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「初めてお逢いした夜から」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。お返事は、 その夜より わが身の上は 知られねば すずろにあらぬ 旅寝をぞする宮さまに初めてお逢いした夜から わたしの身の上がどうなるのか分からず車宿りという思いもしない所で旅寝をしていました と申し上げた。 女は、こんなに親身にもったいないほどのお気持ちを、知らないふりをして強情をはっていていいのだろうか。ほかのことは大したことはないと思う。宮さまのお邸に行こうと決心した。邸に行った場合、実際に起こる問題を言う人たちもいるが、聞く気もしない。辛い身の上だから、ご縁のあるままにお邸に行こうと思う一方でこの宮仕えはわたしの望みではなく、巌(いわ)の中に住みたいけれどそこでまた辛いことがあったらどうしよう。巌の中に住むとは出家。
2022.05.31
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「いい加減に過ごしてきた」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。事情を知らない宿直の男たちがあたりをめぐり歩いている。いつものように右近の尉と小舎人童が車の近くに控えている。宮さまは女を身にしみて愛しく思われるにつれて、女に対していい加減に過ごしてきた態度を悔やまれるのも、身勝手といえる。 夜が明けると、宮さまはすぐに女の家まで送っていらして、邸の人が起きないうちにと急いでお帰りになり、早朝に、文を寄こして来た。寝ぬる夜の 寢覚めの夢に ならひてぞ ふしみの里を 今朝は起きけるあなたと一緒に寝た夜以来 夜目が覚めてしまって 伏見の里なのに 今朝は臥さないで起きていました
2022.05.30
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「今行っても無駄でしょう」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。うつろはぬ 常磐の山も もみぢせば いざかし行きて とふとふも見む色の変わらない常磐の山が紅葉するなら 急いで行って見るでしょうが今行っても無駄でしょうと、先日宮さまがこられたときに、差し障りがあってお逢いできませんと申し上げたのを思い出しておられた。その後で高瀬舟 はやこぎ出でよ さはること さしかへりにし 蘆間わけたり高瀬舟〔宮さま〕早く漕ぎだしていらっしゃってください 障りがあってお帰りになった蘆(あし)の障害は取り除きましたからともうしあげた。蘆は舟の進行の障害 と申し上げたのを、お忘れになったのか山べにも 車に乗りて 行くべきに 高瀬の舟は いかがよすべき山の紅葉は車に乗って行くはずなのに 高瀬舟でどうして行くことができるでしょうとあるので返事を書いた。
2022.05.29
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「今朝になって悔やんでもしかたない」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。もみぢ葉は 夜半の時雨に あらじかし 昨日山べを 見たらましかば紅葉の葉は昨夜の時雨で散って残っていないでしょう 昨日山に行って見ていたらとお返事したのを、宮さまはごらんなってそよやそよ などて山べを 見ざりけむ 今朝はくゆれど なにのかひなしそうですよ どうして山へ行かなかったのでしょう 今朝になって悔やんでもなんにもなりませんと書いたあと、紙の端にあらじとは 思ふものから もみぢ葉の 散りや残れる いざ行きて見む紅葉はもうないとは思いますが 散り残ってるのがあるかもしれません さあ行って見ましょうとおっしゃってきた。
2022.05.28
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「十月には振るといわれる時雨」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。聞こえるはずのない大きさの声でもなかったのですが、聞いていた時に本当に、とても哀れに思われましたが、そうはいってもやはりすぐに返歌をしにくく、つつましくして終わってしまいました。残念に思いながら夜を明かしたその早朝、宮さまから、神無月 世にふりにたる 時雨とや 今日のながめは わかずふるらむ十月には降るといわれる時雨 あなたも今日の長雨をわたしの物思いの涙雨とは思わないでしょう だとすると残念ですとおっしゃってきた。女(和泉式部)は時雨かも なににぬれたる 袂ぞと 定めかねてぞ われもながむる時雨に濡れたのか 何に濡れた袂(たもと)なのかと決めかねてわたしも物思いに沈んでいますと詠んだ。
2022.05.27
