通訳で必要とされる力のひとつは、「瞬発力」かもしれない。
だって、相手が言ったことをササっと外国語(あるいは日本語)に訳すのが仕事ですから。
業界には「 5
秒ルール」というのがあって、相手が話してから通訳するまでに 5
秒以上あけると、
相手は「この通訳さん、大丈夫かぁ?」「ちゃんと訳してくれてるのか?」と不安になるらしい。
実際にカウントしてみてください。 5
秒ってけっこう長いですよ。
なので、できるだけ相手を待たさないように訳すのです。
しかし、そのプロセスで脳みそはフル稼働!
で、何が起こるって? それは、「言い間違い」・・・
初めて某連盟の会長さん、いわゆる「お偉いさん」の通訳をしたときのこと。
はい。私、ド緊張状態です。
丁寧な日本語に訳さなければ・・・との思いにとらわれて、ついに発してしまいました。
「そうでござる。」
もちろん、クライアントの外国人が日本の時代劇ファンだったわけじゃありません。
「そうなんです」と言っただけなのに、通訳が勝手にサムライに仕立ててしまったんです。
ごめんなさい。
さらに・・・
身体障がい者リハビリの現場で、義手や義足などの装具をスペイン語で “
prótesis”
と言うのだけど、
ずっと “próstata
(前立腺) ”
と言ってたことも・・・。
「この前立腺は脱着可能で・・」とか「柔らかくて手触りがよく・・・」なんて。
穴があったら入りたい!!
そんな失敗談を通訳仲間で話してみると、結構、みんなやってます。
「私なんて子育て中だったから、つい言っちゃったわよ、そうなんでちゅー、って。」
この業界を生きぬいている通訳の脛(すね)はキズだらけです。