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ㅤ12月25日は12月期の権利最終日です。信用買いをしている場合、名義書換料に要注意です。特に、盲点になりやすいのが四半期決算の期日。1.信用取引の名義書換料とは 信用取引の名義書換料とは、信用取引で権利日をまたぐごとに発生する費用です。証券会社によっては権利処理手数料などと呼ばれることもあります。(関連の日記)○信用取引で権利日をまたぐコスト 2.どのような時に取られるのか これは、証券会社によって異なるかもしれませんが、 主要ネット証券を見ると、だいたい以下の場合に名義書換料が発生するようです。 ・すべての銘柄の本決算の基準日 ・定款で中間配当をすることができる旨を定めている銘柄の中間決算の基準日 ・定款で四半期配当をすることができる旨を定めている銘柄の四半期決算の基準日 ・株式分割等の権利の割当の基準日 ・臨時株主総会召集のため設定される各基準日 この中で盲点になりやすいのが、四半期決算の基準日ではないかと思います。3.いくら取られるのか これも、証券会社ごとに定めるようですが、 一般的には、 1売買単位あたり54円(税込)です(ETFでは10分の1になる証券会社が多いようです)。 売買単位の小さな銘柄では馬鹿になりません。 例えば、同じ300万円分の買残高がある場合でも、 株価3000円(売買単位30万円)の株を1000株(計300万円分)建てているとすると、 名義書き換え料は540円(54円×10単位)ですが、 株価300円(売買単位3万円)の株を1万株(計300万円分)建てているとすると、 名義書き換え料は5400円(54円×100単位)、 株価30円(売買単位3000円)の株を10万株(計300万円分)建てているとすると、 名義書き換え料は54000円(54円×1000単位) となります。 売買単位が小さい場合では、買建金額の1%以上になる可能性があります。とにかく、ボーとしていられないもの、それが名義書換料です。 ※なお、証券会社によって、細かなルールが異なるようですので、それぞれチェックしておく必要があります。 私もボーっと過ごしていて、結構多くの金額を聴取されてビックリ、ガックリということが何度かありました。4.感想 実際に配当が出たり株式分割が行われたりする権利日はともかく、名目だけの四半期決算なんて証券会社に何の費用も発生しないと思うのですが、 顧客に気付かれにくいところで費用を徴収していくのがテクニックなんでしょうかね。 一方で、証券会社側に経費が発生しているはずなのに手数料を無料にしているサービスもありますから、一方的に批判するのもあたらないかもしれず、自分で気をつけるしかないんだと思います。 ちなみに、大和証券のように名義書換料を取らない証券会社もあります。※同様の分野のランキング。優良ブログが見つかるかもにほんブログ村にほんブログ村
Dec 24, 2018
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ㅤ今回は、以前からアイディアとしては持っているのだけど実行したことはない小銭稼ぎの方法について。 それは、”配当落調整金”で儲ける、というものです。 もう少し具体的に書くと、配当権利日に”現物買い × 制度信用売り”のクロス取引を行い、現物でいただく配当金と、制度信用売りで支払う配当落調整金の差額を稼ごうという方法です。1.配当落調整金とは 配当権利日に現物株を持っていると、その会社から配当をいただけます。 信用取引の場合には会社からは配当金が出ませんので、その代わりに信用取引の買い手と売り手の間で、配当金に相当する金額をやりとりします。それが配当落調整金と呼ばれるものです。 この配当落調整金が、配当金と同額であれば何も問題はないのですが、 実際には、配当金から配当課税の国税分(15.315%)を差し引いた84.685%の金額が配当落調整金としてやりとりされます(ただし、一般信用売の場合に支払う配当落調整金だけは配当の100%)。 なぜ、国税分を差し引くのか、また地方税の5%は考慮されないのか、まったく理解できないのですが、ともかく、そういうことです。2.配当落調整金で儲ける? ここで、配当権利日に”現物買い × 制度信用売り”のクロス取引を行ったらどうなるでしょうか。 現物でいただく配当金は、とうぜん配当金の100%の金額です(税金のことは後で書きます)。 制度信用売りで支払う配当落調整金は配当金の84.685%。 配当金への課税は、株式の譲渡損失と損益通算ができます。 この取引の譲渡損失は、”現物買い × 制度信用売り”のクロス取引を手仕舞った時点で配当落調整金と手数料の分だけ発生しますので、 配当金と損益通算すると、この取引全体の利益は、 配当金(100%)- 配当落調整金(配当金の84.685%)ー 費用(手数料・信用金利) = 配当金×15.315% ー 費用(手数料・信用金利) この取引で、配当金と配当落調整金の差額(配当の15.315%)から取引きの費用を差し引いた分の利益を得られます。 で、この金額に譲渡益税(利益の20.315%)が掛かります(他の取引で損失が有れば、それとも通算できます)。 配当に対しては、一時的に20.315%の税金が引かれますが、取られ過ぎの分は確定申告で、または特定口座(課税あり)なら自動的に戻ってきます。 分かりにくいので、具体的な事例で書くと 例えば、100,000円分の配当の得られる株で、”現物買い × 制度信用売り”のクロス取引を行ったとすると、 配当金は、100,000円。 配当落調整金は、84,685円。 差額の15,315円から手数料など費用を差し引いた金額が利益となり、 損益通算で、(15,315円ー費用)× 20.315% の金額の譲渡税がかかります(他の取引で損失が有れば、かからない場合もあります)。 取引金額に対しては大きくはないですが、小銭稼ぎになるかもしれません。3.儲からない? ただし、制度信用には逆日歩が付くことがあります。 制度信用の売り手が買い手に支払う金利です。 例えば、優待クロスで、”〇万円のソーメン”とか”○千円のラーメン”だとか揶揄される原因になるのがこの逆日歩。 つくと思うとつかず、つかないと思えばつくのが逆日歩。 最近では、7月17日が配当権利日だった内田洋行に強烈な逆日歩が付きました。 内田洋行は3500円ぐらいの株価に対して、年1回75円の配当です。株主優待はありませんので、権利日の信用売り急増は、配当金を狙っての動きと思われます。 なんと、86.7円(1日当たり28.9円の3日分)の逆日歩です。 ”配当落調整金で儲ける”という世界は、かなりレッドオーシャンで危険かなと思いましたね。 ”配当落調整金で儲ける”というアイディアは、しばらくお蔵入りさせておこうかな、と思います。 ※投資は、損しても得しても自己責任で!※同様の分野のランキング。優良ブログが見つかるかもにほんブログ村にほんブログ村
Jul 20, 2018