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「この頃の山の紅葉はきっと美しい」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。月も見で 寝にきと言ひし 人の上に おきしもせじを 大鳥のごと月も見ないで寝たとおっしゃったあなたの袖には霜は降りないでしょう 起き明かした大鳥の羽のようにはとすぐに夕暮れにお越しになった。この頃の山の紅葉はきっと美しいから見に行きましょうといわれるのでとてもよいことですと申し上げて、約束したその日になり今日は物忌ですと申し上げて家にとどまっていた。宮さまから、ああ、残念だ。物忌が終わったら必ずと返事があったがその夜の時雨は、いつもより強い雨音が木々の木の葉が落ちそうなほどに聞こえるので、女は目を覚まして、風の前にある木の葉がうらやましいという。
2022.05.26
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「霜がたいそう白く降りた早朝」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。 よくない男たちが手紙を寄越したり本人たちも家の周りをうろついたり悪い噂が立つので、女は、宮さまのところへ行こうかしらと思うがやはり気おくれがしてきっぱりと決心ができない。霜がたいそう白く降りた早朝、女がわが上は 千鳥も告げじ 大鳥の はねにも霜は さやはおきけるわたしの袖に涙の霜が降りたのを千鳥も告げないでしょう 大鳥の羽(宮さまの袖)にも霜は降りたでしょうか大鳥の羽に、やれな霜降れり やれな 誰かさ言ふ 千鳥ぞさ言ふ 鷃(かやぐき)ぞさ言ふ 蒼(みと)鷺(さぎ)ぞ 京より来てさ言ふ風俗歌・おほとり、と申し上げると、宮さまから返事がある。
2022.05.25
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「恥ずかしくてならなかった」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。葛城などの故事とは役(えん)の行者が葛城山と金峰山との間の久米路に橋を架けるように葛城神に命じたが、容姿が醜いために夜だけ仕事をして、昼は仕事をしなかったので橋が中々完成しなかったという故事をふまえている。 愛しくてならなかったと言ってこられ、恥ずかしくてならなかったですと申し上げると、折り返し宮さまからおこなひの しるしもあらば 葛城の はしたなしとて さてややみなむわたしに役の行者のような法力があったなら 葛城の神のように あなたが昼間に逢うのを恥ずかしがっているからといってやめてしまうでしょうかなどと言う。今までよりしばしばお越しになったりするので日々の心細さも格段に慰められる気がする。
2022.05.24
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「愛しくてならなかった」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。直衣をお召しになり、その下になんとも言えないほど美しい袿(うちぎ)をそれも出し袿(下に着る衣の裾を出して着る)にしていらっしゃるのが理想的に見える。女は、私の目まで色っぽいせいかしらとさえ思われた。 翌日、宮さまから、昨日昼間に伺って、あなたがあきれていた様子が辛かったものの、愛しくてならなかったと言ってこられた。葛城の 神もさこそは 思ふらめ 久米路にわたす はしたなきまで葛城(かつらぎ)の神も私のように思ったことでしょう 昼間に久米路に橋を架けるのはみっともないことだと故事をふまえて書いている。
2022.05.23
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「わたしたちの言葉も深くなった」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。伊勢のあまの 塩焼き衣 馴れてこそ 人の恋しき ことも知らるれ古今六帖・柿本人麻呂伊勢の海人が塩を焼く時に着る衣のように 馴れ親しんでこそ人は恋しくなるでしょうとおっしゃって、部屋を出て行かれた。 庭先の透垣(すいがい・垣根)のところに、美しい檀(まゆみ)が少しだけ紅葉したのを、宮さまはお折りになって、欄干に寄りかかって檀の葉が色づくように、わたしたちの言葉も深くなったねとおっしゃる。白露がほんの少し置くのを見ていた間にと申し上げる女の様子を宮さまは情趣があって素晴らしいと思われる。宮さまのご様子もとても心ひかれる。
2022.05.22
