Brog Of Ropesu

Brog Of Ropesu

2011年03月24日
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カテゴリ: 些末な日常




くっつけっとは隠れた名作。
隠れ過ぎて、知名度が低過ぎて知っている人を探すのも困難です。



BGM





==




~数年前~




キィン!





ヒュンヒュン……




ザクッ!












「ま、参りました……」










「一本!それまで!」









「ふふん。私の勝ちね。いつになく意気揚々としていたからとびっきりの隠し玉の一つや二つ出てくると思ってたのにぃ……そんなヘッポコじゃあ切り札にもならないわよぉ?」










「うぅ……面目ありません……。こんな調子では明日の任命試験で採用されるかどうか……」










「大丈夫大丈夫!私から見たらまだまだひよっこだけどぉ……それでもその辺の有象無象に比べれば充分やっていける実力よぉ?」









「随分と余裕そうで羨ましいよ。まぁ、この中……いや、国中でもシャルゥに敵う人間なぞいないからな。

希望の部署に配属されるのはほぼ確定だろうし、緊張なんてするワケないか」










「何言ってるの。貴女も相当強いじゃない。
そうだ!良い機会だからぁ……一度、どちらが強いか力比べしてみなぁい?」









「ふむ。面白そうだ。

……と、言いたい所だが。断念しておくよ。私とシャルゥじゃあ兵種が違い過ぎてイマイチ白黒付けられんしな」










「うふふ……そういう事にしてあげるわん♪でも、いつかは全力で戦り合ってみたいわねぇ……」










~~~






~翌日~






「近衛騎士隊副隊長にフランチェスカ・L・D・N・ヴァルファルニア!同隊長にアーサ・グレイシャス!……以上で任命の儀は終了致します」












「…………してなの」











「…………」









「…………」




















「どうしてなの!どうして私じゃないの!」









「シャルメロン・ガッツォー・リーガッセン。貴女が担当する事になる陸上一課もとても重要な役職よ」










「嫌よ!国家予算に携われないそんな味噌っカスみたいな地位なんて何の価値も無い!

私は皇室直属の近衛隊に行きたいのよ!その身分なら予算委員会の使い道に口を挟めるから……!この国のお金じゃあないと買えないモノがあるのよ!」













「発令を覆すつもりは無いわ……決定事項よ」










「私が……私がこの二人よりも劣るっていうの?!」









「…………」









「…………」















「何とか言いなさいよぉ!」










「あ、あの……姫様。……私、辞退させて頂きます。それでシャルメロン様の望みが得られるのならば……私は一向に構いませんので」












「……何よ……それ……!私を馬鹿にしてるの?!」











「そ、そんなつもりは……!」











「……ホント、アンタは昔から良い子ちゃんぶってて気に入らないわね!

そうやって尻尾ばっかり振っている分際で、内心では私の事を見下してるんでしょう?!」









「そ、そんな……私は……」











「シャルメロン!!……言葉が過ぎるぞ。それ以上は私も許さん」










「……ふん。何よ?許さなかったらどうだって言うの?

アンタらは昔から仲良しだからねぇ……お遊び感覚で今回の事も決めたんでしょう?そうよね?偉大な偉大な賢姫様?
ここは緩い大学サークルじゃないのよ?国家なの。その自覚はあるの?」










「ええ、自覚しているわ。国家の存続を賭けて、考えに考え抜いた人選よ。

貴女に国家の運営を左右させる”情報”と”資金”二つの武器は与えられないわ。唯でさえ他を圧倒する貴女の武力にそれらを加えたらパワーバランスが大きく歪んでしまうのよ。

そして、貴女にはそれらを扱う技量が無い!責任を背負う強さが無い!独りよがりの強さには部下は慕ってこないわ!」









「関係無い!関係無いわ!部下なんて要らない!敵なんて私一人で全部斃せばいいじゃない!それで充分よ!
現にこの国じゃあ、貴女の言う反吐が出る綺麗事を持っていない私が一番強いじゃない!」










「それは私も重々把握しているわ。確かに単純な実力では貴女がこの国では一番だけれど……だからと言ってそれが……」










「じゃあ、何で一番実力のある私が、こいつらより下なのよ!!この際下でも良いわ!何で私を……第二希望にした情報部にしてくれなかったの!

はっきり言いなさいよ!私の事が嫌いだからでしょう?!ええ、そうよね!3人はいつでも仲良しだものね!

私だって!私だって……!”あんな事件”が無ければ……!
何で!何でそうやって当て付けみたいにイジワルするのよ!仲間外れにするの?!ねぇ、どうして?!答えなさいよ!

それとも何?私が”亜人種”だから?!みんなとは違う”化物”だから?!同等に権利を与えるのは無理って事?!

だからでしょ!だから、そうやって……」











「黙りなさい!」






パァン!









「…………っ!」












「……口を慎みなさい。”チェルノブイリ行政特区”の事は、この話には何の関係も無いわ。

これは国是なの。それに納得できないのならば即刻この部屋から出て行きなさい!」











「……めない」










「…………忘れて。言い過ぎたわ」









「……絶対に私は、こんなの認めないから。アンタらなんかより私の方が優れているって事、はっきり証明してやるから……じゃあね」







コツコツコツ……









「ま、待ってください!」






パァンッ……!










「汚らわしい手で触らないで。虫唾が走るわ」










「わだしに……わだしにでぎることは何でもじますから……!どうか考え直して下ざい……!」












「…………そう。じゃあ……」












「Msヴァルファルニア。

金輪際、二度と私室には近寄らないでね。勿論私に話しかけるのも却下よ。約束ね。

……破ったら、斬るわ。それじゃあね」






カツカツカツ……





バタン!











「私……嫌われ……えっぐえぐ……ひっく。フランって呼んでくれなく……ひっく」













「……可愛さ余って憎さ百倍。

誰よりも情が深かった分、より憎悪が増した、か……。何とも皮肉だな。

親を失った大家族の長女であるフランが唯一甘えられる存在がシャルゥだったから……こちらのショックも人一倍大きいだろうな……」













「……無理も無いわ。師としてだけでなく、実の姉の様に慕っていたから……」













続く















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最終更新日  2011年03月24日 22時07分14秒
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