「古代王国の秘宝Jewels of Gwahlur」 コナンは黒人王国ケシャンに仕官の道を求めてやってきた。この所負けがこんでいるケシャン王に向かって、軍隊を訓練して、宿敵プント国に攻め入ってみせると豪語。しかし本当の目的は、古代王国の秘宝グワールルの歯を探す時間的余裕が欲しかった。一方、スティギア人のトゥトメクリが、ゼムバウェイ国の使節団を率いてやってきた。彼らもまたグワールルの歯を狙っており、コナンのように傭兵によってではなく、ゼムバウェイ国が兵を出してプント国併合を成し遂げてしまおうと持ち掛ける。神殿に忍び込んだコナンは女神と出会うが、一発で偽者の踊り子ムリエラと見破り きさまの尻の三日月形の母斑が、その証拠だ
「黒河を越えてBeyond rhw Black River」 ハイボリア人の若き旅人バルトゥスは、森の中でコナンと出会って怪物と間違える。コナンは総督ヴァランヌスに頼まれ、開拓民であるアキトリア人を、ピクト人が襲ってこないか見回りをしていた。コナンの名を聞いたことのあるバルトゥスは身構えるが、次第に彼の男気に惹かれていき、住民を襲うピクト人に立ち向かう。珍しく女性が登場しない話。男と犬の友情。西部開拓時代をハイボリア時代に落とし込んで書いたらしい。
「黒い異邦人The Black Stranger」 ピクト人と戦うキンメリア人の中にコナンがいた。ヴァレンソ伯爵はコルダヴァの宮廷で一目置かれる存在だったが、今ではコルゼッタ家の財産も城も失い、都を離れて姪ベレサとひっそり暮らしていた。突如バラカの武装商船が現れるが、ジンガラ王家の旗を掲げたザロノの船が表れて、武装船は退却。ザロノはベレサを妻に要求し、さらに流血王トラニコスの宝のありかを伯爵が知っているはずだと迫る。伯爵は恐怖に駆られて結婚を承知するが、ベレノは召使を鞭打たれ、怒りに震えていた。ザラノ、ストロム、ヴァレンソ伯爵が宝を巡って三すくみの状態にある時に現れたのがコナン。伯爵がシェイクスピアの『テンペスト』のイメージかと思っていたら、後から出てきた過去がとんでもなかった。少女に対しては優しいコナン。
〈資料編〉「西方辺境地帯に関する覚え書きUntitled Notes」「辺境の狼たち(草稿)Wolves Beyond the Border(Draft B)」