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「頼りない関係では苦しくてならない」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。宮さまがいわれるようにお邸に移ることになったら、いつまでも恥ずかしがっていられないと思って、にじり出たが、宮さまはこの数日ご無沙汰していたことなどをお話しになった。しばらく横になられてわたしが申し上げたように、早く決心して下さい。こういう外出はいつも気恥ずかしく、だからといってお伺いしないと気がかりだし、こんな頼りない関係では苦しくてならないといわれる。とにかくお言葉通りにと思っているのですが見てもなほ またも見まくの ほしければ 馴るるを人は 厭ふべらなり古今集・読人しらず逢えば逢うほど逢いたくなるので 親しくなると人は嫌がるだろうということがありますから、思い悩んでいると申し上げた。
2022.05.21
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「思わず歌が口ずさまれて」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。目を覚まして横になり、夜もしだいに更けたようだと思うころに門を叩く音がするので、誰だろう、心当たりがないけれどと思うが、取次に尋ねさせると、宮さまからのお手紙だった。思いもしない時刻なので、心が通じたのかと嬉しくなって妻戸を押し開けて手紙を見ると見るや君 さ夜うちふけて 山の端に くまなくすめる 秋の夜の月見ているだろうかあなたは 夜が更けて山の端に曇りなく澄んでいる秋の夜の月を 思わず歌が口ずさまれて、いつもより身にしみて感じられる。門も開けないで待たせているから、お使いが待ち遠しく思っているだろうと思って、すぐに返歌を詠み送った。
2022.05.20
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「月を眺めている歌を返してくる」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。ふけぬらむと 思ふものから 寝られねど なかなかなれば 月はしも見ず夜が更けただろうと思うものの眠れませんが だからといって月を見れば物思いが増すばかりなので見ませんと詠んだ。宮さまは女も月を眺めている歌を返してくると思っていたので意表をつかれた気がして、やはりつまらない相手ではない。なんとか近くにおいて、こういう歌を詠ませて聞きたいなと女を邸に移らせることを決心なさった。 二日ほど経ち、宮さまは女車のように見せかけてそっとお越しになった。昼などにまだお目にかけたことがないので、恥ずかしいけれどみっともなく恥じらって隠れているわけにもいかない。
2022.05.19
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「わたしが手枕の袖を忘れた」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。女(和泉式部)が、人知れず 心にかけて しのぶるを 忘るとや思ふ 手枕の袖誰にもわからないようにあなたのことを想っているのにそんなわたしが手枕の袖を忘れたと思っていらっしゃるのですかと申し上げる。宮さまから、もの言はで やみなましかば かけてだに 思ひ出でましや 手枕の袖わたしが手枕の袖と言わなかったら あなたはけっして思い出されなかったでしょう) こうしてその後二、三日、宮さまからなんのお便りもくださらない。頼りにできそうにおっしゃったことも、どうなってしまったのかと思い続けると、眠ることもできない。
2022.05.18
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「わたしの機嫌もなおりそうにない」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。朝日影 さして消ゆべき 霜なれど うちとけがたき 空の気色ぞ朝日がさせば消える霜なのに なかなか霜が消えそうにない空模様 わたしの機嫌もなおりそうにないとある。殺したいだなんてと書いて君は来ず たまたま見ゆる 童をば いけとも今は 言はじと思ふかあなたは来ないばかりか たまに姿を見せる童を生かしておいて 手紙を届けに行けともおっしゃらないつもりですかと申し上げる。宮さまはお笑いになって、ことわりや 今は殺さじ この童 忍びのつまの 言ふことによりもっともです もう童は殺さない 隠し妻のあなたがおっしゃるのだから手枕の袖は忘れてしまったようですねとある。
2022.05.17
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「霜の上に朝日が射しているよう」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。まどろまで 一夜ながめし 月見ると おきながらしも 明かし顔なるわたしが一睡もしないで眺めていた月を あなたは今朝まで起きて見ていたようにおっしゃるのですね 本当でしょうかと申し上げてこの童が、ひどくお責めになりますと言うのが面白い。紙の端に霜の上に 朝日さすめり 今ははや うちとけにたる 気色見せなむ霜の上に朝日が射しているようです 今はもう霜もとけるように 童に打ち解けた様子を見せてください童はひどくしょげているそうですと書いたところ、宮さまから今朝あなたが歌を先に送って得意そうだったのが、憎らしくてたまらない。この童を痛めつけたいと思っているほどでとある。
