『不死鳥の剣The Phoenix On The Sword』 まずは、悪だくみする者たちの描写から始まる。前王を倒しアキロニアの王になったコナンを良く思わぬ輩は多い。カラバンの伯爵ヴォルマナ、黒騎士軍団の司令官グロメル、アッタルスの男爵ディオン、吟遊詩人リナルドに使われているふりして、実はアスカランテが彼等を操っていた。王朝と癒着して富を得たいヴォルマナ、正義を行い王を称える歌を歌いたいリナルド、全軍を掌握したいグロメル、王になりたいディオンの望みを叶えてやり、最後には自分が王位に就こうと考えていた。それを可能にするのは、彼の奴隷でスティギア人のトート・アモンだ。彼はアスカランテに弱みを握られていた。アスカランテの描いた筋書きで、コナンの信頼のおける側近は兵を連れて国外に出てしまい、コナン危うし!ところが古の神官が表れて、不死鳥を刻んだ剣を渡してくれる。一方トート・アモンも、ひょんな事から望みのものを手に入れる。さあコナンの一発逆転が始まる。
『龍の刻The Hour of The Dragon』 ミトラ神の神官オラステス、アキロニアの王座奪還を狙うヴァレリウス、ネメディア王の弟タラスクス、ネメディア国の男爵アマルリックらが、石棺に眠っていた魔術師ザルタートンを蘇らせる。彼等はタラスクスをネメディアの王位に、ヴァレリウスをアキロニアの王位につけようと画策。逃亡するコナンを助けてくれるのがネメディア王の宮廷に侍りながらも地味なため王の目に留まらなかったゼノビア。一目見たコナンを恋い慕い、逃がしてくれたどころか、一緒にいては足手まといになるからと自分はこの国に留まると宣言する。企みで自分に近づいてくる悪女には冷たいが、純粋に自分を慕う相手にはめっぽう優しいコナン。最後には絵にかいたようなハッピーエンドが待っている。尚、本編はアーサー王に擬せられた箇所がある。