森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.10.16
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私が管理人をしているマンションで騒音問題が起きた。
騒音でノイローゼになりそうだと言って奥さんが相談に来られた。
その方が言われるには、上の階の子供が飛んだり跳ねたりしている。
それは土曜日、日曜日、祝日に限られている。
何とかしてくれないかと言われた。
早速、管理会社の営業マンに伝えた。
するとその営業マンは、騒音問題は当事者同士が話し合って解決すべき問題であるという。
管理会社が直接仲介の労をとることはしないという。
ただし注意勧告の文章を作るので掲示してくれという。
それから20日ぐらい経ってまたその奥さんがやってきた。
掲示文章だけでは全く効き目がないという。
直接先方に出向いて、面と向かって注意をしてほしいという。
自分からは先方に出向く事は恐ろしいのでできないという。
その労を私にとってもらいたいという気持ちがありありであった。

私は、管理会社からも見放され、被害居住者からも丸投げされ、板挟みになった。
でも、このまま放置しておくことはできない。
そこで騒音を発生させている居住者にポスティングする文章を作り、担当営業マンにfaxした。
すると営業マンはポスティングすることを渋々認めて後は管理人に任せるという。
その文章は、「お知らせ」という形にした。
被害居住者の訴えられたことそのまま文章にした。
最後に、事実関係を確認もしていないので、事実誤認の恐れがある事をお詫びた。

すると次の日に上の階の方から丁重なお詫びの挨拶があった。
それによると、土曜日、日曜日は娘が孫を連れて遊びに来る。
4歳と2歳の男の子で、 1日中部屋の中を飛んだり跳ねたりしているという。
その方は最上階に住んでおり、階下の人にそんなに迷惑をかけているとは思いもしなかったという。
以後、気をつけて、注意をしますということだった。
ただし、階下の人とは面識がないので出向いていって謝る事は勘弁してくれという。
そこのところは管理人がうまくやってくれという。
私は早速被害居住者のところに行ってその旨伝えた。
多分これで騒音問題は解決するのではないか、と思っている。

今振り返ってみると、管理会社の営業マンにしろ、被害居住者にしろ、トラブルに首を突っ込むことを最初から嫌がって逃げている。
でもいずれ何らかの方法で解決しないと、問題はいつまでも先送りされる。
その間、ずっと騒音問題に悩まされることになる。
解決したい問題があるにもかかわらず、その後の展開を恐れて行動しないからノイローゼ気味になっているのである。

私たちの場合も、予期不安があると行動することに二の足を踏んでしまう。
熟慮に熟慮を重ねた上、これはと思った解決策に向かって手足を動かしてみることが大切である。
頭の中で様々な試行錯誤を繰り返すことは、 一害あって一利なしである。その間イライラ感と相手を憎む気持ちはどんどん増大していく。
この場合は、自分たちが階下の人に迷惑をかけていたことを改めて教えてもらって目が覚めたようなことを言われていた。指摘をされて、ありがとうございましたと反対に感謝された。

案ずるより産むがやすしとはこのことである。
このような問題は思い切って対応していかないとダメだと思う。
森田では「不安は安心のための用心である」ともいう。
不安はすべて「あるがまま」に受け入れのではなく、積極的に動くことも必要なのだと思う。
それは将来の状況が好転する場合と真の意味で相手のためになる場合であると思っている。
それ以外は基本的には森田理論の言うように、不安はあるがままに受け入れることが肝心である。





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Last updated  2017.10.16 17:53:49
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通りすがり@ Re:阿久悠さんが「ジョニーへの伝言」に託した思いとは(03/06) この曲の歌詞の意味がわからなくて検索し…
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