2022.05.16
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「寝てしまって見なかった月」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。まだこちら様からお手紙をくださらない前に、宮さまはわたしをお呼びになったのですが、今まで参上しなかったとわたしをお責めになったかと思うと、お手紙を取り出した。昨夜の月は素晴らしかったねとあって寝ぬる夜の 月は見るやと 今朝はしも おきゐて待てど 問ふ人もなしあなたが寝てしまって見なかった月をごらんになったかと 今朝までずっと起きて待っていたが 便りをくれる人もいないなるほど童の言うように、宮さまのほうが先に歌を送ろうとなさったらしいと思うと、嬉しい。
2022.05.15
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「今朝よく見ると真っ白なんです」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。手枕の 袖にも霜は おきてけり 今朝うち見れば 白妙にして寝ないで起きていたからわたしの手枕の袖にも涙が凍って霜になったよう 今朝よく見ると真っ白なんですと申し上げた。宮さまは、悔しい、先を越されたと思われて、つま恋ふと おき明かしつる 霜なれば けさうち見れば 白妙にして妻と思うあなたが恋しくて 起きていて明かしたわたしの涙の霜だからとお詠みになったときに、やっと童が参上した。宮さまはご機嫌が悪く童のことをお聞きになるので、取次の者は童に早く参上しないから、ひどく怒っていらっしゃるようだと言ってお手紙を渡したので、童は女のところへ持って行った。
2022.05.14
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「露と別れの涙で濡れてしまった」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。女が横になっているときに、宮さまから手紙があった。露むすぶ 道のまにまに 朝ぼらけ 濡れてぞ来つる 手枕の袖露が降りた道を歩くうちに夜が明けて 露と別れの涙ですっかり濡れてしまった手枕の袖。この手枕の袖のことは、どうということもないが、お忘れにならないで詠んでいらっしゃるのも嬉しい。道芝の 露におきゐる 人により わが手枕の 袖もかはかず道の芝草の露に濡れて起きているあなたのせいで わたしの手枕の袖も涙で乾かない その夜の月がとても明るく澄んで、女も宮さまも月を眺めて物思いにふけって夜を明かし、翌朝、宮さまはいつものように手紙を遣わそうと、童は来ているかとお尋ねになっているとき女も霜がとても白いのに目を覚まして歌を詠む。
2022.05.13
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「まったく見立たない所を用意」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。いまはただもう、あなたがおっしゃるようにしたいとは思います。今のように別々に暮らしていても見苦しいことと世間では噂している。ましてわたしがお邸に移ったら、噂は本当だったと人は見るでしょう。それが気になってと申し上げると、宮さまは、そのことは、私の方こそとやかく非難されるでしょうが、あなたのことを見苦しいなどと誰が見るでしょう。まったく見立たない所を用意してお知らせしましょう。 このように頼もしくおっしゃって、まだ暗いうちにお帰りになった。 女は、格子を上げたままでいたので、ただ一人端近にいても、どうしようとか、笑われるのではないかと、様々に思い乱れた。
2022.05.12
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「明けることのない闇夜にいる」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。心も癒やされるなどと考えたのですとおっしゃるので、女(和泉式部)は今さらそんな上流社会の暮らしなんてできるわけがないなどと思って一の宮さまにお仕えするのもはっきりお断りしたが、だからといってみ吉野の 山のあなたに 宿もがな 世の憂き時の かくれがにせむ古今集・読人しらず吉野山の彼方に住まいががあったらいいのに そうしたら世の中が嫌になった時の隠れ家にするのに導いてくれる人もいないし、このまま過ごすのも明けることのない闇夜にいる気持ちばかりするし、つまらない冗談を言ってくる男が多くいたから、世間ではわたしを悪い女だと言っているようだ。
