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今週は火曜日の昼休みに、日銀が臨時の金融政策決定会合を開催すると伝わってから、相場つきが一変しましたね。月曜日も大きく反発していましたが、これは前週に急落した反動(および月末のドレッシング買い)に過ぎません。現実に火曜日の前場は100円以上下落していました。それが昼休みを境に、突如として雰囲気が変わりました。実際に発表された日銀の政策については、当初期待はずれとの声が多かったのですが、その後も株式市場は上昇を続けています。何よりも円高がおさまり、週末には89円台まで反転したことが大きかったと思います。今週急上昇した銘柄には輸出関連株が多く、小売など内需系の小型株にさえないものが散見されたのが特徴的です。(不動産系は好調でした。)個人投資家の今週の成績は、日経平均に負けた人が多かったのではないでしょうか。政策効果は小さいという評価が多かったのにもかかわらず、これほど急反発した理由は、何なのでしょう。私は今回の日銀による政策効果自体よりも、政府・日銀の姿勢の変化を感じ取ったからではないかと思います。これまでの鳩山政権は、経済に悪影響を与える政策ばかりが目立っていました。経済成長や為替など資本市場の動向には、全く関心がないという印象を与えていました。そのため日本の将来に悲観的になり、日本の株式市場には売りポジションが積み上がっていたと推測します。また為替についても投機筋のやりたい放題で、急速な円高が進んでいました。そこに円高や株安阻止に向けた発言が出てきて、日銀とも政策協調をとりはじめました。これまで鳩山政権は、経済にとってマイナスだという投資家のコンセンサスができつつあった所に、資本市場や需要創出にも関心を持っているということが伝わったために、サプライズとして受け取られたのだと思います。私自身 前回のブログ では、鳩山政権ができてから初めて前向きな変化を感じ、短期的な強気に転じました。この動きを見て投機筋は、あわてて日本株売り/円買いのポジションを閉じたために、今週の株価急反発と円安がもたらされたと考えます。急激な変動は、損切りなど急遽撤退することにより、もたらされることが多いですよね。さて、この動きに持続性はあるでしょうか?私は今回の動きは、投機資金の手仕舞いが原因であり、持続性は乏しいように感じます。政府の姿勢に望ましい変化が現れたとはいっても、マイナスだったものがゼロに戻っただけであり、プラスになるのかは依然不透明です。子供手当の財源をめぐって、「地方や事業主にも負担を求める」などと菅直人副総理は言い出しました。さっそく北風政策に逆戻りです。オバマ政権の「雇用創出に貢献した企業には減税を検討する」という太陽政策を、少しは見習ってもらいたいものです。金曜日に発表されたアメリカの雇用統計が予想外に良く、ドル円も90円台まで戻しましたので、来週の週初は強い動きが続くかもしれませんが、そろそろ鳩山政権の本気度を見守るステージに入るのではないかと思います。このまま一本調子の上昇はないでしょうから、現在1割程度に減っているキャッシュポジションを高めていこうと思います。
2009.12.05
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昨日の株式市場は、前場は日経平均で100円以上下落する場面もありましたが(これは想定通り)、昼に日銀が臨時の金融政策決定会合を開催すると伝わったことから、後場は急騰しました(うれしい誤算)。最近になって、政権中枢から円高や株安を気にする発言が聞こえるようになってきました。有効な対策を打てるとは思えませんし、本気度もわかりませんが、「資本市場の動きなんて庶民には関係ない」 とでも思っているようなあの政権が、円高や株安対策を意識するようになったということ自体、私にとってはポジティブサプライズです。たとえ具体的な対策がなくても、マイナスになるような言動を慎んでくれるだけでもプラスだと思います。「新たな需要創出に向け、制度・規制などルールの変更に積極的に取り組む」という発言も出てきました。従来の、規制を強化して保護や分配一辺倒だった政策から、初めて規制緩和による需要創出(私の表現では太陽政策)に目を向け始めたようにも感じます。具体的な政策が出てくるまでは信用できませんが、良い変化だと期待します。急激な円高や株安(特に日本の独歩安)が、経済に興味のなかった民主党政権に、目を覚まさせるきっかけとなったのかもしれません。そう考えると資本市場の動きは、優秀な教育係に思えてきます。民主党が経済を無視したら思い切り株安にして落第点をつけ、対策を考え出したら株高のご褒美で応えてあげましょう。
2009.12.02
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私は総選挙前から民主党の経済政策には批判的であり、選挙で民主党が大勝した瞬間、絶望的な気分になったことは以前書いたとおりです。民主党政権下では株価は下がると考え、一部の保有銘柄を売却しキャッシュポジションを高めました。ここまでは正解だったのですが、相場が好きなので少し下がったところで買い戻してしまい、その後更に下落しています。現在のキャッシュポジションは鳩山政権発足時よりも低い11%になっています。これってよくある失敗です。私の場合、下落要因を認識することは比較的できるのですが、その対処がうまくなく、下落要因が残っているうちに値頃感から早まって買い出動してしまい、その後更に続落するという典型的なパターンです。さて、株式市場は下落が続き、日経平均は9000円間近になってきました。前回9000円に近付いた7月13日には、9000円割れはないという確信があり、絶妙のタイミングで買い出動することができました。今回はどうでしょうか? 9000円が支持線となって、ここで下げ止まるのか、全然わかりません。理由は3つあります。・現状の日経平均が、市場全体を表す指標となるか疑問9月後半から10月下旬にかけて、市場全体と比較して日経平均だけが強かったため、日本の株式市場全体を表す指標として、参考になるのかわかりません。4月から7月にかけて私が節目として重要視していた日経平均9000円というラインは、TOPIXでは850程度でした。昨日現在のTOPIXは811と既にそのラインを大きく割り込んでいます。個別銘柄で見た場合には、現在のラインがサポートになっている銘柄は少ないのではないかと思います。したがって日経平均先物はともかくとして、個別銘柄での買いが特に多く入る水準であるとは限りません。・外部環境の不透明さ昨日は一時84円台に突入するという、急激な円高が進んでいます。またドバイの政府系企業が債務返済猶予を申請し、これまで堅調だった海外市場も急落しました。この影響はまだ読み切れませんが、ヨーロッパを中心として金融危機が再発する懸念も拭いきれません。危機まではいかなくとも、しばらくは様子見姿勢を強める投資家は多いと思います。木曜日に情報が流れたのは、(1)アメリカ市場が休みの日に情報を流し(影響を少なくする)(2)金曜日に世界株式市場を暴落させ(支援しないと大変なことになると脅し)(3)週末のうちに支援の合意をとりつけるという計算があったのではないかと期待します。ドバイのバブル崩壊は以前から言われてきたことであり、今回のドバイ問題が大きな危機に発展するとは考えにくいのですが、これまで過剰流動性相場で世界の株式市場が堅調すぎたために、これがきっかけとなり、しばらく軟調な展開になる可能性があります。(きっかけは何でもいいのです。)・民主党政権は続く9月以降世界の株式市場が上昇する中、日本だけが独歩安でした。その理由として、政治不信があったことは明らかです。(私自身政治リスクを感じている。)徐々に民主党政権への批判も増えてきましたが、相変わらず支持率は高く、民主党政権はまだ当分続きます。基本的に民主党政権のうちは、株価は上がらないと覚悟しています。下げ過ぎの反動はでるでしょうが、よくてボックス相場だと思います。一刻も早く、経済や国力を意識した現実的な政策に転換することを期待します。以上の理由により、日経平均9000円というラインは、意識しない方が良いと考えています。現状の相場観は、まったくわからないというものです。ここで急反発に転じるような感じはもてません。当面は外部環境の動向を注視し、市場センチメントの反転を待ちつつ、急落した小型株でのゲリラ戦を展開するつもりです。
2009.11.28
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先進国と新興国に分けた場合、投資対象としての新興国には、次のような特徴があると思います。・成長性がある。・景気変動(そして株価の変動)が大きい。・突然の政策変更があるなど、政治リスクが大きい。その他にも、海外資金への依存度が高い場合には、世界的な不況時に資金の逃避が起き、金融危機や通貨危機が起きやすくなりますが、これは各国の置かれている状況により異なります。投資対象としてみた場合の共通点を一言で表現すると、 「リスクは高いものの、うまくいけば高いリターンが期待できる」ということになるでしょう。これらの観点から今の日本を見ると、どうなるでしょうか?成長性については、全く期待できません。ただでさえ少子高齢化で国内市場が縮小していくのに、政府に成長させようという意欲は見られません。むしろ経済力を削ぐような政策が目につきます。景気変動については、昨年のリーマンショック後に、先進国中最大の落ち込みを見せたことでもわかるように、景気変動は大きいと考るべきかもしれません。これは日本の有力産業が輸出産業であり、しかも設備投資関連や耐久消費財関連など、景気変動の影響を受けやすい製品に偏っているためです。多くの新興国よりは安定感があるとはいえ、海外投資家から日本株は景気敏感株だと見られるのも、仕方のないところです。最後の政治リスクについては、ごく最近までは政治リスクの小さな国でした。しかし政権交代が起こり民主党政権になってからは、状況が一変しました。従来は暗黙の前提条件となっていた経営環境が、突然変更されてしまうリスクを感じます。政権交代があれば、ある程度政策が変わることも覚悟しなければいけませんが、その多くが経済や外交上マイナスの影響を与えることばかりです。現状では、政治リスクに敏感にならざるを得ません。民主党政権になったとたんに、日本の株価が世界株式市場の動向から乖離して下落し始めたことからも、明らかです。このように考えると、現在の日本は「成長性の期待できない新興国」となります。新興国と聞くと、「新たに勃興し始めた将来に期待できる国」というイメージがありますが、そこから成長性をとると、良いところがなくなってしまいます。単なる「将来の期待できないリスクの高い国」と言うべきかもしれません。世界の投資家が、こんな国に投資したいと思うわけありませんよね。同じリスクをとるならば、成長の期待できるBRICsなどに関心が向くのは当然のことです。その結果が、今年の世界の株式市場で、日本だけが独歩安になっていることに表れているのでしょう。この記事 から、世界の株価指数のところを抜粋し、記録として残しておきます。■2009年 G7の主要株価指数の年初来変化率(11月18日時点) アメリカ : +22.87%カナダ : +29.65%イギリス : +20.48%ドイツ : +20.32%フランス : +18.96%イタリア : +19.91%日本 : -1.07% 日本を除くG7諸国はいずれも今年すでに2割~3割程度株価が上昇中です。 ■2009年 アジアの主要株価指数の年初来変化率(11月18日時点) 中国 : +81.42%香港 : +58.75%韓国 : +42.64%台湾 : +69.16%タイ : +57.18%インド : +76.20%ベトナム : +75.47%フィリピン : +62.99%パキスタン : +55.92%スリランカ : +97.66%マレーシア : +45.43%シンガポール : +55.83%インドネシア : +83.28%バングラディシュ : +45.88%日本 : -1.07%
2009.11.23
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「北風と太陽」の続編として、太陽編を書く予定でしたが、へたなたとえ話では伝えたいことをうまく表現できないと考え、直接書くことにしました。政(まつりごと)とは国家/社会を、ある理想とする状態に作り上げることを目的とします。そのためには、まずどのような国家/社会を作ろうとしているのか、国家ビジョンを明確にする必要があります。次に、それを実現するための方策を検討します。これが具体的な政策になります。政策には、次の2種類があると思います。・国民にある行動をとらせるように仕向けるための仕組み作り。・国が直接行動する。一番目の、「国民にある行動をとらせるように仕向けるための仕組みづくり」というのは、とらせたい行動にインセンティブを与える形になります。例えば太陽光発電を普及させるために、太陽光発電により発電した電力のうち余った分を、電力会社が従来の2倍の価格で買い取る制度などが該当します。多くの場合、特定の行為をすると減税する政策が一般的です。エコポイントも、この範疇に入るでしょう。2つめの、「国が直接行動する」というのは、公共投資などが代表例です。インフラ整備など、主に民間ではできないことを、国家が行います。経済の発展段階が初期の国では、特に重要になります。また不況時に期間限定で、需要を創出することも必要でしょう。直接国家が行動する場合、多額の費用がかかります。それらは税金で賄われますが、国家財政には限りがあるため、本当に国家が行う必要のあるものに、限定することが肝要です。それと比較して、インセンティブを与える仕組み作りの場合には、最小限の費用で多数の国民の資産を有効活用することができます。したがって、インセンティブを与える仕組み作りは上策で、国家が直接行動する政策は下策だと思います。(国が行うと、非効率になるという面もあります。)身近な例に置き換えてみましょう。ある部署のマネージャーになったとします。優秀なリーダーであれば、部下の能力を引き出し、それぞれの部下が活躍できるようにすることに、注力します。一方あまり誉められないリーダーの場合は、細かいことまで直接自分で手を下してしまいます。多くの場合、実務能力が高かったためにマネージャーに昇進したのでしょうから、個別案件については、部下に任すよりも自分でやった方が、レベルの高い仕事ができます。しかし時間的な制約により、自分一人で上げられる成果には、限りがあります。部署全体のパフォーマンスとしては、メンバー全員が活躍できる様にした方が、高まります。多くの人の力を発揮できるようにすることが、すぐれたリーダーであるのと同様に、多くの国民に行動してもらうような仕組み作りこそが、良い政策だと考えます。私はインセンティブを与えるような政策を資本主義的政策、そして国家が直接行動するような政策を社会主義的政策と捉えています。漫然と税金をばら撒くのではなく、いかに国民の欲求にうまく働きかけ、目指す方向に行動を起こさせるかこそが、現在の日本に求められている政策ではないでしょうか。全てがだめだとまでは言いませんが、社会主義的な政策だけでは、活力は産まれません。どちらの政策をとるにしろ、目的を明確にして定期的に効果を検証することが必要です。意義を失った政策を単純に継続することは、避けなければいけません。その意味では、事業仕訳には期待しています。ただし政治ショー化している点が気になります。本当に重要な問題から、国民の関心をそらすことを狙っているのではないかと勘ぐってしまいます。さて、昨今の政治に私が不満を持っている理由のひとつは、マイナスのインセンティブを与える政策が目につくためです。マイナスのインセンティブの具体例として、「北風と太陽-民主の北風編」を書きました。そしてプラスのインセンティブのことを、「太陽編」として書こうと思っていた次第です。失業が問題であれば、仕事を増やす必要があります。仕事を作っているのは主に企業ですので、企業が雇用したいと思うようにすることが大切です。銀行貸し出しを増やしたければ、貸し出すことのハードルを低くすれば効果があるはずです。それを様々な規制を強化することによって、逆に身構えさせてしまっています。プラスのインセンティブを与える政策を上策、直接国家が行動する政策を下策と言いましたが、マイナスのインセンティブを与える政策は最低です。現在の窒息しそうな停滞感を解消するために、新しいアイディアを持った起業家が多数現れることを期待します。そのためには規制を緩和して、新たなビジネスチャンスを作り出せるようにすることも重要です。薬のネット販売はだめだとか、あれだめこれだめ、ああしろこうしろ、保護保護保護と、日本にはつまらない規制が多すぎます。これではやる気をなくし、活力が出るはずがありません。何も努力せずにおねだりばかりする、弱者のふりをしている人を単純に保護するのではなく、弱者から這い上がるために懸命に何かをやろうとしている人を支援するような政策を期待します。政治家や官僚は、予算をとったり既得権を守るために知恵を絞るのではなく、如何に活力ある社会を作るためのインセンティブを与えるかに、知恵を絞って欲しいものです。
