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ㅤ今回は、ライツ・オファリング銘柄の結果について、メモ書き程度で整理しておくシリーズ。前回途中経過について書いた、ADワークスのライツオファリングの結果について。(前回の日記)〇ADワークスのライツ・オファリング(途中経過) (ADワークス関連の日記) 〇ADワークス (その2) 〇ADワークス (その1) 1.ADワークスのライツ・オファリング 前回のおさらいになりますが、 ADワークスは、4月25日にライツ・オファリングの実施を公表。収益不動産の戦略的拡大などがが目的とのこと。 ・ノンコミットメント型ライツ・オファリング(行使価額ノンディスカウント型)及び感謝配当(中間配当)に関するお知らせ ・ノンコミットメント型ライツ・オファリング及び感謝配当(中間配当)に関する補足資料 ・ノンコミットメント型ライツ・オファリング(行使価額ノンディスカウント型) Q&A ADワークスの新株予約権は、1個につき39円の払い込みで1株取得できる権利。この39円はライツ・オファリング実施を公表した前日の終値で、初の行使価額ノンディスカウント型となっている。 ADワークスのライツ・オファリングに関する主なスケジュールは以下のとおり。 4月25日:ライツ・オファリングの実施を公表 7月 7日:新株予約権割当の権利最終日 7月 8日:新株予約権割当の権利落ち日 7月13日:新株予約権上場 7月13日~9月12日:新株予約権の権利行使期間(証券会社によって取次ぎ期間は異なる) 7月20日:新株売却可能日(証券会社によって異なる) 9月 5日:新株予約権上場最終日2.株と新株予約権の値動き 新株予約権上場後の、株と新株予約権の値動きは以下のとおり。注:(3)の欄は、その時の価格で新株予約権を入手し権利行使価格(39円)を払い込んで新株を入手するとしたときの新株入手の総費用。 (4)の欄は、その時の株価と、(3)で計算した新株入手の費用の比較で、新株予約権のディスカウント状況を計算したもの。 7月20日を新株売却可能日としているのは最短の場合、実際は証券会社によって異なる。 この間、7月24日に第1四半期決算を公表。事前に公表していた見通しどおりの大幅増収大幅増益の内容。 また、期間最終盤の8月31日の朝方8時40分に第2四半期の業績見通しを公表。増収大幅増益の内容ながら、第1四半期の勢いがやや鈍化していることや、ライツ期間最終盤ということで期待が先行していたことから、材料出尽くし的に株式、新株予約権ともに売られた。 そして、新株予約権の上場最終日には、終日1円売り気配で大引け比例配分という惨状となった。 また、少し期間を前後に拡大した株価の動きは以下のとおり。 なお、新株予約権割当の権利最終日の7月7日の終値が46円なので、権利落日の7月10日の基準価格は(46円+39円)/2 = 42.5円 上記のチャートでは、両日の間で、46円/42.5円=1.082倍の株式分割が行われた扱いとなっている(7月7日までの株価を分割率で割り引いて表示)。3.失敗の軌跡 ライツ・オファリング3度目のADワークス。 満を持して、ノンディスカウント型に挑んだものの、結果は惨憺たるものだったと言わざるを得ないだろう。 今回のノンディスカウント型ライツ・オファリングは、 公表時の株価である39円を払い込めば新株を1株取得できる新株予約権を、1株につき1個割り当てるというもの。 いきなり株数を2倍に増やし時価総額も2倍以上を狙うという極めて野心的なものだった。 その野心的な目標を実現するため、ADワークス社は、 ライツ・オファリング実施公表とあわせて、立て続けに以下の株価てこ入れ策を実施。 ・感謝配当なるものの実施を公表(4月25日):中間期(9月)に1.65円の配当 ・太っ腹な優待制度の創設を公表(5月15日):6月末、12月末の株主に優待 また、期間最終盤の8月31日前場寄り前には、この時期を狙いすましたかのように、好調な第2四半期業績見通しを公表した。 ライツ・オファリングによる増資は、新株予約権の保有者が権利を行使してこそ成功する。 そのためには、権利行使価格を株価が上回っていることが必須条件。 今回、ADワークス社も上で見たように無理筋なものも含めてかなり株価対策を行ったものの、 序盤戦で力を使ってしまい、特に重要となる終盤戦が手薄だった感がある。 おそらく会社側は、ライツ・オファリング公表時に39円だった株価を、まず40円台半ばぐらいまで引き上げたうえで、最後の中間期業績見通しでダメ押しをする算段だったのだと思うのだけど、 会社側の誤算が2つほどあったのではないだろうか。 まず、新株予約権上場2日目から、新株予約権主導で急騰し所有者の構成が崩れてしまったこと。 そして、最終盤に公表した好調な業績見通しはほぼ正直ベースのものだと思うのだけど、ライツ・オファリング終盤の会社側開示資料は話半分程度に受け取る投資家が多くポジティブな反応にはならなかったこと。 その結果、ライツ・オファリング史上最悪の新株予約権上場最終日に終日1円売り気配という惨憺たる状況となった。 権利行使率の公表はこれからだけど、前例のない低行使率にとどまった可能性もあると思う。 そもそも、ノンディスカウントでいきなり株数を2倍に増やし時価総額も2倍以上を狙うというのが大胆過ぎたのかもしれず、少し控えめに新株予約権5個で1株取得できる程度(株数1.2倍、時価総額1.2倍以上)にしておけばよかったのかもしれないな、とも思う。4.私はこうしてみた 私はというと、もともとADワークスの株式は割と多く保有していたのだけど、株は新株予約権の権利落ち日に全て売却。新株予約権は割当て分と上場初日に購入した分があったけど、なぜか直後の急騰したので大半を有り難く売却してみた。 その後、終盤にかけて新株予約権が5円を下回ってきたあたりから買い増しをし、最後は1円売り気配の比例配分も買ってみた。 私としても、最終盤の価格の推移は誤算だったのだけど、最後に持っていた新株予約権は全て株式に転換。 その結果、ADワークス株が再び主力上位となってしまったのだけど、今後どうなることでしょうか?※投資は、損しても得しても自己責任で!※同様の分野のランキング。優良ブログが見つかるかも。にほんブログ村にほんブログ村
Sep 15, 2017
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ㅤ今回は、実に久方ぶりのライツ・オファリング実施企業となったADワークスについて。(ADワークス関連の日記) 〇ADワークス (その2) 〇ADワークス (その1) 0.ライツ・オファリングとは まずは、ライツ・オファリングについて、少しおさらい。 日本では、公募増資とか第三者割当増資などで、既存株主以外の者が有利な条件(時価よりディスカウントされた価格)で増資に応じるのが一般的。他の者に有利な分だけ(発行条件により程度の差はあれ)、既存株主は割を食うことになる。 また、議決権行使の観点からも、最近話題となった出光興産の経営者と創業家の争いのように、第三者割当増資などによって既存株主の権利が脅かされる場合もある。 ライツ・オファリングとは、既存株主に新株予約権を無償で割り当て、株主側に新株予約権を行使するか市場で売却するかの選択肢を与える増資手法。一般投資家が、新株予約権を市場で購入して増資に応じることも可能。 第三者割当増資や、通常の公募増資と比較しても、既存株主への配慮がなされ、公平性の高い増資手法と思う。 私なんかが素直に考えると、上場企業の増資は原則としてライツ・オファリングで実施するべきではないかと思うのだけど、実際に普及していない。それどころか、今回のADワークスは、実に2年3か月ぶりのライツ・オファリング実施例。 そうなったのには、若干の経緯があって、 本来、ライツ・オファリングを用いて欲しい、普通の企業の増資手法としてはなかなか採用されてい一方で、 債務超過など業績が不振を極めているとか、何らかの理由で上場廃止の猶予期間に入っているとか、そういう通常の手段では増資が困難な企業がライツ・オファリングを活用する例が多かったため、 東京証券取引所が頓珍漢な方向に規制を強化し、ライツオファリングが実施しづらくなってしまっているのが現状。(権利行使価格が時価を大幅に下回る設定となっている場合に株価の下落を招き既存株主が損失を被る懸念があるのだから、権利行使価格と時価との乖離率だけを規制すればよさそうなものなのに、それ以外に大幅な制約条件を加えている。そのせいで、業績が不振な企業はライツ・オファリングが使えず、MSワラントなどより悪質な増資手法を用いることになるので、既存投資家保護の観点からは逆効果。こういう想像力の働かない組織が東京証券取引所であり、日本の証券市場発展を阻害している要因となっているのではないかとすら思えてくる)(関連の日記)〇ライツ・オファリング実施後のダメな子たち (東京証券取引所の頓珍漢な規制強化)〇我が国におけるライツ・オファリングの定着に向けて(東京証券取引所)1.ADワークスのライツ・オファリング まだ、ライツ・オファリング実施中なのだけど、途中経過をメモ書き程度に。 