2022.05.11
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「他に男がいる疑いは晴れるだろう」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。なんと言われても、宮さまの他に頼れる人も居ないので、ともかく宮さまのおっしゃるようにしてみよう。北の方はおられるが別々に住んでいらして、宮さまのお世話はすべて乳母が取り仕切っている。人目に立つように振る舞ったらよくないだろうが、それなりの目立たない所にいるなら、別になんということもないだろう。他に男がいるという宮さまのお疑いはきっと晴れるだろう。 どんな事も思い通りにならないと思いながら過ごしています。慰めには、今夜のように、あなたがたまにいらっしゃるのをお待ちしてお迎えするしかありません。
2022.05.10
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「空行く月がもどってくるように」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。忘るなよ ほどは雲居に なりぬとも 空行く月の めぐりあふまで拾遺集・橘忠基/伊勢物語十一段わたしを忘れないで あなたとの距離が空遠く離れていても 空行く月がふたたびもどってくるように いつか再びめぐり逢うまでというようになかなか逢えなくなるでしょう。もしおっしゃるような寂しい暮らしなら、わたしの邸にいらっしゃいませんか。北の方などもいますが、不都合なことはないでしょう。わたしはもともとこういう外出が似合わないせいか、誰もいない所で女性と逢うこともしない。仏のお勤めをするのさえ、一人っきりなので同じ心であなたとお話ができたら、心も癒やされるのではないか。
2022.05.09
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「人並みに扱わていないように思われた」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。しみじみとお話をされるうちに、いつもこのように物思いに沈んではっきり決めていたわけではないけれど、いっそのことわたしの所へいらっしゃい。世間の人もわたしがあなたのところへ通うのを悪く言っているそうです。時々伺うので、人に見られることもないけれど、それでも人は聞きづらいことを言うし、また何度もあなたに逢えないで帰るしかなかったときの辛さは、人並みに扱わていないように思われた。どうしようかと思ったときも何度かあるけれど、古風な心のせいかあなたとの仲を絶ってしまうのがとても悲しく思われてだからといって、こんなふうにいつも伺うことはできないし本当のことを誰かに聞かれて とめられたりしたらと思うと。
2022.05.08
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「手枕の袖が涙で濡れて寝れない」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。 宮さまは邸に帰って、頼りにする男もいないようだと気の毒に思われて今、どうしていらっしゃいますかと言ってこられたので、そのお返事に今朝の間に いまは消ぬらむ 夢ばかり ぬると見えつる 手枕の袖今朝のうちにもう乾いてしまったでしょう ほんのわずか濡れたように見えたあなたの手枕の袖はと申し上げた。手枕の袖は忘れませんと言ったとおりで。おもしろいと思われて夢ばかり 涙にぬると 見つらめど 臥しぞわづらふ 手枕の袖ほんの少し涙に濡れたと思っていらっしゃるようですが 手枕の袖が涙で濡れて寝られないで困っています。 先夜の空の風情が身にしみて見えたせいで、宮さまのお気持ちが動いたのかあれ以後は女のことを気がかりに思われて、頻繁に女の所へ行かれて女の様子などをごらんになっていくうちに、男馴れした女ではなく、ただただ頼りなさそうに見えるのも、とても気の毒に思われる。
2022.05.07
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「月の光の中で涙が落ちるばかり」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。女はどんなこともどうしようもなく辛く思われて、お返事する気にもなれないので、なにも言わないで、ただ月の光の中で涙が落ちるばかりだが、宮さまはそれを愛しくごらんになる。どうしてお返事もなさらないのです。変な歌なんか申し上げたので不愉快に思われたのですね。かわいそうにとおっしゃる。どうしたのでしょうか、ただもうたまらなく心が乱れる気がして言葉が耳に入らなかったわけではないので、まあ、見ていてください。手枕の袖のお言葉を忘れる時があるかどうかをと冗談ごとに言い紛らわしてしみじみとした夜の風情も、こんなことを言っているうちに明けたのだろう。
