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やはり!、予測通り!、思っていたとおり!・・・とうとう通訳のお仕事もオンラインになりました! 通訳仲間に誘ってもらってZOOMの使い方の訓練をしたり、自主勉強会に参加したり、はたまた失業中の同業者と「ボヤキ会」をオンラインでやっていた甲斐があり、オンライン通訳のお仕事もITCの壁を感じることなくデビューできました。 で、今までの「現場通訳」と「オンライン通訳」の違いってなに??いっぱい違いを発見! 1) 就業時間が早朝ってのが圧倒的に多い。それは「時差」で参加者が寝ていない時間帯を探すと、中南米が夕方、日本が早朝・・・となる。 2) 「現場通訳」だと会議室などで遠くにいる人の発言が聞き取りにくかったりするけど、「オンライン通訳」はすべてイヤホンで聞けるので、耳に手をあてて「何ですかぁ~?」ポーズをしなくて済む。 3) 一方、生活音までBGMで聞こえちゃう・・・。今回はあるプロジェクトの終了時のインタビューを関係者にする通訳だったのだけど、相手には女性が多く、ちょうど先方は晩ごはんの時間。で、何が起こるかっていうと、背後で家族が団欒している声が聞こえたり、ママが子供に「ちゃんと食べなさい!」とか指示している声がインタビューの途中に入ったりするので、ついそんなのまで通訳してしまいそうになる。 4) 使ったプラットフォームはZOOM、Skype、WhatsApp。で、接続はZOOMがダントツに良いよ~。一方、Skypeは通信メモリが重いのか画像が固まったり、声が途切れたり、ドキュメントの共有が上手くできなかったり。WhatsAppは可もなし不可もなしって感じ。でも、パソコン版のWhatsApp Webを立ち上げておいてもスマホにしか繋がらなくて、結局、WhatsAppの時はほとんどスマホで通訳してました。 5) 通信環境はやはり光回線をLANケーブルで接続すべし!最初はポケットWifiでやってたけど途中で音が飛んだり、回線が落ちたり・・・。報酬をいただいて行う「お仕事」なので、やはり通信環境には投資が必要。ただ、それを回収できるだけのお仕事がくるかどうか・・・は事前に判断できないところが悩みね。 6) 前号にも書いたけど、画面に映るところだけ整えておけばOK!なので、下はジャージ姿でした! それに何と言っても移動(通勤)がないのが楽!一方で、気持ちのスイッチをお仕事モードに切り替えるのを瞬時にできないとキツイかもね・・・ まだ駆け出しだけど、オンライン通訳をやってみていろんな発見ができたのが今月の収穫!少しずつでも前に進めるといいな~。
2020.06.17
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30年ちかく細々と通訳をしてきたなかで印象に残る現場をエピソード風にブログに書き始めてまだ第10景だけど、楽しかった現場をウキウキと書くには重たすぎる雰囲気に世界中が飲み込まれてる・・・コロナウイルスの世界的流行(パンデミック) あらゆる業界の活動が止まり、もちろん海外との往来客を対象とする通訳業も一瞬にして仕事がなくなった。 いつ元通りになるの?もしかして元通りにならない?ちょうど年齢も重ねてるからこの機に引退しちゃう?でも、生活はそうするの?他の仕事を探す?この歳で雇ってくれるところはあるの?自問自答の毎日・・・ しかし、しかし・・・である。そもそも、なぜ私は超不安定な「フリーランス」と言えば聞こえは良いが日雇い労働雇用の通訳業を選んだのか? 手堅く公務員とか、ちゃんと花嫁修業をして当時はまだ普通に行われていたお見合いをしてプチ玉の輿に乗っておけばよかったじゃない!? すべてはアポロ11号の月面着陸を同時通訳していた英語通訳者の草分け的存在、西山千氏の責任なのよ!・・・と自分の人生選択を他人のせいにしてはいけません! しかし、それくらい衝撃だったのだ。