ADワークスは、富裕層向けに中古マンションの一棟売りなどを行っている企業で、ライツ・オファリングの実施は今回で3回目。 4月25日にライツ・オファリングの実施を公表。収益不動産の戦略的拡大などがが目的とのこと。 ・ノンコミットメント型ライツ・オファリング(行使価額ノンディスカウント型)及び感謝配当(中間配当)に関するお知らせ ・ノンコミットメント型ライツ・オファリング及び感謝配当(中間配当)に関する補足資料 ・ノンコミットメント型ライツ・オファリング(行使価額ノンディスカウント型) Q&A ADワークスの新株予約権は、1個につき39円の払い込みで1株取得できる権利。この39円はライツ・オファリング実施を公表した前日の終値で、初の行使価額ノンディスカウント型となっている。 ADワークスのライツ・オファリングに関する主なスケジュールは以下のとおり。 4月25日:ライツ・オファリングの実施を公表 7月 7日:新株予約権割当の権利最終日 7月 8日:新株予約権割当の権利落ち日 7月13日:新株予約権上場 7月13日~9月12日:新株予約権の権利行使期間(証券会社によって取次ぎ期間は異なる) 7月20日:新株売却可能日(証券会社によって異なる) 9月 5日:新株予約権上場最終日 権利行使価格がディスカウントされていないことに加え、新株予約権割当直後から権利行使が可能な設定となっているのも、これまでにない特徴。2.株と新株予約権の値動き(途中経過) 新株予約権上場後の、株と新株予約権の値動きは以下のとおり。注:(3)の欄は、その時の価格で新株予約権を入手し権利行使価格(39円)を払い込んで新株を入手するとしたときの新株入手の総費用。 (4)の欄は、その時の株価と、(3)で計算した新株入手の費用の比較で、新株予約権のディスカウント状況を計算したもの。 新株予約権上場翌日には、新株予約権主導で価格が大きく動いている。 ADワークスのライツ・オファリングについては、ライツ・オファリングのパイオニアで3回目の実施なだけあって用意周到な感じがするなど、いくつか感想があるのだけど、そのあたりはまたの機会に。※投資は、損しても得しても自己責任で!※同様の分野のランキング。優良ブログが見つかるかも。にほんブログ村にほんブログ村
Jul 21, 2017
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久方ぶりに、ライツ・オファリング銘柄の結果について、メモ書き程度で整理しておくシリーズ。 本日は、アンジェスMG(4563)のライツ・オファリング結果について。1.アンジェスMGのライツ・オファリング アンジェスMGは、2002年9月にマザーズ上場した老舗?の医療ベンチャー。医療ベンチャーだけあって、上場以来ずっと赤字決算を続けている。 その間、増資による輸血で命をつないでいるのだけど、今回は、ライツ・オファリングによる増資にチャレンジ。 7月22日にライツ・オファリングの実施を公表。新薬開発期間中の運転資金確保が目的とのこと。 ・ライツ・オファリング(ノンコミットメント型/上場型新株予約権の無償割当て)に関するお知らせ ・同Q&A アンジェスMGの新株予約権は、1個につき288円の払い込みで1株取得できる権利。 アンジェスMGのライツ・オファリングに関する主なスケジュールは以下のとおり。 7月22日:ライツ・オファリングの実施を公表 7月28日:新株予約権割当の権利最終日 7月29日:新株予約権割当の権利落ち日 8月 1日:新株予約権上場 9月 5日~9月30日:新株予約権の権利行使期間(証券会社によって取次ぎ期間は異なる) 9月10日:新株売却可能日(証券会社によって異なる) 9月22日:新株予約権上場最終日2.株と新株予約権の値動き 新株予約権上場中の、株と新株予約権の値動きは以下のとおり。注:(3)の欄は、その時の価格で新株予約権を入手し権利行使価格(288円)を払い込んで新株を入手するとしたときの新株入手の総費用。 (4)の欄は、その時の株価と、(3)で計算した新株入手の費用の比較で、新株予約権のディスカウント状況を計算したもの。 9月10日を新株売却可能日としているのは最短の場合、実際は証券会社によって異なる。 この間、8月7日に26年12月期第2四半期決算短信を公表。 私のような門外漢には何の変哲も無い赤字決算に見えるのだが、翌日8月8日には、一時、株価はストップ高、新株予約権は1.5倍まで買われた。ただし、終値は少し上がっただけで終わった。 また、こまめに新薬の開発状況などを開示してくれるのだけど、どの情報にどんな価値があるのか正直よく分からなかった。 株価、新株予約権価格とも軟調に推移し、新株予約権の上場最終日にはついに1円引けとなった。 常に新株予約権がディスカウントされた状況で推移したのだけど、ジリ貧傾向だったためか、最終的な権利行使率は、65.24%にとどまった。 また、少し期間を前後に拡大した株価の動きは以下のとおり。 なお、新株予約権割当の権利最終日の7月28日の終値が414円なので、権利落日の7月29日の基準価格は(414円+288円)/2 = 351円 上記のチャートでは、両日の間で、414円/351円=1.179倍の株式分割が行われた扱いとなっている(7月28日までの株価を分割率で割り引いて表示)。 ライツ・オファリング実施の公表で大きく下げて、新株予約権上場中には権利行使価格の288円をにらんでの軟調な展開という典型的なパターン。その後、株式相場全般の下げに引きずられて一段安の後、これまた全体の地合に合わせて上昇。3.感想など ・医療ベンチャーの株価水準には裏付けが無い(高ければ高いなり、安ければ安いなりにそんなものかと思う)ので、どうしても権利行使価格をにらんだ展開になるのだろうと思う。 ・権利行使期間中は売りたい人が多いので、その頃に(新株予約権の権利行使等で)仕込んで、時期を待つという戦法が有効だったかも(たまたま全体の地合がそうだっただけかもしれないが)。とりあえず、ごちそうさまでした。
Nov 25, 2014
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ライツ・オファリング銘柄の結果について、メモ書き程度で整理しておくシリーズ。 本日は、石山Gateway(7708)のライツ・オファリング結果について。1.石山Gatewayのライツ・オファリング 精密測定機器の製造・販売が祖業の石山Gateway。現在は、投資アドバイザー、自動車部品・電機製品製造、アパレル、不動産、旅行、医療、発電関連事業などに多角化。 2001年にナスダックジャパン(現ジャスダック・グロース)に上場した際の会社名は、フォトニクス。その後、事業の多角化や祖業の売却などを進め、会社名もフォトニクス → ゲートウェイ → ゲートウェイホールディングス → 石山Gateway Holdings と変遷。 特に、最後の2013年10月の名称変更が異質で、筆頭株主の石山久男氏の”石山”を冠したとのこと。この石山氏、同社の創業者でもなく、経営者でもない。資金繰りに窮した同社に資金提供する中で、筆頭株主の地位を確保し、25年12月時点の保有比率が約26%。 ちなみに、この石山氏、水素珪素天然水VanaHなるものを販売するVanaH社の経営者。いわゆる”裏口上場”を虎視眈々と目指しているように見えなくも無い。 今回のライツ・オファリングでは、このあたりの、石山Gateway社の経営権をめぐる思惑も見え隠れしているような感じがしなくもない(現経営陣による経営権防衛的な意味合い、またはその逆か、よくは分からないのだけど)。 前置きが長くなってしまったのだけど、そんな状況の石山Gatewayが、6月12日にライツ・オファリングの実施を公表。有利子負債の減少、不動産事業・旅行事業の拡大、発電事業およびM&Aの資金確保が目的とのこと。 ライツ・オファリング(ノンコミットメント型/上場型新株予約権の無償割当て)に関するお知らせ 同Q&A 石山Gatewayの新株予約権は、1個につき60円の払い込みで1株取得できる権利。 石山Gatewayのライツ・オファリングに関する主なスケジュールは以下のとおり。 6月12日:ライツ・オファリングの実施を公表 7月 7日:新株予約権割当の権利最終日 7月 8日:新株予約権割当の権利落ち日 7月11日:新株予約権上場 8月18日~9月9日:新株予約権の権利行使期間(証券会社によって取次ぎ期間は異なる) 8月21日:新株売却可能日(証券会社によって異なる) 9月 2日:新株予約権上場最終日2.株と新株予約権の値動き 新株予約権上場中の、株と新株予約権の値動きは以下のとおり。注:(3)の欄は、その時の価格で新株予約権を入手し権利行使価格(60円)を払い込んで新株を入手するとしたときの新株入手の総費用。 (4)の欄は、その時の株価と、(3)で計算した新株入手の費用の比較で、新株予約権のディスカウント状況を計算したもの。 8月11日を新株売却可能日としているのは最短の場合、実際は証券会社によって異なる。 この間、8月12日の引け後に、2014年6月期の決算短信を公表。