2009.11.20
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国民:最近生活が苦しいよ。なんとかしてよ。民主の北風:俺にまかせな。収入を増やしてあげるよ。 最低賃金を高くすることにしよう。国民:あれっ? 最低賃金を上げたら、仕事が見つからなくなっちゃったよ。 特に派遣労働者など非正規雇用の人が、雇い止めにあっているみたい。民主の北風:じゃあ、派遣を禁止にしよう。 そうすればみんな正社員になれるから、辞めさせられなくなるよ。国民:労働規制が強くなってきたから、新しい工場を国内に作るの止めて、 海外に作ることにしたって。これじゃ仕事が無くなっちゃうよ。民主の北風:心配するな。手当を色々配って、生活を楽にしてあげるから。国民:財源は大丈夫なの?民主の北風:企業は海外の安い人件費を使って、儲けているんだから、 少し負担してもらおう。法人税率アップだ。国民:税金が高くて外国企業と競争にならないからって、 本社を海外に移す企業が増えてきたよ。民主の北風:仕方ないなあ。じゃあ金持ちに負担させよう。 皆が困っているときに、自分たちだけ裕福なのはけしからん。 所得税の最高税率アップと、資産課税だ。 格差の解消にもなるし、一石二鳥だ。国民:お金持ちや優秀な人達は皆、日本を捨てて海外に出て行っちゃったよ。 日本では希望が持てないって。民主の北風:(涙目で)君たちも見捨てて、海外に出て行くつもり?国民:僕たち貧乏人はお金もないし、海外でやっていける自信はないよ。こうして日本には、さほど優秀ではない貧乏人だけが残り、めでたく格差は解消されましたとさ。
2009.11.16
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「悔しさをパワーとして、次に生かせるかってことが大切なことじゃないかと思います。逆にそういうことができる人じゃないと、悔しい思いも神様はさせないんじゃないかな。神様が与えてくれた一つのチャンスでもあると、僕はとらえます。」松井秀喜選手の言葉です。サブプライムショックでは、悔しい思いをされた方も多いと思います。私もアーバンで、回復不能なほどの痛手を負いました。でもそれは、相場が上達してひとつ上のクラスに上がるための、進級試験なのかもしれません。神様が受験資格があると認めてくれたのだと、前向きに考えることにしましょう。
2009.11.11
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日本は長らく世界第2位の経済大国と言われてきました。確かに経済規模、技術力、文化など、大国には違いないのですが、その実態は意外に脆いと考えています。一言でいえば、日本は自立できていない国です。まずは資源です。エネルギー,非鉄金属やレアメタル,食糧など、日常活動をしていくうえで欠かせないものの多くを、輸入に頼っています。万が一輸入が途絶えたり経済封鎖されたら、即座に立ち行かなくなります。産業構造においても、日本は一部の輸出産業に頼っており、多くの内需型産業の競争力と生産性は、低いままです。しかも日本が強い輸出産業は、景気敏感産業に偏っています。残念ながら輸出産業である以上、輸出先の経済状況に影響されることは避けられません。いつまでも一部の輸出企業だけにおんぶされているわけにはいきませんから、内需型産業を強化することは必要です。しかし大黒柱の輸出産業をつぶしてしまったら、日本全体が沈んでしまいます。政府には、優秀な輸出産業を、宝物のように大切に扱ってもらいたいものです。むしろ私は、景気敏感ではない新たな輸出産業を育てることに、注力すべきだと考えます。株式市場に代表される資本市場の動向は、現在の社会において、非常に大切なものです。日本人の多くは株式投資をしていないためか、いまだに株式市場を軽視する風潮があるようですが、個人的に株式投資をしていなくても、国民生活に多大な影響を及ぼします。株式市場が暴落すれば、金融危機が発生し、経済収縮に結び付くことは、昨年のリーマンショック以降を思い出せば明らかでしょう。当然、給料にも影響します。年金も実質的に破綻するかもしれません。保険会社が行き詰れば、生命保険などの支払いも減額されます。このように重要な株式市場ですが、売買高の過半数を外国人が占めており、外国人の売買動向により、日本の株式市場の動向が決まってしまうのが現状です。すなわち外国人に支配されている状況です。一般的に外国人の投資は逃げ足が速く、自国の状況により日本など他国からあっさりと資金を引き揚げますので、海外動向に振り回されることになります。長年株式市場を軽視してきた結果、国内投資家が育っていないことのツケが回ってきているのだと思います。(グローバル時代においては、海外市場の動向にある程度影響を受けること自体は、仕方のないことですが。)現時点で唯一自立できているのは、国債の国内での消化です。しかし財政破綻は迫ってきており、これもいずれ立ち行かなくなることが濃厚です。ある記事によると、民主党が政権をとった9月以降、日本国債のCDSが35bpから63bpに急騰しているそうです。この値は他の先進国と比較しても高くなっています。10月に入ってからの長期金利の上昇傾向も気になるところです。私自身はすぐに破綻すると思っているわけではありませんが、資本市場は徐々にそれを織り込みにいっているのかもしれません。郵政民営化を後戻りさせているのは、郵貯マネーに国債を引き取らせることにより、少しでも破綻を先延ばしさせるためかもしれません。国防も全く自立できていません。これまではアメリカに完全に頼ってきました。今後もアメリカとの同盟を基軸にするのが現実的だと思いますが、日本に利用価値がなくなればアメリカも見捨てるでしょう。自国の国防戦略は、自国で考える必要があります。戦略立案にあたっては、できるだけ選択肢を広く持ちたいところです。憲法9条が制約にならないか、心配です。このように考えていくと、日本は全く自立できていない国だと思えてきます。江戸時代に鎖国できていたということが、嘘のようです。なお自立という言葉を、他国なしでやっていくという意味ではなく、外国に振り回されることなく、主導権をもって振る舞えるという意味で使っています。今の時代、一国だけでやっていくことはできません。しかし海外との関係の必要性が、リスクに直結しているという点は、忘れてはならないと思います。このような実情を考慮すると、外交が非常に大切になってきます。しかし残念ながら、外交戦略も非常に弱体だと感じます。特に鳩山政権になってからは、何を考えているのかさっぱりわかりません。とにかく日本の国益を第一に考えてもらいたいものです。外交交渉では、強いほうが有利です。残念ながら今後の日本は衰退の方向です。少しでも国力が強いうちに、日本に有利な戦略的なポジションを確保して欲しいものです。鳩山政権には、国力を強くしようとする意志が感じられません。弱者を保護するのも結構ですが、このままでは日本全体が弱者になってしまいますよ。
2009.11.06
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REITの日本アコモデーションファンド投資法人(3226)が、公募増資をしました。長らく低迷していた J-REIT ですが、公募増資ができるまでになってきたことは、意義深いことだと思います。公募価格は 487,910円で、11月5日(木)から、公募増資分の売却が可能になります。一般的には売却可能日には、増資で入手した株の売却が集中するため、株価が下がることが多いのですが、今回はどうなりますかね。公募増資に応じた人の心理を推測して、予想してみます。公募増資に応じる人の目的には、3種類あると思います。・短期利鞘稼ぎ・元々の所有者のヘッジ・長期保有1・短期利鞘稼ぎ公募増資においては、公募価格決定日の市場価格より、3~5%程度割安な価格で入手できますので、利鞘を稼ごうとする人もいるかもしれません。しかし実際に売却できるようになるまで1週間程度かかり、その間に株価が下落すると、売却チャンスを逸してしまうリスクもあります。したがって数%のディスカウントだけを目的として、公募増資に応じることは、お勧めできません。むしろ短期で利鞘稼ぎを狙うのであれば、急落後の反発を狙うケースでしょう。増資発表後、公募価格決定日に向けて、株価が急落することがよくあります。そして多くの場合、公募価格が決定された後には、急反発します。この急反発(および3~5%程度のディスカウント)を狙って公募増資に応募することは、私自身よくやります。このケースでは長期保有する意思はありませんので、早期に売却しようとするため、売却可能日に株価が下落することになります。今回の日本アコモデーションファンドの場合には、あてはまらないと思います。増資発表後、株価は一瞬下落しましたがすぐに反発し、それ以前の レンジ相場に戻りました。487,910円の公募価格もそのレンジ相場の範囲内であり、あまり有利な価格とは感じられません。したがって、反発狙いの短期利鞘稼ぎを目的として公募に応じた人は、あまりいないのではないかと推測します。2.元々の所有者のヘッジ元々保有していて手放す意思のない人にとっては、増資発表により株価が下落するのを回避するために、一旦売却してから増資のディスカウント価格で買い戻そうとする人もいるでしょう。彼らは公募増資で入手した株を、売却可能日に売却することはありません。また元々の所有者ではなく、空売りで利鞘稼ぎする人も同様です。増資で入手した株で現渡しするので、売却可能日に売り圧力はかかりません。3.長期保有REITは本来利回り商品であり、長期保有する人が多いと思います。彼らはすぐに売却することはありません。増資による希薄化により、1株あたり利益(=REITの場合は配当と同義)が減少することがよくあります。しかし今回のアコモデーションファンドの場合には、今期分配金予想は前期実績よりも増加しています。さらに次期以降は増資費用もなくなりますので、今回公募に申し込んだ人は、配当利回り低下を懸念していないでしょう。※心理を読んでいるだけであり、利回りを予測しているわけではありません。以上をまとめると、今回の公募増資に応募した人はほとんどが3.長期保有で、一部が2のヘッジ目的であり、売却可能日に株価が下落する可能性は少ないのではないかと推測します。<追記:結果>売却可能日である11月5日は、始値489,000円/終値490,000円と、公募価格近辺まで急落しました。(前日4日の終値は、509,000円)短期利鞘稼ぎとしては、うまみが少ないと判断していたのですが、売却した人達はどういうつもりで公募に申し込んだのかな?
2009.11.02
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BNPパリバの株式派生商品統括本部の全業務が、11月2日から11月16日まで 業務停止命令を受けました。この期間、株式およびデリバティブの売買ができなくなります。取引ができなくなる前に、一旦ポジションを閉じるケースが多いと思います。そこで思い出すのが、昨年のリーマン・ブラザーズ破綻直後の動きです。リーマン破綻の直後、市場全体としては暴落したのですが、一部の銘柄では急騰するものが多数見受けられました。リーマン破綻により、空売りしていたポジションを急遽閉じようとした結果です。当時のブログをご参照ください。(9月16日、9月18日)リーマン破綻のケースでは、保有銘柄で急騰したものを一旦売却し、その後に買い戻すことによって、利益を上げることができました。2匹目のドジョウはいるのか、今週は注目したいと思います。
2009.10.25
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前回のブログでは、工場の海外移転が進むことを危惧していましたが、本社ごと海外移転する動きが既に始まっているようです。このブログの意見、まったく同感です。(ついでに こっち も基本認識は同じです。この人のブログ初めて読んだけど、私と意見が合うな。)今のままの政策が続くと、世界で戦える優良企業と優秀な人材は皆、日本から出て行ってしまいますよ。そして残るのは保護ばかりを求める敗者だけになってしまいます。そんな日本は見たくありません。海外で活躍する優秀な日本人がいれば、それで良いという意見もあるかもしれません。しかし私は、日本列島を根拠地とする日本民族が、世界の中で輝いている姿を希望します。由緒ある日本国を衰退させてはいけません。先日TV番組を見ていたら、解説者が次のようなことを言っていました。最近欧米で、日本が衰退していくというレポートが、複数出ているそうです。NDCという言葉をご存知ですか?通常NDCと言えば、New Developing Country の略で、新興工業国や発展途上国を示します。しかしここでいうNDCとは、New Declining Country すなわち新たな衰退国だそうです。残念ながら、日本のことを指しています。ただでさえ少子高齢化が進み、国家財政も破綻寸前で先行きが暗い日本ですが、その上さらに国力を削ぐような政策ばかりを推し進めようとしています。外国人に言われるまでもなく、日本人である私自信、日本の衰退を真剣に心配しています。日本を救うことはできないけれど.... せめて自分の家族の生活だけは守ります。敗北主義者どもと心中するつもりはないぜリスクをとってでも勝利を目指すそれがゲーマーの生き方だ
2009.10.23