「こちらヒューストン、すべて順調・・・」当時、小学一年生だった私には、月面でつぶやいている意味のわからない言葉をペラペラと日本語にしている人の方が、アームストロング船長よりカッコよく思えた。 だから、就職バブルで運よく採用された銀行も7年ほどで退職し、通訳を始めた。そして今年で28年・・・。銀行員時代の4倍もの時間が経過した。 じゃ、なぜ続けられたの?それは、通訳現場はキツイ(K)、怖い(K)、胃がキリキリ(K)の3K職業。でも、それらを遥かに超える楽しさがある。 だったら、簡単に諦めずにまたいつか現場に立てる日を心待ちにして、ずっとアウトプットばかりだった自分を反省して、この有り余る時間をインプットに集中すればいいじゃない。パンデミックで生活や仕事の形態が大きく変わるかもしれないけど、私を置いてくれる隙間はどこかにあるはず・・・と信じて。今は原点回帰のとき。
2020.05.13
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最近ではテレビ会議の通訳をする機会が増えている。中南米の各国をインターネット回線で繋いで同時あるいは逐次で通訳するお仕事。 中南米とは時差が13時間から15時間ほどあるので、だいたいが日本時間の早朝、中南米が夜の時間帯に開かれることが多いのね。 で、テレビ会議通訳で大変なのは、話者の表情が見えないということ。会議室にあるスクリーンが参加各国の小さなウインドウに分割されて、話者の顔が映し出されていても瞬時にどのウインドウに映っている人が話しているのかが分からない! たとえ分かっても小さくて見えない!最近、老眼だからササっとピントが合わない。おまけに中南米の人たちはお喋り好きなので、みんなが話し出したりするから声が重なって通訳できない!・・・というのがテレビ会議通訳で大変なところ。 みんなが一堂に会して会議をするときは、モデレーターが発言の交通整理をすることができるけど、空間を共有していないテレビ会議は微妙にタイムラグがでて上手くいかない。 でも、そんなことでモタモタしていたら通訳はお仕事にありつけない危機がいま訪れてる! コロナウイルス・パンデミックで世界中の人の動きが封鎖され、オンラインでのミーティングが急増。世の中のビジネススタイルのオンライン化が急加速してるのよ。 この波に乗り遅れたらデジタルデバイドの深淵に落とされてしまいそう! まぁ、悲観的にならずにメリットを考えてみましょう・・・【メリット】① 今までのテレビ会議は開催される場所まで行かなければならなかったけど、オンラインになれば自宅でできる。② スクリーンが手元のパソコンで見やすくなる。③ オンラインシステムなどITCに強くなれる。④ 画面に映る姿だけ整えておけば、下はジャージ姿でもOK??などなど・・・。時代の流れに乗っていくほうが良いのはわかっているけど、本心を言うと、やっぱり人と人が直接ふれあう場が減っていくのは淋しいなぁ~。
2020.04.04
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某コンサルタント会社の通訳としてニカラグアに1か月ほど滞在したときのこと。 地方の橋の架け替えプロジェクトで、日本の国交省にあたる運輸インフラ省との協議の通訳の他に、現地にいって実際に橋を架けかえる現場の調査にも同行するのが業務だった。 舗装がされていないデコボコ道を四駆で走ること4~5時間、揺れがひどくて腰にくる!それに女子(?)には辛いのよ、現地調査は。 なぜって?トイレに行けないから・・・。日本のようにそこらじゅうにウォシュレット付きのトイレなどあるわけもなく・・・数十キロ走ってガソリンスタンドを見つけてトイレに入っても水は流れない、扉は閉まらない・・・なんてザラ。 だから現地調査の日は朝から水は飲みません。そんな状態で奥地の村にたどり着いて、ある奇妙な光景を目の当たりにしました。 