2022.05.06
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「浮気な女だと悪くばかり言う」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。月は時々曇り、時雨の降る時、特別に二人のために作り出したようなしみじみとした情景なので、女の思い乱れている心にはぞくぞく寒気がするほど素晴らしいが、宮さまもそんな女の様子をごらんになり思う。人は浮気な女だと悪いことばかり言うが、おかしなことだ。こうしてわたしといるではないかなどと思われる。宮さまは女を愛しく思われて女が眠ったように思い乱れて横になっているのを揺り起こして時雨にも 露にもあてで 寝たる夜を あやしく濡るる 手枕の袖時雨にも夜露にもあてないように寝ている夜なのに 不思議にもわたしの手枕の袖が濡れる とおっしゃる。
2022.05.05
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「しみじみと心にしみる言葉」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。宮さまから、望み通りの歌だったと申し上げるのも、わたしが歌に通じているようで気が引けます。でも、あまりに気をまわし過ぎです。憂き世の中(辛いことの多い世の中)とあるのは。うち捨てて たび行く人は さもあらば あれまたなきものと 君し思はばわたしを捨てて旅に出る人なんてどうでもいい あなたさえわたしを二人といないと思ってくださるなら生きていけるでしょうと返事があった。 やりとりをしているうちに十月になり、十月十日頃に宮さまはやって来た。奥は暗くて恐いので、端近で横になり、しみじみと心にしみる言葉をいろいろとおっしゃるので、心に響かないことはない。
2022.05.04
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「あなたの面影が残っていてほしい」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。あなたがくださる歌だけがわたしを感動させるので、わたしの代りに一首詠んでくださいとある。女は、まあ、自慢して、いい気なことと思うが、代作などとてもできませんと申し上げるのも、生意気なようだ。おっしゃるような歌がどうしてわたしに・・・とだけ書いて惜しまるる 涙にかげは とまらなむ 心も知らず 秋は行くとも別れが惜しまれるわたしの涙に 秋が去るようにあなたがわたしから去っていっても あなたの面影が残っていてほしいおっしゃるままに代作をするなんて、気恥ずかしいことでと書いて紙の端に、それにしても、君をおきて いづち行くらむ われだにも 憂き世の中に しひてこそふれあなたを残して その方はどこへ行くのでしょう わたしでさえ あなたとの辛い仲をやっと生きていますのにと書いて送る。
2022.05.03
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「訪ねて行ったのに逢えなかった」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。よそにても 君ばかりこそ 月見めと 思ひて行きし 今朝ぞくやしき離れていても あなただけは月を見ているはずと思って訪ねて行ったのに 逢えなかった今朝が悔しくてならない門を開けてもらえなかったのが残念ですとあるので、やはり手習いの文を送っただけのことはある。 こんなことがあって、九月末ごろに宮からお手紙がある。このところご無沙汰しているお詫びなどが書いてあって、変なお願いですがふだん親しくしていた人が遠くへ旅立つので、その人が感動するにちがいない歌を一首送ろうと思うのです。
2022.05.02
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「わたしの袖も涙で朽ちてしまった」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。よそにても おなじ心に 有明の 月を見るやと たれに問はましどこかほかの所に居てでも わたしと同じ気持で有明の月を見ていると いったい誰に尋ねたらいいのかしら宮さまのところへでも送ろうかと思ったので、この手習いに書いた文をさし上げたところ、宮さまは少しごらんになって、しばらく考え物思いの間でもすぐに返事をしようと手紙をお遣わしになる。女は、なお外を眺めて端近の所に座っているときに返事を持って来たのであまりの早さに期待が外れた気がして開けてみると、秋のうちは 朽ちにけるものを 人もさは わが袖とのみ 思ひけるかな秋のうちにわたしの袖も涙で朽ちてしまったのに あなたはじぶんの袖だけが朽ちたと思っていたのですねとある
2022.05.01
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