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2か月ぶりの更新になります。衆議院選挙で民主党が大勝したことにより、すっかりやる気を無くしていました。私は総選挙以前から、民主党が政権をとったら、日本は衰退していくのではないかと危惧していました。だからといって、自民党政権のままでいいとも思っておらず、政権交代は必要だと考えていました。そこでここ2年ほどは、第3の政治勢力が結集することを期待していましたが、できたのはみんなの党だけでした。政権交代を実現できるのは民主党だけでしたので、民主党が僅差で政権をとることを望んでいましたが、結果は3分の2を上回る大勝でした。これで民主党に好き勝手なことをされたらまずいと、憂鬱な気分になりました。追い打ちをかけたのが、人事です。かねてより経済音痴だとみなしていた亀井静香と管直人にだけは、経済閣僚を任せてはいけないと思っていましたが(あと福島瑞穂もだけど、これはさすがにありえない)、よりによって金融大臣にすると聞いた時には、絶望しました。突拍子もないことを言い出すのではないかとハラハラしたとたんに、モラトリアムを言い出す始末です。まあ落ち着くべき所に落ち着くんでしょうけどね。そしてとどめをさしたのは、支持率の高さです。私の認識と、大多数の日本国民の考え方に、大きなギャップがあることを知り、脱力感を覚えました。民主党の政策はバラバラで、どうやって日本を発展させていくのかという戦略がありません。あるのは、選挙目当ての人気取りで思いついたアメを羅列したマニフェストだけです。それらを実現する目的は何で、長期的にどういうメリットとデメリット(トレードオフ)をもたらすのかが、不明確です。個別政策をとっても、たとえば子供手当の目的は、景気対策なのか(貯金に回るだけで効果は薄い)、少子化対策なのか(子育てしやすい環境を作ることを考えるべき)、貧困対策なのか(それなら所得制限すべき)、はっきりしません。CO2の25%削減を事実上国際公約してしまいましたが、実現の目処はたっていません。不足分は排出権を海外から買うはめに陥り、実現できない目標の公約は、日本は世界にお金を寄付しますと宣言しているようなものです。環境対策を強化するという方向性は間違っていませんし、高い目標を設定することも良いでしょう。しかし外交とは、少しでも自国に有利になるように交渉する場です。友愛だなんて言っているようでは、カモにされるだけです。せっかく日本には最先端の環境技術という切り札があるのですから、それを有効活用して外交交渉を有利な展開にもっていくことができるはずです。また高速道路無料化は、CO2削減とは矛盾しています。どういう効果を期待しているのでしょうか?民主党の政策には一貫性がなく、全体的な国家戦略もないように感じます。しかし最近、実は一貫した戦略があるのではないかと思えてきました。いくつか例をあげてみましょう。製造業への派遣を禁止すると、企業は気楽に雇うことができなくなります。新たな工場開設などの投資には慎重になり、海外移転を検討することになるでしょう。従来派遣社員だった人の一部は正社員になれるかもしれませんが、大多数は職を失います。従来の派遣社員間で、正社員になれる人と失業者という、格差が広がることになります。時給を1,000円に引き上げる件も同様です。企業は雇用を減らさざるを得ず、失業者が増えるとともに、残った従業員にしわ寄せがきます。そもそも賃上げは好景気の時に目指すことであり、雇用不安があるときに持ち出す話ではありません。また、やっていけなくなる中小企業も増え、中小企業は衰退します。モラトリアム法案を当初案通りに実施すると、銀行は新規貸出に慎重になります。既に瀕死の中小企業にとっては生命維持装置になるでしょうが、これから元気に育っていく企業にとっては、成長機会が奪われる危険性があります。新陳代謝を促した方が、明るい未来が開けるのではないでしょうか。また金融危機の傷が癒えないうちに、金融機関に負担を強いると、混乱を深めるだけだと思います。(最近はだいぶトーンダウンしてきたようですが。)過度にCO2削減を企業に強いると、規制の緩い海外に出ていかざるを得ません。日本のかわりに海外に工場を作っても、単に日本の生産力が落ちるだけで、地球全体でのCO2排出量は変わらず、意味がありません。上記4例はすべて、企業活動を制限し、国内の経済力を減少させるという共通点があります。そうか! 民主党は日本の国力を小さくすることによって、CO2を25%削減するという国際公約を実現するつもりなんだ。
2009.10.21
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今週は南伊豆に旅行に行ってきました。天候不順の影響もなく好天が続き、地震にも遭わず、いい海水浴日和でした。私は通常、週末に1週間の有効期限で、売買注文を出します。今週も旅行で不在でしたので、1週間分の売買注文を出しておきましたが、株式市場が下落したこともあり、4銘柄買えていました。しかし売却できたほうでは、悔しい思いをしました。三洋電機を4000株、市場ではなく kabu.com のPTSに239円で売却注文をだしておきました。(kabu.comのPTSでは、当日限りではなく有効期限を設定できます。)PTSにした理由は、売買手数料が安いためです。これまでも、出来高の多い銘柄で約定金額100万円以上の場合に、たまにPTSに注文を出していました。夜間のPTSは出来高が少ないのであまり使えませんが、昼間であれば市場との裁定取引を行う人がいるので、市場が240円以上をつければ約定する可能性が高いです。どっちみち239円で指値注文するので、その後市場価格が上昇していっても(裁定取引者に利益を取られても)同じことだと考え、PTSに注文をだしました。ところが8月19日に三洋電機の株価は、寄付から35円高の259円と大幅高で始まりました。トヨタが三洋電機の電池を、ハイブリッド車用に採用することになったと報道されたためです。私の注文は当然239円で約定しています。市場に注文を出していれば、259円で売却できており、8%以上安値で売却したことになります。2000円程度の売買手数料をケチって、8万円儲け損なってしまいました。寄付で窓を開けてギャップアップすることを想定していませんでした。通常売却指値注文を出すときは、現状の株価よりも高い価格で出しますし、買付注文の場合は安い価格で出しますので、もしも寄付でギャップアップ/ダウンした場合には、注文した株価よりも有利な価格で約定することになります。PTSでは注文数が少ないので板寄せはめったに発生せず、注文した価格のままで約定してしまい、ギャップアップ/ダウンの恩恵をこうむることはできません。ニュースや寄付前の状況を確認して注文内容を変更できるのでないかぎり、複数日をまたがった注文をPTSに出すことは、避けたほうが良いと学習しました。
2009.08.22
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「人間の欲望はきりがない。現代は長生きしたいとか、いつまでも働きたいといった時間に対する欲望は増大し続けている。そこで問題なのは、ものすごくカネがかかるということ。今の年寄りの医療費は、病気とは言えない。もともとガタガタになっているのが普通の状態なのに、病院に行く年寄りの医療費を国としてカバーする必要があるのか。私は年寄りを人工生命体と呼ぶ。そのままにしたら死ぬのに、大量のエネルギーとカネを使って生かしている。高齢化社会とは、年寄りの時間に対する欲望にカネを払う。それを社会保障ということで若い人からカネを搾り取るのはフェアではない。」日経ビジネスに載っていた、本川達雄東京工業大学教授(生物学)の言葉です。高齢者が読んだら気分を害すかもしれませんが、高齢化社会は自然の摂理に反しているのではないかと思えてきました。親しい人に長生きして欲しいと思うこと自体は、自然な感情なのですが、自然の摂理に反していると、いずれ崩壊をもたらします。バブルが必ず崩壊するのと同様に。(と無理やり投資に関連づける)丁度今週、可愛がっていたハムスターが死んでしまい、生命について意識が高まっている状態でこの記事に出会い、考えさせられる内容だと感じました。
2009.08.15
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小売業などでは、月次売上の対前年比を公表している企業が多くあり、月次発表に注目している投資家は多いと思います。大抵の場合、月次発表では対前年比の全店と既存店の売上が%で表示されているだけで、売上金額や利益額は記載されていません。季節や月によって、売上高や利益率は異なります。評価・分析をする際には、単純に対前年比の数値に一喜一憂するのではなく、各月の重みを考慮する必要があります。まずは簡単な例からみていきましょう。四半期ごとの営業利益の比重です。たとえばポイント(2685)の場合、各四半期の営業利益の、通期営業利益に対する比率は、次のようになっています。 1Q 2Q 3Q 4Q2005.2期 24.9% 19.5% 32.5% 23.1%2006.2期 25.7% 20.5% 31.6% 22.2%2007.2期 24.1% 16.0% 34.5% 25.5%2008.2期 26.1% 14.8% 36.0% 23.1%2009.2期 21.1% 16.8% 36.7% 25.4%2Q(6~8月)の比重が小さく、3Q(9~11月)の比重が大きくなっています。したがって夏の月次発表には過度に一喜一憂する必要はなく、秋の月次発表が重要であることがわかります。次に、月単位の売上高の変動について、考えてみましょう。ある月の売上が対前年比120%で、翌月が90%だった場合、売上高の進捗状況はどうなっていると思いますか?例えばこの企業がおもちゃ屋さんで、クリスマスの売上高が多いのであれば、12月の販売状況が重要になります。12月が120%であれば好調と評価できますが、11月が120%で12月が90%の場合には、不調と判断すべきでしょう。クリスマスやバレンタインデイなど、売上の多い月を想像できる場合もありますが、その比重や、それ以外ではどの月の売上高が多いのかは、わかりません。そこで、月単位の売上高の比重を推定する方法を、考えてみました。月次発表では、単月の対前年比と、累計の対前年比が記載されています。たとえば次のようになっていたとします。 前年の売上高 今年の売上高 今年の単月% 今年の累計%1月 100 120 120% 120%2月 200 180 90% 100%単月の対前年比が120%と90%という数字だけを見れば好調そうなのですが(単純平均だと105%)、この会社は2月の売上の比重が大きいようです。そのため累計では、100%に留まっています。実際に公表される数値は、対前年比の「今年の単月%」と「今年の累計%」だけです。これらの数値から、1月と2月の売上高の比重を推定します。2月の累計%がどのように計算されるのかを考えると、逆算方法がわかります。 (今年の1月の売上高+今年の2月の売上高) ÷ (前年の1月の売上高+前年の2月の売上高) = 2月の累計%です。 今年の1月の売上高 = 前年の1月売上高 × 1月の単月% 今年の2月の売上高 = 前年の2月売上高 × 2月の単月% 前年の1月の売上高を基準(=1)として考え、前年の2月の比重をAとすると、 前年の2月の売上高 = Aとなります。これらを最初の式に代入すると、 (1×1月の単月%+A×2月の単月%) ÷ (1+A) = 2月の累計% となり、この式が成立するようなAを求めれば、1月と2月の比重がわかります。前述の数値例ですと、 (1.2 + 0.9A) ÷ (1 + A) = 1となり、A=2 が導き出されます。すなわち前年は、2月は1月の2倍の販売量であったということになり、例題の数値と合っていますね。3月も同様の考え方で計算できますが、3か月分だと式が長くなりますので、ここでは割愛します。これを四半期売上(3か月分)ごとに区切って計算することにより、1月から12月まで各月の比重を容易に推定できます。(累計が四半期ごとの場合)累計が半期単位になっている場合は、6か月分まで計算する必要があります。なお天候の影響などにより、年により売上高にはバラツキがありますので、単年度だけではなく複数年度で計算して、月ごとの売上傾向を調べることを、お勧めします。さて、対前年比%には、全店と既存店があります。どちらの数値を使うのがよいのでしょう。各月ごとの売上高の傾向を知ることが目的ですので、安定しているほうが望ましいと言えます。したがって、既存店の数値を使うべきだと思います。ただし、既存店でも店舗数は月ごとに変動している可能性もあり、誤差が出てしまいます。厳密に算出したい場合には、店舗数の比率により調整するとよいと思います。四半期決算の売上高より、各月の売上高の数値も逆算できます。この場合には、前年の各月の売上推計には上記の方法で求めた比重を用いて、四半期売上高を各月に配分しますが、今年の売上推計は全店売上%を使うと良いと思います。 前年1月の売上高 = 四半期売上高 × 1 ÷ (1+2月の比重+3月の比重) 今年の月別売上高 = 前年の月別売上高 × 全店単月%また会社にもよりますが、単体四半期決算の売上数値を使ったほうがよいかもしれません。最後に実例として、ポイントの2008.2期および2009.2期の6月~8月の数値をもとに、月次売上高を計算した結果を例示します。(店舗数による調整は行っていません。) 2008.2推計 2009.2推計 2009.2全店% 既存店単月% 既存店累計% 比重6月 5791 6359 109.8% 90.4% 90.4% 1.007月 6354 7924 124.7% 105.5% 98.3% 1.108月 3572 4855 135.9% 109.3% 100.8% 0.62 2008.2期の2Q決算の四半期売上高:15718(単体)上記推計に基づく2009.2期6月~8月の月別売上合計は、19138 になります。これは2009.2期の2Q決算短信(単体)の売上高である、19203 と近い値になっています。参考:その前年(2007.2期)の比重は、6月:1.00 7月:1.48 8月:0.64 でした。昨年(2009.2期)の比重は、6月:1.00 7月:1.32 です。過去のデータを集計すると、2月と8月の売上が少なく、一番多いのは1月です。その他7月と10月以降が多くなっています。ただでさえ利益への貢献度の低い6-8月期にあって、その中でも8月の売上は特に低いようです。8月の月次は、あまり気にする必要がなさそうですね。ただし、月次発表を気にしている人が大勢いれば、株価への影響はあります。昨年の8月のポイントの売上は、全店135.9% 既存店109.3% と好調でしたので、ハードルが高いです。そのため今月の数値は、厳しいことが予想されます。それを嫌気して株価が下落したら、逆に投資のチャンスかもしれません。※タイミングの話をしているだけで、推奨しているわけではありません。ポイントの利益予測方法に興味がある方は、「ポイントの粗利率と在庫の関係」もご参照ください。
2009.08.06
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第一四半期の決算発表では、1-3月期よりも増益になった企業が多いようです。一般論として、増益要因には主に3種類あります。・売上増加・固定費減少・変動費減少1.売上増加売上の増加は、さらに2つに分類されます。 売上高 = 販売価格 x 販売数量ひとつ目は、売上数量の増加です。これは商品価値が認められ、より多くの商品が顧客に受け入れられたということですので、もっとも望ましい増益要因と言えます。ただし、削減しすぎた在庫を適正量に戻すための数量増加であれば、一時的なものですのであまり評価できませんね。ふたつ目は、販売価格(単価)の上昇です。原材料価格が上昇した時に、販売価格に転嫁できるという意味では、価格支配力があることになるので良いことなのですが、本質的な成長要因ではありません。2.固定費減少リストラ等により、固定費を削減します。コストの削減には限界があります。永遠に削減し続けることはできませんので、本質的な成長要因にはなりえません。損益分岐点が下がり、筋肉質な利益体質になりますので、将来売上が増加した時に、利益の急増をもたらす要因になります。3.変動費減少変動費を減らす安易な方法は、仕入れ値を値引くことです。しかしこれは供給業者に負担を強いるだけですので、持続性はありません。また商品市況が下落することにより、原材料の仕入れ価格が安くなることもあります。しかし商品市況を自社の努力でコントロールすることはできません。やはり変動費削減の王道は、設計から製造にいたるまで、あらゆる無駄を省くことです。いわゆるトヨタ流の改善活動は、主にこの部分に効果を発揮するものであると思います。コスト削減には限界があるように感じるのですが、新製品や新技術が次々と出てくることもあり、工夫の余地は尽きないのでしょうね。さて、現在の増益要因の多くは、固定費削減効果によるものです。これだけでは持続性はありません。今後の注目ポイントは、いつ売上が回復してくるのかになります。雇用情勢はますます悪化する可能性が濃厚で、個人消費の先行きは楽観視できません。最近株価は上昇が続いていますが、私が今後当分の間は、上昇相場ではなくボックス相場だと判断している最大の理由は、年内に、急減した反動以外に売上が回復するようには思えないためです。でも株価は先行するので、悩ましいところです。不景気からの回復局面が、もっともおいしいところですので、チャンスを逃したくはないですね。
