森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.03.17
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玉野井幹雄さんは、人をあえてその時の考え方で区別すると、 「積極的な考え方をする人」と「消極的な考え方をする人」と「事実本位の考え方をする人」に分けられると言われています。
「積極的な考え方をする人」は、 「現状を善くするためには、 善い部分を増やせばいい」と考え、長所を見つけてそれを生かすように努力します。
これに対して、 「消極的な考え方をする人」は、 「現状を善くするためには、悪い部分をなくすればいい」と考え、欠点を見つけてそれをなくそうと努力するのであります。
神経症になっている人は、たいてい後者に属していると思われます。

「積極的な考え方の人」は、 「善いものを手に入れるためなら苦労してもいい」を考えるのに対して、 「消極的な考え方の人」は、出来るだけ苦労しないで善いものを手に入れようとします。
つまり苦労の出し惜しみをするのであります。
そうして、 「善い結果が得られない」と言って文句を言っているのが「消極的な考え方の人」ではないかと思います。
そういった傾向は、日常生活を送る上でいろんなところに現れてきて、 「不快感」をなくそうとするようになるのも、その現れだと思います。

なぜ、そのような「消極的な考え方」をするようになるのかと申しますと、心の中で「不快感と真っ直ぐ向き合っていない」 「不快感をじっくり味わっていない」 「不快感から逃げている」ところに根本的な原因があると私は考えています。
「不快感から逃げるようになる」原因を追求していきますと、困難な状況に遭遇したときに発生する本能的な「逃避欲求」に原因があります。
その欲求に従っていったら、明らかに「生活が成り立たなくなる」であろう事は容易に想像がつくのであります。

普通の人がいつも、 「不快感をじっくり味わって前向きに生きている」のに、 「消極的な考え方をする人」は、 「できるだけ不快感に出会わないような楽な道を選んで生きようとする」のであります。
積極的な考え方に転換するためには、まず、感情を自分の思うようにしようとする「誤った願望や認識」を改めるとともに、辛くても不快感に真っ直ぐ向き合って、それをじっくり味わうようにしなければなりません。
気分本位な態度で、回避行動をとりたくなった時に、 「ちょっと待て」と言い聞かせて、前向きな生き方を選択できるように自分を変えていく必要があります。
このような態度になる「考え方」を、 「事実本位の考え方」というのであります。
それは積極的とか消極的とかにこだわらず、ただその時の事実に基づいて最善の方法を考えるというものであります。

私どもの現実は、その時の状況によって、 「積極的な考え方」をしたくても出来ない場合がありますし、 「消極的な考え方」をした方がよい場合もあるわけです。
ですから、そういった「考え方」にこだわらないで、常にその時の事実に基づいて考えていくのが最も好ましいと言うことができます。
(いかにして悩みを解決するか 、玉野井幹雄 自費出版 252頁より引用)





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Last updated  2018.03.17 18:42:24
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通りすがり@ Re:阿久悠さんが「ジョニーへの伝言」に託した思いとは(03/06) この曲の歌詞の意味がわからなくて検索し…
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