「東京物語」のセリフにドキッとしたり、共感したりと新鮮な感覚で同じ映画を鑑賞した。主人公夫婦が東京の子供に会いに上京するが、すでに彼らは一人前の大人、医者だったり美容院経営者だったりして自分の生活がある。わたしもじっさい息子の家に急だったが泊めてもらい、そのありがたさに感激したのだが、映画は表面的な歓迎のセリフと、反する本音のセリフが小津の脚本で明らかになっていく過程でまさに初めて現実が理解できたのだ。息子はおろか、嫁もそう思っているのだろう。子供は孫を持ち、育てる責任がある。嫁を扶養する義務もある。そんな戦場とも言える家庭に、年よりが割り込むのはまあたまにはいいかと自己弁護するのだ。
浴室を借りてシャワー浴びた時、バスタブの周囲はびっしりとキャラクターの人形が並び、孫をあやしながら夫婦だけで子を入浴させるという光景が浮かび上がり、ほほえましいというよりは彼らの子育て戦場なのだ。長居はできないとばかり帰ってきて荻窪駅前のクラシック喫茶(なぜか早朝からやっていた)でいろいろと考えを巡らす。けっきょく年寄りが孫をかわいいと思うのは離れて暮らしているからで、めちゃくちゃ動物的にかわいいだけ。一緒に居たらそうはいかないのだろう。小津の脚本は痛烈なことを劇中で言っている。じいさん「なあ婆さん、孫はかわいいというがどうじゃった?」ばあさん「わたしはやはり子供の方がかわいいですね。お爺さんは?」じいさん「そうじゃなあそんなもんかなあ」とあやふやな答え、ここに小津の言いたいことがあると思う。こんな会話ができるような夫婦になれば申し分ないのだろう。母親の葬式の最中、息子の一人が「親孝行したいときには親はなし、墓石に布団は着せられず」という俗っぽいセリフから、亡くなる前の危篤状態の時、駆け付けた子供たちは喪服を持っていくかどうかで打ち合わせを済ませておくという冷静さ、また長男が「ハハキトク」の電報を受け取った時、平然と庭の犬と戯れるシーンなど、この年にならないとなかなか理解できないものだ。
また、原節子扮する戦死した息子の嫁が、きれいごとばかり言ってみんなに嫁の見本と思われている存在なのだが、いきなり老人に本音をぶちまけるシーンは何度も見たが、今回初めて理解できたのである。
わたしの現実と言えば、初めて孫の手をとって歩いたときぐらいかな感動したのは。
戦前の英国映画「小公子セドリック」はアニメや漫画になって子供のころから見ていたが、映画の中での伯爵が孫の素直さにすっかり頑迷な態度を改めて、周囲の人からも尊敬されるようになるストーリーもよーく理解できた。
これらの旧作が無料で好きな時に鑑賞できるYOUTUBEはホントにありがたい存在である。





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最終更新日  2022.08.28 17:54:15
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