音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2017年07月04日
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カテゴリ: ジャズ


ロベルト・オルサーの新譜「Floatin' In」を聞く。
以前ロベルト・オルサートリオの「Dreamsville」を聴いてすっかりファンになった者として、さしあたって入手できるCDを3枚ほど入手して聴いていた。
その中には、オルガンでクラシックと自作を弾いたCDもあったが、それ以外はどのアルバムも素晴らしかった。
今回の新作は『いつものトリオにフルヴィオ・シグルタのトランペットとフリューゲルを加えたカルテットでの演奏。
基本的にはトリオの演奏とさほど変わらない。
シグルタのホーンは従来のトリオの演奏にしっくりと溶け込んでいて、全く違和感がない。
バイオによると最初はクラシックをやっていて、2003年にスカラーシップを得てバークリー音楽大学に入学している。
出典: http://fulviosigurta.com/New_Fu/BIO.html
2007年にリーダー・アルバムをリリースし、現在までに数枚のリーダー・アルバムをリリースしている。
アート・ファーマー系の暖かく重めのサウンドと叙情的なプレイが特色だ。
やたらと速いパッセージなどは聞かれないし、抑制された表現がこのトリオにマッチしている。
シグルタはトランペットよりはフリューゲルの方が持ち味が発揮されているようだ。
スタンダードとジャズ・ミュージシャンのオリジナルが一曲ずつ、他はオルツァーとゴロウベフが担当している。
スタンダードは「星影のステラ」だが、途中からメロディーが変形されていて、ちょっと驚く。
誰の編曲かクレジットされていないが、この試みはあまり成功していないようだ。
演奏自体はいつもながらの静けさと透明感があるもの。
バイラークの「Elm」は作曲者の演奏よりも美しい。
他のメンバーのオリジナルはどの曲も抒情的で、静かに身を委ねることが出来る。
「Still To Bill」では軽快なテンポでトランペットとピアノのデュオが繰り広げられる。
少しコミカルなテイストが感じられるのも悪くない。
ドラム・ソロから入る「Maybe Next Time」はテンポは少し早目だが、哀愁が感じられる佳曲。
「Vocalise」はミラバッシに通じるほの暗い叙情が感じられる。
最後の「Forward」は最も長いトラックで、シグルタとオルツァーのソロが堪能できる。
総じてベース、ドラムスとも的確なサポートで支えている。
ソロもさることながら、オルサーの趣味のいいコンピングも光っている。
ということで、静かで上質なジャズをお望みの方には是非お勧めしたいアルバム。

Roberto Olzer Quartet:Floatin' In

1.Yuri Goloubev:Skyscapes
2.Victor Young:Stella By Starlight
3.Richie Beirach:Elm
4.Roberto Olzer:Still To Bill
5.Roberto Olzer:Maybe Next Time
6.Roberto Olzer:Aphrodite
7.Yuri Goloubev:Stee-vee
8.Yuri Goloubev:Vocalise
9.Roberto Olzer:Forward

Fulvio Sigurtà(Tp,Flh)
Roberto Olzer(p)
Yuri Goloubev(b)
Mauro Beggio(ds)

Recorded August 2016 at Artesuono Recording Studios, Cavalicco (UD), Italy





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Last updated  2021年01月28日 19時48分04秒
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