森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2024.06.06
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長谷川洋三氏のお話です。

「あるがまま」とは、症状を受け入れながら、なすべきことをなすことだと言われています。私たちも頭では理解する。しかし実際には、あるがままになれない。
頭では理解したけれど、あるがままに実行できないということを、皆さんよく訴えますね。
そして、自分ははたして森田神経質であろうか、自分は森田の学習をして、この苦しみ、とらわれから脱出できるのだろうかと、非常に懐疑的になる時期があります。(生活の発見誌2024年6月号 7ページ)

「あるがまま」になろうとすれば、「あるがまま」にはなれないという話をよく聞きます。ではどのように取り組めばよいのでしょうか。

まず、不快な感情や症状を素直に受け入れるという面があります。

感情や気づきのなかには、コントロールできるものとコントロールできないものがあります。これをきちんと分けて適切に対応することが大事なります。

第1に、コントロールできるものは現実的な不安などです。
例えば、地震に備えて家具が倒壊しないように対策を立てる。
もしものことを考えて生命保険、医療保険、損害保険、火災保険、自動車保険などに入っておく。
森田に「不安は安心のための用心である」というのがあります。
考えるだけで対策を立てて実行しないというのは、細かいことが気になるという神経質性格を活かしていないということになります。

第2に、次々と湧きあがってくる様々な不安や症状は、欲望の反面として発生しているものです。
この場合は、自分の欲望や欲求は何かを明確にする必要があります。
自分の欲望や欲求が分かったら、意識や注意を欲望や欲求に向けて努力精進していく必要があります。
その際、不安や恐怖は欲望が暴走しないように制御機能を発揮してくれます。
このことを森田では、人間には精神拮抗作用が標準装備されているといいます。
例えば、懇親会などでアルコールが好きな人は、飲み過ぎると二日酔いになるという不安が沸き起こってきます。
一気飲みを止めて、副食物を食べて水とアルコールを交互に飲むように心がけたりします。

欲望や欲求に従って生活していくという側面ですが、規則正しい生活習慣を作り上げることをお勧めします。ルーティンワークを作り上げることです。
ウィークディでは、毎日同じ時間に同じことをするように心がける。
頭で考えることなく、身体がすっと動いてくるようになるとしめたものです。

もう一つお勧めしたいことがあります。
だらだら機械的にやるのではなく、問題点や課題を見つけようという意識を持って行動するということです。森田でいう「ものそのものになる」ということです。
気づきや発見、改良点や改善点が見つかったら、面倒でもすぐにメモしておく。
すぐにできることはなるべく早く処理する。
すぐにできないことはストックを溜めるという意識で取り組む。
これを休日などに割り当てて取り組むようにする。

以上のことを実践することで、「あるがまま」の体得につながります。





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Last updated  2024.06.06 06:34:36
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

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