新しい橋を架けるには、その橋に繋がる道路も新しくすることが多く、近隣住民に立ち退きやセットバック(家を敷地の後ろ側に移転してもらうこと)をお願いしていたときのこと。 ある貧しいご家庭にセットバックの説明で立ち寄ったのだけど、そこは茅葺の質素な造りの家で電気も水道も通じていないし、庭にはニワトリが何羽かいて草木が鬱蒼と茂っているようなところ。 対応してくれたセニョーラも靴も履いてないし、見るからに生活も苦しそう。それに、亡くした娘さんの思い出がある家なのでセットバックはしたくない・・・と涙ながらに訴えるのを何とか気持ちを伝えようと必死で通訳していたら・・・ ん?手に何か黒いものが握られている・・・携帯電話??セニョーラの手にはしっかりと携帯電話が握られているではありませんか? ほとんどイタコの口寄せ状態で通訳していた私の集中がプツリ!と切れた。えー?どこで充電してるんだろう? の疑問が頭をぐるぐる・・ 電気も通じていない奥地に携帯をもったセニョーラ!? ふと、近くを見上げるとパラボラアンテナ!! 帰り道、注意深く見てみるとあちらこちらに携帯電話会社のロゴ入りのパラボラアンテナが建っているではありませんか・・・ 「携帯電話会社がキャンペーンやってるんですよ」とのコンサルさんの説明がいまいち腑に落ちないまま、「携帯は世界を凌駕してる!」ってのはわかりました、ハイ。 余談だけど、途中停車してコンサルさんが下車すると通訳するのに私も下車する・・・てのが習慣になってたので、私も車から降りたら・・・ イシイさん、ここはいいです。私、オシッコするだけですから・・。いやはや、失礼しましたー! でも、こういうとき男性は便利でいいなぁ。
2020.03.22
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通訳というと、スーツを着てすまして誰かの横や後ろに控えて淡々と発言を訳している人・・・というイメージかな? もちろん、そういう場面は多くあるけど、意外とカラダ張ってます。いままでで一番キツかったのは、チリの大統領が来日したときのSP(セキュリティポリス)の通訳、いわゆる要人のボディーガードの仕事だったなぁ。 チリのSP、すなわち大統領警護はカラビネロス(Carabineros)といわれる平時は警察業務、有事は軍事活動を担う日本にはない組織が担当していて、私はその「先遣隊」の通訳で呼ばれた。 先遣隊とは、大統領が来日する前に先乗りして各行程の安全を事細かくチェックし、当日は大統領が到着する数十分前に現場に入って地元警察のSP(都内の場合は警視庁)と連携して治安を確保するという任務をおびた数名の隊員から成るチーム。 で、私は先遣隊と警視庁とのあいだの通訳をするのがミッション。しかし、私にはほとんどミッション・インポッシブルな現場だったのよ。 なぜって?「大統領、あと5分で現場到着!これから〇〇のアクセスの安全確保に向かう!ピッ!(袖口に忍ばせた無線機からの音)」「了解!ピッ!」 走る!走る!カラビネロスが走る! 警視庁も走る!通訳も走る!! あ~。ついていけない!さすが有事には軍隊に変貌するカラビネロス、そして日本の要人を警護するためにカラダを鍛えて抜いている警視庁SP・・・一方、日頃たいした運動もせずにオフの日はダラダラしている通訳・・・。 足は空回りし、通訳しようとしても息が上がってゼイゼイ・・・そもそも引き離されてしまっているので、大声をあげたとしても声は届かない。 ボディーガード(SP)のお仕事って聞いて、ケビンコスナーのラブロマンス映画を想い浮かべ、「はーい!やりまーす!」と二つ返事で引きうけた自分よ!現実はそんなに甘くない。
2020.03.20