2009.08.03
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前回のブログ で書いたように、最近の連騰で次々と売り指値に到達し、大量に売却してしまいました。しかし市場全体が下落すると思っていたわけではありません。そこで早々に買い出動しています。現在の相場は、上昇相場でも下落相場でもなく、ボックス相場だと捉えています。したがって、上昇したら売却し、下落したら購入するというスタンスです。ここ半月ばかり上昇相場が続いていますが、幸い全銘柄が上昇していたわけではありません。下落していた銘柄は、そろそろ反転するのではないかと思います。そこで、最近上昇していた銘柄を売却し、返す刀で下落していた銘柄を拾う、という作戦をとっています。昨日今日拾った銘柄を売却する時には、先日売却した銘柄が押し目をつけていて買い戻す、というのが理想的な展開です。このようにして、次々と回転を効かせていく、名付けて ”車懸りの陣”です。なお ”車懸りの陣” を敷くのは機動部隊だけで、本隊は ”動かざること山の如し” です。
2009.07.30
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日経平均は21年ぶりの9連騰となり、再び1万円を超えてきました。強いですね。7月13日に出撃し、キャッシュポジションを2割弱まで下げることができたのですが、先週後半から今日にかけて五月雨式に売却し、キャッシュポジションが再び4割台に逆戻りしてしまいました。前回の出撃のときは、全体的な相場観により短期的な底が近いと考え、一斉に購入したものですが、今回の売却は個別銘柄単位で売り指値していたものが、次々と引っかかったことによるものです。全体相場が短期的なピークをつけたと思って売却したわけではありません。個別銘柄単位でも、適正価格になったから売却したわけではなく、回転買い戻しを狙ったものです。このまま上昇を続けられると、再び乗り遅れてしまいます。今年上昇相場に乗れたのは、たった2週間だけか?明日から下がれば、結果的に成功なんですけど、なんかちぐはぐだなあ。
2009.07.27
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もしも戦国大名が株式投資を行ったら、どのような投資スタイルになるのでしょうね。私は歴史に詳しいわけでも、多くの書物を読んだわけでもありませんが、戦国物が好きです。単に私の抱いているイメージにすぎませんが、戦国大名が株式投資をしたらどんな感じになるのか、妄想してみました。・織田信長楽市楽座など合理的な改革者の一面もあるのですが、比叡山焼き討ちや伊賀の乱での虐殺など、敵対する者は容赦なく皆殺しにするような、力づくの印象が強いです。そういえば、「鳴かぬなら、殺してしまえ、ホトトギス」という歌もありましたね。力づくで強引な戦い方からイメージする投資スタイルとしては、仕手筋です。仕手戦で強引に株価を吊り上げ、提灯買いがついたところで売り抜けます。仕手筋が売り抜けた後には、高値で提灯買いした投資家の屍が、たくさん転がっていることでしょう。実際には戦い方が強引だったのではなく、勝負がついた後の仕打ちが残酷だっただけでしょうけど、他の武将の投資スタイルとの対比のため、ここでは仕手筋ということにさせてください。・武田信玄信玄は非常に慎重で、絶対に勝てる戦しかしなかったと言われています。敵方武将の調略や補給の確保をはじめ、あらゆることを用意周到に準備をして、勝利間違いなしと判断したときに、出陣しました。また勝ち過ぎることを戒め、適当なところで矛を収めたそうです。決して無理はしません。「人は城、人は石垣、人は堀」という言葉があるように、家臣を大切にし、組織力の強化に努めました。投資スタイルは、企業価値重視の正統派の機関投資家です。投資決定プロセスや、ポジションサイズ、撤退基準などが、明確にルール化されているといった感じです。なおルール化されているのはリスクを減少させるためのプロセスであり、作戦が画一的なわけではありませんよ。・徳川家康武田信玄を手本にしたと言われるだけあり、信玄と似ているところが多いのですが、かなりの実力を持ちながらも、強引に天下を取ろうとはせずに秀吉に臣従し、機が熟すのを辛抱強く待ったことが印象的です。機が熟したら、関ヶ原の戦いと大坂の陣で、一気に片を付けました。天下をとった後には、徳川の世が続くような仕組み作りに腐心しました。バフェットの投資スタイルを彷彿とさせます。超優良企業が割安になるまで何年でも待ち続け、市場が暴落し割安になった時に、果敢に買い出動することでしょう。・豊臣秀吉一夜城や水攻め、そして中国大返しなど、奇想天外な作戦を用いました。発想が柔軟で、機転が利いたのだと思います。しかし豊臣家の伝統といったものは無く、譜代の家臣もいません。そのため金(褒美)と権力で手なずけようとしましたが、秀吉亡きあとの結束力は弱く、豊臣家の滅亡につながったのではないかと思います。個人の才覚で大成功は収めたものの、家康のように長期政権の礎を作ることには失敗しました。投資スタイルとしては、ヘッジファンドでしょうか。裁定取引などの儲けのチャンスを常に伺い、デリバティブを駆使して新たな投資アイディアを探る、といったイメージです。しかし大きな市場変動など、何かのきっかけで、破綻する可能性があります。・上杉謙信私利私欲を捨て、義を貫きました。たとえ時代にそぐわなくても、自分の信念を貫いた生き方に、共感を覚えます。いくさには滅法強く、不敗神話があります。勝敗は兵の多寡で決まるものではない、と言っています。敵の状態を(そして自軍の状態も)注意深く観察し、隙を見つけたら一気に攻略するといった感じです。当然天候や立地条件も活用します。戦い方を一言で表現すると、敵の隙や天候などの一時的な状況を利用し、絶妙のタイミングをもって、勢いで攻略するといったイメージです。投資スタイルは、ジョージソロスが近いかもしれません。ソロスといえば、ポンドを暴落させたことで有名ですが、市場の歪みを見つけて針の一刺しをし、一気に大きな流れを作るといったところが、謙信の戦い方と重なります。私は上杉謙信が大好きです。しかし、謙信流の戦い方を真似ることは、難しいですね。
2009.07.23
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私は 先週の月曜日に大量に買い出動 しましたが、結果的に直近の安値という絶妙のタイミングで出動できました。それ自体うれしいことなのですが、更に満足感が高いのは、ゴールデンウィーク明けに急上昇した時、焦って追っかけ買いをして高値掴みをせず、チャンスが訪れるのをじっくりと待てたことです。相場に振り回されずに、自分のペースで投資判断することの重要性を、再認識しました。さて問題は今後です。CITの破綻懸念やカリフォルニア州のデフォルト懸念、そして日本の政局不安など、心配事は尽きません。私は過去2年の下落相場にすっかり慣れてしまい、少し上昇するとすぐに売却したくなってしまいます。しかしその一方で、3月中盤以降の上昇相場に乗り遅れて焦っていたのが、やっと買い戻すことができました。せっかく乗り遅れたバスに追いついたので、もったいなくて売却したくない気持ちもあります。本来であれば感情で売買の判断をしてはいけないのですが、上記の売りたい気持ち/売りたくない気持ちは、どちらも根拠のない感情によるものです。売却基準とは関係ありません。心は迷っています。こういう時に失敗しやすいので、注意しないといけませんね。
2009.07.19
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日経平均は今日で9日続落となり、9000円ラインに近付いてきました。我が軍は今日大量に買い出動し、キャッシュポジションは2割まで減少しました。これで第一次攻撃隊の戦闘配備は完了です。今後しばらくは更なる買い増しはせず、様子をみるつもりです。さあ、面白くなってきました。やっと私もゲームに参加できます。株価は下落基調が続き、都議選での与党の敗北、そして衆議院解散と、風雲急を告げてきました。今後の展開は、どうなりますかね。今回の出撃は、9000円が堅固な防衛線になり突破されない、という相場観に基づくものです。万が一突破されたら、次は8700円(4月は8700~9000円のボックス相場でした)で、第二次攻撃隊を出撃させる予定です。
2009.07.13
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昨日の日本経済新聞に、中国景気に関する中国人エコノミスト達のコメントが掲載されていました。気になった部分を、一部抜粋します。「不動産は経済全体を押し上げる領域だ。ある程度のバブルは景気回復のために支払わなければならない代価だ。」 (安信証券チーフエコノミスト 高善文氏)「中国の産業景気は金融市場の動き次第といえる。株価が上昇すれば企業の資金調達意欲が高まり、民間投資も盛んになるからだ。金融市場が堅調な間は、景気回復が続く可能性が高い。 :市場主導の回復ゆえのリスクがある。株価が下がり続けると、企業や消費者の心理が冷え、景気が逆回転を始める恐れがある。中国政府は現在、巨額の流動性を市場に供給し続けている。投資対象は株式や不動産に偏っており、放っておけば相場は上昇すると考えるのが自然だ。」 (卓司高資産管理チーフ・インベストメント・オフィサー 司馬毅氏)2人とも市場関係者ですので、割り引いて考える必要がありますが、中国人の方が日本人よりも、資産価格や市場の重要性がわかっているように感じました。日本人の多くは自分で直接投資を行っていないため、株価や不動産などの資産価格なんて、景気には関係ないと思っている人が多いように感じます。そういえば「日本は世界で唯一成功した社会主義国だ。」とか、「中国人留学生は、決して日本人と積極的に付き合おうとしない。 なぜならば、共産主義思想がうつるから。」などというジョークがありました。今や中国の方が資本主義国かもしれません。中国は共産主義国ではなく、独裁政権による資本主義国だと思います。(民主主義かどうかは疑問ですが。)しかし冒頭のコメントには、2人ともバブルを許容する姿勢があるように感じられ、気になります。政策担当者がバブルを許容しているのかはわかりませんが、中国国内にはバブルを歓迎するムードがあるのかもしれません。1987年のブラックマンデー後、欧米の株価が低迷する中、日本がいち早く回復し、そのままバブルに突き進みました。1980年代後半と言えば、日本が最も輝いていた時代でした。(評価基準はいろいろあるでしょうが。)なんか今の中国の位置づけが、当時の日本と重なって見えます。銀行の融資は猛烈な勢いで伸びています。昨日中国国家発展改革委員会が発表した、6月の主要70都市の不動産価格は、前年同月に比べ0.2%上昇と、プラスに転じました。株価も今年に入ってから、急上昇を続けています。このまま中国は、バブルに突き進んでいくのでしょうか?
2009.07.11
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ここ1週間あまり、株式市場は急落しています。3月からの上昇相場を、早いうちからキャッシュポジションを高めたまま、指をくわえて見ていた私にとっては、天の恵みのように感じます。まだ早いかもしれませんが、今日から少しずつ、買い出動を始めました。チャート的には2番天井を形成したのに加え、13週移動平均線も割り込み、悪い形に見えますが、短期的には9000円を割り込むことはないと思っています。4月は8700円~9000円のボックス相場で、9000円が抵抗線となっていました。4月下旬の時点では、まもなく上か下に大きく動くと予想し、動いた方につく予定でした。しかし5月7日の連休明けに、いきなり窓を開けて400円以上上昇してしまい、買うタイミングを逸しました。5月18日のザラバで一時9000円を割り込みましたが、終値では9000円台を維持し、それ以降上昇に向かいました。この時も押し目買いできませんでした。次に9000円近くまで下落したら、今度こそ押し目買いをしようと思ったものです。やっとそのチャンスが近づいてきました。今回の上昇相場では、私と同じように乗り遅れてあせっている人が、多いのではないかと推測します。彼らは9000円近辺で買い出動しようと、手ぐすね引いているはずです。したがって 9000円はかなり強固な支持線になるのではないかと、考えています。少し早めに出動し、早期にキャッシュポジションを3割まで下げたいと思います。
2009.07.09
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私は週間ベースで、投資日記(成績等)をつけています。ふと、最近週間ベースでのマイナスが無いように感じ、過去3か月の記録を振り返ってみたところ、以下のようになっていました。週 自分 日経平均 (単位は週間の変動率:%)6.29-7.3 +0.8 -0.626.22-26 +1.86 +0.936.15-19 +0.72 -3.456.8-12 +1.94 +3.776.1-5 +1.76 +2.585.25-29 +2.02 +3.225.18-22 +1.45 -0.425.11-15 +1.57 -1.785.7-8 +1.32 +5.074.27-5.1 +0.6 +3.094.20-24 +1.23 -2.244.13-17 -0.3 -0.634.6-10 -0.39 +2.45今週で11週連続プラスと、安定していることに気付きました。この間、日経平均は8749.84から9816.07へと12.2%上昇しており、基本的には上昇相場でしたが、日経平均ではマイナスの週もほぼ半分の5週間ありました。以前にも書きましたが、私はキャッシュポジションが前半は3割程度、後半は4割台中盤と高かったため、市場平均より変動が少ないのは、当然のことです。しかしこれだけの期間連続して、プラスを続けていたのは、その理由がわかれば今後の投資に活かせるかもしれません。そこで、過去の成績と投資スタイルを振り返ってみました。まずは私の性格ですが、信用取引こそ行っていませんが、リスクを取ることが好きな方です。その結果、投資成績の変動率が高まることは、やむを得ないと思っています。投資スタイルとしては、適正価格になるまで保有し続ける”本隊”と、主に相場のうねりをとりに行く”機動部隊”の2本立てで、構成されています。過去の成績を、時期を区切って簡単にまとめます。(1)2000年~2002年:ITバブル崩壊期市場は大きく下落しましたが、私の戦績は若干のプラスでした。ただし月間での変動率は、それなりに大きかったようです。トータルでプラスを維持できた理由は、ヤフーやファンケルなどにおいて、数か月単位でのうねり獲りが成功していたからだと思います。正確な集計はしていませんが(時系列で各時点での保有銘柄を把握し、その時価を計算することは困難)、おそらく本隊でのマイナスを、機動部隊でのプラスが補っていたのだと思います。(2)2003年~2005年:反騰期市場は2003年半ばから上昇に転じ、2004年~2005年前半のボックス相場を経て、2005年後半に急騰しました。この間私の投資成績は、安定的に高成長していました。アーバンやポイントの大活躍により、本隊が大きく貢献しました。特にアーバンの2003年中盤からの2年間のチャートは、惚れぼれするような、きれいな一直線の右肩上がりでした。成績が安定的に良かった理由は、主力部隊であるアーバンの株価が、乱高下することなく安定的にじりじりと上昇していたためです。全体を通して売買頻度はあまり高くなく、ただじっとしていただけでした。安定していたのは投資手法によるものではなく、偶然ですね。ただし成績を大きく伸ばせたのは、上昇相場においてはむやみに売買しないという投資手法の成果だと思います。