久方ぶりに営業段階から黒字を確保、2015年6月期は大幅増収大幅増益を予想。 同社としては、かなりの好内容(予想はともかく実績が)だと思うのだけど、翌13日は日中こそ、株、新株予約権とも出来高を伴って若干上昇する局面があったものの、終値としては何事もなかったかのような風情。 8月25日には、8月22日までの権利行使率が30.9%に達したことを公表(最近では、かなり出足好調)。 8月26日には、筆頭株主の石山氏が一部の権利を行使する意向、残りの権利は具体的な方針を決めていないとの情報を開示。(この開示、同社と筆頭株主の石山氏に微妙な距離感を感じるのは深読みしすぎだろうか。) 8月27日には、社長の三木隆一氏が、投資事業組合を通じて所有する権利を行使するとともに、株式の名義を個人名義に変更すると公表。(経営権を死守したいとの意欲のあらわれのように感じるのは深読みしすぎだろうか。) 8月27日には、株、新株予約権とも価格が急騰、出来高も大幅増加。 なお、8月29日には、発電事業のブランド名を制定したという、ライツ期間中ならではのイメージアップ作戦を展開。 最終的な権利行使率は、95.7%と、極めて高い行使率を達成。 全期間を通じて、新株予約権がディスカウントされた状況が続いたことが大きな要因。それから、やはり経営権をめぐる何事かがあったのだろうか。 また、少し期間を前後に拡大した株価の動きは以下のとおり。 なお、新株予約権割当の権利最終日の7月7日の終値が174円なので、権利落日の7月8日の基準価格は(174円+60円)/2 = 117円 上記のチャートでは、両日の間で、174円/117円=1.487倍の株式分割が行われた扱いとなっている(7月7日までの株価を分割率で割り引いて表示)。 権利落日の7月8日に、権利落ち分をかなり下回る下げになったため、チャート上は急騰した形となっている。このあたりにも、なにがしかの収益機会が有るのかもしれない。3.感想など ・今回は、新株予約権独自の値動きがみられず、終始、新株予約権が大きくディスカウントされた状態が継続。「新株予約権を購入 → 権利を行使して新株を入手 → 株を売却」という単純な手法で利益が出る状況。 ・会社の経営権をめぐる思惑が垣間見えたような気がしなくもないのだが、ライツ終了後に大株主の保有比率がどう変化したのか気になるところ。
Sep 11, 2014
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訳あり企業の駆け込み寺的な様相を呈してきているライツ・オファリング。1.ライツ・オファリングは既存株主にもっとも配慮された増資手法 日本では、公募増資とか第三者割当増資などで、既存株主以外の者が有利な条件(時価よりディスカウントされた価格)で増資に応じるのが一般的。他の者に有利な分だけ(発行条件により程度の差はあれ)、既存株主は割を食うことになる。 (快調に業績を向上させ人気化していたペッパーフードなど、あきれるほどの有利な条件での新株予約権の第三者割当を公表。マイルストーンという会社が引き受けたのだけど、濡れ手に粟で笑いが止まらないだろう。その分、既存株主は気の毒なことである。小型株なので、希薄化をものともせず勢いで突っ走るのかもしれないが・・・) 一方、ライツ・オファリングとは、既存株主に新株予約権を無償で割り当て、株主側に新株予約権を行使するか市場で売却するかの選択肢を与える増資手法。まずは、既存株主の判断に委ねようというもの。他の一般投資家が、新株予約権を市場で購入して増資に応じることも可能。 本来、ライツ・オファリングは、もっとも既存株主に配慮された増資手法であり、普通の企業の増資にこそ、もっともっと活用してもらえると有り難いのだけど、あまり進んでいない。2.他の手法での増資が難しい企業の駆け込み寺に 本来、ライツ・オファリングを用いて欲しい、普通の企業の増資手法としてはなかなか採用されていないのだけど、 債務超過など業績が不振を極めているとか、何らかの理由で上場廃止の猶予期間に入っているとか、そういう通常の手段では増資が困難な企業がライツ・オファリングを活用している事例が多い。 例えば、最近では、 ・アルメディオ・・・時価総額基準による上場廃止の猶予期間(ライツ実施後に無事解除) ・メガネスーパー・・・債務超過による上場廃止の猶予期間(ライツ実施とむりやりな増資により無事解除) ・リアルコム・・・実質存続性の喪失(いわゆる裏口上場)で、2015年6月まで上場廃止猶予のうえで再審査予定 ・省電舎・・・20年3月期より連続赤字 ・小僧寿し・・・4期連続赤字で売上げも減少 ・セーラー万年筆・・・19年12月期より連続赤字 まあ、それぞれの企業にとっては資本の確保が切実な課題だし、(いずれにせよ増資するなら)苦し紛れにMSワラントなどで増資されるよりは、既存株主にとってもはるかに良いのだけど、3.ライツ・オファリング実施後のダメな子たち ライツ・オファリング実施後に、これはあんまりだろう、という例がでてきている。 〇メガネスーパー ライツ・オファリングなどで、大型の増資をおこなったばかりなのに、 またもや、今期も赤字が見込まれる分、債務超過に陥らないよう、前もって増資するそうだ。 ・行使価額修正条項付き第8回新株予約権(第三者割当)の発行に関するお知らせ しかも、今度はMSワラント。 MSワラント(行使価額修正条項付新株予約権)は、権利行使価格が高頻度で見直され、常にそのときの株価以下での権利行使が可能なように設計されている新株予約権。割り当てられた者が、時価より安く株を取得し市場で売却 → 株が下がる → 時価より安く株を取得し市場で売却 → 株が下がる の繰り返しになる。既存株主の大きな犠牲を伴う増資手法である(増加する株数が決まっているため、以前猛威を振るったMSCBよりはまし)。 今回でいえば、引き受け者のマッコーリーは、いつでも直前の終値の90%の価格で新株を入手できるのだそうだ(下限36円)。しかも、3日連続で株価が33円を下回れば、マッコーリーはメガネスーパーに新株予約権を発行価格で買い取らせることが可能というセーフティーネット付き。 もう、本業は、メガネを売ることではなく、増資をすることではないか、と笑えるほどのありさま。 メガネスーパーの経営にあたっている投資ファンドのアドバンテッジパートナーズは、まともな会社なはずなのだけど、 やっていることは、”株式市場を食い物にする人達”と大差ない。 〇小僧寿し こちらは、さらにひどい。 ・ライツ・オファリングで取得した資金は、新規出店などに充当すると言ってたけどウソでした。本当は運転資金にあてちゃいました。 ・社長が勝手に会社の口座から金を引き出していて、全容が把握できないので決算の提出は延期します。 もはや、上場企業としてのガバナンスが崩壊している。4.頓珍漢な方向に東証動く 不振企業の駆け込み寺的な様相のライツ・オファリングについて、東証が規制に動くとのこと。 ・我が国におけるライツ・オファリングの定着に向けて 2期連続経常赤字とか、債務超過の企業のライツ・オファリングは認めない方向とのこと。 公募増資や第三者割当増資と比較して、ライツ・オファリングは業績不振企業に利用されることが多く、株主の利益を損なっているというのが規制の理由なのだけど、 そこを規制してしまえば、業績不振企業はMSワラントだとか、さらに既存株主の利益を損なう方法での増資に走るだけなのが目に見えるようだ。(業績不振企業だって、手をこまねいて会社整理や上場廃止の道を進むことはなく、増資に奔走するのが企業の本能。) 株主の利益を掲げるのなら、MSワラントとか、そういう悪辣な手法を全面的に禁止するのが先ではないのか。なんか、観察不足というか、想像力の欠如というか、表面だけをなぞって、事態をより悪化させるだけのような。。。 例えば、権利行使価格は、ライツ公表前の株価の9割以上にしてね(増資の必要額に応じ、権利複数個で1株入手)とか、他の規制の仕方があるのではないか。 まあ、こちとら一般個人零細投資家としては、そのときどきの状況の中で最善を尽くすだけなのだけど。
Aug 13, 2014
