Brog Of Ropesu

Brog Of Ropesu

2006年11月20日
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カテゴリ: 連載小説
本日、用事があって、とある所に寄った近くに古本屋があって何気に寄ってみたら「天上天下」が10巻くらいまで100円で置いてありますた。

気になって買うかどうか迷ってるのですが、あれって面白いですかね?
誰か情報下さい~。お願いしますー。

訪問やらは明日伺いますー。最近は、更新する日は訪問できない。訪問する日は更新できない。っていう感じですねぇ・・どうも。
大体、夜中の3時~4時くらいしか余暇が無い・・・(ノД`)シクシク


さてさて、お話の方ですが今回と次回で、伏線ほぼ全部張り終わります。
上手く隠れて、きちんと伏線になっていれば良いのですが・・・・。
後は回収するだけー。

張った伏線を回収する作業って、自分で創ったパズルを解いてるみたいで楽しいですww
未来がヒロインの話では恐らく全ては回収出来ないとは思いますが・・・(ぁ


では、かったるくも続きですー

前回までのお話


=======

「まぁ、今更言うことでも無いな。瞬、さ、メシ食いに行くぞ。」

気を取り直すと、床に倒れたままの瞬に手を差しのばす総一。

「うむ。すまぬな。」

「あ、起きた起きた~。瞬君全然起きないから私はビックリしたんだよ~」

獲物を狙うような狩りのサークルを形成され、質問攻めにあっていた未来も、瞬の目覚めに気付き現れる。
その陣形を象っていた男子生徒達のカルト宗教じみた目付きが突き刺さり何とも心苦しい。

未来の頭に朝の一悶着は綺麗さっぱり抜け落ちているようだ。
単純という言葉がこれほどまでに合致する少女も珍しい。

「ミクちゃん、こいつはいつもこうだぜ?心配するだけ無駄無駄。一体一日何十時間寝れば気が済むんだかねぇ、どうも。」

ぺしぺしと、瞬の背を叩く三河。

「ん?幸至さんは瞬の知り合いなのか?」

片眉を下げながら問う総一。

「ああ、彼女は・・・」

「私は瞬君の家に下宿させてもらってるんだよ!」

瞬が言い終えるより先に、即答する未来。
その言葉を聞くなり総一は、ぴくりと反応するなり、口を噤む。

「だああああーーー!!!なんだなんだぁ?そのベタなラブコメみたいな展開はようっ!羨ましすぎて・・・もうっ!ばーかっ!おまえら、みーんなばーかっ!」

―――一方、頭を抱えた三河が魂の咆哮を上げる。

そんな奇行を目にしながらもクラス一同は目もくれない。
慣れと言うモノは凄いものだ、と瞬は思う。まっとうな初対面の人間ならば、携帯電話の『1』を二回、『0』を一回押している所だろう。
だが、この場で目を白黒させているのは未来くらいのものだ。

「ところで、今から食事をしに学生食堂に向かうのであるが、主もどうだ?」

「うん!行く行くっ!私、お腹ペコペコだよぅ~。」

言うなり、ゴゴゴゴ・・・と、未来のお腹から地震兵器を思わせる程の腹の虫が唸りを上げる。

「えへへへへ・・・朝、忙しくて何も食べてなかったんだよぅ。あ、そ、そんなことよりさっ!朋香ちゃんも一緒に行こうよっ!」

お腹をさすりながら照れ笑いをする未来は、たまたま近くを歩いていた朋香へと話題を振る事で、話を逸らした。

「ふぁっ!み、みみみみみ皆さんと一緒にででででですかぁ!」

不意をついた誘いに、焦る朋香は散々噛んだあげく、近くの机に脚を引っかけ、鳴ってはいけないような鈍い音を伴いつつ、ずっこけた。

「と、朋香ちゃん!」

その見事なまでのコケざまに、あたふたする未来、苦笑しつつも手を差し伸ばす総一、そして白パンツっ!と勝利の雄叫びを上げる三河、三者三様の反応を見て、性格とはこういう時に出るモノであるな、と瞬は思った。

「はい!是非、ご一緒させて下さいです!」

心配は杞憂であったらしく、立ち上がるなり力一杯返事をする朋香。
その目は何故か炎のように気力に満ちあふれ、闘気のようなモノまで幻視できる。
いつにも増して積極的な朋香に、総一と瞬は瞠目する。

そのとき、三河は一人、影で小さくガッツポーズを決めているのを、瞬は見逃さなかった。



「よくよく見てみると、申し訳程度の膨らみしか無い、薄っぺらな胸以外のビジュアルは完璧ではないかっ!ミクミクたんたんはっ!光子ちゃんはなんか総一にぞっこんっぽかったから望み薄だったけど、未来ちゃんはいけるんじゃ・・・ちょ!おい!俺の時代が来たぜぃ!!」

学食に着き食券を券売機で買うなり、瞬の肩に腕を回ししつつ絡む三河。
総一、未来、朋香らは、麺類を食べるらしく、丼物を食べる三河と瞬とはカウンターが違う為に別行動だ。

「あーでも黒崎さんと二股って事になっちまうなぁ・・・う~ん、難しい二者択一だ。」

くぅ~!贅沢な悩みだぜぃ!と唸る三河に、瞬は、本当におめでたいヤツだな、とある意味三河を尊敬した。
きっと、脳内では年がら年中リオのカーニバルクラスの盛大な祭りが繰り広げられているのだろう。サンバのリズムが今にも聞こえてきそうだ。