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「イッシーさん、ぼくエフちゃん!元気だった??」突然、メキシコの外務省で声をかけられた。ちなみにイシイは発音しづらいようで、私はいつもイッシーさんと呼ばれる。 誰?? 思い出せない・・・年間だいたい70人~80人のラテン人と仕事をする私は、もとより記憶力があまり良いほうではないので、よほど印象の強い人しか覚えていない。 印象が強い・・・例えばイケメン??No! 中南米にはイケメンが多いのでみんな覚えていられない。覚えているのはたいがい問題を起こして対処に困った人。そういうとアル中で朝待ち合わせ時間に出てこないので、部屋を覗いたらビールのロング缶に埋もれて寝ていた人もいたなぁ・・・ でも、エフちゃんはその類でなかった。 「ぼくエフちゃん!」・・・記憶がよみがえった!あ!エフライン?(彼の名前) よーく見ると15年ほど前に中南米の行政官を対象に日本で行われたPCM(プロジェクトサイクルマネージメント)のワークショップに参加していたメキシコ外務省職員のエフラインだった。 彼はいつも「ぼくはエフちゃんです」とそこだけ日本語で言って、日本人にも、ワークショップの仲間にも好かれていた。 あら、ちょっと太って貫禄でた?というより、〇〇局長? まあ!出世したのね! ちょうど、そのメキシコ出張では視察先のアポイントメントが取れなくて日本側が困っていた。そんな時のエフちゃんとの再会! 神様、仏様、エフちゃん様!結果、なんと彼がいろいろ手配をしてくれて、仕事がスムーズにいったのよ。 もちろん、私のお陰ではありません!彼が昔、日本に行く機会を得て、そして日本を好きになって帰国してくれたから。 そんな彼の日本でのよい思い出の一端に私がいて、たまたまメキシコで再会して、日本側の人たちが困ってそうだから助けてあげよう!と手を差し伸べてくれた。 こういうご縁もあるのね。 彼が日本にいるときは、私はいつも通りの仕事しかしていなかったけど、十数年後にこのような形でお世話になるとは・・・。一期一会。出会う人とは真心を持って接しなければならないと、改めて肝に銘じた一瞬だったなぁ。
2020.03.17
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前号で通訳は存在するのか、存在しないのか?について書きましたけど、英語通訳者の松本道弘氏が著書「同時通訳」で面白い表現をしてるのを見つけたので紹介しますね。 それは・・・「通訳は忍者である。」 え? 私、忍者だったの~?? また、「通訳者という忍者が、表の世界のサムライと闘うには、サムライ以上のインテリジェンスが必要」とも。 通訳者って言葉だけを操っているだけでなく通訳するにあたって対象の情報(インテリジェンス)を広範囲に調べ準備するから、いわゆる「諜報活動」をしているのと同じということね・・。 さらに・・・「通訳者は透明人間。表の人間には見えない。しかし裏の人間からは表の人間がよく見える」だって。 すなわち、通訳の準備をする時に、担当するテーマの専門用語・関連知識のみならず、話者のバックグラウンドもできるだけ調べ上げるから、話者には通訳のことは分からないけど、通訳からは話者のことがある程度分かっているってことね。怖いね~。 クライアントさん、通訳には要注意よ! そして最後に・・・「忍者には『法』はない。しかし『掟』はある」。 『掟』とは、例えばエージェントの頭越しにクライアントと直接仕事をしないということかな。エージェントをスッ飛ばせば、そこで抜かれているマージン分を取り戻すことはできるけど、それを行うと通訳業界の秩序が乱れ、さらには通訳サービスの安売り競争にも発展しかねず、結果的には通訳自身のマイナスになってしまうものね。 松本氏が言うように通訳が忍者なら、この業界には女性が多いので、「くノ一(くのいち)」が暗躍、じゃなくて、活躍する世界ね。そして、話者に存在を感じさせず、その人になりきるための通訳訓練の極意は、さしずめ「忍法 葉隠れの術」の習得ってところかなぁ。
2020.03.15