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今回は、腐れ縁のメガネースーパーとようやくおさらばできた件について。(過去の日記) ・メガネスーパーのライツ・オファリング結果 ・小僧寿し他ライツ・オファリング銘柄の話題 ・ライツ・オファリング異変 ・メガネスーパー 1.土壇場のメガネスーパー 前回までに書いてきたので、要点のみ。(これまでのおさらい) ・赤字垂れ流しで大幅債務超過だったメガネースーパー、債務超過での上場廃止猶予期間入りしており、2014年4月末で債務超過が解消されないと上場廃止という正念場。 ・起死回生のライツ・オファリングも、権利行使が低率に留まり不発。 ・上場廃止では困る人達が、土壇場で債務の株式化と増資に応じ、土俵際徳俵での粘り腰。 ・債務超過解消による上場継続という絶対的好材料と、損失垂れ流しの大穴が塞がらない絶対的な悪材料のせめぎあい。2.上場廃止猶予期間の解除 そんな状況の中、 6月13日に26年4月期決算短信を公表し、債務超過が解消されるも、市場では華麗にスルーされていたのだけど、 昨日(7月25日)、26年4月期の有価証券報告書を提出し、債務超過解消が確認されたことから、上場廃止の猶予期間が解除され上場継続が正式に決まった。 ・債務超過解消による猶予期間の解除に関するお知らせ 6月13日の決算短信で、すでに債務超過解消は分かっていたので、ある意味、スケジュールに従って手続きが進んだだけなのだけど、 東証から正式に猶予期間が解除され上場継続が決まったので、株価も少しは反応すればいいなー、と思っていたところ、3.過剰反応の夜間PTS SBI証券から注文できる、ジャパンネクストPTS取引というのがある。 市場外取引なのだけど、売り注文、買い注文をマッチングさせるシステムのため、ミニ私設市場といった感じ。 昼間の部と夜間の部とがあるのだけど、兼業投資家にありがたいのは夜間の取引。19時から23時59分まで開いている。 で、参加者が少ないためか、普段は取引がなかなか成立しないのだけど、ストップ高・安の銘柄や材料の出た銘柄では取引が成立することが多く、 取引価格は、好材料にも悪材料にも、過剰反応気味のことが多い。 また、ストップ高・安の銘柄も夜間は翌日の値幅制限が適用となるため、昼間の地合を引き継いだ過剰反応ぎみの価格が付くことも多いように思う。 私は、SBI証券はメインにはしてないのだけど、色々有りそうなメガネスーパーはSBI証券に置いていた。 昨夜なにげにチェックすると、ストップ高の63円買い気配だったので、ありがたく売らしていただいた次第。ありがたや、ありがたや。 まあ、最近はお金の行き先が無いのか、株価も行き着くとこまで行き着くことも多いので、 週明け以降もビックリの大暴騰ということが無いとは言えないけど、 とりあえず、私は夜間PTSの63円で大満足でした。 というようなことで、あやしげな銘柄は、夜間PTSが魅力のSBI証券に軸足を置こうかな、とか思ったりもしているところ。
Jul 26, 2014
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久々に、ライツ・オファリング銘柄の結果について、メモ書き程度で整理しておくシリーズ。 本日は、アルメディオ(7859)のライツ・オファリング結果について。1.アルメディオのライツ・オファリング CDの規格テストという業務を行っているアルメディオ。赤字続きで株価が低迷し、時価総額が上場廃止基準の10億円を下回り、上場廃止の猶予期間に入っている。27年1月までに時価総額(月間平均及び月末の両方)が10億円を回復すれば上場廃止を免れるが、そうでなければ上場廃止という追い込まれた状況。 そんな状況のアルメディオが、打った策がライツ・オファリング。4月30日に実施を公表、黒字転換を目指し、”アーカイブ事業”を行う資金を調達するとのこと。 ライツ・オファリング(ノンコミットメント型/上場型新株予約権の無償割当て)に関するお知らせ 同Q&A また、例によって、同時に、言うだけタダ的な将来計画を公表。 再成長計画(ReGrowth 2014)の実施について アルメディオの新株予約権は、1個につき110円の払い込みで1株取得できる権利。 アルメディオのライツ・オファリングに関する主なスケジュールは以下のとおり。 4月30日:ライツ・オファリングの実施を公表 5月 8日:新株予約権割当の権利最終日 5月 9日:新株予約権割当の権利落ち日 5月14日:新株予約権上場 6月19日~7月11日:新株予約権の権利行使期間(証券会社によって取次ぎ期間は異なる) 6月24日:新株売却可能日(〇ドットコム証券で最短の場合) 7月 4日:新株予約権上場最終日2.株と新株予約権の値動き 新株予約権上場中の、株と新株予約権の値動きは以下のとおり。注:(3)の欄は、その時の価格で新株予約権を入手し権利行使価格(110円)を払い込んで新株を入手するとしたときの新株入手の総費用。 (4)の欄は、その時の株価と、(3)で計算した新株入手の費用の比較で、新株予約権のディスカウント状況を計算したもの。 6月24日を新株売却可能日としたのは、もっとも早い○ドットコム利用の場合。 この間、序盤の5月15日には、2014年3月期の決算短信を公表。相変わらずの大幅赤字なるも、2015年3月期は営業黒字を予想。 また、終盤の6月30日には、2015年3月期の業績上方修正と、中期売上計画及び営業利益目標の上方修正を公表。 ライツ・オファリングのスケジュールを意識しつつ、好材料を投下した模様。その甲斐あってか、最近のライツ銘柄では珍しく、新株予約権上場中の株価の下落がほぼ無かった。 また、社長、副社長らインサイダー(会社の中の人)も権利の行使を表明。時価総額10億円回復の悲願達成には不可欠という事情も透けて見える気もするが、とりあえずは好感ポイント。 最終的な権利行使率は、83.2%と好調であった。 また、少し期間を前後に拡大した株価の動きは以下のとおり。 なお、新株予約権割当の権利最終日の5月8日の終値が156円なので、権利落日の5月9日の基準価格は(156円+110円)/2 = 133円 上記のチャートでは、両日の間で、156円/133円=1.173倍の株式分割が行われた扱いとなっている(5月8日までの株価を分割率で割り引いて表示)。3.感想など ・「新株予約権を購入 → 権利を行使して新株を入手 → 株を売却」という単純な手法で利益が出る、最近では珍しいケース(昨年は、ほぼこのパターンで利益が出たものだが。。。)。 ・「上場廃止回避に向けて、時価総額10億円を回復する」という、会社側の強い意思が感じられる。結果的に、現在の時価総額が約13億円。このままの株価水準を継続できれば上場廃止の回避が可能。
Jul 24, 2014
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最近のライツ・オファリング銘柄の結果についても、メモ書き程度で整理しておくシリーズ。 本日は、メガネスーパー(3318)のライツ・オファリング結果について。1.メガネスーパーのライツ・オファリング メガネスーパーのライツ・オファリングについては、本ブログでも何度か取り上げてきたので、そちらを参照。ある意味、腐れた銘柄との腐れ縁。(過去の日記) ・メガネスーパー ・ライツ・オファリング異変 ・小僧寿し他ライツ・オファリング銘柄の話題 2.株と新株予約権の値動き 新株予約権上場中の、株と新株予約権の値動きは以下のとおり。注:(3)の欄は、その時の価格で新株予約権を入手し権利行使価格を払い込んで新株を入手するとしたときの新株入手の総費用((新株予約権価格+60円)/2株)。 (4)の欄は、その時の株価と、(3)で計算した新株入手の費用の比較で、新株予約権のディスカウント状況を計算したもの。 4月2日を新株売却可能日としたのは、もっとも早い○ドットコム利用の場合。 この間、3月14日の引け後、深夜24時直前にこっそりと、ダメダメな内容の2014年4月期第3四半期決算を公表。悪材料出尽くし感なのかなんなのか理解できない感じなのだけど、週明けの17日には、一時、株価が4割高近く、新株予約権価格が3倍まで急騰する局面があるも、効果は長続きせず。 ついに、新株予約権の上場最終日の4月4日には、終日1円売り気配で終わるという快挙(過去、セーラー万年筆の新株予約権も最終日1円売り気配の局面があったけれども、2円をつける場面もあった。)。 で、その4月4日の引け後に3つの好材料を投入し、権利行使を促す作戦に出た。 ・3月は久々に単月黒字になったよ ・クオカードの優待新設するよ ・大株主の権利行使があったよ 株価は上昇して作戦成功かとも思われたが、1円2円のマネーゲームで新株予約権を大量購入した投機家達に60円の払い込みを行う余力は無かったようで、 一般投資家による権利行使率は、32.1%にとどまった。 また、少し期間を前後に拡大した株価の動きは以下のとおり。 なお、新株予約権割当の権利最終日の2月18日の終値が56円なので、権利落日の2月19日の基準価格は(56円+60円)/3 = 38.67円 上記のチャートでは、両日の間で、56円/38.67円=1.45倍の株式分割が行われた扱いとなっている(2月18日までの株価を分割率で割り引いて表示)。3.債務超過解消をめぐる攻防 4月末で債務超過ならば上場廃止という正念場。それでは困る人達が、債務の株式化と増資に応じ、土俵際徳俵での粘り腰。 ・デット・エクイティ・スワップ(B種劣後株式発行)の完了に関するお知らせ ・C種優先株式払込完了に関するお知らせ 6月6日には、2014年4月期の業績予想の修正を公表。穴の開いたバケツ状態はあいかわらずで大幅下方修正ながら、きっちり計った様に(きっちり計れるよう定規も伸び縮みするのでしょうね)、債務超過は解消したことを匂わせている。 で、6月13日が、運命の決算発表。 債務超過解消による上場継続という絶対的好材料と、損失垂れ流しの大穴が塞がらない絶対的な悪材料のせめぎあい。株価の動きや如何に。※ 投資は、損しても得しても自己責任で!