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ㅤ今回は、私が利用している証券会社の、”ココがすごい!”と思うサービスを順に紹介していくシリーズ。 ようやく決まった東海東京証券の株式売買手数料無料&信用金利0.9%の継続について。(関連の日記)〇楽天証券で手数料無料ー証券会社の使えるサービス(その4)〇取引手数料無料の世界ー証券会社の使えるサービス(その3) ○信用金利0.9%時代ー証券会社の使えるサービス(その2)〇松井証券のココがすごい!-証券会社の使えるサービス(その1)0.2018年3月までのキャンペーン 東海東京証券オンライントレードの太っ腹なキャンペーンの経緯について振り返って見ると、 2017年3月まで:信用取引口座開設者を対象に、 現物・信用取引手数料無料 なお、信用金利は0.9% 2018年3月まで:平均信用残高500万円以上または信用口座開設2か月以内の方を対象に、 現物・信用取引手数料無料 信用金利1.35%のところ0.9%に優遇1.2018年4月以降のキャンペーン 期限が迫って来るも継続の案内が無かったため、3月で太っ腹なキャンペーンも終了かと覚悟して、東海東京証券からの資産引き揚げ作業を進めていたところ、 3月19日になって2018年以降のキャンペーン内容についてメールでの連絡がありました。 2018年3月末までのキャンペーン内容を4月まで延長するとともに、 2018年5月以降については、 2018年9月まで:平均信用残高5000万円以上の方を対象に、 現物・信用取引手数料無料 信用金利1.35%のところ0.9%に優遇 条件はさらに厳しくなりましたが、株式売買手数料無料&信用金利0.9%の継続が決まりほっと一安心。 2.手数料体系の大幅見直し(引き下げ)も決定 昨年は2月中旬にキャンペーンの延長が公表されたのに、今回は無し。 問い合わせてみても、延長は無いかもしれないとのことで、 3月で終了するものとばかり思ってました。 そうなると、インターネット証券としては東海東京証券の本来の手数料は馬鹿高なので、利用を大きな金額の信用取引に限定するしかないんですよね。 しかも、移管手数料が有料なので、東海東京証券から持ち株を引き揚げるとすれば、手数料無料キャンペーン中に クロス取引(東海東京証券での売り×他証券会社での買い) →売却代金の東海東京証券からの出金 →他証券会社への入金 という形でコツコツやるしかない。 もともとの手数料体系は現物であれば以下のとおり。信用は599円(税込)。 今回の連絡では、手数料体系も5月から以下のように改定されるとのこと。 キャンペーンの適用が無くても、信用金利1.35%でこの手数料であればメリットが有る感じだと思います。3.感想など 東海東京証券にとっても、このあまりに太っ腹なキャンペーンは重荷なんでしょうね。 だから、継続をギリギリのタイミングまで迷ったんだろうな。 だけど、東海東京証券の強みは、このキャンペーン以外にはあまり無いような感じなので、キャンペーンが終了すれば顧客は減少するだろうし 会社としてもキャンペーンを止めたときに顧客をつなぎとめておくだけの自信が持てなかったんだろうと想像します。 なので、今回は条件を厳しくしてのキャンペーン継続と、手数料体系の見直し(大幅引き下げ)。 まあ、こんなところが収まりどころなんだろうなと思います。 だけど、それさぁ、早く言ってよぉ~! 3月は、相場の波乱、最大の優待祭りで忙しいのに、東海東京証券からの資産引き揚げ活動で時間を浪費してしまったじゃないですか。。。※同様の分野のランキング。優良ブログが見つかるかも。にほんブログ村にほんブログ村
Mar 21, 2018
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ㅤBABYMETALのロサンゼルス公演、大盛況だった模様。SU-METALさん率いるBABYMETALの進化は止まらない。華奢な日本の未だ10代の少女が、大男たちを熱狂させ暴れまわらせ泣かせている。 昨日までの非常識が常識になり、常識が非常識になる世界。 さて、日本の株式投資の世界でも常識と非常識が入れ替わる時が近づいていると思うので、今回はそのあたりのことを。1.逆日歩銘柄が実に多い 制度信用取引で売残が買残を上回ると、売り方が買い方に支払う”逆日歩”が発生することがある。 最近の日本の株式市場では、逆日歩銘柄が実に多く、先日数えてみると約800銘柄ほどある。通常の売方金利に加えて逆日歩を負担してまでも信用売りをする人たちが多いということ。 もう、株価が順調に上昇していくのが非常識で、いずれ下落するのが常識といった感じ。 だけど、これってデフレ・株安時代の常識なだけで、以前は全く反対だった。 2.逆日歩銘柄がほとんどなかった時代 逆日歩はなぜ”逆日歩”というのか。 日歩とは日々発生する金利のことなのだけど、 私がはじめて株式取引に興味を持った頃、信用取引の売り方は売方金利を負担する必要もなく、それどころか買い方から”日歩”を受け取ることができた。 その頃は、株価は上昇していくのが常識で、信用売りをするような奇特な人は金利を受け取っていたのだ。(ちなみに、指数先物も今と違って限月が先のものほど高くなっていた) 通常は買い方が負担し売り方が受け取る”日歩”なのだけど、売残が買残を上回ってくると立場が逆転して売り方が買い方に日歩を支払うことになる。通常とは逆だから”逆日歩”。 当時、逆日歩がつくような銘柄は、仕手介入で株価がかち上げられているようなものだけで、普通の銘柄に逆日歩がつくようなことはほぼ無かったように記憶している。3.買いは家まで売りは命まで ”買いは家まで売りは命まで”。安易な信用売りをいさめた相場格言。 少し考えてみれば、 株価下落のリスクは最悪でも株価0円までなので、信用買いの場合の損失は最大でも建玉金額まで。 一方で、株価上昇のリスクは青天井。超絶好材料がでたり突然の仕手介入などでストップ高が続けば、あっという間に建玉金額の何倍もの損失が発生してしまう(寄らずのストップ高が続けば強制決済もできない)。 ちょっと割高な感じがする程度で、安易な信用売りなどするものではないのだ。 デフレ・株安時代から脱デフレ・株高時代への転換期をむかえようとしているような気がしてならない。 そもそも、大半の上場企業は利益を上げているのだから、長期的には株価が上昇していくのが当然ではないかと思う。 再び常識は転換し、”買いは家まで売りは命まで”という格言が身に沁みる時代となることだろう。※投資は、損しても得しても自己責任で!※ランキングサイトに登録してみました。にほんブログ村にほんブログ村
Jun 18, 2017
