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私は卵が大好きだ。半熟のトロトロ卵も好きだし、しっかり火の通ったゆで卵も好き。ラーメンを作る時は必ず卵を落とすし、残り物は何でも卵とじにしてしまう。とりわけ好きなのは半熟の目玉焼きだ。熱々のご飯に半熟の目玉焼きを乗せ、とんかつソースをたっぷりとかける。とろとろの黄身とソースを絡めたご飯の、何と美味しいことか。
焼きたてのソーセージや味付けのりを添えれば、下手な外食よりよほど満足度が高い。野菜が足りないのが気になるなら、葱入りの納豆でもつけておけばいい。想像するだけで頬が緩むほど、私は目玉焼きご飯が好きだ。毎食食べてもいいと思えるくらいに。
しかし卵好きとはいえ、毎日何個も食べようとは思わない。むしろ一日に食べる卵は二個までと決めている。外食で卵をたっぷり使った料理を食べた日は、それ以上卵を食べないよう調整する。お金の問題ではない。コレステロールでもない。――子供の頃に読んだ絵本のせいだ。
その絵本を何歳で読んだのかも覚えていない。内容もほとんど覚えていない。ただ、強烈に覚えている場面がある。そこには卵が大好きな王様がいた。王様は毎日のように卵をたくさん食べ、ついに食べすぎてお腹を壊してしまう。私はその描写にショックを受けた。欲望を抑えられずに自滅する……子供心にそれが恐ろしくてたまらなかったのだ。
私はADHDとASDの特性があり、報酬系のコントロールが苦手だ。今でも夜更かしをやめられなかったり、ゲームをずるずる続けてしまったりする。だからこそあの王様に自分を重ねてしまったのかもしれない。「自分も欲望をコントロールできず、痛い目を見るかもしれない」という不安。その感覚は妙にリアルだった。
絵本の物語の細かい部分は忘れてしまったのに、王様がお腹を壊す場面だけは今でも覚えている。
昔話には欲に負けて破滅する話が多い。私が思い出すのは日本昔話の「宝の下駄」だ。転ぶと背が縮む代わりに小判が出る下駄を巡り、子供は必要なだけ転ぶが、欲深い大人は転びすぎて虫になってしまう。
ここでやめておこうと思っても「ついもう一回」を繰り返してしまう――私はよくやらかす。夜更かし、ゲーム、お菓子など。だからこそこういう話が妙に怖い。胸の奥に不快感と恐怖がじっとりと居座る。今でもこの感情の扱いが苦手で、嫌な予感がする話は避けるようにしている。
調べてみると、私が読んだ絵本は「おうさまシリーズ」らしい。どの巻だったかは思い出せないが、有名なシリーズのようだ。この絵本を読んだ人の中には、私と同じ気持ちになった人もいるのかもしれない。
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