Jun 11, 2014
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最近のライツ・オファリング銘柄の結果についても、メモ書き程度で整理しておくシリーズ。 本日は、リアルコム(3856)のライツ・オファリング結果について。1.リアルコムのライツ・オファリング 株式交換によりソーラー発電事業に転換したリアルコム、実質存続性の喪失(いわゆる裏口上場)にあたるということで、2015年6月まで上場廃止猶予のうえで再審査予定。 そんな状況のリアルコムだが、今のうちの上場しているメリットを最大限受けておきたいとばかりに、ライツオファリングの実施を3月11日に発表。増資により、ソーラー発電事業拡大の資金を調達したいとのこと。 ライツ・オファリング(ノンコミットメント型/上場型新株予約権の無償割当て)に関するお知らせ 同Q&A リアルコムの新株予約権は、1個につき175円の払い込みで0.5株取得できる権利。 すなわち、新株予約権2個と350円で、新株を1株取得できる。 リアルコムのライツ・オファリングに関する主なスケジュールは以下のとおり。 3月11日:ライツ・オファリングの実施を公表 3月17日:新株予約権割当の権利最終日 3月18日:新株予約権割当の権利落ち日 3月24日:新株予約権上場 4月24日~5月19日:新株予約権の権利行使期間(証券会社によって取次ぎ期間は異なる) 4月30日:新株売却可能日(〇ドットコム証券で最短の場合) 5月12日:新株予約権上場最終日2.株と新株予約権の値動き 新株予約権上場中の、株と新株予約権の値動きは以下のとおり。注:(3)の欄は、その時の価格で新株予約権を2個入手し権利行使価格(2個×175円=350円)を払い込んで新株を入手するとしたときの新株入手の総費用。 (4)の欄は、その時の株価と、(3)で計算した新株入手の費用の比較で、新株予約権のディスカウント状況を計算したもの。 4月30日を新株売却可能日としたのは、もっとも早い○ドットコム利用の場合。 この間、3月25日の引け後には、子会社のWWBによる分譲ソーラー発電所の計画策定を公表。翌日には、株価、新株予約権価格とも上昇し、その後も効果が持続。他のライツ実施企業の例と異なり、収益拡大につながる真の好材料と受け止められたということだろう。(ちなみに、このWWB社がリアルコムの衣をまとい裏口上場したというのが東証の見立て。) また、権利行使期間の最終盤、証券会社によっては手続き締め切り後の微妙なタイミングの5月15日の引け後に、2014年6月期の第3四半期決算短信を公表。第3四半期までで増収減益、通期予想は大幅増益予想維持というこれまた微妙な内容。 最終的な権利行使率は、86.88%と好調であった。 筆頭株主である龍潤生社長は割り当てられたすべての権利を行使。第2位の株主である厳平副社長も同様。 インサイダー(会社の中の人)2名で今回の増資分の半分以上を拠出した格好。会社の将来の業績に対する自信の表れ、または気合を入れて経営に当たっていることの証と思われ、好感ポイント。 また、少し期間を前後に拡大した株価の動きは以下のとおり。 なお、新株予約権割当の権利最終日の3月17日の終値が605円なので、権利落日の3月18日の基準価格は(605円×2+350円)/3 = 520円 上記のチャートでは、両日の間で、605円/520円=1.163倍の株式分割が行われた扱いとなっている(3月17日までの株価を分割率で割り引いて表示)。3.感想など ・ライツ・オファリング実施公表で大きく下げ、権利行使期間後に自律反発という、最近のライツ銘柄の典型的な株価の動き。 ・一方、新株予約権の価格は、株価に対しディスカウントされている期間が多かった。最終盤に新株予約権を購入し権利行使すれば即利益が出るという最近では珍しいパターン。
Jun 6, 2014
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最近のライツ・オファリング銘柄の結果についても、メモ書き程度で整理しておくシリーズ。 本日は、アジアグロースキャピタル(6993)のライツ・オファリング結果について。1.アジアグロースキャピタルのライツ・オファリング 業績が振るわず風前の灯だったアジアグロースキャピタル。昨年11月に、質屋の大黒屋を保有するディーワンダーランド株を追加で取得。所有割合は、38.65%からわずか4.14%追加し42.79%になっただけだけど、それまでの持分法適用会社から連結子会社となった。ある種会計マジック的に見掛けの業容が急拡大(通期寄与だと、売上高で40倍ぐらい、利益も確保)。 で、ライツオファリングの実施を2月21日に発表。増資により、ディーワンダーランド株追加取得の資金を調達したいとのこと。 ライツ・オファリング(ノンコミットメント型/上場型新株予約権の無償割当て)に関するお知らせ 同Q&A アジアグロースキャピタルの新株予約権は、1個につき30円の払い込みで0.2株取得できる権利。 すなわち、新株予約権5個と150円で、新株を1株取得できる。 アジアグロースキャピタルのライツ・オファリングに関する主なスケジュールは以下のとおり。 2月21日:ライツ・オファリングの実施を公表 2月27日:新株予約権割当の権利最終日 2月28日:新株予約権割当の権利落ち日 3月 5日:新株予約権上場 4月10日~5月2日:新株予約権の権利行使期間(証券会社によって取次ぎ期間は異なる) 4月15日:新株売却可能日(〇ドットコム証券で最短の場合) 4月24日:新株予約権上場最終日2.株と新株予約権の値動き 新株予約権上場中の、株と新株予約権の値動きは以下のとおり。注:(3)の欄は、その時の価格で新株予約権を5個入手し権利行使価格(5個×30円=150円)を払い込んで新株を入手するとしたときの新株入手の総費用。 (4)の欄は、その時の株価と、(3)で計算した新株入手の費用の比較で、新株予約権のディスカウント状況を計算したもの。 4月15日を新株売却可能日としたのは、もっとも早い○ドットコム利用の場合。 この間、4月8日の引け後に、大黒屋に対するファイナンス供与について公表。市中銀行からの融資等で大黒屋の当面の資金繰りの目処がついたとの内容。翌日には一時、株価が2割高、新株予約権価格が1.7倍まで急騰する局面があるも、効果は長続きせず。 また、4月10日には、筆頭株主の小川浩平社長が割り当てられた全ての権利を行使したことを公表。 社長が権利行使してこそ他の株主も権利を行使しようという気になるものである。 最終的な権利行使率は、86.7%と好調であった。 資金の調達ができたことで、5月15日には、大黒屋を保有するディーワンダーランド株を追加で取得するための公開買い付けを公表。今回は出来るだけ多くの株の取得を目指すとのこと。同社のシナリオ通りに進んでいる模様。 また、少し期間を前後に拡大した株価の動きは以下のとおり。 なお、新株予約権割当の権利最終日の2月27日の終値が199円なので、権利落日の2月28日の基準価格は(199円×5+150円)/6 = 190.8円 上記のチャートでは、両日の間で、199円/190.8円=1.043倍の株式分割が行われた扱いとなっている(2月27日までの株価を分割率で割り引いて表示)。3.感想など ・最近のほかの事例も同様だが、ライツ・オファリングの公表で株価は急落。十分余裕を見た低めの権利行使価格を設定しているように思えても、結局は権利行使価格をにらんだ株価の動きとなるようだ。 ・今回、権利行使率が80%台後半と、最近の案件の中では好調であった。1つには、インサイダー(会社の中の人)がしっかり権利を行使したことが良かったのだろう。 ・もう1つは、今回、新株予約権5個(親株5株)に対して新株1株を割り当てるという、市場へのインパクトを薄める工夫をしたことが良かったのではないか。時価総額に対して少な目の資金調達を目指す場合には、有効な手段ではないか。
Jun 4, 2014
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一昨日の日記で、小僧寿しのライツ・オファリングの結果について書いたけど、最近の他のライツ・オファリング銘柄の結果についても、あわせてメモ書き程度で整理しておく。 まず、本日は、省電舎のライツ・オファリング結果について。1.省電舎のライツ・オファリング 再生可能エネルギービジネスを手がけているマザーズ市場の省電舎。分野的には良さそうなのだけど、黒字化を達成できないままに自己資本の底が見えてきたところで、ライツオファリングの実施を3月19日に発表。増資により、バイオガス発電の資金を調達したいとのこと。 ライツ・オファリング(ノンコミットメント型/上場型新株予約権の無償割当て)に関するお知らせ 同Q&A 省電舎の新株予約権は、1個につき1365円の払い込みで1株取得できる権利。 省電舎のライツ・オファリングに関する主なスケジュールは以下のとおり。 3月19日:ライツ・オファリングの実施を公表 3月26日:新株予約権割当の権利最終日 3月27日:新株予約権割当の権利落ち日 4月 1日:新株予約権上場 5月8日~26日:新株予約権の権利行使期間(証券会社によって取次ぎ期間は異なる) 5月13日:新株売却可能日(〇ドットコム証券で最短の場合) 5月19日:新株予約権上場最終日2.株と新株予約権の値動き 新株予約権上場中の、株と新株予約権の値動きは以下のとおり。 注:(3)の欄は、その時の価格で新株予約権を入手し権利行使価格(1365円)を払い込んで新株を入手するとしたときの新株入手の総費用。 (4)の欄は、その時の株価と、(3)で計算した新株入手の費用の比較で、新株予約権のディスカウント状況を計算したもの。 5月13日を新株売却可能日としたのは、もっとも早い○ドットコム利用の場合。 この間、4月14日の引け後に、太陽光発電設備工事を請負ったことを公表。翌日には株価が300円近く、新株予約権価格が倍以上まで急騰する局面があるも、効果は長続きせず。 また、最終盤の5月15日の引け後に平成26年3月期決算を公表。 従来、黒字予想だったのだが、売上げ、営業利益、経常利益が未達のうえ、顧客数社が倒産したとかで特損計上し、平成26年3月期も引き続き最終赤字に沈む。