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ㅤ今回は、私が利用している証券会社の、”ココがすごい!”と思うサービスを順に紹介していくシリーズ。 今回は楽天証券で株式売買手数料を無料にする方法について。(関連の日記)〇取引手数料無料の世界ー証券会社の使えるサービス(その3) ○信用金利0.9%時代ー証券会社の使えるサービス(その2)〇松井証券のココがすごい!-証券会社の使えるサービス(その1)0.株式取引手数料無料時代の到来か ネット証券のサービス競争が激化してきているのだろうか。 前回も、東海東京証券の期間限定キャンペーンで、株式取引手数料が無料になるというのを取り上げたのだけど、〇取引手数料無料の世界ー証券会社の使えるサービス(その3) なんと、大手の楽天証券でも、若干の手順を踏めば、取引手数料無料で株式の売買ができる。 ネット証券界隈では、もはや株式売買手数料で儲けるというビジネスモデルは成り立たない状況まで競争激化か。いよいよ株式取引手数料無料時代の到来かも。1.いちにち信用で現引き・現渡し 楽天証券では、当日決済の日計り売買を前提とした”いちにち信用”の手数料が無料となっている(なお、空売りの場合には一部の銘柄で特別空売り料が必要)。 ちなみに、300万円以上の取引の場合は金利も0%(7月末までは100万円以上)。(参考)〇デイトレードにおすすめ!「いちにち信用」&「特別空売り」(楽天証券)〇いちにち信用取引 売買代金100万円以上 金利・貸株料0%キャンペーン(楽天証券) 楽天証券の”いちにち信用”で秀逸なのは、現引き・現渡し手数料も無料なこと。 ”いちにち信用”と現引き・現渡しを組み合わせることで、現物株の売買を実質的に手数料無料で行うことができる。 その手順とは、 現物株買いならば、「信用買い+現引き」の組み合わせ。 現物株売りならば、「信用売り+現渡し」の組み合わせ。(関連の日記)〇信用取引で売買手数料を節約 なお、”いちにち信用”利用時の注意点としては、その日のうちに決済しないと、翌営業日に強制決済となり、その際にはオペレーター取次手数料(30万以下3,510円、30万円超3,726円)がかかること。 2.超割コースの大口優遇でも信用手数料無料 それから、楽天証券には信用取引手数料を無料に出来るもう1つの道がある。 それは、超割コースの大口優遇。 ”いちにち信用”と違い、制度信用や無期限一般信用の手数料も無料。信用金利はかかるものの、その日のうちに決済しなくてもよいので当日に決済を忘れるリスクがある指値注文などでは便利。(参考)〇超割コース 大口優遇とは何ですか?(楽天証券) 大口の判定基準は下のとおり。 ちなみに、私は”貸株平均残高5,000万円以上”という項目を使っています。(参考)〇貸株サービスが熱い(その5) 3.感想 楽天証券は、ガツガツしたところが無く、おおらかな社風なんだろうと思うことが多い。 例えば、株式の出庫手続きもネット上での手続きだけで3日程度で完了する。 他の証券会社が、やたらと項目が多い申し込み用紙への記入を求め、期間も2週間程度かかるのと対照的。 そうなると、逆に、どこの証券会社に置いておいても良いような株式については、いつでも簡単に出庫できる楽天証券に集めておくのが有利となる。 そういったことで、最近は楽天証券をメインの証券会社にしている(その他では、貸株金利を比較してカブドットコム証券やマネックス証券、信用ポジション用には金利0.9%の東海東京証券、指数先物は現物株を担保にできるカブドットコム証券 など)。 それから、私が尊敬する山崎元さんを客員研究員に迎え、証券会社としては不利になるようなことも含め自由な活動を許容しているのも高ポイントかな。(関連のリンク)〇山崎元「ホンネの投資教室」※同様の分野のランキング。優良ブログが見つかるかも。にほんブログ村にほんブログ村
Jun 10, 2017
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今回は、私が利用している証券会社の、”ココがすごい!”と思うサービスを順に紹介していくシリーズ。何と前回から、ほぼ1年ぶりの第3回。(関連の日記)○信用金利0.9%時代ー証券会社の使えるサービス(その2)〇松井証券のココがすごい!-証券会社の使えるサービス(その1) 今回は、東海東京証券の取引手数料無料キャンペーンについて。1.2017年3月までの東海東京証券のキャンペーン 前回の日記:信用金利0.9%時代ー証券会社の使えるサービス(その2)でも取り上げたのだけど、 東海東京証券が、2017年3月までの期間限定で、インターネットの信用取引口座開設者を対象に、 ・現物取引&信用取引手数料無料キャンペーン という超太っ腹なキャンペーンを実施中。 また、信用買方金利が0.9%と破格の低金利を提供中。 破格の信用買方金利と上記のキャンペーンを目当てに、東海東京証券を信用取引のほぼ全てを集約するメインの証券会社にしていたのだけど、 手数料無料・信用金利0.9%の世界はとても快適。 いったん、手数料無料に馴染むと、数百円の取引手数料(かつては対面取引の時代と比べて感激するほどの激安に感じたのに)ですらもったいなく思えてくるから不思議。2.2017年4月から2017年9月までの東海東京証券のキャンペーン 3月末でキャンペーンも終了するし、どうしようかと思案していたところ、 少し条件は厳しくなるものの9月まで手数料無料キャンペーンを行うとのこと。 今度の条件は、 ・平均信用残高500万円以上 または ・信用口座開設2か月以内(参考) ○ダイレクト信用取引のお客様限定 現物取引&信用取引 国内株式委託手数料優遇キャンペーン(東海東京証券) なお、信用買方金利も4月から0.9%→1.35%に引き上げるとのことだけど、 これについても、0.9%の金利優遇キャンペーンを行うとのこと。 条件は、 ・平均信用残高1000万円以上 または ・信用口座開設2か月以内(参考) ○ダイレクト信用取引のお客様限定 信用取引金利優遇キャンペーン ということで、あと半年間は取引手数料無料、買方金利0.9%の世界を堪能できることに。3.感想など もし、世の中が効率的市場仮説が想定しているような世界であれば、信用取引を行う個人投資家において東海東京証券が圧倒的なシェアを持つことだろう。 だけど、そんなことには少しもなっていない。それどころか、東海東京証券がシェアを増やしたというようなことすら聞かれない。 そんな中で、株式市場だけにが効率的なんてことはあり得ないだろうなー。※同様の分野のランキング。優良ブログが見つかるかも。にほんブログ村にほんブログ村
Mar 5, 2017