(3)2006年~2008年8月:ライブドアショックからアーバン倒産までこの期間をひとまとめにするのは、変かもしれませんが、私の投資成績への影響としては、共通の要因によるものです。市場は2007年まで一進一退したあと、サブプライムショックの影響で2007年終盤から急落しました。私の成績はライブドアショックで大きく下落後、一旦盛り返しましたが、その後壊滅的な打撃を被りました。自分でも信じられないくらい乱高下しました。理由は明らかです。本来私は分散投資派なのですが、2005年までのアーバン急騰の結果、アーバン1社のポートフォリオに占める割合が、過半に達してしまいました。そのためアーバンの株価動向が、ダイレクトに私の投資成績に影響するようになっていました。アーバンは2006年以降乱高下し、2008年8月の倒産に至ります。アーバンに身をゆだね、何も手だてを講じなかっただけで、投資手法も何もありません。(4)2008年9月~2009年3月:金融危機で急落9月のリーマン破綻後に金融危機に陥り、世界の株式市場は急落しました。私の投資成績は、昨年秋の急落時点では軽微な損害で切り抜けることができ、相対的に安定していました。その理由は2つあります。ひとつは 乱高下していたのは日経平均採用銘柄だけ で、それ以外の中小型株などはそれほどでもなかったためです。もう一つの理由は、機動部隊による短期売買がうまくいっていたためです。ただし(1)の期間に行っていたような個別銘柄での数か月単位のうねり獲りではなく、短期的な市場全体の相場観に基づいた、1~2週間程度の回転売買です。以前のブログ では、利益が少ないと文句を言っていますが、貢献したことは間違いありません。(5)2009年3月~6月:急反発市場は3月10日を底値に、急反発しました。私の成績は、冒頭に述べたとおり安定しています。私は(4)の短期回転売買の延長のつもりで、3月下旬から売却を進めました。しかしその後も市場は上昇を続けたため、高いキャッシュポジションのまま、現在に至っています。ただし何もしなかったわけではなく、従来通りのうねり獲りに加え、デイトレードを含む、数日レベルの短期売買を繰り返していました。デイトレードといっても、一日に何回も売買するわけではありません。寄付で急落していたものを拾いすぐに売却する、あるいは保有株が寄付で急騰していたら一旦売却し、すぐに買い戻す、といった感じです。その他、M&A関連の裁定取引なども行っています。これらの手法は利益額は小さいのですが、勝率はかなり高いです。それが成績の安定化につながったようです。こうして振り返ってみると、本隊の長期投資手法は大きく変わっていないのですが、機動部隊の短期売買の方は、2000年代はじめの頃と比べて、どんどん売買の期間が短くなっていることに気付きました。どの時点の方法でも、短期売買は投資成績の安定化に寄与していました。本隊は利益を大きく伸ばす一方、機動部隊は安定化に役立つ、という役割分担になっているようです。<教訓>・上昇相場では、本隊主導で余計な売買をしないことが、利益を大きく伸ばす。・上昇相場以外においては、機動部隊によるうねり獲りが有効。・ポジションサイズは、上昇相場とボックス相場では、本隊が主体。 (いつボックス相場から上昇相場に移るかわからないため。)・下落相場においては、本隊の比率を下げ、現金比率と機動部隊を増やす。・売買期間を短くした方が、成績は安定する。 ただし上昇相場に乗り遅れるリスクがある。<資産を築くために忘れてはならないこと>・上昇相場に乗り遅れないこと。 上昇相場はいつ訪れるか、わからない。 割安である限り、常に参戦していることが肝要。 下落相場でなければ、本隊の比率を高めるべき。・下落相場で、資産を保全すること。 不穏な気配を感じたら、ポジションを思い切って縮小する。見切りが大切。 割安感が無くなったら、現金比率を高め、次のチャンスに備える。
2009.07.04
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早いもので、もう今年も半分が過ぎました。私にとって上半期を一言で表現すると、手が合わなかったという感じでした。今年は年初から苦戦し、2月24日に私のポートフォリオは底値をつけました。市場全体が急落していたので、ここまでは仕方がないところでしょう。問題はその後です。株式市場は3月10日を底値に、急反発しました。私の相場観としては、消費の悪化はこれから本格化するので、株式市場は上昇するわけがなく、一進一退のボックス相場になると考えていました。そのため3月下旬に急騰したところで売却を進め、キャッシュポジションを増やしました。しかしその後も株式市場は上昇を続け、底値からは4割も上昇しました。私はマクロ環境から判断して、このまま上昇相場が続くとは考えられなかったため、大きなキャッシュポジションを抱えたまま、上昇相場に乗り遅れてしまいました。6月中旬に日経平均が一時1万円を回復した時には、キャッシュポジションは47%になっていました。結局上半期の成績は、+10.7%でした。当初2か月あまりの下落相場ではフルインベストメントに近く(キャッシュポジション10%台)、その後の上昇相場ではキャッシュポジションが平均4割程度でしたので、本来あるべきポジションサイズとは逆のことをやってしまいました。しかしこのような運用状況においても、TOPIXの+8.3%には一応勝っていますので、考えようによっては健闘したともいえます。気を取り直して、後半戦に臨むことにしましょう。後半戦の作戦としては...やはり上昇相場が続くとは思えないんだよな。キャッシュポジションは30%以下に抑えつつ、回転売買をしながら株数を増やしていきたいと思います。
2009.06.30
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今朝の日本経済新聞に、アナリストの投資判断で強気派が増えているという記事がありました。金融情報会社 QUICK のデータによると、3月までは投資判断を引き上げた銘柄よりも、引き下げた銘柄の方が多かったのですが、4月以降は投資判断を引き上げた銘柄の方が多くなっているとのことです。日本経済新聞の解説によると、業績底入れ期待を織り込み、株価の先行きに強気派が増えているためだそうです。一見すると納得しそうなのですが、何か変です。アナリストの投資判断とは、市場全体の株価指数などと比較して、個別銘柄の株価が上振れするか下振れするかを示すものだと説明してあります。業績底入れ期待で株価の先行きに強気になるのであれば、市場全体の株価指数は上昇するはずです。その市場全体の指数に対して、個別銘柄が上振れするか下振れするかとは別問題です。現在の株価と比較して、上昇する可能性が高いというのであれば、理解できますけどね。市場平均を基準とした全銘柄の投資判断(およびその引き上げ/引き下げ)の統計をとれば、投資判断が正しいのであれば、市場平均と等しくなるはずです。アナリストのレポートは、企業実態の参考情報にはなりますが、投資判断は当てにならないということでしょうね。それとも、3月までの下落基調の時には投資判断の引き下げが多く、株式市場が上昇に転じた4月以降に投資判断の引き上げが増えているというのは、アナリストのカバーしている銘柄は、ベータ値が高いということなのかな?
2009.06.11
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「偉い人、強い人の真似をするのはアマチュアの発想です。もしすべて真似できても、その人を超えることはできないし、そもそもそこまではいけないのが普通です。一方、プロというのは自分の最高の能力を発揮しなければならない。まずは自分の才能を把握することが大切です。そして自分に合った努力をする。しかし、これが難しいのですね。私自身、内弟子になった頃は将棋の教科書に載っている戦法を、まるで経典のように信仰していました。しかし、それでは対局に勝てない。頭では分かっているつもりなのですが、口で言うほどうまく試合が運ばないのです。1年間成績が伸びず、本気で将棋の道を捨てようと思ったほどです。本で習った方法をようやく使いこなせるようになったのは、1年間叩かれ、本当の力がつき始めてからでした。自分に合った努力をしなければ、それは生きない。」日経ビジネスに載っていた、将棋の有吉九段の言葉です。そのまま投資にあてはまるように感じます。理論だけ理解しても、投資で儲けることは難しいです。大学教授や経済学者の方が投資が上手だという話は、あまり聞いたことがありません。(ケインズは上手だったようですね。)だからといって、基礎を勉強することは、決して無駄ではありません。すぐに利益に結びつかなくても、経験を重ねるうちに、自分なりの方法として身についてくるはずです。自分に合った方法を見つけるためには、自分を理解することが必要です。合わない方法では集中力が長続きしないし、大成しないでしょう。上達しようという意欲を失わずに、ゲームに参加し続けることが、何よりも大切だと思います。
2009.05.29
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前期から、リース会計基準が強制適用になりました。従来は賃貸借処理も許されていた、所有権移転外ファイナンスリースが、売買処理に一本化されました。この変更による影響は、概ね以下のようなものだと認識しています。※ アバウトな理解なので、正確ではない部分があるかもしれません。貸借対照表への影響・賃貸借処理だと、貸借対照表には計上されない。 売買処理だと、リース資産/リース債務として資産計上される。損益計算書への影響・賃貸借処理のリース料だと販管費になるため、営業利益段階で反映される。 売買処理だと、リース料の支払いが、利息相当分と減価償却費相当分に分 けられる。減価償却費相当分は営業利益に反映され、利息分は営業外費用 として経常利益に反映される。 このため、営業利益が嵩上げされる。(経常利益は変わらない)キャッシュフローについては、これまで深く考えたことはありませんでしたが、キャッシュフローは会計操作ができないというイメージがあったので、何となく会計基準の影響は受けないのかなと思っていました。サンマルクの決算短信 を見ていて気付いたのですが、売買処理にすると「ファイナンス・リース債務の返済による支出」として、財務キャッシュフローにも影響するのですね。合計のキャッシュフローには影響ないのでしょうが、通常は営業キャッシュフローと投資キャッシュフローに注目が集まりがちです。しかしリース料のような費用だと営業キャッシュフローだけに反映されるのに対し、会計基準の変更により一部が財務キャッシュフローに反映されるようになるのでは、単純に営業キャッシュフローを過去年度と比較するだけではだめですね。通常の会社だと、あまり影響は大きくないと思いますけど。あれっ? リースを始めるときはどうなるんだろう?財務キャッシュフローでお金を借りて、投資キャッシュフローで支出することになるのかな??
2009.05.22
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戦闘において、「敵は十分に引きつけてから討て」 と言われます。典型的な例は、戦国時代の鉄砲隊です。当時の鉄砲は射程距離が短かったため、遠くから射撃しても命中しないし、たとえ命中しても威力が弱く、効果は低かったと思われます。さらに当時の鉄砲は連続射撃ができず、一度射撃すると次に射撃できるようになるまでに数10秒(?)かかるため、その間に敵に攻め込まれてしまいます。そのような状況ですから、一撃必殺で必ず命中させる必要があり、確実に戦果が上がる距離まで敵を引き付けてから撃つことが肝要でした。しかし兵士にとっては恐怖心があるため、敵が近づいてくる前に早くやっつけたいと思うのは、自然な感情です。だからこそ、「敵は十分に引きつけてから討て」 ということを、肝に銘じる必要があったのだと思います。また孫子の兵法では、川を渡河してくる敵を攻撃するタイミングは、渡河している最中の敵を川の中で攻撃するのではなく、半数を渡らせてから攻撃をしかけるべきだそうです。両軍の兵力が同数であれば、半数が渡河したところで戦端を開けば、2対1の有利な状況で戦えます。しかも敵は退却したくても、背後には川があるため逃げ遅れて、大損害を与えることができます。これを敵が渡河中に攻撃をしかけると、こちら岸への上陸を防ぐことは容易かもしれませんが、敵の兵力に大損害を与えることはできなくなります。気持ち的には、敵の行動が制約されている上陸前に攻撃したくなるのが人情でしょうけど、戦果を最大にするためには、攻撃をしかけるタイミングが重要になってきます。さて、これを株式投資にあてはめると、どうなるのでしょうね。狙っていた銘柄の株価が下がってきた時に該当しそうですが、株式投資と上記の戦闘の例では、決定的な違いがあります。戦闘においては、奇襲攻撃の場合を除き、敵は必ず自陣まで攻めてきます。敵の行動は予測がついているので、自軍にとって有利なタイミングを計ることが容易にできます。一方株式投資においては、株価の動きは予測できません。狙っていた株価まで下がる前に、上昇に転じてしまうかもしれません。渡河中の敵軍が、渡河するのを止めて引き返すようなものです。そういう場合には、無理に追撃(追っかけ買い)せずに、やり過ごすのも一考に値します。「敵は十分に引きつけてから討て」 を、短期的なタイミングを計る目的で株式投資に応用することは、難しいかもしれません。もっと長期間を見据えて、「あせって出動するな」 という風に考えたいです。一旦下落相場に入ると、もう十分に株価は下がったと思ったところから、さらに大幅に下がり続けるのが常です。株価は上にも下にも行き過ぎるものです。はやる気持ちを抑えて、機が熟すのを待て、という意味合いとして、「敵は十分に引きつけてから討て」 という言葉を捉えたいと思います。日本の株式市場は、そろそろ機が熟してきたのでしょうか?
2009.05.18
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最近の広告宣伝手法で、逆効果ではないかと思うことがよくあります。・動きのある広告たとえば、Web サイトへの広告のうち、動きのある広告がそうです。Web を見ているときに、端の方でちょこちょこ動かれると、目ざわりです。そのため私は、動きがある広告が表示されると、その部分が見えないように、ウィンドウを移動させてしまいます。ただの静止画広告であれば、そのままにしておくので、目に入ることもあるのですが、動きをつけることによって、まったく視界に入らない場所に隠されてしまいます。広告を作成している人は、注目を浴びるように工夫しているつもりでしょうが、少なくとも私に対しては逆効果です。・改行だらけのメルマガメルマガで、やたら改行の多いものがあります。読みやすくするために、段落の区切りで改行を入れるのは良いのですが、無駄な改行(それも連続で複数行の改行)だらけです。大抵1行の文字数も少ないです。その結果、やたら長くなるため、何度もスクロールしないといけません。しかも要点がはじめの方に書いていないため、かなり読み進まないと、何を伝えようとしているのかわかりません。(多くのものは、内容が乏しいです。)こういうメルマガは読む気がせず、削除してしまいます。メルマガに限らず、営業目的の Web サイトにも、似たようなものが多数ありますが、読む気がしないことは、同様です。どういう効果を狙っているのでしょうね。最近こういう手法がはやっているのか、改行だらけのメルマガが増えていますが、読んでもらえないのではないでしょうか?スクロールせずに1画面で読める方が、必要なことが伝わるように感じます。多少長くても、内容のある文章であれば、もちろん最後まで読みますけどね。・本文の前の、大量の広告本文の前に、大量の広告が続くメルマガや Web サイトがあります。これも読む気が無くなります。広告収入を得たいのでしょうが、広告どころか本文も読まれなくなってしまいます。どれも本来の目的や宣伝効果が、失われてしまうと思います。読み手に嫌われるような広告宣伝手法が増えているのは、なぜでしょうね。嫌っているのは私だけなのかな?