27年3月期の業績見通しは売上げ倍増、黒字化を見込むものだったが、地合が悪いこともあり市場からは好感されず。 ついに、上場最終日には、株価が権利行使価格の1365円を割りこむ1330円、新株予約権は上場初日の30分の1の6円で引けた。 最終的な権利行使率は、わずか25.7%と、惨憺たる結果。 行使率から見ると、筆頭株主の中村健治元社長(四季報によると27.5%の株式所有)も権利を全部は行使していない模様。インフォテリアや小僧寿しも、筆頭株主である社長が増資に応じていなかったが、一応理由を開示していた。省電舎は、理由すら開示しない体たらく。 いずれにせよ、インサイダー(会社の中の人)が増資に応じない会社は、当然のごとく全体の行使率も低く留まる傾向にあるようだ。 また、少し期間を前後に拡大した株価の動きは以下のとおり。 なお、新株予約権割当の権利最終日の3月26日の終値が1652円なので、権利落日の3月27日の基準価格は(1652円+1365円)/2 = 1508.5円 上記のチャートでは、両日の間で、1508.5円/1365円=1.095倍の株式分割が行われた扱いとなっている(3月26日までの株価を分割率で割り引いて表示)。3.感想など ・こういうテーマ性だけの銘柄は、株価の下支えになるものが無く、需給バランスの崩れに敏感に反応するようだ。 ・小僧寿しと同じく、新株予約権の上場当初と、上場廃止後しばらくたってからに勝機があったようだ。特に、株価が権利行使価格を下回る局面では、株を買っておくのも一策か。 ・ただし、5月後半はマザーズ指数が大きく上昇しており、全体の地合に引きずられて株価が上がっただけかも。
Jun 1, 2014
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小僧寿しのライツ・オファリングについて、途中段階の4月20日にも、小僧寿し他ライツ・オファリング銘柄の話題 と題して1度取り上げたが、 結果を整理したので、メモ書き程度にて。1.小僧寿しのライツ・オファリング 4期連続の営業段階からの赤字、その間売上げも減少を続け、いよいよ追い込まれた感のある小僧寿しが、ライツオファリングの実施を3月13日に発表。 ライツ・オファリング(ノンコミットメント型/上場型新株予約権の無償割当て)に関するお知らせ 同Q&A 小僧寿しの新株予約権は、1個につき125円の払い込みで1株取得できる権利。 なお、例によって、夢のような中期経営計画も同時に公表。下のような、言うだけならタダだから的、ステキな内容。 そして、同社の株価を下支えしている株主優待の継続もしっかりPR。 株主優待制度の継続に関するお知らせ 小僧寿しのライツ・オファリングに関する主なスケジュールは以下のとおり。 3月13日:ライツ・オファリングの実施を公表 3月19日:新株予約権割当の権利最終日 3月20日:新株予約権割当の権利落ち日 3月26日:新株予約権上場 4月28日~5月23日:新株予約権の権利行使期間(証券会社によって取次ぎ期間は異なる) 5月2日:新株売却可能日(〇ドットコム証券で最短の場合) 5月16日:新株予約権上場最終日2.株と新株予約権の値動き 新株予約権上場中の、株と新株予約権の値動きは以下のとおり。 注:(3)の欄は、その時の価格で新株予約権を入手し権利行使価格(125円)を払い込んで新株を入手するとしたときの新株入手の総費用。 (4)の欄は、その時の株価と、(3)で計算した新株入手の費用の比較で、新株予約権のディスカウント状況を計算したもの。 5月2日を新株売却可能日としたのは、もっとも早い○ドットコム利用の場合。 この間、4月25日には、「創業50周年記念株主優待実施に関するお知らせ」を公表。 最終的な権利行使率は、67.6%と、比較的低調ながら、今年ライツ・オファリングを実施した企業の中ではまずますの成績。 ちなみに、代表取締役社長の大西好祐氏は、資金調達が出来なかったことを理由に、割り当てられた新株予約権(9.1%)を失権させる とのこと。 インフォテリアの平野洋一郎社長が、失権させたほうが希薄化が防げて株主にとって得だろう、なんて屁理屈を言って権利行使しなかったのと比較すると誠実だが、あまり芳しいことではないように思う。要するに、会社の中期経営計画に説得力が無いことのあらわれ。 また、少し期間を前後に拡大した株価の動きは以下のとおり。 なお、新株予約権割当の権利最終日の3月19日の終値が193円なので、権利落日の3月20日の基準価格は(193円+125円)/2 = 159円 上記のチャートでは、両日の間で、193円/159円=1.214倍の株式分割が行われた扱いとなっている。 3.感想など ・新株予約権を購入し、権利を行使、株を売却という単純な裁定取引的行為では儲からない状況。昨年とは様変わりの様相。 ・新株予約権の上場当初と、上場廃止後しばらくたってからに勝機あり。銘柄の持つ力を個別に検討することが必要。 ・小僧寿しについては、株主優待制度が力を発揮した模様。優待パワー万歳!
May 30, 2014
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本ブログでも何度か取り上げたライツ・オファリング。認知度が高まってきたためか、昨年までは見られなかったような新たな流れが出てきているので、今回はそのあたりのことを。 以前、ライツ・オファリング異変 と題した日記の中で、 「ライツ・オファリング銘柄の値動きを見ていると、3月後半以降、新株予約権が先行して動意付き株価が追随するというようなケースが見られるようになった。インフォテリアとか、小僧寿しとか。」 と、感覚的に触れたのだけど、 そのうちインフォテリアの新株予約権の売買、権利行使が終了したので、データとして整理しておく。1.インフォテリアの新株予約権 インフォテリア(3853)は、詳しいことはよく理解できてないのだけど、ソフト開発会社。 昨年12月時点の自己資本比率が75%、現金等が16億円あり、一見したところ増資が必要な会社には見えないのだが、 2月14日の引け後に、ライツ・オファリングによる増資を公表。 ライツ・オファリング(上場型新株予約権の無償割当て/ノンコミットメント型)に関するお知らせ 同Q&A 増資で得た資金は、ソフト開発に充てるとのことで、 新株予約権(38539)は、1個につき200円の払い込みで1株取得できる権利となっている。 2月20日が、株に新株予約権が付与される権利最終日。ちなみに、この日の株の終値が410円(権利調整前)。 2月26日に新株予約権が上場され、4月18日が上場最終日。2.尻尾が胴体を振り回す 新株予約権の上場期間中の、株と新株予約権の値動きは以下のとおり。 注:(3)の欄は、その時の価格で新株予約権を入手し権利行使価格(200円)を払い込んで新株を入手するとしたときの新株入手の総費用。 (4)の欄は、その時の株価と、(3)で計算した新株入手の費用の比較で、新株予約権のディスカウント状況を計算したもの。 4月4日を新株売却可能日としたのは、もっとも早い○ドットコム利用の場合。 大きな特徴がいくつか。 まず、新株予約権の方が、株よりはるかに出来高が多く、期間の平均で6倍以上。開きが大きい日では、3月28日などは30倍以上、最終日も18倍。 最終日の新株予約権は、新株予約権発行数の50%を超えており、権利行使をして株を入手というような実需より、新株予約権独自のマネーゲームが展開された印象。 次に、上記のこととも関連するのだろうけど、新株予約権が先行しての上昇が見られた。 3月25日までは株価が続落傾向にあったのだけど、26日に反発。 詳しく見ると、25日の新株予約権は高値が28円まであり、出来高も急増。株の方が高値219円で出来高も前日より減少していたのと対照的。 まさしく、尻尾(新株予約権)が胴体(株式)を振り回しているような様相であった。 そういう流れの中で、権利行使期間入りしたのだけど、 権利行使することでメリットが生じる状況がほとんど無いまま、予約権の上場最終日を迎え、そのまま株価が低迷した状況で権利行使期間終了。 結果の最終発表はまだだけど、かなり低い行使率に留まっているのではないかと推測。 余談だが、筆頭株主で社長の平野洋一郎氏も割り当てられた予約権の大半を失効させるとのこと。 その方が、希薄化が防げて株主にとって得だろう、なんて屁理屈を言っているようだが、じゃあ、そもそもなんで増資しようとしたのか。まるで支離滅裂。 善意に解釈すれば社長は増資に応じる資金手当てが出来なかった、ということだろうが、悪意に捉えれば、増資に値する会社でないと社長自ら判断しているということ。いずれにせよ、お話にならないお粗末さ。3.考察など バブル崩壊頃までは、同じような機能を持つ「ワラント」という商品が上場されていた。権利行使期間が数年あったけれども、ほぼ株価に対してプレミアムが付いている状況で、途中期間での権利行使はほとんど無かったように思う。なので、途中の株価推移がどうあれ、権利行使期限直前の株価が権利行使価格割れであれば権利行使がほぼ無いという状況であったように記憶している。 今後、ライツ・オファリングの新株予約権も、同様の傾向になっていくのでは。むしろそのほうがオプション価値をふまえた正常な状況なのかも。4.結局どうしたか 社長も権利行使しない中で、とても気分が悪いのだけど、私は権利行使した。 株価が200円近辺なのは権利行使価格をにらんでのことだと思うので、ほとぼりが冷めた頃の若干の自律反発を期待している(まあ、セーラー万年筆で味をしめ、2匹目のドジョウが居ないかと思っているだけなのだけど)。5.ライツ・オファリングのその他の話題 メガネスーパーは債務超過解消に向け、着々と前進。 デット・エクイティ・スワップ(B種劣後株式発行)の完了に関するお知らせ C種優先株式払込完了に関するお知らせ 小僧寿しは、権利行使期間入りに合わせ、やけくその株主優待拡充(前からやってたのと同じとの説も)。 創業50周年記念株主優待実施に関するお知らせ なんか、インフォテリアが何のための増資なのか、そもそも増資が必要だったのかさえ分からない状況なのに比べて、これらの2社は背水の陣的な必死さが伝わってくるのでありました。※ 投資は、損しても得しても自己責任で!