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私が利用している証券会社の、”ココがすごい!”と思うサービスを順に紹介していく企画の第2回。(前回の日記)〇松井証券のココがすごい!-証券会社の使えるサービス(その1) 今回は、信用金利に着目してみた。 1.むさし証券トレジャーネット:信用金利1.35% 日証金が、3月9日約定分から貸借取引金利を0.04%引き下げて0.6%とするのに合わせ、 最低水準の信用金利を提示している証券会社群の買方制度信用金利が、1.39%から1.35%に引き下げられている。 私が信用取引に愛用している”むさし証券トレジャーネット”でも、制度信用の金利が1.35%となった。 他にも、みずほ証券なども1.35%の金利となっている(取引手数料が比較的高めの設定なのが残念)。(関連の日記)〇信用取引金利1.39%に2.東海東京証券:信用金利0.9% 今回は、上記の内容で終わるつもりだったのだけど、ここにきて衝撃の展開が。 信用金利最低水準の証券会社群より更にわずかに低い金利の設定を2014年頃からしている東海東京証券が、 なんと今回のタイミングで、衝撃の0.9%の制度信用金利を設定。 あわせて、オンラインの信用取引利用者を対象に、2017年3月までの現物・信用取引手数料が無料という太っ腹のキャンペーンを展開中。 ネット証券の秩序を揺るがす攻勢をかけてきている。 ということで、私も口座開設の手続きを行ったところ。3.感想など 見過ごされがちなのだけど、信用取引を行うえでの最大のコストは信用金利。 例えば、平均して1000万円分を買い建てているとすると、 信用金利が1%違えば年間で10万円の差、2%違えば年間で20万円の差となる。 平均して5000万円分を買い建てているとすると、 信用金利が1%違えば年間で50万円の差、2%違えば年間で100万円の差となる。 信用取引用の証券会社を選ぶなら、信用金利が低い会社が有力な候補となるだろう。 それから、”信用取引=危険な短期の投機”というイメージがまだまだ根強いのだと思うのだけど、 PER10倍前後、PBR1倍以下、自己資本比率50%以上、おまけに配当利回りが3%程度以上で優待付きなんていう銘柄がごろごろしている状況で、ついに制度信用金利が1%割れ。 中長期的な視点で投資の期待値を高めるための手段としても、制度信用取引はますます有用となってきているような気がしてならない(言うまでもなく、低レバレッジでリスクをコントロールすることが前提だけど)。※ランキングサイトに登録してみました。にほんブログ村にほんブログ村
Mar 21, 2016
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週末に銘柄チェックをしていると、バリュー投資的感覚から割安感のある銘柄が随分増えて来たように感じる。 私の昔からの感覚では、業績横ばいの会社であれば、PER20倍、PBR2倍、総資本純利益率5%、自己資本比率50%、年商=総資本=時価総額 ぐらいが目安(これでも昔はずいぶん手堅い判断という感じだったのだけど)で、 PER10倍前後、PBR1倍以下、自己資本比率50%以上、おまけに配当利回りが3%程度以上で優待付き なんてのは私のバリュー投資的感覚ではかなりお買い得。 そんなお買い得に思える銘柄が増えて来たように思う。 ここから先、さらに市場の雰囲気が悪化して、追証がらみの投げやロスカットなどで大きく下げる局面があれば、買ってみたい銘柄だらけ。 なので、現在の株価より3~10%程度下の価格に、信用買いの注文をたくさん並べてみた。 また、余裕を持って信用買いを進めることができるようにするために、メインで使っている証券会社から、信用買い用に使っている信用金利の安い証券会社に、株券の移管手続を行った。 信用買いを増やしていくにしろ、金利の節約は重要事項。 金利の安い証券会社を使うことで、例えば、建玉1000万円とすると年間約15万円程度は節約できる。(関連の日記)〇信用取引金利1.39%に もっとも、一気に景気が悪化して、業績予想は絵に書いた餅というような事態を織り込んできているのかもしれず、もしそうなら、後から振り返ると、このタイミングで買い注文を入れるなど愚か者のすることになるのだけど。
Sep 6, 2015
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相場の乱高下でアドレナリン出まくりの今日この頃。血圧を測るといつもより高めの数字なのはそのせいか。 てなことはさておきお、昨日は8月権利の最終日。ふと、〇ドットコム証券をチェックすると、吉野家他の8月優待銘柄の一般信用売建枠が回復しているではないか!(きっと相場乱高下のおかげかも) これらの銘柄、 いわゆる優待クロスで、”現物買い×一般信用売り” をすると逆日歩の心配なく優待タダ取りが出来るし、 ”制度信用買い×一般信用売り” のクロスで逆日歩を狙えたりするなー。 とか思いついたのだけど、 なにせ、こちらは、乱高下する相場に備えてのエマージェンシーモード。そんな小銭を拾いに行く余力が無い。 ということで、小銭が落ちているのを見つけたのだけど、指をくわえて見送ったのであった。 ”効率的市場仮説”では、”道端に本物のお金が落ちているはずが無い。本物のお金なら、既に誰かに拾われているはずだ”というようなことが言われるのだけど、 実際に小銭が落ちていて、しかもそれを拾えない時もあるものだなー。
Aug 27, 2015
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信用取引には、証券取引所の規則による”制度信用取引”と、各証券会社が独自に設定する”一般信用取引”とがある。 で、信用買いには、制度信用を使うほうが断然お得だろう と思うので、今回はそのあたりのことを。1.制度信用取引と一般信用取引の特性【制度信用取引】 制度信用取引は、証券取引所の規則に基づいていて、主な特性として以下の点など。 〇対象銘柄は取引所が選定 信用買いができる制度信用銘柄は、監理ポスト・整理ポストなどの銘柄や上場直後の銘柄を除いてほぼ全ての銘柄が網羅されている。信用売りができる貸借銘柄は若干限定的。 〇決済期限は6ヶ月 〇信用買いより信用売りの多い銘柄には逆日歩(売りを建てている人が払い、買いを建てている人が貰う)が付くことがある。【一般信用取引】 一方の一般信用取引は証券会社ごとの独自の設定がなされている。以前はあまり使われてなかったように思うのだけど、10年ちょっと前に松井証券が”無期限信用取引”と称して決済期限の無いサービスを開始して以降かなり広がってきている。 証券会社ごとに仕組みは違うのだけど、以下のような特性を有する場合が多い。 〇制度信用より対象銘柄が広い 〇決済期限は無期限 〇逆日歩は付かない 〇制度信用より金利が高い2.信用買いなら制度信用が断然お得 信用売りについては、一般信用には、対象銘柄が広いとか、逆日歩が付かないとかのメリットがある。金利が高いことには注意しないといけないけれども、優待クロスなど一般信用を活用したい局面もある。 だけど、信用買いに関しては、ほぼ制度信用の一択だろうと思う。 一般信用は、決済期限が無期限というのが一見メリットのように思えるけれども、制度信用でも6ヶ月ごとにクロス取引(信用決済×新規買い建て)で乗り換える方法がある。 一般信用のほうが金利が0.6~1%程度高いので、”制度信用+6ヶ月ごとのクロス”のほうが断然得なことが多い。 例えば、1%の金利差で100万円分の信用買いなら半年で金利の差が5千円、1000万円分の信用買いなら金利の差は5万円。