「何でも良いが三河。主の守備範囲は相当広いのだな。野球で言ったらメジャーも夢では無いぞ。あれは小、中学生と言った類のモノに近くは無いか?」

皮肉めいた嫌味を返す瞬。

「あーまあ、そうだけどな、俺的には可愛ければAny thinks OKなのだっ!お前も漢なら判るだろう?この俺に滾るソウルがっ!」

拳を堅く握り、誇らしげに胸を張る三河。ある意味、熱血ではある。

「うむ。三河が良く判らないヤツだという事がよくわかった。」

三河に嫌味が通じない事を悟ると、瞬は、なんだそりゃっ!という三河の抗議を無視し、さっさと券を交換し、総一らが先に待っている席へと、そそくさと向かった。




「未来さんは、神風君と仲が良いんですね。元々のお知り合いだったのですか?」

誘われてからずっと落ち着かない様子の朋香であったが、食事と共に徐々に平静を取り戻すなり、そう問うた。
恐らくは、Aランチのデザートとして付いてきたチョコレートパフェのおかげであろう。
ここの学食は瞬のお気に入りである。
安さ早さと言った学食特有の利点はもとより、栄養士が有能であるからだ。
とかく学生と言うモノはストレスが溜まりやすいモノである。
そんなTPOに合わせたメニューを組んでくれる上に、学生の意見は必ずと言って良いほど反映される。
これで儲けが出ているのか、逆に食べる側が不安になるほど融通が利く場所なのだ。
チョコレートに多量に含まれるγ―アミノ酪酸の安らぎ効果は折り紙つきであるな、と瞬は一人頷く。

「ああ、彼女は・・・」

「私は瞬君の家に下宿させてもらってるんだよ!」

瞬がぼさっとしていた所為もあり、食事前のやりとりの焼き増しとなった。

「あ、あぅ・・・そ、そうなんですかぁ・・・」

先程まで効果覿面だったGABAの力も虚しく、うなだれる朋香。
何故か、昼間の朝顔が顔負けしてしまう程、しょんぼりしている。

「なぁ、よくドラマとかで『仕事と愛、どっちが大事―!』。な~んて事をさ、言うじゃんか?」

そんな空気を読んでか読まずか、遅れて席に着いた三河は、一連の流れを全く無視した討論を投げかけた。

「まぁ、俺としてはこの二つは全く別物だから、比べる対象じゃないと思ってるんだけどもな、例えばこれが、『仕事と友情、どっちを取るか?』って聞かれたら、どっちを取るよ?」

「うむ。俺は友情であるな。」

作為か無作為かは判らぬが、瞬は気まずくなった場の流れを変えるための三河の助け船に、一目散に乗る。

「う~ん・・・難しい問題だなぁ・・・・。友情かなぁ・・?」

未来は口をへの字に曲げて、眉間に皺を寄せる。

「わ、私は、その状況にならないと、何ともです。」

朋香は、しおれている状態から立ち直り、眉を八の字にしながら回答する。

「なるへそなるへそ。で?総一、お前は?」

うんうん頷きながら三河は、珍しく話に乗ってこない総一に問いかける。

「答えるまでも無い。・・・友情だ。」

食事中終始無言であった総一は、ぶっきらぼうにそう答えた。

「そういう、・・・えっと、君はどう思うのさ?」

三河に、目で回答を促す未来。

「んー俺は仕事かなー。仕事ってのは生き甲斐とか使命だとか思っちゃうのさ俺ってば。まぁ、特に意味は無いから忘れてくれ。」

できる男は仕事に私情は挟まないのだっ!と、親指を立てる三河。

「うむ。そういえば、未来は皆の事を知らないのであったな。馴染みすぎていて失念していた。さっきからベラベラと喋り続けている正面の男が・・」

「ご紹介に預かりましたっ!俺は三河っ!三河祥っ!是非とも女の子には名前で呼ばれたい嬉し恥ずかし18歳っ!よろしくぅっ!」

瞬が言い終えるより先に、立ち上がり紳士のようにお辞儀をする三河。元来、良く通る声を持っている上に、大仰なモーションを取るので、役者に見えなくもない。勿論、大根であるが。

「俺は世良。世良総一だ。名前で呼んでくれて構わない。」

いつになく無愛想な態度の総一に、未来を除いた一同は訝かった。
いつもヘラヘラと軽口を叩き、愛想が良い彼らしくない反応だ。

「うん!総一君に祥君っ!こちらこそよろしくねっ!」

握手を求め、手を差し伸ばす未来。
未来と二人が堅い握手を交わした後、三河が、この手は洗えんな、とぼそぼそ聞こえた気がしたが、瞬は、自分の気のせいだ、と自分に言い聞かせる事にした。


それからは、三河を中心とし、他愛もない話が続く。

彼のテンションはいつになく上がっているようだ。
休み時間中、終始息つく間もなく喋り続ける三河を見て、瞬は、こいつの正体は実はマグロ人間で、止まると死んでしまうのではないかとさえ思った。




続く





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最終更新日  2006年11月21日 03時42分00秒
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