2009.05.16
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小沢民主党代表が辞任しました。秘書の逮捕後も一切の責任を認めず、辞任を否定していただけに、意外でした。私は自民党政権では既得権益者とのしがらみが多く、改革は難しいと考えていたので、かつては民主党に期待していました。しかし小沢民主党には、うんざりしていました。小沢民主党の発する言葉は、選挙と政権奪取の話ばかりです。それを実現するために、政府の邪魔をすることばかりが目につきました。「審議拒否」や、「この条件を呑めば審議に協力する」などということを、平気で頻繁に言っていました。私は審議をして法律などを制定することが、国会議員の仕事であり、それを拒否するのは職場放棄だと考えています。小沢民主党の目的は、日本を良くすることではなく、政権奪取自体が目的だと感じます。(政権奪取しないと、政策を実行できないという論理でしょうが。)政府自民党を追いつめ、政権交代も現実味を帯びてきたことは事実ですので、小沢民主党のこれらの行動の効果があったことは認めます。しかし迅速な政策実行を妨害することにより、国益を損なったという思いが強いです。新しい民主党には、政権闘争ではなく、政治を行うことを期待します。
2009.05.12
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私は以前から、企業分析が優れているわけでも、売買が上手なわけでもないことを、自覚していました。それなのになぜ、これまでやってこられたのかというと、ゲーム運びでもっていたと思っています。しかし今回のサブプライム危機では、そのゲーム運びがめちゃくちゃでした。そこで改めて、かつて上手だったと思っていた、ゲーム運びとは何だったのか、思い出してみました。私が考えていたゲーム運びとは、次の3点に集約されると思います。・情勢判断・適時・適所に、必要な戦力を投入する・致命傷を負わない1.適切な情勢判断:(攻め時と守り時の見極め)冷静に現状を分析し、形勢が有利か不利か、すなわち勝算が高いかどうかを判断します。勝算が高い時にのみ、積極的に攻勢をかけます。形勢が不利な時には守りに徹して、戦力の温存を図り、機が熟すのを待ちます。この、攻める時と守る時の見極めが、最も重要だと思います。どんなに優秀な兵をもってしても、守るべき時に無謀な攻撃を仕掛けていては、遠からず敗退するでしょう。2.適時・適所に、必要な戦力を投入する:(用兵)チャンスを見つけたら、積極果敢に攻撃をしかけます。その時に投入する戦力(資金)がないと、チャンスを逃してしまいます。そうならないように、常に予備兵力(キャッシュポジション)を確保したり、他の地点から兵力を転戦できるような機動力と交通網を整備しておくこと(いつでも売却できるような流動性の確保)が必要です。戦力を有効活用するために、戦果の望めない地域からは、早期に撤退します。短期決戦の場合には、作戦がある程度成功したら、欲張らずに早期に帰還します。(兵は拙速)このようにして予備兵力を充実させ、チャンスを逃さないことを心掛けています。各戦線の戦力バランスを保つことも、重要です。3.致命傷を負わない:(危機管理)思いどおりに戦況が進まないことは、珍しくありません。窮地に陥りそうな時には、致命傷を負わないように、即座に退避します。どれもうまく実行することは難しいですが、常に念頭に置いておくだけでも、効果はあると思います。今回の暴落で最悪のゲーム運びをしてしまった理由は、はっきりしています。・特定の銘柄を、特別扱いしてしまった。 (神聖なるアーバン隊には、一切手出し無用)・それまで連戦連勝だったため、驕りが生じた。 (深く考えなくても、成功するに決まっている)自分の取柄は、ゲーム運びです。ゲーム運びだけは間違えないことを、常に意識していたいと思います。
2009.05.09
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今回のサブプライム危機に端を発する金融危機では、大損害を被りました。今から考えると、ずっと少ない損失で済ますことができたはずだと思います。次回にこの経験は活きると思いますが、過去の暴落の経験は、今回全く活かすことができませんでした。なぜ、過去の暴落の経験が活きなかったのか、考えてみました。私が初めて株を買ったのは、1984年に従業員持ち株会に入った時ですので、今回の暴落は、平成バブル崩壊とITバブル崩壊に次ぐ、3回目の経験になります。まず平成バブルの崩壊ですが、当時保有していたのは、持ち株会の株と、1986年に行きつけの床屋さんに勧められて買った花王の株でした。持ち株会については、毎月自動的に給料天引きされていたので、株を買っているという意識はあまりなく、株価もまったく気にしていませんでした。日本経済は失われた10年と言われ、あまりパッとしませんでしたが、私が勤務していたのはニューヨーク市場(一時は東証外国部にも上場していましたが)に上場しているアメリカの会社で、業績は比較的好調でした。業績不安が少なかったため、株価も気にする必要がなかったのかもしれません。花王についても、2006年3月期にカネボウ買収の暖簾代償却により記録が途切れるまで、24期連続経常増益を続けており、業績に懸念はなく株価も全く気にしていませんでした。早い話が、どちらのケースもただ株を保有していただけで株価は気にせず、株式投資をしているという意識があまりありませんでした。これでは、平成バブル崩壊を経験していないのも同然ですね。次にITバブルの崩壊を振り返ります。私が自分の意志で積極的に日本株の売買を始めたのは、2000年3月からです。まさにITバブルが崩壊する寸前に始めてしまいました。幸い2000年~2002年のITバブル崩壊過程でも、私の損益はトントンでした。これは私に実力があったからではなく、ただの偶然にすぎません。下落相場において、いろいろと悩んだり工夫した記憶が、ほとんどありません。深く考えないうちに、下落相場が終わってしまったという感じです。この期間に自分なりの投資手法が確立できてきたのですが、暴落対応の経験にはなっていませんでした。苦心したりいろいろと考えたりしないと、身に付かないのだと思います。結局、自分で痛い目を見ないと教訓を得られないというのは、情けないですね。本などから他人の知恵を得て、自分の血肉にできるようになりたいものです。
2009.05.06
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長期間ブログの更新が途絶えてしまいました。4月になって初めての更新です。一度書く習慣がなくなると、まったく更新しなくなりますね。現在の私は押し目待ちのスタンスなので、最近の相場展開が面白くなかったのが理由かもしれません。その後4月に入っても売却を続け、ピーク時にはキャッシュポジションが4割強まで膨らんでしまいました。今週の株式市場は少し下落したので、3割弱まで買い戻しました。買い戻したとは言っても、これから上昇すると強く感じているわけではありません。売り過ぎた分のポジション調整の意味合いで、個別に下落した銘柄を拾ったという感じです。日経平均は 9000円を目前に上値が重くなっています。しかしそれと同時に、下値も底堅く、4月に入ってから 8700~9000円でこう着状態が続いています。ゴールデンウィーク明け頃までには、大きく動きそうな気がします。上と下、どっちでしょうね?希望としては一旦下落してもらい、買い戻したい気持ちです。思惑どおり下落したら、早目にキャッシュポジションを2割くらいにし、8000円程度まできたら1割(これが私の標準)にすることを目論んでいます。上にいったら、2割にするつもりです。すぐに買うか、押し目を待つのかは、新たなニュースの内容と、それに対する市場の反応を見てから決める予定ですが、あせらないように注意したいと思います。チャンスはまだ来るので、予備兵力(=キャッシュポジション)を整えておくことは、決して無駄ではないはずです。
2009.04.25
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サンウッドの今期の配当金は、7500円の予定です。権利付最終日の株価は6万円台でした。6万円台での値幅制限は 5000円であり、配当金よりも小さいです。権利付最終日の大引け間際に買えば、権利落ちで大幅安になったとしても、7500円の配当をもらって翌日に売却できれば、利益が出るのではないかと、ふと思い付きました。心配なのは、ストップ安比例配分になり、売却できないことです。思案した結果、サンウッドは出来高が少ないので、ストップ安比例配分になる可能性を考え、この作戦は実行に移しませんでした。もしも実行したらどうなっていたのか興味があり、翌日は寄付からサンウッドの株価に注目していました。9時直前には、なんと1万円以上下落した気配値を示しています。結局 9000円安で寄り付きました。想定していたストップ安以下の株価です。配当落ち日って、配当分を引いた金額を基準価格として、ストップ安/高の値幅制限をするんですね。今まで気にしたことがなかったので、初めて知りました。なお、前日比○円安/高という場合の比較対象は、配当金分減額前の前日終値が基準のようです。いい作戦を思い付いたつもりでしたが、実行に移さなくてよかったです。
2009.03.31
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相変わらず今週も、日米の株式市場は強かったですね。前回のブログ を書いた時点では、日経平均は8100円台に乗せた所でしたが、今日は一時8800円台をつけました。23日に発表した、アメリカの不良資産買取プログラムは、なかなか好評だったようですね。日米の株式市場は底入れして、このまま上昇に向かうのでしょうか?私は懐疑的なのですが、少なくとも前回のブログで書いた「売り」の判断は、間違っていたようです。私は今日も売却を進め、キャッシュポジションは37%になってしまいました。これでは上昇相場に取り残されてしまいます。しかし今から追っかけ買いをするつもりはありません。しばらく休んで、押し目を待ちたいと思います。ポジションの63%(株保有分)は上昇することを期待して、37%(キャッシュポジション分)は下落することを期待していることになります。トータルすると、上昇してくれた方が恩恵があるのですが、気持ち的には下落することを望んでいます。これは最近の(大量に売却したという)行動が、失敗だったと思いたくないためだと思われます。行動ファイナンスでいう、認知的不協和というやつですかね。
2009.03.27
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最近の株式市場は、異様に強いですね。私は違和感を覚えます。日経平均は今日も上昇し、前場終了時点で 8100円台を回復しました。先々週の10日(火)には7054円でしたので、15%近く上昇したことになります。上昇のきっかけとなったのは、シティをはじめ米銀のCEOが、相次いで1~2月の業績が良かったと発表したことでした。私は米銀の利益構造をよく知りませんが、昨秋以降に大きく下落した理由は、有価証券等の評価損と、貸倒引当金の急増だと思います。こういう評価性の損失は、決算時以外に毎月やっているのですかね?もしもやっていないとすれば、それらを除いた日常業務の業績が多少良かったとしても、金融危機が本質的に改善したとは言えないように感じます。むしろ3日連続して各銀行のCEOが相次いで業績が良いと発表したのは、政府に対するアピールのように感じました。株式市場は転機を迎えたという意見が一部に出ているようですが、私はまだ懐疑的です。今週始めにはアメリカが、不良資産買取プログラムの詳細を発表するようですが、期待はずれに終わるかもしれません。またAIGのボーナス問題への感情的な反発から、適切な政策対応ができなくなる危険性もあります。そろそろ下落しそうな予感がします。私は先週から今日まで売却を進め、キャッシュポジションは3割(通常は1割)になりました。
2009.03.23
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ガイアックス(3775)は、株式公開買付けで自己株式の買付けを行いました。買付予定株数は5000株で、発行済み株式総数の 36.03% に相当します。全株を取得しないTOBでは、応募しても抽選に漏れる危険性があるため、株価はTOB価格のかなり下で推移するのが一般的です。しかしガイアックスの場合は、96%程度と高い水準で推移しました。公開買付け代理人が、多くの個人投資家が利用しているSBI証券だったため、TOBに応募しやすいために、高株価を維持しているのかと推測していました。今日 買付け結果を発表 しましたが、TOBへの応募数は 2037株だけしかなかったそうです。買付け予定数の4割しかなく、応募した株は全株取得されました。買付け価格は 55,000円であり、買付け期間中の株価を上回っています。TOB発表前の株価は、3万円台でした。応募した方が合理的なのに、なぜ応募がこんなに少なかったのでしょう?不思議なことがあるもんですね。どうせ抽選にはずれると思って、みんなTOBに応募しなかったのでしょうか?でもそれならば、TOB前に売却するはずですよね。株価は急落せず、いまだに 51200円を保っています。なんでだろう??
2009.03.12
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日本経済新聞に、三菱UFJ証券景気循環研究所による「景気循環と恐慌」という連載があります。今日のテーマは、ユーロ圏の景気循環についてでした。アメリカとドイツなど欧州大陸諸国の特徴の違いを、よく表していると感じました。*** 抜粋 ***ユーロ圏など欧州大陸諸国の景気は、概して 米国景気に後追いすることが多い。中でも、ユーロ圏の中心を占めるドイツは、その典型である。 :基軸通貨国としての特権と、自由で競争的な金融市場の存在を背景に、米国では自由な信用創造(特に住宅ローンや消費者ローン)が行われる。そして、この信用創造に支えられた、バブル創出型の景気拡大を伴いながら、米国は内需主導型で自律的に成長、世界経済を強力に先導する。一方、ECBを中心として欧州の政策当局は物価安定を重視し、バブルを嫌う。景気の回復と拡大の先導は、ドイツを中心とした強力な 輸出産業が担う ことが多いため、欧州の景気循環は他律的 に動きやすい。 :労働市場についても、米国は柔軟 で、景気状況に応じて採用と解雇が迅速に行われる。このため、雇用は景気そのもの といってよい。金融市場で雇用統計が最重視されることにも、この点が表れている。一方、欧州の労働市場は硬直的 で、景気後退期でも労働者を容易には解雇できない。その代わり、景気回復期でも企業は雇用拡大を当初ためらうこととなる。欧州では、雇用は文字通りの景気の遅行指標 となっている。ドイツを典型例として、欧州大陸の景気循環は、雇用と消費という需要先導型よりも、特に輸出型製造業を中心とした生産主導型 となりやすい。そのため、金融市場でも製造業のウエートの高い、ドイツのIFO景況感指数が景気局面の判断に当たって重視される。*** 抜粋終わり ***日本は、完全にドイツ型ですね。また同じ統計でも、国によって解釈が異なるいい例だと思います。雇用統計は、アメリカでは景気一致指標ですが、日本では遅行指標ですね。日本では解雇は容易ではないため、まず派遣などの非正規労働者が失業し(こっちは一致指標?)、その後半年程度経ってから正規労働者の失業(遅行指標)が増えていきます。最近の失業率の上昇は、非正規労働者によるものが主です。所得水準は非正規労働者は低く、正規労働者の方が高いのが一般的です。そのため、正規労働者の失業の方が、消費への影響は大きいそうです。正規労働者の失業が増加するこれからが、消費低迷の本番かもしれません。現状では壊滅的な外需の方が、内需よりも先に回復するのかな?