クロス取引の手数料の方が安い。 そもそも6ヶ月以内に決済したくなるかもしれない。そんな時は一般信用だと金利の差の分が丸々損になる。 それから、需給バランスで時には逆日歩が付くかもしれない。制度信用なら逆日歩を頂戴できてウマウマなのだけど、一般信用なら頂戴することが出来ない。この面でも一般信用は不利。 一般信用は対象銘柄が広いことがメリットだけど、買いに関しては制度信用もほぼ全ての銘柄を対象としている。仮に上場直後の銘柄など制度信用対象外のものを信用買いしたい時には、代替手段として”現物で持っている信用対象銘柄を信用買いに振替え(現物売り×新規買い建てのクロス)、捻出した現金で信用非対象銘柄を現物買い”という方法もある。 なので、買いについては、制度信用でほぼ対応できるし、コストの比較では制度信用が断然お得。3.感想など 信用取引の最大のコストは金利。 逆に証券会社の立場からは金利が最大の収入源(なので、HPなどでも目立たないようになっているのだろう)。 無期限信用は、一見便利な様で証券会社の収益拡大のための大発明。 銘柄選びは当たるも八卦的なものだけど、金利の節約などコストのコントロールは確実にできること。できることから、コツコツと。
May 15, 2015
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週末の所有銘柄のチェックをしていて、”先週は少し売ったはずなのに、買い付け余力が思ったほど増えていないなー”と不思議に思ってよく見てみると、 なんと、節税クロスをしたはずの銘柄の、買いの方の数量が1桁違っていて、べらぼうな保有数量になってしまっている(みきまるさんの超主力銘柄だからまあいっか)。 そうでなくても、先週は、ライツオファリング実施中の石山Gatewayについて、権利行使初日に手続きしたはずが、余力不足と判断されて出遅れ、結構損をしたばかり(〇ドットコムさん、手続きした時点で必要な現金を拘束してくれると有り難いのだけど。知らない間に現金を信用保証金に振り替えるのは勘弁して)。 そんなこんなで、不注意によるチョンボ続出で損しまくり、少々節税をしても、ちっとも追い付かない。 それはさておき、 本日は、昨日に引き続き、クロス取引はどこまでセーフなのかについて。 まずは、読まれる上での注意事項。 今回は、グレーゾーンの話なので、自己責任で判断をお願いします(他の記事でも同じだけど、今回は特に強調しておきたいです)。1.昨日のおさらい 昨日の記事:クロス取引はどこまでセーフなのか(その1)のまとめ。 〇法令で禁止されているのは、クロス取引そのものではなく、 株価を変動させたり、実際以上に取引が活発だと他人に誤解を与えることを目的としたクロス取引。 〇ただし、投資家側の主観的な目的がどうであれ(他人を誤解させることが目的ではないと主張したとしても)、 市場占有率、反復性などから、客観的に見て、他者が対象銘柄の出来高が増加したと誤解しかねない状況であれば、アウト。 〇優待取りのためのクロス取引、信用取引の期日到来に伴う乗換が目的の寄付きでのクロス取引は、証券会社のWebでの記載から見て、セーフなのだと思う。 〇54営業日の間に、29営業日36回にわたりクロス取引、このうち現物クロス取引が20回。出来高に占める割合(市場占有率)が、29営業日平均で16.88%、中には50%や60%を超える日もあった。というケースでは課徴金が課せられておりアウト。2.境界線はあいまい 法令に基づいて証券取引等監視委員会がチェックしているのに加え、各証券会社が各社の社内ルールにより取引規制・注意喚起を行っている。 証券取引等監視委員会のほうでは、課徴金事例集というのを作成している。 事例集で、アウトだった例は分かるけど、じゃあ、どこまでセーフなのかは不明なまま(取引の状況に関し他人に誤解を生じさせる、誤解を生じさせないの境界線はいったいどの辺?)。 証券会社の社内ルールも各社まちまちな感じ。 なお、当たり前のことではあるけど、証券会社の社内ルールと証券取引等監視委員会の判断は必ずしもリンクしない。 証券会社からの注意喚起があったからといって必ずしも法令違反ではないし、証券会社からの注意喚起が無くても法令違反で摘発される場合もあり得る。 まあ、一般的には、証券会社の社内ルールのほうが、法令より厳しいのではと思う。 結構厳しい例では、〇井コスモ証券などでは、信用期日到来に伴う乗換え以外のクロス取引は、事前の電話連絡が必要。だけど、事前に電話連絡というけど、どんな場合にはOKなのかは明記されていない。 最大手の〇村証券では、会社で事後的にチェックする体制。 だけど、注意喚起等の基準は以下のとおり、あいまい。(〇村証券Webより) 不公正取引の一部は取引を誘引する目的を持っていることが必要とされますが、相手が誤認するかどうかはその目的と関係ない場合もあります。したがって、お客様の取引の態様、保有資産状況、投資の動機、投資のご経験などを勘案し、客観的に判断する場合もございます。当社が不公正取引の疑いがあると判断した場合は、まずログイン直後の画面で当該取引について判断をお伝えしますので、その後の取引に十分ご注意ください。 3.単発の、寄付きでのクロス取引は白に近いのでは どういうときに注意喚起するのか、もう少し詳しく書いている証券会社があった。 〇BI証券の場合、「相場操縦的行為」のチェックポイントの中で、以下の記述がある。 信用取引の期日到来等の明確な目的があるクロス取引であったとしても、直近公表価格から乖離した値段でクロス取引を行うことは、意図的に価格を動かすことになり、他の投資家に誤解を与える可能性があることから、「仮装売買」と判断される可能性が高いと考えられます。明確な理由を基にクロス取引を行う場合には、寄付1回限りで売買両方の注文を成行で行う等、市場に与える影響を配慮した取引が必要です。 そして、25年度の売買審査についての売買審査部からのコメントとして、以下の記載がある。 特に平成25年度は、証券税制改正に際し、いわゆる「益出し・損出し」を目的としたクロス取引が年末にかけて非常に多く見られました。その中でも、価格変動を伴うクロスやPTSで本則市場の基準値から大幅に乖離した価格で行うクロス等、金融商品取引法で禁止されている「仮装売買・馴合売買」が疑われる取引については、お電話で注意喚起を行ったケースや、不本意ながら取引制限を行ったケースもありました。 ”価格変動を伴うクロスやPTSで本則市場の基準値から大幅に乖離した価格で行うクロス等”は金融商品取引法で禁止されている「仮装売買・馴合売買」が疑われる取引だけど、”寄付1回限りで売買両方の注文を成行で行う等、市場に与える影響を配慮した取引”は、金融商品取引法で禁止されている「仮装売買・馴合売買」には該当しないという風にも読めるのだけど、どんなものだろう。 別の会社でも、〇ドットコム証券の売買審査参考事例集で、”仮装、馴合い売買”として紹介されているものは、全て価格変動を伴うケースのみ。 こちらでも、単発の、寄付きでのクロス取引は大丈夫そうに思えるのだけど、どんなものだろう。 