音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2007年01月05日
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カテゴリ: クラシック音楽

平成・進化論 」1月4日号に日本初の株式会社組織のオーケストラが誕生し、そのお
披露目講演が無料で行われるというお知らせが掲載されていました。その名は フォンタナ
・フィルハーモニー交響楽団
。「フォンタナ」といえばイタリア語で「泉」のことですね。
泉フィル。。。。う~ん、その名前にした理由を聞いてみたいですね。

 曲目は、
 シベリウス 交響詩フィンランディア Op.26.No.7
 ガーシュイン ラプソデイ・イン・ブルー
 チャイコフスキー 交響曲第5番ホ短調OP.64
 の3曲で、指揮は中村祐一氏、音楽監督・ピアノは宮崎剛氏。定員2000人。

 お申し込みはハガキに (1)氏名 (2)住所 (3)年齢 (4)枚数をお書きのうえ〒531-0074大
阪市北区本庄東1-10-17-1Fフォンタナ・フィルハーモニー交響楽団まで。同社より無料チ
ケットを送ってもらえます。締め切りは1月15日、当日消印有効です。

 ということで、どんな団体なのかネットで調べてみました。

 (以下概要)

 代表取締役兼指揮者が中村祐一氏。音楽監督は宮崎剛氏。昨年8月に大阪市北区に設立
されました。なお、この名称は登記上の名前で、公演等での名称は「フォンタナ・フィル
ハーモニー管弦楽団」を使用するとなっていて、ちょっとややっこしいです。
 会社の概況としては、資本金1000万円、従業員が3名、事業内容は交響楽団の経営
となっています。
 昨年の11月15日に特別内覧演奏会および会社説明会を大阪で行ったとあります。第
1回公演は2月28日に行うそうです。

 日経流通新聞2006年11月24日号によると、出資者で社長の中村氏の本業は経営
コンサルタントです。

 中村社長の事業プランは下記のようなものです。


 1.今春までにベンチャーキャピタルや個人投資家から計3億円の出資を募る。

 2.当面、団員としてフリーランスの演奏家を起用する。公演数が増えれば社員として
年間平均450万円を払い、企画・営業なども任せていく。

 3.指揮者は公演ごとに団員が選ぶほか協奏曲などのソリストも団員が務め出演料を抑
える。

 4.2009年3月期に室内楽や合唱、ソロなど小規模なものまで含め年間250公演
を行い、売上高25億円、経常利益1億円をめざす。

 問題点も指摘されています。

 公演回数250回は、1公演あたりの練習日数は一般的に3日とるため、同じプログラ
ムを何回かやるとしても、現実的には無理。

 また、250公演で25億円を得るには1-2割のスポンサー収入を除いても1公演千
万円弱の売り上げが必要。ところが、1枚5000円の券を2000枚近く売るのは、現
実的にはとても高いハードル。

 (概要終わり)

 設立の目的が、若い演奏家を援助するための組織を作ることでしたら、NPOみたいな
ものでも良いような気がします。敢えて株式会社にした理由がいまいち理解できません。
それに、演奏回数が増えたならば、演奏以外の仕事にも従事させたいって、片手間にやれ
ることじゃないと思うんですが。。

 なによりも、演奏家は演奏水準の維持・向上が最も重要な仕事だと思います。それをな
いがしろにするような考え方を持っているようでは話になりません。演奏家の場合には、
実際の演奏会、練習の他に自分で練習する事が大事なわけですから。。

 ただ、ファンクラブも立ち上げるみたいですし、やる気は十分感じられます。まあ、起
業することは立派なことですし、その意義は大いに感じますが、事業計画がちょっと経営
コンサルタントらしくないように思います。

 まずは、早いとこスポンサーを見つけるのが先決でしょうね。最近景気は上向きですの
で、スポンサーが付く可能性はあるかもしれません。それにつけても、演奏内容が良く
なければすべては無駄になります。それをフリーランスでやるってんですから、アンサン
ブルの熟成も何もあったもんではありません。組織として最初から交響楽団なんて大所帯
でやななければならない理由も分かりませんし。一番の問題は設立の目的がいまいちよく
分からないことですね。来年の今頃「(東北弁で)そういえば、フォンタナ・フィルって
どうなったんだ?」「そんたな楽団なくなった」という会話にならないように頑張ってもら
いたいですね。

そこで、私の提案。
殆どJリーグ新潟の方法のまねです。前提としては、本拠地の名前を入れた楽団名にする
ことが必要です。

1.本拠地は大都市ではなく、プロオケのない県で、プロオケのある県の隣か、2つ隣の
県。例えば、四国なんかどうでしょうか。

2.最初はチケットをただで配ります。ただであれば、オケなんか聞いたことのない人達が
聞きに来ます。ソロと指揮者は著名人を呼びます。こうしないと、集客できません。

3.しばらくは2で頑張って、入場者が多くなってきたら、徐々に有料コンサートを増やします。

4.ファンクラブを作り年会費を取ります。当然割引などのサービスを拡充します。

5.クリニックを無料で行います。無料というところがミソです。

6.ジュニア・オーケストラなどを立ち上げ、育成していきます。

 ネックは、スポンサーを見つける必要があることですね。もし見つけられない場合には、
少人数で細々と始めるしかないと思います。この場合スポンサーの狙い目は法人ではなく、
あくまでも個人の資産家ですね。平均化されてるとはいえ、日本にも、大金持ちはいるの
で、可能性はあると思います。





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Last updated  2007年01月07日 23時31分16秒
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