Brog Of Ropesu

Brog Of Ropesu

2011年01月09日
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カテゴリ: 些末な日常






BGM


===









「隊長。その前に火を司る能力”フルカス”を持つチェツィン殿を害虫駆除部隊に派遣するべきだと思います。

ソフィーの報告によると、農薬耐性を持ち現状では焼却処分するしか対策は取れない模様」











「飛蝗は農作物を荒らすだけでなく産みつけた卵が孵れば二次災害が発生します!向こう十年不毛の大地になってしまう前に!どうか素早い決断を!」










「……けれど、既に隠居して安穏な日々を暮らしている彼を巻き込む訳には……」











「Non!Non!Non!Non!優先順位をはっきりさせなさい!

今、貴女が守らなければならないモノは何?今、貴女が打てる最高は?

安寧に身を置く事で日和ったのならば今すぐ顔を洗ってすっきりさせなさい!寝惚けている場合じゃないの!

……それに、あの老獪が仲間のピンチに渋る人間だとお思い?もし、そう考えているのなら彼に対してこれ以上の侮辱は無い!
それは、SS小隊を率いていた貴女が一番知っているでしょう!カリン=エーギルパッフェ!」











「……言うとおりね。わたくしとした事が随分と緩みきっていた様ですわ。ケイト……恫喝、感謝致します」










「……いえ、私も口が過ぎました。申し訳ありません」










「ロザリィ!そうと決まりましたら貴女の”指定した座標内にいる思考を共有する能力”で……!」










「…………出来ません」










「ロザ……いえ、ルズリハ?事と次第によってはお姉ちゃんね、貴女でも拷問しちゃうわよ?」










「違うの!やらないんじゃなくて出来ないの!おじいちゃんの話が出たときからずっと何度も何度もアクセスしてるの!」













「……そうか。そういう事か」









「嘘……でしょ?あの端倪なご老体が……?!何かの間違いよ!

それだけじゃない……!あそこには我が隊でも一二を争う実力者のピース殿がいる!彼が所持している超戦闘特化型アーティファクトの”ベリト”もあるのよ!」










「でも……!でもでも!結果は事実しか告げられないの!私の”新緑の弓 バルバトス”は……死人と思考を共有する事は出来ないから……」











「……二人とも直に支度なさい。今はとにかく情報が必要……チェツィン老の孤児院へ急行するわ。ラスター……貴方の力を借りるわよ」








ラスター「御意。自分のアーティファクト”バシィン”なら5分も掛かりません。急ぎましょう!」









===



~帝都~






ザッザッザッザッ!







「さてさて、ロザリィちゃんの要請があったから懐かしの帝国に戻ってきたワケだけれども……」






帝国兵「こっちにいたぞ!SS小隊のメンバー”ヨウヘー=サイトー”、”デュラス・ルーピー”、”イストレット=フォッシェルゲイザー”の3名だ!
見つけ次第、捕まえろとの上からのお達しだ!生死は問わんが生きていた方が報奨金は高いとの事だ!」









「けっこう大ピンチな感じかね、どうも。騒がしいこっちゃ」








タッタッタッタッ!











「二人とも何でそんな余裕なんですか?!町中が俺達の敵に回ってるんですよ!逃げ場を確保すら出来やしない超絶絶体絶命じゃないですか?!」









「う~ん……まぁ……」











        ↑                         ↑
    元・クーデター首謀者                元・山賊                


             「「追い回されてるの慣れてるし」」










「うわ~ん!合流する相手間違えた~!」










「ま、冗談はともかく何でこんなんなってるか情報が足りな過ぎる。とりあえずロザリィちゃんか隊長と合流すんのが先決っしょ」










「でも、俺にルズリハさんが交信してきた要請は”飛蝗退治”でしたよ?恐らく帝都がこんな荒れ荒れになってる事自体知らないんじゃあ……」









「それでも我が隊の目(ケイト)、耳(ロザリィ)、口(ソフィー)であるサンダース三姉妹の誰かと合流できれば手に入る情報量は今の比じゃねぇさ。どっちにしろ近道だからって帝国通ったのは失敗だったけどなー」







ザザッ……ザッ…………み……な……どこ……すか……?











「お、噂をすれば何とやら。ロザリィちゃんからの連絡みたいだぜ?」





~~~






「アローアロー!イシュトー君、よーへい君、デュラス君……現在こちらに向かっている所でしょうか?

急な話で悪いのですが、3人には飛蝗退治よりも優先して欲しい事があります。恐らく帝都の何処かに捕えられているフランさんの救出に向かって下さい!事態は急を要します!」










「ロザリィちゃん、そっちが持っている情報を知っている限りで良いから全部教えてくれ。現状が知りたい」








「はい!…………(説明中)…………!現状は以上です。

私たちの推測も入ってますが、ねーさんと隊長と私で意見が一致しているので、予測ではありますがほぼ間違い無い筈です!」








「オーケイ!じゃ、囚われのお姫様と騎士隊長の救出と参りますか~!」










「…………必ず無事、救出してみせます!フランチェスカさんには指一本触れさせない!」










「……決して、決して無茶や油断はしないで!

ピースさんやおじいちゃんみたいに仲間がいなくなっちゃうのは絶対絶対私は嫌だからね!生きて戻ってみんな笑顔で勝利を報告するの!約束してね!」











「あのピースと爺様がやられたの……か……?!笑えねぇ冗談はよしてくれよロザリィちゃん……!」










「……事実です。私たちが駆けつけた時には既にもう……」









ザザッ……ザッ……









「割り込み済まない。ここからの伝達はロザリィの口からは憚れるので私からさせて貰う。

……下手人は冷酷にも同志ピース、チェツィン老だけでなく孤児院の将来ある幼子たちも一人残らず皆殺しにした鬼畜共だ。遠慮は要らん。殺せ。同胞の無念を……!私たちの手で晴らすのだ!下手人の名は……!」











「…………ねーさん!!それは……!!隊長!いけません!ダメなんです!」












「久方ぶりだな諸君。壮健そうで何よりだ。度重なって悪いがケイトに代わって貰った。討つべき敵は、私から直々に告げるのが筋だからな。騒がしくなって済まない。

……だが、これはあくまでチャンスがあったらで構わない。仲間の救出とその後の我々との合流を最優先にしてくれ。

……では告げる。信じ難いとは思うが、これが真実だ。彼女に出会ったら容赦をするな。今から始めるのは戦争だ。敵性因子は須く駆逐すべきである。我らに牙を剥いた事を後悔させてやろうではないか!!」
















「裏切り者の名は……アーサ・グレイシャス!かつて我々の仲間だった女だ!」







続く









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最終更新日  2011年01月09日 19時21分27秒
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