それから、大本の証券取引等監視委員会でも、課徴金事例集を示してくれているけれども、今までのところ、単発での取引で課徴金を課せられている事例は無いようだ(今後も無いとは断定できないけれども)。 4.繰り返す場合は、グレー 節税のためのクロスを、寄り付きであったとしても、同一銘柄で何度も行うとどう判断されるのかは、はっきり言ってよく分からない。 価格変動を伴わないケースで課徴金を課されたのは、これまでのところ、昨日も取り上げた”株式会社岐阜銀行株式に係る相場操縦”案件のみのようだ(見落としがあるかもしれないけど)。 ・株式会社岐阜銀行株式に係る相場操縦に対する課徴金納付命令の決定について 市場占有率、反復性などから、客観的に見て、他者が対象銘柄の出来高が増加したと誤解しかねない状況であれば、アウトのようなのだけど、どの程度以上がダメなのか。 上記の例で、 54営業日の間に、29営業日36回にわたりクロス取引、このうち現物クロス取引が20回。出来高に占める割合(市場占有率)が、29営業日平均で16.88%、中には50%や60%を超える日もあった。 というケースではアウトということが分かる。 感覚的には、市場占有率が上記の3分の1以下の3~5%程度にとどまれば、他者が対象銘柄の出来高が増加したと誤解するようなこともないのではと思うのだけど、 当局の判断しだいの面があるので、人にはお勧めできない。あくまで自己責任。※今回は、グレーゾーンの話なので、自己責任で判断をお願いします(他の記事でも同じだけど、今回は特に強調しておきたいです)。
Aug 24, 2014
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小ダヌキどもも、ついに夏休み終盤。朝からゲームで遊びほうけているので、”夏休みの宿題はやったのか”と聞くと、”もう全部やったよ”と言って遊び続けている。自分が子どもだった頃を思い返しても、そんなに計画的に宿題をやったとは信じられない。果たして、本当だろうか? ところで、小ダヌキどもの宿題の件はともかくとして、 計画的に進めておきたいものとして、株式投資の譲渡益税対策。今年も、相場が好調なので、結構な額の譲渡益が積み上がってしまっている。 今年も残すところ3ヶ月ちょっと。なるべく、税金を節約するために、やれることはやっておきたい。 具体的には、含み損を確定させて、実現損とするのだけど、その銘柄のポジションを減らしたいわけではないので、クロス取引を活用することになる。 例えば、10万円の含み損のある現物A銘柄を、現物売り、信用買い、翌日現引き、とすると、10万円の損失が確定し、譲渡益税(税率約20%)が約2万円節約できる。 クロス取引は、こういう税金対策の損出し・益出し以外でも、優待取得、信用諸費用の節約など、結構便利。 拙ブログでも、これまで何度か取り上げてきたところ。 (過去の日記) ・信用取引で1ヶ月ごとにかかるコスト ・信用取引で権利日をまたぐコスト ・保証金維持率を引き上げるテクニック ・サッポロドラッグでクロス取引 クロス取引は、大変便利なのだけど、 その一方で、相場操縦に該当して違法の可能性も言われている。 どこまでが認められていて、どこからが違法なのか線引きが今ひとつ明確ではないので、今回はそのあたりのことを。1.法的な根拠 クロス取引で何が問題視されるかというと、どうやら、金融商品取引法第159条で禁じられている”相場操縦行為等”に当たるのではということのよう。 証券取引等監視委員会のWebに解説がされている。・不公正取引について 該当の条文としては、【金融商品取引法第159条 相場操縦行為等の禁止】1 何人も、有価証券の売買・・・が繁盛に行われていると他人に誤解させる等これらの取引の状況に関し他人に誤解を生じさせる目的をもって、次に掲げる行為をしてはならない。一 権利の移転を目的としない仮装の有価証券の売買・・・をすること。二~三 (略)四 自己のする売付け・・・と同時期に、それと同価格において、他人が当該金融商品を買い付けること・・・をあらかじめその者と通謀の上、当該売付けをすること。 関連して、以下の説明がなされている。相場操縦市場において相場を人為的に変動させるにもかかわらず、その相場があたかも自然の需給によって形成されたものであるかのように他人を誤解させるなどによって自己の利益を図ろうとする行為を、相場操縦といいます。このような行為は、公正な価格形成を阻害し、投資者に不測の損害を与えることとなるため、金融商品取引法において禁止されています。具体的には次のような行為です。(1) 仮装・馴合売買(金融商品取引法第159条第1項)同一人が、権利の移転を目的とせず、同一の有価証券について同時期に同価格で売りと買いの注文を発注して売買をすることは、「仮装売買」として、金融商品取引法第159条第1項で禁止されている行為です。この規定が適用された事例としては、自ら保有する銘柄の株式の売買が繁盛に行われているとの誤解を他人に生じさせる目的をもって、自己の注文同士で売買をし、これによって誘引された投資家が同株式を買い付けることにより株価が上昇したところで、同株式を売却して不当な利益を得たもの、がありました。また、複数の者が、あらかじめ通謀し、同一の有価証券について、ある者の売付け(買付け)と同時期に同価格で他人が買い付ける(売り付ける)ことは、「馴合売買」として、金融商品取引法第159条第1項で禁止されている行為です。 ようするに、同一人や家族・知人間で”クロス取引”を行って、株価を変動させたり、実際以上に取引が活発だと他人に誤解を与えるような行為が禁止されているようである。 逆に言えば、株価を変動させず、また実際以上に取引が活発だと他人に誤解を与えない程度のクロス取引は問題ないとも解釈できる。2.許容されていると思われるクロス取引 では、実態的にどこまでセーフなのか。 まず間違いなくセーフなのは、 〇優待取りのためのクロス取引 証券会社でも、信用取引活用例として紹介されており、セーフなのだと思う。 例えば、 一般信用「売」を活用して株主優待を賢く獲得するテクニック(〇ドットコム証券) 〇信用取引の期日到来に伴う乗換が目的の、寄付きでのクロス取引 いくつかの証券会社の解説で、問題無しとされているようなので、セーフなのだと思う。 例えば、以下は、〇BI証券のQA。 乗り換え目的では、ザラ場中は避け、寄付きで、というもの。お客様(質問):信用取引の期日到来に伴う乗換目的で、ザラ場中にクロス取引をしたのですが、問題はあるのでしょうか?売買審査部(回答):信用取引の期日到来に伴う乗換が目的であったとしても、ザラ場中に行われるクロス取引は、価格形成に影響を与える可能性が高く、法令で禁止されている「仮装売買」と判断される可能性もあります。一定の理由によりクロス取引を行う際には、ザラ場中を避け、寄付で同株数を成行で発注される等、価格形成を考慮してお取引ください。3.