2009.02.25
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今朝発表された10-12月期のGDPは、年率換算で-12.7%という35年ぶりの減少率でした。輸出が落ち込んだことが大きな要因です。輸出依存体質を改め、内需型に構造転換すべきだとの意見も耳にしますが、この解釈の仕方はおかしいと思います。輸出が大きく減速したことは事実です。しかし日本よりもGDPに対する輸出額の割合が大きい国はたくさんありますが、日本ほど落ち込んではいません。そもそも輸出が落ち込んだ理由は、輸出先である欧米の経済が落ち込んだためですが、同時期のアメリカのGDPは-3.8%、ユーロ圏は-5.7%と、日本よりもマイナス幅が小さいです。たとえどんなに欧米の経済に依存していようとも、欧米以上に落ち込むのは、輸出依存度以外の理由がないと、説明がつきません。日本の主要な輸出品目は、自動車やデジタル家電といった比較的高額な耐久消費財です。これらは景気が悪くなると、真っ先に支出を減らす対象になります。また機械類など、設備投資関連の輸出も多いですが、不景気の時には、設備投資は控えられます。このように日本の輸出品は、景気の影響を受けやすいものばかりです。そのため、欧米経済の停滞が増幅されて、日本の経済に悪影響を与えていると考えられます。すなわち輸出依存の問題ではなく、日本の経済は景気敏感産業に依存し過ぎていることが、問題なのだと思います。人口が減少していく日本にとっては、海外の成長を取り込むことが不可欠です。それができないと、ジリ貧です。内需型に構造転換するというのは、国家戦略としてはありえない選択肢だと思います。(内需を立て直す必要があるという点は、理解できます。)景気敏感以外の産業でも、海外の需要を取り込めるように構造転換を図ることこそが、日本に必要なことだと思います。
2009.02.16
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企業を評価する際に、利益とキャッシュフローのどちらを重視していますか?両方チェックすべきなのは言うまでもありませんが、多くの人は利益を重視する傾向にあると思います。私は企業の適正価格を算出するのに、DCF法をベースに簡略化した独自手法を用いていますが、キャッシュフローではなく利益を使っています。DCF法では、将来のキャッシュフローを予測し、それを現在価値に割り引くことにより、企業価値を算出します。したがって、将来のキャッシュフローを予測する必要があります。私がキャッシュフローの代わりに利益を採用している理由は、以下の3点ですが、一言で表すと予測しやすいためです。1.キャッシュフローは安定しない将来の予測をする場合、まずは過去の実績を調べることから始めます。キャッシュフローの場合、年度ごとのバラツキが大きいことが多いため、将来を予測しづらいです。それに対して、利益の方が比較的安定しています。安定するように操作している面もあるかもしれませんが、特殊要因を除くことにより、巡航速度や企業の実力を判断しやすいと感じています。2.企業の経営計画では、利益を公表しているがキャッシュフローは公表しない企業のことを一番よくわかっているのは、経営者です。したがって、企業自らが公表している中期経営計画を、将来像の予測のベースにしています。しかしながら多くの場合、中期経営計画などで公表しているのは、売上高や利益など会計上の数値です。店舗数や契約数などの数値も含まれている場合はありますが、キャッシュフローを公表しているケースは少ないです。決算短信での今期の業績予想でも、売上と利益は公表していますが、キャッシュフローはありません。私には独自にキャッシュフローを予測する能力はありません。そこで、企業が公表した経営計画の数値をベースに調整しているため、会計上の利益を採用しています。3.成長企業を投資対象からはずしたくない今のような環境では信じられないかもしれませんが、経済環境や相場環境が良いときには、成長企業の株価上昇率はすさまじいものがあります。一般的に成長企業は、成長のための先行投資や運転資本の拡大のため、キャッシュフローはマイナスになりがちです。過去の実績だけから判断すると、キャッシュフローがマイナスの会社は評価不能になってしまいます。また将来のキャッシュフローを予測する能力は、私にはありません。そのため、キャッシュフローで評価すると、多くの成長企業が投資対象からはずれてしまいます。(はずすべきなのか、今は迷っています。)私は大きく資産を増やすチャンスを逃さないために、成長企業を投資対象からはずしたくありませんでした。利益で適正価格を算出すれば、投資対象に含めることができます。また現実に、過去においてはキャッシュフローよりも利益のほうが、株価変動に連動していました。(統計的に検証したわけではありません。)以上のような理由で、私は会計上の利益を用いて、適正価格を算出しています。しかし現在の状況では、次の2つの理由により、キャッシュフローの重要性が高まっていると感じています。1.会計上の利益には、評価性の費用が多額に計上されている最近の決算発表では、評価性の費用が多額に計上されており、企業の本来の実力がわかりづらくなっています。代表的な評価性の費用には、次のようなものがあります。・棚卸資産の評価損売上原価になりますので、売上総利益以下すべての段階の利益に影響を及ぼします。(適用初年度に限り、過年度分の評価損は特別損失になります。)これは本業の実態を表しているとも言えますが、今期(2008年4月以降)から強制適用になっていますので、一応挙げておきます。・暖簾の償却販売費および一般管理費になりますので、営業利益以下に影響します。なお負の暖簾の場合には、営業外収益になります。なんで正と負で、対応が異なるのでしょうね。・退職給付数理差異償却費用株価下落などの影響で、年金資産の運用が悪化した結果、退職給付数理差異償却費用を計上する企業が増えています。例えば 大和ハウス工業 は、325億円になる見込みであると発表しました。なおこれは、営業外費用になるようですので、経常利益以下に影響します。・投資有価証券評価損、およびその他減損損失これらは特別損失になりますので、純利益に影響します。(もともと特別損益は除外して評価していましたけどね。)上記が小額であれば、あまり気にしなくても良いのでしょうが、最近の決算では本業の利益をはるかに超える額になっているケースが、多く見受けられます。これらの影響を取り除くためには、キャッシュフロー計算書を見た方がわかりやすいと思います。2.資金繰り何も補足することはありません。アーバンのように最高益更新の決算発表の、わずか3ヵ月後に倒産する時代です。その後も黒字倒産が相次いでいます。DCFとは別の話ですが、資金繰りに問題ないかを調べるためには、貸借対照表とキャッシュフロー計算書のチェックが不可欠ですね。いずれにせよ、今のような非常時には、企業の適正価格を求めるのは難しいです。 株価自体、適正価格とはかけ離れていると感じるし。(だからこそ、チャンスのはずなんだけど...)
2009.02.11
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任天堂の第3四半期決算は、営業利益段階までは最高益を更新しましたが、円高の影響で下方修正をしました。決算説明会の動画 を見ると、円高の影響により、見かけ上実態以上に悪い数値になっているという説明をしています。しかしこの説明は、ごまかしているように感じました。説明内容のテキスト版 もありますので、こちらの「外貨建売上の円換算」というスライドの講演内容をご参照ください。任天堂は外貨建売上を円換算する際には、四半期連結財務諸表において累計差額方式を採用しています。当該四半期までの累計売上高と、その前の四半期までの累計売上高の差を、当該四半期の売上高とするものです。私がおかしいと感じるのは、第3四半期で円高ユーロ安になった影響を説明している、以下の部分です。(円換算売上高 = 外貨建て売上高 x 平均為替レート)*** 講演内容より抜粋 ***第3四半期までの累計売上から第2四半期までの累計の差額が第3四半期単独の売上となるわけです。このとき、第1、第2四半期の22億ユーロの売上についても、為替が1ユーロあたり約12円異なるため、22億ユーロ×12円分の264億円分、計算上の第3四半期単独の売上を減少させるマイナスの影響を及ぼすことになります。そして、第4四半期には、期中平均レートはさらに円高にシフトしますので、累計差により第4四半期単独の売上を求めるときに第3四半期までの42億ユーロに対して為替変動分を乗じた320億円以上のマイナスの影響を及ぼすことが見込まれます。************************直近四半期だけの為替レートで今期累計売上の全部を計算するのであれば、この説明は成り立ちますが、平均為替レートの計算は今期に入ってからの3四半期分の平均レートになっているため、計算上のマイナスの効果はないはずです。各四半期(3ヶ月間)ごとのユーロレートは、おおよそ次のように推移しました。参考までに、任天堂の為替レートとユーロ建て売上高も付加します。 ユーロ円 任天堂ユーロ円 売上高第1四半期 164円 163.43円 11億ユーロ第2四半期 161円 162.68円 11億ユーロ第3四半期 125円 150.70円 20億ユーロ3四半期累計の平均為替レートは、(164+161+125)÷3 = 150 となり、任天堂の第3四半期までの平均為替レートである 150.7円と近い値になります。すなわち、任天堂は売上高による加重平均ではなく、単純な期間平均を採用しているものと思われます。上記任天堂の説明で、第1第2四半期分の売上高が、22億ユーロ×12円分の264億円分、計算上の第3四半期単独の売上を減少させる、というのはその通りなのですが、逆に第3四半期での実売上である22億ユーロについては、本来のレートである125円ではなく、150.7円に嵩上げされています。第3四半期の売上高は第1や第2四半期の売上高よりも大きいので、むしろ第3四半期分の嵩上げ効果の方が大きくなります。円高の影響が大きかったことは事実でしょうが、第3四半期実績や第4四半期予想の売上減少の言い訳としての任天堂のこの説明は、おかしいと思います。
2009.02.03
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第3四半期の決算発表のラッシュですが、大幅な下方修正が相次いでいます。今期の事業環境は、比較的好調だった上半期までと、第3四半期以降では急変していますので、従来の決算チェックとは違った観点を重視する必要があると思っています。私が今、通常時よりも重視しているのは、以下のようなポイントです。そろそろ来期の業績予想が気になる季節ですが、現状の厳しい状況が当面続くことを前提にせざるを得ないと思います。その場合、決算発表数値は累計ではなく、第3四半期実績と第4四半期予想を、四半期単位で見る必要性が高まります。上半期の貯金は、とりあえず忘れた方が無難です。例えば第3四半期累計や通期予想で利益が出ていても、第3四半期(10-12月)実績や第4四半期予想では、赤字になっているケースが多く見受けられます。この場合には、来期の業績予想も赤字になる危険性があることを、覚悟する必要があります。また従来ですと、通期予想に対する進捗率に注目し、進捗率が高い事を好材料視するのですが、今回の場合は 進捗率が高い=第4四半期の業績予想が悪い→来期の業績も期待できないという見方もできます。したがって今は、進捗率にはあまりこだわらないほうが良いと思います。事業環境が好転しそうなのか悪化傾向なのか、その方向がより重要です。なおこの見方は、10月以降に業績が急激に悪化した企業についてであり、景気低迷の悪影響を受けていない企業にはあてはまりません。現在も業績好調な企業は、従来通りの分析方法をすれば良いと思います。次に内容に目を向けます。上半期の事業環境を一言でまとめると、原材料価格の高騰を、如何に販売価格に転嫁できるかがポイントでした。したがって、利益率に注目していました。それに対して下半期では、売上が急激に減少していることが、最大の問題です。したがって、売上高と受注高の動向を重要視しています。(今は将来の見通しが立たないでしょうけどね)また、売り上げ減少の利益への影響を把握するために、固定費の割合にも着目したほうが良いと思います。在庫が急増していないかも、注意点です。資金繰りは当然、要チェックポイントですね。(経験者は語る)株価等の下落により、多額の有価証券評価損を計上するケースが多発しています。しかしこれは一過性のものなので、私はあまり気にしていません。(洗い替え法であれば、3月期末の株価が上がれば、第3四半期までの評価損もなくなるかもしれないし。)繰延税金資産の取り崩しも発生するかもしれませんが、まとめて今期中にうみを出し切ってください。来期の予想がすべてだと思っています。第3四半期/第4四半期が黒字を維持している会社は、そろそろ投資チャンス、赤字の会社は来期業績を見てから検討、というふうに考えています。買うチャンスは何度もありますので、あわてて追っかけ買いをすることだけは、避けましょう。
2009.01.31
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経済の各成長段階での特徴を、マルチプレイヤーズゲームの展開に当てはめて、考えてみます。前回のブログ とあわせてお読みください。前回はゲーム展開を、序盤戦/中盤戦/終盤戦 に分けて、記述しました。これを経済の成長段階にあてはめると、高度成長期/安定成長期/成熟期 となります。1.高度成長期(ゲームの序盤戦)高度成長期には、国民の生活水準が急速に向上し、中流階級が急増します。需要は急拡大し、作れば作るだけ売れていきます。ゲーム展開で書いた ”無人地帯”がたくさんある状態です。各企業にとっては、いかに供給能力を高められるかが、最重要事項になります。大量生産の時代です。市場が拡大するためには、消費者が手を出せる価格にする必要がありますので、安価であることも大切な要素です。消費者の要求は、これ以降の発展段階と比較すると厳しくありませんので、質よりも価格が重視されます。一般的にあらゆる意味で、質(製品の品質、企業統治の質、環境対応等)は高くありません。成長性が最大の魅力です。この段階での成功は、拡大/展開スピードの速さによって、もたらされます。”無人地帯”の陣取り合戦ですので、利益率よりもシェアが重視されます。シェアさえとってしまえば、利益はあとから上げられると目論みます。2.安定成長期(ゲームの中盤戦)高度成長を続けるうちに、公害など社会にもひずみが出てきますし、消費者の要求も多様化し、質を求めるようになってきます。その結果、イケイケでやってきた高度成長期もいずれ終わり、安定成長期に入ります。いろいろな特徴を持った、様々な製品が出てきます。高度成長期の大量生産時代から、多品種少量生産に移り変わります。高品質な製品も出てきますが、一方廉価な製品もあり、2極化が進みます。同じ廉価とはいっても、高度成長時代とは理由が若干異なります。高度成長時代には、市場拡大のために消費者が買える価格に抑えることが目的でしたが、安定成長時代の消費者は、購買能力の問題というよりは、価値観によりお金をかける対象とかけない対象を選択するようになっています。安価な価格設定の目的は、購買可能層(市場)の拡大ではなく、製品の特徴のひとつの要素となります。企業のとりうるアプローチは千差万別になり、ポジショニングなど戦略の重要性が高まります。急成長企業が現れる一方、消えていく企業も多くあります。これは自然な淘汰の過程だと思います。3.成熟期(ゲームの終盤戦)(1)”強力な3カ国”のパターン数社の勝ち組企業による、総力戦の様相を呈してきます。この段階では、単に安いだけでは売れません。品質と値頃感の両立が求められます。安くて品質の良いものを、消費者の好みの移り変わりに合わせたデザインで、適時適所で提供する必要があります。競争は熾烈を極め、低利益率の消耗戦に陥る場合も珍しくありません。多くの弱小企業が消えていく一方、安定成長期までと比べて急成長企業は現れにくくなります。総力戦とはいえ、たとえ勝ち組企業であっても、1社ですべての要素を高いレベルで維持しながら、安価に保つことは困難です。そのため必然的に得意分野に焦点を絞り、それ以外は他社と提携を進めることになります。このあたりは、先日のゲーム展開の話とは、異なるかもしれませんね。市場全体での成長性は高くありませんので、コストコントロールが重要です。しかしそれと同時に、消費者には既に必需品は行き渡っているため、新たな価値を提供できるような斬新さも求められます。国民の要求はあらゆる面で厳しくなり、社会的責任も果たす必要が出てきます。合併による規模の拡大を目指すことも多くなります。これはゲーム展開で説明した、2位3位連合に相当します。(2)”超大国の出現”のパターン独占禁止法があるので、完全に1社による独占というパターンは現れないかもしれませんが、少数企業により市場を占有されてしまうと、その他の弱小企業は販路の確保もままならず、逆転は困難になります。(1),(2)どちらのパターンにもいえる事ですが、他の多くの企業は総合力では超大国企業に適いませんので、ニッチ戦略を取ることになります。特定の分野で高い技術力を有して、超大国企業に部品として採用してもらうか、超大国企業が参入しないようなニッチ分野で、高収益を保つことを目指します。これらの企業は一般的に、高成長よりも利益率を優先すべきだと思います。そうこうしているうちに、超大国企業は大企業病に侵されて衰退していくか、技術革新が起き、ベンチャー企業の中から新しい分野の急成長企業が現れ、新たな産業での新たなゲームが始まります。ただし国民の生活水準は、かつての高度成長期とは異なりますので、ゲーム展開も異なるかもしれません。このように考えてみると、マルチプレイヤーズゲームのゲーム展開と、似ていると思いませんか?