Apr 27, 2014
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今回は、ライツ・オファリング銘柄について、いくつか。例によってメモ程度で。1.小僧寿し 優待パワー炸裂? 小僧寿し(9973)の新株予約権(99739)は、いよいよ4月28日より権利行使期間入り。 小僧寿しの新株予約権は、1個につき125円の払い込みで1株取得できる権利。 新株予約権上場初日の3月25日には、新株予約権が安値6円、株も引きづられるように下落し安値136円。と、暗雲たちこめる立ち上がりだったのだが、 小僧寿しといえば、超絶の優待。 年2回(6月、12月)、優待券(割引券)がザックザク。 100株以上 600株未満 1,000円相当 600株以上 1,000株未満 3,000円相当 1,000株以上 2,000株未満 6,000円相当 2,000株以上 3,000株未満 7,000円相当 3,000株以上 4,000株未満 8,000円相当 4,000株以上 5,000株未満 9,000円相当 5,000株以上 6,000株未満 10,000円相当 6,000株以上 10,000株未満 20,000円相当 10,000株以上 50,000株未満 30,000円相当 50,000株以上 100,000株未満 40,000円相当 100,000株以上 50,000円相当 そして、例によって、大風呂敷も大概にといった感じの中期経営計画。 その甲斐あってか、上場2日目には、何とライツ・オファリングの歴史に残る新株予約権が先行しての急騰。高値36円。 その後は、株価も持ち直し、新株予約権がディスカウントされた状況で、権利行使期間を迎えようとしている。4月18日終値は、株価191円、新株予約権34円と、新株予約権が32円ディスカウント(191-(34+125)=32)された状況。 ちなみに、私はといえば、先制攻撃に強い(手続きが素早い)○ドットコム証券に新株予約権を確保し、権利行使予定。2.インフォテリア インフォテリア(3853)の新株予約権(38539)は、先週末の4月18日が上場最終日。 インフォテリアの新株予約権は、1個につき200円の払い込みで1株取得できる権利。 こちらも途中では、新株予約権が先行し上昇する展開もあったが、最終日は何と2円引け。 ちなみに、私はといえば、最終盤で再参戦。終盤に強い(手続き期限が遅く、しかも権利行使手数料が無料)の○BI証券に新株予約権を確保し、権利行使予定。3.メガネスーパー 4月14日発表の権利行使率は、何と驚きの32.1%と、自身の持つこれまでの最低記録を大きく更新。 残りは、会社側が無償で引き取り、一蓮托生状態のAPファンドに譲渡予定とか。 間欠泉のように一瞬だけの上昇を繰り返すメガネスーパー。次の「イベント」は、4月23日の臨時株主総会か? C種優先株とやらを発行できるようにしてAPファンドの出資に備えるとのこと。 ちなみに、私はといえば、新株予約権を既に行使。最大の好材料と期待する債務超過解消ネタを待ちつつ、それまででも急騰局面では売り上がる体勢。4.セーラー万年筆 ライツ実施後低迷していたが、なぜか先週急騰。実に荒っぽい値動き。 今月中に、ライツによる増資のお金を活用しての中期経営計画を公表してくれると思うのだけど、どんな感じなのだろう? ちなみに、私はといえば、塩漬けでまいっていたので、ありがたや、ありがたや、ありがたや。大半売却したが、中期経営計画に期待し一部は残している。※ 投資は、損しても得しても自己責任で!
Apr 20, 2014
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引越しが無事終了し、インターネット環境が回復。ライツ・オファリング銘柄の最近の動きについてと思ったのだけど、何かとあわただしく、長文を書く気力がわかないのでメモ程度。1.たまには、新株予約権主導の値動き ライツ・オファリング銘柄の値動きを見ていると、3月後半以降、新株予約権が先行して動意付き株価が追随するというようなケースが見られるようになった。インフォテリアとか、小僧寿しとか(ただし、これらの銘柄、今は落ち着きを取り戻した状況)。 昨年は、新株予約権の価格が株価に対してディスカウントされた状況がほぼ常態化していたので、今年の新潮流ではないかと思う。 ライツ・オファリングが広く知られるようになってきた効果かも。2.メガネスーパー怒涛の追い込み 以前取り上げたメガネスーパー(3318)。 新株予約権は上場最終日の4月4日には1円売り気配で終わるし、株価は権利行使価格(60円で2株)から逆算した30円を下回る局面があるしで、どうしたものやらと憂鬱だったのだが、 どうやら、会社側は、権利行使期間終盤に焦点を絞っていた模様。 4月4日の引け後に3本。 ・3月は久々に単月黒字になったよ ・クオカードの優待新設するよ ・大株主の権利行使があったよ(たぬき的には、これ、特に重要です。) そして、昨日の引け後に ・新規出店、計画以上に進んでいるよ 株価が若干反応して、新株予約権を持ってる人は行使したほうが得に見える状況になったので、権利行使が促進されるだろう。 昨年のライツ時には、超絶の業績見通しを示して一時的に株価が跳ねたものの、権利行使期間まではもたず結果的に行使率が低かった、ということがあった。今回は、その時の教訓をうまく活かした模様。 当初の予定では、4月14日に、新株予約権行使の結果が公表される予定となっているので、 併せて、債務超過解消の見通しなど開示していただけることをひそかに期待。※ 投資は、損しても得しても自己責任で!
Apr 10, 2014
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週末に所有銘柄チェックをしていると、先週一番のビックサプライズは第一交通産業。放射線遮蔽コンテナを開発できたので、今後販売していくとのこと。話題性だけかと思いきや、新聞情報を見ると結構な事業規模。 ということなのだが、 本日はやはり、セーラー万年筆(7992)について書いておきたい。1.思惑はずれ セーラー万年筆は、ライツ・オファリングによる増資を実施中。その概要、以下のとおり。 で、新株予約権(79929)に、投資妙味があるのではないかということで買ってみた。 その時にupした日記 → セーラー万年筆の新株予約権 買ったときの考えとしては、 ・ばくちの札としての価値に期待し、新株予約権を購入した。 ・2月14日の決算発表に期待。 ということだったのだが、 14日に発表された決算のほうは、何のサプライズもなく、25年12月期は赤字。 26年12月期の業績予想は、1株益3.04円(希薄化考慮せず)。 株価のほうもバクチの札の片鱗もなく低迷しっぱなしで、新株予約権にいたっては1円売り気配まで。2.株価と新株予約権価格の推移 なんか、手も足も出なかったなーということで、株価と新株予約権価格の推移を少し詳しく見ていくと、 注:(3)の欄は、その時の価格で新株予約権を入手し権利行使価格(31円)を払い込んで新株を入手するとしたときの新株入手の総費用。 (4)の欄は、その時の株価と、(3)で計算した新株入手の費用の比較で、新株予約権のディスカウント状況を計算したもの。 2月25日を新株売却可能日としたのは、もっとも早い○ドットコム利用の場合。 新株予約権上場日以降、ほぼ一貫して下落傾向なのだが、実に特徴的なことが1点。 予約権を購入し権利を行使して新株を売却するまでには、最短で8営業日ぐらいかかる。そのような経路では、利益が出るタイミングがほとんどない。 にもかかわらず、株の売りが進んでいるのは、 既存株主または既存株主から株を借りた者が、株を売ると同時に新株予約権を購入しその後に権利行使して新株を入手、というような裁定取引を盛んに行ったと推測される。 3.でどうするか ・上述の裁定取引があったとして、新株予約権上場廃止とともに収束している。32円あたりを下値抵抗線に若干の自律反発の可能性も。 ・新株予約権の権利行使期限は3月14日。ライツ終盤に有利な○BI(手続き期限が遅いのと権利行使手数料無料)の場合、13日12時が手続き期限。 ・新株予約権購入費用はサンクコスト(権利行使をしようがしまいが戻ってこない費用)なので、今となっては購入費用は無視して、権利行使価格の31円だけを考慮。新株が32円以上で売れるようなら権利行使したほうが得だが。 ・私の場合、2円とか1円で新株予約権を追加購入したので、全部行使すると、セーラー万年筆がポートフォリオ最上位の一角になってしまう。それもなんだかなー、ということで方針定まらぬまま瞑想中(迷走中)。 ※ 投資は、損しても得しても自己責任で!
Mar 9, 2014
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前回、ライツオファリング実施銘柄の狙い目として、会社側から債務超過解消関連の開示がなされるとき というようなことを書いたのだけど、 そういう楽しみのある銘柄がある。 メガネスーパー(3318)。現在、債務超過で、4月末までが猶予期間。それまでに解消できなければ上場廃止という瀬戸際である。 で、その瀬戸際のタイミングで、ライツオファリングによる増資にチャレンジ中なのだ。1.昨年の大失敗 メガネスーパーは、昨年もライツオファリングを実施していて、業績の急回復とあわせて、債務超過を解消するというアマアマな絵を描いていたけど、あえなく失敗したという前科がある。 メガネスーパーが昨年のライツ・オファリング期間中に開示した、 アマアマな業績見通し。 開示は、平成25年4月期決算で、25年6月14日付け。 このとき、メガネスーパーの株価80円台。で、来期業績予想の1株利益がなんと、48.57円。 一瞬だけは好感され急騰したのだけど、赤字続きの会社がずうずうしいにもほどがあり、あっという間に化けの皮がはがれた様子が下の株価推移。 でもって、新株予約権の行使率が6割台にとどまるという、昨年のライツ案件で、ほぼ唯一の失敗例。 実際の業績も、その後大幅に下方修正され、赤字に沈んでいる。2.リベンジなるか で、今回は、DES(債務の株式化)とライツオファリングによる増資を組み合わせて、業績が下ぶれしても債務超過を解消できるという絵を描いている。 DESもライツの成功が前提ということにしてあるそうなので、債務超過解消はライツの成否にかかっている。3.今回のライツオファリング 2月12日にライツオファリングの実施等を発表。 概要、以下のとおり。 ※ 新株予約権1個につき、60円の払い込みで2株交付される。1株当たり30円で2株入手できる権利が今回の新株予約権。 ノンコミットメント型ライツ・オファリング及び第三者割当による新株式(DES)の募集及び主要株主である筆頭株主の異動並びに定款の一部変更に関するお知らせ 同Q&A で、現在(3月4日終値時点)、 メガネスーパー株式(3318)が33円 同新株予約権(33189)が4円 まさしく、市場での評価は崖っぷちのなのだ。4.方針など ・前回のこともあるので予断は許さないが、なんとかうまくいくのでは、と希望的観測。 ・株と、新株予約権の両方を買ってみた。新株予約権の方がディスカウントされているが、材料に対し株の方が敏感に反応して新株予約権はさほど追随しないような例もあるので。 ・債務超過を解消しても、結構な希薄化をともなうので、株価の上昇は限定的かも。 ・ライツの結果は4月14日に公表予定とのこと。※ 投資は、損しても得しても自己責任で!