違法なクロス取引 逆に、金融庁によって、違法とされ、課徴金が課された例として、 ・株式会社岐阜銀行株式に係る相場操縦に対する課徴金納付命令の決定について このケースについて、要約すると 岐阜銀行株の取引に関し、 54営業日の間に、29営業日36回にわたりクロス取引、このうち現物クロス取引が20回。出来高に占める割合(市場占有率)が、29営業日平均で16.88%、中には50%や60%を超える日もあった。 このことについて、 被審人は、節税やポジション調整のためなどと主張したようであるが、 「(事前に何度か証券会社から警告がなされていたにもかかわらず)本件取引を繰り返していたもので、その過半に現物クロス取引が含まれていたというのであるから、本件取引につき、その意味合いを十分認識し、本件株式の取引の出来高に関し、自然の需給関係によるものではないのに、他の投資者に、自然の需給関係によりそのような取引の出来高になっているものと誤解させることを認識していたものと優に推認することができる。」 「被審人は、本件取引に当たり、「有価証券の売買…が繁盛に行われていると他人に誤解させる等…取引の状況に関し他人に誤解を生じさせる目的」があったと認められる。」 との判断が下され、この間の利益相当分の課徴金が課される決定となった。 ようするに、投資家側の主観的な目的がどうであれ、 市場占有率、反復性などから、客観的に見て、他者が対象銘柄の出来高が増加したと誤解しかねない状況であれば、アウト。 で、上記のセーフとアウトの事例の間に、広大なグレーゾーンが残るのだけど、文字数の関係で、次回に続きます。
Aug 23, 2014
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信用取引(買い)を行う際の最大のコストは、”金利”。 証券会社の隠れた収益源にもなっているようで、手数料が安いことは宣伝しても金利のことは目立たないようにしている会社もある。 証券会社によって、設定されている金利はまちまちなので、信用取引のコストを下げるためには、金利が低い会社を見極めることが重要。 で、8月から、信用取引の金利が低い会社群では、金利がまた少し下がった、というのが今日の本題。1.日証金が貸借取引金利を下げる どうやら、制度信用取引では、日証金が証券会社から受け取る”貸借取引金利”というのがあって、 証券会社は、それに手間とかリスクとか利潤を上乗せして顧客への”金利”を設定しているようなのだけど、 その大本の日証金の貸借取引金利が引き下げられた。 ・貸借取引金利の変更について(14/8/1) 従来の0.77%が、8月6日約定分から0.13%引き下げられて0.64%になるとのこと。2.正直な証券会社は金利を引き下げる 信用金利は、証券会社毎に独自に設定しているのだけど、 インターネットで調べる限り、最も低い金利を提示している証券会社群があって、 顧客への制度信用の金利 = 日証金の貸借取引金利 + 0.75% としているようである。 これらの証券会社では、日証金が貸借取引金利を下げるのに連動して、8月6日約定分から自社の金利も1.52%から1.39%に引き下げるようだ。 私が信用取引用に使っている〇さし証券でも、制度信用の金利を1.39%に引き下げるとのこと。ありがたい。3.コストを比較すると馬鹿にならない 一方、大手証券会社では、日証金が貸借取引金利を下げるのに、従来の金利を維持するところがほとんど。自社の利益を厚くしようとしているのだろう。 これら大手の証券会社では、制度信用取引の金利を3%程度に設定していることが多い。 上記の1.39%の会社と比較すると、その差は1.6%。 平均して100万円分を買い建てているとすると、年間のコストの差は1.6万円。 平均して1000万円分を買い建てているとすると、年間のコストの差は16万円。 結構な差がつくのである。 例えば、配当利回りが2%(税引き後1.6%)も違うと、銘柄に対する評価はガラッと変わる。 信用金利については気にしない人も多いと思うけど、信用金利が低い証券会社を使うことは、実は、配当が2%高い銘柄を買うのと同じ効果があるのである。 信用金利、おそるべし。
Aug 11, 2014
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信用取引界隈のセコい小ネタを何回か書いたが、今回は、極小のネタ。結構知ってる人も多いと思うのだけど、証券会社によっては、現物買いしたいときに、信用買い・即現引き、現物売りしたいときに、信用売り・即現渡し、と手順を踏んだ方が手数料の節約になる場合がある。信用取引は証券会社にとって金利等の収益も見込めるストック型ビジネスなので、入口の売買手数料をダンピングしている場合があって、そこをちゃっかり活用させてもらうというもの。証券会社の手数料体系しだいなので、節約にならない会社も多い。私の知ってる中では、○ドットコム、○BI、○村ネット&コール では有効、○井、○ネックス、○レジャーネットでは節約にならない。前者の場合でも、本当に得かその都度チェックした方が良い。信用の金利が1日分か2日分かかるのも要チェック。また、一刻を争うザラ場では、そんなこと気にしてる場合ではないことも。そもそも、信用銘柄でなくては使えない。などなど留意点も多いのだけど、条件が合えば 、昼食代ぐらいは浮くかも知れない。いや、ますます、セコいセコい話で失礼しました。
Mar 8, 2014
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前回に引き続き、信用取引のコストを抑える小ネタを。 信用取引きで建玉があると、1ヶ月ごとに取られる費用がある。証券会社によって微妙に名称が異なるが、管理費とか事務管理費と呼ばれている費用。 なぜか、新規に建てたときには取られず、1ヶ月たつごとに取られるという、気づきにくいコスト。 日証金や証券会社で1ヵ月ごとに事務作業が発生しているとも思えず、なぜ徴収されるのかまったく納得できないのだが、工夫して少しでもコストを抑えていくしかない。1.信用事務管理費の計算ルール ・建玉の約定日から1ヶ月経過するごとに、1株当たり10.5銭(上限:1,050円 下限:105円) ・ただし、単元株制度の適用を受けない銘柄(1株単位で取引される銘柄)については1株あたり105円(上限:1,050円) ・同一銘柄で同一約定日の建玉はまとめて算出(同一銘柄でも別の日に約定した建玉は別に課金)。 2.対処法 株価の高い銘柄(1株単位の銘柄を除く)で、建玉のロットを大きくするのが有効。 例えば、同じ500万円の建玉でも、 同一銘柄で同一約定日の5000円×1000株ならば、1月の信用事務管理費は105円。 月利0.0021%。 一方、500円×10000株ならば、1月の信用事務管理費は1050円。 月利0.021%。 はたまた、100円×1000株を50銘柄ならば、1月の信用事務管理費は5250円。 月利0.105%。 さらには、1株単位1万円の銘柄を、10株づつ別々の約定日で持っていると、1月の信用事務管理費は52500円。 月利1.05%。 で、現実的には、現物で持っている銘柄のうち、条件のよいもの(高株価でロットの大きいもの)をクロスして信用で建てて、出来た現金で小さな建玉を次々に現引きすると良い。債務一本化的感覚で。