2009.01.23
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人間社会には、マルチプレイヤーズゲームに似ていると感じる事象が、たくさんあります。ゲームは、実社会のある一面に焦点をあててモデル化したものですから、実社会がゲームに似ているのではなく、ゲームの方が実社会に似せて作られていると言った方が、正しい表現なんでしょうけどね。ゲームではありませんが、孫子の兵法など、戦争に関する古来からの知恵を、ビジネスに活かそうとする試みもよくなされます。戦争とビジネスの違いはあれど、多数の人間通しの競い合いという観点では同じですので、共通点があるのは当然だと思います。戦争ゲームも、ビジネスに通じるところがあると感じています。そこで、経済の成長段階ごとの特徴を、マルチプレイヤーズゲームのゲーム展開に照らして、考えてみました。マルチプレイヤーズゲームであれば、どのようなルールのゲームでも構わないのですが、イメージしやすくするために、以下のようなゲームを想像してください。<ゲームのルール概要>多数のプレイヤーが各々自分の国を担当し、領土を拡張していくゲームです。各国はコストを払い戦闘部隊を作成し、戦闘部隊を各地に展開することにより、支配地域を広げていきます。支配地域が広がると、生産力(=国力)も上がります。戦闘部隊には様々な特徴を持つ多数の種類があり、能力の高い部隊の製造はコストが高く、能力の低い部隊は低コストで製造できます。各プレイヤーは、同盟したり裏切ることが、自由にできます。このようなゲームの場合、典型的には以下のようなゲーム展開になります。1.序盤戦:(量と展開スピードの勝負)当初各国の支配地域は小さく、未だどのプレイヤーにも支配されていない”無人の地”が、たくさんあります。序盤戦においては、如何に無人地帯を広く獲得するのかを、競うことになります。そのためには、部隊をできるだけ早期に多数作成し、すばやく各地に展開することが重要になってきます。プレイヤー間で戦争を始めると、その間に他の国々に無人地帯を支配されて、出遅れてしまうため、プレイヤー間での戦争はめったに発生しません。したがって、戦闘力などの部隊の質には、あまりこだわりません。コストの安い部隊を大量生産することに、注力することになります。2.中盤戦:(質も重視。多彩な戦略)無人地帯の取り合いが一巡すると、更に領土を拡大するためには、他国の領土を奪う必要があります。この段階でいよいよ、プレイヤー間での戦争が開始されます。戦争に勝って急拡大する国家が現れると共に、その裏では多くの国々が滅亡していきます。戦闘に勝つためには、部隊の質も重要になってきます。雑魚ばかりの軍隊では、敵の強い戦闘部隊には歯が立たないかもしれません。中盤戦では、様々な戦略が考えられます。多少部隊の質は劣っても、物量作戦で敵軍を消耗させてしまうという戦い方もありえます。戦闘力/射程距離/防御力/機動力など、部隊編成にも工夫が必要です。また、西の敵国と戦争しているときに、東の隣国に背後を攻められたら、ひとたまりもありません。同盟関係を結ぶなどの外交も、非常に重要になってきます。中盤戦は戦略や展開がバラエティに富んでいて、もっとも面白いと感じます。3.終盤戦:(質と量の総合力)ゲーム展開によって、2つのパターンに分かれます。(1)強力な三カ国の争い3カ国程度の強国が出現します。1番手の国に独走されないように、2位3位連合ができやくすなります。最強国であっても、2位3位連合には適いませんので、徐々に勢力は衰えていき、新たな1位国が2位3位連合の中から現れます。そうなると、かつての2位3位連合は分裂し、新たな2位3位連合が形成されて、新1位国に対抗します。このような展開になると膠着し、勝負はなかなかつかなくなります。一度戦端が開かれると大軍同士の大戦闘となり、消耗戦に陥りがちです。小国は大国に徐々に滅ぼされていき、新たな大国は現れにくくなります。3カ国はすべて強国ですので、総合力の勝負になります。戦闘部隊には、質量ともに要求されます。どんなに戦闘力が高くてもコストが高く少数しか作れなかったり、逆に数だけは大軍だが戦闘力が弱いようでは、勝負になりません。また、戦闘力と機動力のバランスなども重要です。(2)超大国の出現圧倒的に強い、超大国が1カ国出現します。こうなると、ほぼ勝負はついてしまいます。他の小国は、超大国に逆らっても歯が立ちませんので、生き残ることだけを考えるようになります。超大国の役に立つような特殊能力を持って同盟関係を結ぶか(属国とも言う)、超大国が侵略してもメリットを感じないようにするしかありません。特殊能力とは、例えば強力な水軍を持つとか、山岳地帯での機動力があるなどです。超大国が他国を攻めるときに、それら特徴のある部隊を援軍として送ることにより、超大国との同盟関係を築きます。また超大国が侵略してもメリットが低いと判断するのは、国土があまり肥沃ではなく、防御力がそれなりに強力な場合です。手間がかかる割りには、実入りが少ないので、侵略するのは後回しになります。こうして小国は生き永らえながら、イベントが発生して超大国が内部崩壊するか、画期的新兵器の発明によって軍事バランスが変わるのを待つことになります。以上が、マルチプレイヤーズゲームの典型的な展開だと思います。次回はこれを、経済の成長段階による特徴に、あてはめてみたいと思います。
2009.01.19
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波乱の2008年相場が終わりました。私の投資人生において、一生忘れることができない年になるだろうと思います。思い起こせば 今年の大発会の日 に、次のように書きました。「何か大きな地殻変動が起きているようにも感じられます。」「今年はハイリスク・ハイリターンの年になるかもしれません。」一応前向きに捉えようとして、ハイリターンという言葉も入れましたが、ハイリスクの嫌な予感がしたことを、はっきりと思い出します。私は子供のときから、嫌な予感はよく当たるんですよね。(当たって欲しくはないんだけど)今年の相場も嫌な予感どおりの展開になってしまいましたが、何の対処もとれませんでした。しかし内容を精査すると、今年の私の成績不振は、一概に市場環境のせいばかりとは言えないようです。マーケット的には9月のリーマンブラザーズ破綻以降に、金融危機の本番を迎えましたが、私にとっては8月のアーバン倒産までがすべてでした。秋以降の金融危機はあまり関係なかったようです。簡単に振り返ってみます。年明け早々から我が軍は大敗を喫し、2月11日には 「大敗時の心理状態」 を記しました。 精神的には、この頃が一番きつかったと思います。その後も敗走を重ね、ついに8月13日に中核部隊である アーバン隊が壊滅し、我が第1帝国は崩壊しました。この時点での年初来損失は、8割程度に達していました。(屈辱的です)しかしアーバンの倒産は覚悟できていたため、あまり落ち込みませんでした。昨年夏にサブプライムローン問題が始まってからの1年間の私の戦いぶりは、ひどいものでした。どのように悪かったのかは、「敗軍の将、兵を語る」シリーズ4部作 などをご参照ください。あえて今年の良かった点を挙げるとすれば、ここで気持ちを切り替えることができたことだと思います。あの当時の戦況を考えると、その後大崩れしてもおかしくなかったと思いますが、冷静に自分を振り返ることができ、ぎりぎりのところで踏み止まりました。考えようによっては、アーバンが倒産したことが、むしろ幸運だったのかもしれません。もしも倒産せずに株価が低迷したままだったら、気持ちを切り替えることが出来ずに、秋以降の100年に一度と言われる金融危機で、更に損失を広げていた可能性があります。皆様からの暖かいコメントにも、勇気付けられました。あらためて、お礼申し上げます。そして9月14日から、第2帝国の建設に取り掛かりました。その翌日のリーマンブラザーズの破綻をきっかけに、世界の金融市場は大暴落に見舞われました。幸い9月~10月の暴落において、我が軍は比較的軽微な損害で切り抜けることができ、11月以降は順調に失地を回復しつつあります。失ったものはあまりにも大きく、短期間での復活は困難だとは思いますが、2度と大敗は喫せず、着実にチャンスをつかんでいきたいと思います。経済は当分悪い状態が続くとは思いますが、来年はチャンスの年になる可能性があります。皆さん、良い年にしましょう!
2008.12.30
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欧州委員会が、世界的な企業の研究開発投資額を発表しました。ベスト10は次のようになったそうです。1.マイクロソフト(米国) 5,5832.ゼネラル・モーターズ(米国) 5,5402.ファイザー(米国) 5,5324.トヨタ自動車(日本) 5,4535.ノキア(フィンランド) 5,2816.ジョンソン・エンド・ジョンソン(米国)5,2527.フォード・モーター(米国) 5,1298.ロシュ(スイス) 5,0109.フォルクスワーゲン(ドイツ) 4,92310.ダイムラー(ドイツ) 4,888(2007年。 単位:百万ユーロ)マイクロソフトが1位で、自動車会社と医薬品会社が上位に入るというのは、全体的には違和感がないのですが、GMが2位というのには、驚きました。GMというとキャッシュフローの流出が続き、政府支援が無ければすぐにでも破綻する企業です。そんな会社が研究開発投資を積極的にやる余裕があったとは、意外でした。2007年にはまだ余裕があったのかな?(既に債務超過だったような。)「今、自動車業界はどこも苦しいが、トヨタなど日本の自動車メーカーは、業績が悪くても研究開発投資を続けることができる。それが景気回復時に大きな差となって、現れてくるだろう。」 というような話を聞きました。しかし各社の研究開発投資額を見ると、日本車が有利だとは言えませんね。だけどGMは何の研究に投資していたんだろう?私は自動車業界のことは詳しくありませんが、環境対応では日本メーカーに遅れをとっているし、そもそも魅力的な車を提供できていないから、長期的に低迷しているのだと思っていました。まさか、昔研究開発に携わっていた、退職した元従業員の年金や医療費を、研究開発投資に分類してないでしょうね。
2008.12.27
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前回の個別銘柄での短期売買のレビュー をして、成功していると思っていた売買が、実は無駄な売買であったことを書きました。その原因を考えていたのですが、比較検証期間である8月中旬以降は、上昇トレンドであったことが理由ではないかと思い当たりました。「長期投資と短期投資、私にはどちらが向いている?」 でも触れましたが、上昇トレンドにおいては余計な売買はせずに、保有し続けた方が良いと考えています。途中で短期売買をしようとして売却すると、買い戻せずに持株数が減少する可能性が高いからです。短期売買は、下降トレンドや波乱相場において有効だと考えています。下降トレンドでただ長期保有していても、資産は減少するだけですので。前回のレビューで比較した8月中旬以降のポイントは、上昇トレンドであったため、短期売買の中で株数が減少して、値上がり益が少なくなったようです。それでは8月以降にポイントが上昇トレンドになると判断し、短期売買を控えることはできたでしょうか?私の全体相場観は、当分乱高下が続くと判断しており、上昇トレンドではありませんでした。上昇トレンドになるとは考えていなかったわけですから、短期売買をするという判断は、その時点では仕方がなかったと思います。私は短期売買手法を確立できていませんので、改善の余地が大きいことに変わりはありません。しかし今回のポイントの売買に、大きな欠陥があったわけではないと思い直しました。上昇トレンドにおける短期売買で、大きな利益を取れるようになれれば最高なんですけどね。今の私の実力では、そこまでは望んでいません。
2008.12.22
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昨年の秋以降、機動部隊による作戦(短期売買)を増やしていることは、何回か書いた通りです。私は短期売買において、主に2つの方式を採っています。・市場全体の相場観に基づき、主に日経225採用銘柄を中心に、 複数銘柄を一斉に買付/売却する。・個別銘柄の状況(決算や月次などの情報や株価推移)に応じて、 その銘柄の売買をする。相場観に基づいた売買については、転換点をうまく当てている割には、利益が少ないことは、以前述べたとおり です。今日は個別銘柄の短期売買について、レビューしてみました。始めに白状しておきますが、短期売買手法は確立されていません。何となく気分でやっているだけです。戦略無き戦闘を繰り返しているといったところです。上達する目的でレビューしており、売買技術は乏しいものとご理解ください。レビューする銘柄は、ポイントです。ブログでも何回かポイントのことを取り上げていますので、私がポイントに興味を持っていることは、お気づきの方は多いと思います。ポイントは2003年~2005年にかけて、アーバンに次ぐ中核銘柄でした。目標価格に到達したため売却しましたが、昨年の秋から短期売買を始めました。現在の位置付けは主力部隊ではなく、短期売買目的の機動部隊です。昨年の秋以降の売買は、以下のようになっています。 株価 売買株数 残株数A. 2007/09/04 5070 +200 200 B. 2007/10/05 4810 +200 400 C. 2007/10/09 5440 -200 200D. 2007/10/26 5990 -200 0E. 2008/02/01 4420 +100 100F. 2008/04/01 4880 -100 0G. 2008/06/19 3670 +200 200H. 2008/06/25 3230 +300 500I. 2008/08/12 3640 -200 300J. 2008/08/14 3210 +250 550K. 2008/09/02 3750 -250 300L. 2008/09/03 3910 -250 50M. 2008/09/16 3670 +270 320N. 2008/10/03 4350 -220 100O. 2008/10/06 4700 -100 0P. 2008/10/10 4110 +200 200Q. 2008/10/15 4890 -200 0R. 2008/10/27 4510 +220 220S. 2008/11/10 5380 -180 40T. 2008/11/19 4930 +140 180U. 2008/11/25 4510 +220 400V. 2008/12/16 5200 -110 290 一見売買は成功しており、相性のいい銘柄だと感じていました。自慢していると思うでしょ。実際は自分の売買技術の未熟さに気付き、少し恥じ入っています。J.2008/08/14 の550株が株数のピークなのですが、もしもそれ以降売買せずにそのまま保持していたら、今日の終値は5140円なので、時価は 2,827,000円となっています。一方J.2008/08/14 以降実際に売買した金額を、売却金額-購入金額 で積算すると、1,372,900円回収しています。(手数料を除く)現在290株保有していますので、時価は 1,490,600円であり、回収金額との合計は 2,863,500円になります。売買せずにただ保持していた場合と、ほとんど変わりません。昨日の株価で計算すると、売買しなかった方が多いくらいです。うまく売買タイミングを捉えることが出来ていると思っていたのに、無駄な売買をしていただけでした。何が悪いんだろう? 建玉数ですかね。これまでは深く考えずに、短期的な転換点だと感じた時に、基本的には100万円弱の単位で売買しているだけでした。T. と V. は、注文の一部だけが約定した結果、予定よりも少なくなっています。E. と F. は、優待権利取り目的で100株だけ買ったものです。どうすべきだったのか、まだ結論は出ていません。大幅に割安な価格帯(ポイントだと4000円以下)では、株数を維持することに注力すべきだったのかもしれません。一旦売却した場合には、底値を待たずに早期に株数を復活させることを優先すべきだと感じています。一応短期売買では、株数を増やす場合と現金を増やす場合 を意識しているのですが、うまく使いこなせていないようです。主力部隊では適正価格の3分の2以下で購入し、適正価格で売却することを基本としているのですが、短期売買を絡める場合には、適正価格の3分の2以下では株数の増加を優先し、3分の2以上適正価格以下では現金の増加を優先するのかな?これは全体相場が上昇トレンドなのかによっても、変わってくるでしょうね。上昇トレンドなら株数優先ですが、そもそも余計な売買はしない方が良いかな。また100万円均一ではなく、売買金額にもメリハリをつけたほうが効率的かもしれません。
2008.12.19
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FRBへの準備預金が、3ヶ月で14倍に急増しているそうです。8月までは400~500億ドル程度で安定していたのが、 8月445億ドル→9月1028億ドル→10月3155億ドル→11月6099億ドルと、ものすごい勢いで増加しています。貸し出しに回らず、安全資産であるFRBの準備預金に滞留しているようです。そういえば2~3日前にも、米3ヶ月国債の利回りが、一時マイナスになったというニュースがありましたね。マイナス金利ということは、預ければ損するということですので、異常事態です。通常時であれば、当面使い道が無ければ普通預金にでも入れておいた方が良さそうなものですが、銀行が倒産することを恐れて、短期国債(TB)を貸金庫代わりに使っているようです。マイナス金利分は、保管料ですね。どちらのニュースもリスクを避け、資金を安全資産に退避させたいという気持ちが伝わってきます。お金は余っているのに、循環していないという状況をよく表していると思います。運用担当者も、年末年始くらいは安心して休みたいでしょうから、この傾向は年内は続くのでしょうね。エクアドルがデフォルトしたようなので、国債ならどの国でも安全というわけでもないでしょうけど。年末に向け、安全資産として金(Gold)にもお金が向かいそうな気がして、昨日金のETFを買ってみました。 円高との綱引きですね。
2008.12.13
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