Mar 5, 2014
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何度か取り上げたライツオファリングだが、最近では少しメジャーになりつつあって、儲けるのも次第に難しくなってきているように思う。 先日書いたセーラー万年筆も、決算が思いのほか普通で、新株予約権の権利行使をしてみたものの、あまりかんばしくない。 そうはいっても、あえて狙い目はということで、書いてみたい。0.ライツオファリングの流れ ライツ・オファリングとは、既存株主に新株予約権を無償で割り当て、株主側に新株予約権を行使するか市場で売却するかの選択肢を与える増資手法。他の一般投資家が、新株予約権を市場で購入して増資に応じることも可能。 流れとしては、 ・実施の公表 ・権利確定日の株主に新株予約権を無償割当て ・新株予約権の上場 ・新株予約権の権利行使期間開始 ・新株予約権の権利行使により取得した株式の売却開始 ・新株予約権の上場廃止 ・新株予約権の権利行使期間終了 ・結果の公表 といった感じ。 で、狙い目としては、1.トラトラトラ! 我奇襲に成功せり! 新株予約権の権利行使期間開始に間に合うタイミングで新株予約権を買付け、開始と同時に権利行使し、取得した株式を即売却。 新株予約権のことなど気づいてない連中に、新株の売りをお見舞いするのだ。 証券会社によって所要日数が違うので要注意。Kドットコムが、私の知る中ではもっとも短い(Sより2日早い)。 去年は7割程度の確率で儲かったけど、今年はどうか。2.戦場に翻る錦の御旗! 会社側から色々な材料が投下されることがある。会社も権利行使して欲しくて必死なのである。 うさんくさいもの から、本物の好材料まで様々。 本物の好材料としては、債務超過解消ネタが鉄板。昨年は、レカムやT&Cホールディングスの爆騰があった。 T&Cホールディングスが、権利行使期間最終盤に債務超過解消の見通しを発表(昨年11月5日)した際の株価の値動きを参考まで。なお、2日後に100分割を発表、株価上昇が加速した。 ※その後100分割しているので、当時の株価は上記の100倍。 ※ 投資は、損しても得しても自己責任で!
Mar 3, 2014
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今回は、低位株ランキングの堂々11位、株価38円の 7992 セーラー万年筆 について。 どうにも赤字が止まらない同社は、ただ今、起死回生のライツ・オファリングによる増資を実施中。 ライツ・オファリングとは、既存株主に新株予約権を無償で割り当て、株主側に新株予約権を行使するか市場で売却するかの選択肢を与える増資手法。他の一般投資家が、新株予約権を市場で購入して増資に応じることも可能。 現在、7992 セーラー万年筆 と 79929 セーラー万年筆新株予約権 が並行して上場されている。 で、先行例と同様、新株予約権に妙味が生じているように思う。1.不振極まる業績 セーラー万年筆は、祖業の文具事業に加えて、近年はロボット機器事業に力を入れている。しかし、両事業とも不振であり、業績は低迷している。 25年12月期は黒字の業績見通しを公表しているが、第3四半期段階では昨年以上に業績不振であり、黒字化は単なる願望と言わざるをえない。 近年は、対処療法的な増資を繰り返し、債務超過への転落をなんとか免れているという、苦しい状況。 バリュー投資的には、ほぼ無価値に近い。現在の株価のほぼ全てが、バクチの札としての価値と思われる。 繰り返しになるが、「バクチの札の価値」についての与太話は次を参照。 (その1) (その2) (その3) (その4)2.起死回生のライツ・オファリング そんな会社が、昨年12月27日、ライツ・オファリングの実施を発表。 ライツ・オファリングにより既存株主に新株予約権を割り当て、20億円強の増資を目指している。概要、以下のとおり。 こういう、引受者側のデューデリジェンスを到底クリアできそうにない企業の増資は、少し前であればMSCB(下方修正条項付転換社債)が常套手段であった。 MSCBは、むちゃくちゃな希薄化をもたらし、既存株主に破壊的な打撃を与え、株主構成も大きく崩れるという、大きな副作用があった。 一方、最近でてきたライツ・オファリングは、既存株主の権利が守られ、株主構成にも大きな変化は生じない手法である。 セーラー万年筆も上場しているという利点を最大限に活かし、ライツ・オファリングによる増資を目指している。 順調に増資が実行できれば、10億円以上をロボット機器関係のM&Aに費やし、事業構造の抜本改革を図ろうとの意気込み。 3.株と新株予約権の価格形成がおかしい 2月12日の終値で 株が38円 新株予約権が6円 新株予約権は、権利行使価格(今回は31円)にて、新株を取得する権利。 コールオプションや、昔のワラントと同様の商品性を持っている。 従って、 新株予約権の価格 = (株価 - 権利行使価格) + プレミアム となる。 今後、仮に株価が上がれば、上がった価格だけ新株予約権の価値が高まるのに対し、仮に株価が大きく下がっても、新株予約権の価値は最悪でも0になるだけ というのが背景。 論理的には、ボラティリティの大きい銘柄ほど、プレミアムは大きいはず。なので、「バクチの札」のセーラー万年筆の場合は、プレミアムが結構大きくても良い。 なので株の38円を適正とすれば、権利行使価格が31円なので、新株予約権は7円にプレミアムが付いてなければならない。 または、新株予約権の6円を適正とすれば、株は37円からディスカウントされた株価でなくてはならない。 現在の株価か、または新株予約権の価格のどちらかが間違っているのだ。 で、常識的には株価がまだまだ高すぎるのだろう、だって本源的な価値がないじゃん。 ってなるのだろうけど、 私は、あえて新株予約権の価格の方が間違っている(安すぎる)に、1票を投じてみた。バクチの札としての価値を加味すれば、株の38円もそんなに高くはないと考えるし、 なにより、2月14日には25年12月期決算発表が控えている。会社の命運をかけた今後の見通しを示してくれるはずとひそかに期待。 4.まとめ ・ばくちの札としての価値に期待し、新株予約権を購入した。 ・2月14日の決算発表に期待。 ・無価値になる可能性もあるので、投入資金は控え目。※ 投資は、損しても得しても自己責任で!
Feb 12, 2014
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9478 SEホールディングス・アンド・インキュベーションズ について。 名前が長すぎて、なにをやっている会社なのか想像もつかない。 調べてみても、なにやらIT方面の展開を図っているようなのだが、どういう風な強みがあって、どう儲かるのか、私にはさっぱり分からない。早々に、分かる努力を放棄した。 でも、買ってみた。きっとステキなことがありそうな気がして。1.不思議なプレスリリース平成26年3月期第3四半期決算短信の発表日について当社は、第3四半期の決算短信を例年2月初旬に開示しておりますが、平成26年3月期第3四半期決算短信につきましては、数日繰り上げ、1月29日(水)に開示を予定しておりますので、お知らせします。 開示遅延ならともかく、こんなプレスリリース見たこと無い。2.開示のタイミングを合わせてきた 何に? ライツ・オファリングのスケジュールに。 新株予約権94789の上場最終日が1月30日(木)。 新株予約権の行使期限が2月6日(木)。 で、上場最終日の前日、1月29日(水)(時事通信によると15時だそうだ)に第3四半期の決算短信を開示。 ちなみに、ライツ・オファリングとは、既存株主に新株予約権を無償で割り当て、株主側に新株予約権を行使するか市場で売却するかの選択肢を与える増資手法。一般投資家が、新株予約権を市場で購入して増資に応じることも可能。 今回の場合、新株予約権2口+116円で新株が1株入手できる。 詳しくは、 ライツ・オファリング(ノンコミットメント型/上場型新株予約権の無償割当て)に関するご説明(Q&A)3.利益は見解、業績予想は願望 こんなタイミングに、わざわざ事前に予告してまで見てもらいたい決算なんですね。 前例として、メガネスーパーがライツ・オファリング期間中に開示した、 ステキな決算。※ なにがステキなのか解説を追記(1月28日) 開示は、平成25年4月期決算で、25年6月14日付け。 このとき、メガネスーパーの株価80円台。で、来期業績予想の1株利益がなんと、48.57円。 株価の反応。※ 投資は、損しても得しても自己責任で!
Jan 26, 2014
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