Feb 26, 2014
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今回は、信用取引に関する小ネタ。 私は、運用効率を上げるために、信用取引を使っているのだけど、優待銘柄などで逆日歩が見込めるとき以外は、権利日をまたがないようにしている。 結構、権利日をまたぐコストがかかるからだ。1.名義書換料・権利等手数料 1取引単位あたり52.5円 徴収される。 特に、取引単位あたりの投資額が小さい銘柄では負担が大きい。2.配当金と配当落調整金の差額 信用買いでは、配当金のかわりに配当落調整金というのをいただけるのだが、なぜか配当金より少ない金額となっている。 配当落調整金=配当金-所得税源泉徴収相当額(所得税源泉徴収相当額=配当金×15%) 配当金から15%差し引いた額しか頂けない。 なお、所得税源泉徴収相当額が差っぴかれているのだが、取引で利益が出ていれば配当調整金は譲渡益税の対象となり、そこからさらに20.315%の税金が取られる。 この差額は、権利日をまたぐコストと言える。 特に、配当利回りが大きい銘柄では負担が大きい。 余談だが、 昔は、配当には独立して課税がされていたので、その名残だと思うのだけど、 今では、配当と譲渡損失の損益通算が可能になっているのだから、「配当落調整金=配当金」としていただかないと不合理。3.対処法 私は、信用金利の低い制度信用を使っているので、いずれにせよ6ヶ月以内に決済する必要がある。 そのため、権利日の終わった銘柄を信用で建てて、浮いたお金で権利日の近い建て玉を現引きするように、ローテーションを組んでいる。 いや、我ながらせこいなー。でも、小さなことからコツコツと。
Feb 25, 2014
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今回は、信用取引に関する小ネタを。 相場急落時に、手仕舞うことなく保証金維持率を少し引き上げるテクニックについて。1.やり方 とっても簡単、 「クロス取引や現引きなどにより建玉評価損を解消する」 ことにより、保証金維持率が少し上がる。2.ケーススタディ 例えば、 A株(現物):1000円(買値2000円)×1000株 を保証金代用証券(掛目80%で現金換算80万円)として、 B株(信用買い):500円(買値1000円)×1000株 を建てている としたとき、 保証金維持率=(委託保証金(現金換算)- 建玉評価損)/ 建玉代金合計 (※簡便化のため諸経費等は省略) なので このケースでは 保証金維持率= (80万円-50万円)/100万円 = 30% かなり危機的状況。 で、少し手仕舞えば維持率は向上するのだけど、ともかく頑張りたいというとき、 例えば、 A株の現物売り×信用買いのクロスで100万円を確保 その100万円でB株を現引きする と、 B株(現物):500円(買値1000円)×1000株 を保証金代用証券(掛目80%で現金換算40万円)として、 A株(信用買い):1000円(買値1000円)×1000株 を建てている という状態になる。 保証金維持率= 40万円/100万円 = 40% と、A株、B株それぞれ1000株のポジションを維持しつつ、保証金維持率が30%から40%に向上し、追証の発生がほんの少し遠のきました、となる。3.雑感 こんな事態にならないよう、日ごろからポジションの管理が重要なのだけど、 上の例は、実は、もともとレバレッジ1.5倍、維持率160%と、まずまず堅実な状況から、株価が半値に下がった場合をシミュレーションしたもの。 損切りルールを徹底するとか、色々なスタイルがあると思うけど、私の場合「下がったから売る」というのはバリュー投資家としてどうなのよ、という思いがあるので、とにかくレバレッジを控え目にということを心がけている。 こんなテクニックを使う機会が無いのが一番だけど、知っておいて損は無い?(傷を深めるだけ?) (2月22日追記)※ケーススタディの設定が破綻してました。 コメント欄をご参照願います。 MEANING さん 指摘ありがとうございます。
Feb 20, 2014
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よく下がります。 私の持っている銘柄でも、「バクチの札」系は、特に下げがきついけど、これはまあ当たり前のこと。バクチの札なのでしょうがない。 でも、バリュー系の銘柄でも、結構下がっているやつがある。好決算だろうがなかろうが、ともかく何でもかんでも売ってしまえといった勢い。 もう、スーパーの閉店間際に、油の乗った刺身が半額や7割引で叩き売られているようなもの。さっきまで定価販売していたのと、同じやつ。もう買うしかない。 株式も、スーパーでの買い物と、基本同じことと考えている。 価値のあるものが叩き売られている。買いたい。 こういうときに、信用口座というのはつくづくありがたい。1.2%で金を借りて、10%以上で回す感覚 信用取引の最大のコストは、金利。 今は、信用取引の金利が歴史的な安さ。 ちなみに、私が信用取引用に使っている某証券の制度信用買方金利は、1.52%。 他のもろもろの諸費用を加えても、年間で2%強の負担ですむ。 一方、株のほうはというと、バリュー銘柄の固いやつでも、PER7倍ぐらいのやつが結構ある。PER7倍というと、益回りで14%。私の資金を会社が14%で運用してくれている感覚。 で、そのうち3~4%程度を配当でくれて、残りは内部留保される。配当も内部留保もどちらも株主のもの。 信用の金利との比較では、かなり魅力的。2%で金を借りて、10%以上で回す感覚。2.買いたいときに買える 現物だけだと、まずはキャッシュポジションを確保してからでないと新しいのが買えない。いざというときのために、常にキャッシュポジションをある程度持っておくのも手だけど、資金効率が悪い。 今回のような状況では、売れる銘柄がない(安く売るともったいなさすぎる)。 信用取引だと、売らなくても買える。うきうきしながら、十分、安くなったものを買える。3.注意も必要 信用維持率は高めにしとかないと、急落時にはあっという間に低下するので危険。 現物と同額ぐらいの信用買いをしてると、3割程度の下げでも、もう追証の心配をしなくてはならない。そんな下げは、しょっちゅうある。 私は、普段はレバレッジ1.2倍(現物資産に対して20%を信用買い)ぐらいにとどめている。 今回、うきうき買っていたら、レバレッジ1.3倍強まで上昇。まだ、うきうきなんだけど、さらに大きく下がると、ぶるぶるだろうな。※ 投資は、損しても得しても自己責任で!
Feb 5, 2014
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