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角星 【日本酒】水鳥記(みずとりき)特別純米酒 中取り 春酒 720ml【日本...通訳は話者のマウスピースにしかすぎない。いろんな外国語が自由に話せて、相手と直接コミュニケーションがとれたら通訳なんて要らないものね。誰だって、わざわざお金を払って、言いたいことをちゃんと正しく伝えてくれているかもわからない第三者を入れて意思疎通を図るのって、本心は煩わしいはず。でも、言葉がわからなくて必要だから、存在しない者(歌舞伎の黒子のようなもの)として、雇われて現場に存在する立場なのね。 だから、通訳は相手が「私は・・・」と発言したら、通訳も「私は・・・」と対象言語で一人称を使って訳出するのが原則。つまり、通訳は存在させない。もし、存在したら「彼(彼女)は・・・」って三人称になるはずよね。 このように、「存在しないものとして存在する」のだけど、実はその存在の「度合い」によって場の雰囲気が変わるのです。 なんだか禅問答みたい? たとえば・・・話者が冗談を言うなら通訳も楽しい雰囲気で冗談を訳す。もし話者が怒っていたら、通訳も怒って訳す・・・。だって通訳の意志や感情はそこに介在しないから。 でも、怒っている感情をそのまま通訳すると、特に相手を罵倒するようなワーディングがあるときに直球で訳すると、どんどん場の雰囲気が悪くなっていくのよ。 昔、私、それをやって灰皿が飛んできたことがあった。「なんで? 私、あのオジサマの言ってることをそのまま通訳しただけなのに、なんで私に灰皿投げるのよ!」 痛い思いをしてあることに気が付いた。「存在しないといけない場面もあるのだ!」 すなわち、相手が「バカヤロー!」と言ったらそのまま「バカヤロー!」と訳さずに「彼はバカヤローと言っています」とわざと三人称で通訳すると、なぜか聞く側が冷静になってくれる。 また、反対に話者が場を盛り上げようとしているとき、通訳が能面みたいに冷たい顔で訳すより、にこやかに通訳するほうが雰囲気がよくなる。つまり、通訳は存在しないけど、時には存在したほうが良いという、ややこしい存在なのです。
2020.03.15
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通訳には「同時通訳」と「逐次通訳」があることをご存知でしょうか?さて、どちらが難しいでしょう?一概には言えませんが、私は「逐次通訳」の方が難しいかなぁ。 何故かって??それは、相手がどれだけ話すか分からないので「メモ」を取るから。 そのメモ取りがけっこう大変なのよ!時々、通訳の存在を忘れてえんえんと話し続ける人がいます。こっちは、あ~待って!メモが追い付かないよぅ! そういう緊急時の対処方法は・・?それは、相手がスーッと息を吸った瞬間に割り込んで通訳をはじめるんです。たいがい成功しますよ。だって、黒柳徹子みたいに息を吸いながらしゃべり続けられる人はあまりいないから。 でも、「俺がしゃべってるんだから最後まで聞いてから通訳しろ!」と一喝して30分も話しつづけたオジサマがいたなぁ。メモは数十枚におよび、私の通訳を待っていた外国のみなさまは途中から居眠りを始めてた。 本題にもどって・・・さて、通訳は何をメモしているのでしょう? もちろん話すスピードには追い付けないのですべてをメモしているわけではありません。 訳出するときにストーリーを思い出せるように、文字や数字、矢印などの記号を使って一瞬のあいだ記憶を再現できる印(しるし)を書いているのね。 そのメモの取り方こそ、それぞれの通訳の門外不出のワザ・・・?通訳学では「ローザンメソッド」という方法もあるけど、みんな自分のやりやすい方法を工夫してるのね。(ローザンメソッドについては小松達也著「通訳の技術」参照) 私もメモの取り方に悩んで、通訳の友人に尋ねたことがあったなぁ。彼女いわく「そんなの文字じゃなくてぜんぶ絵で描けばいいのよ。絵!」 さっそく実践しました! 北海道の牧場で・・・「オラんちの牧場はよぉ、牛が30頭だろ、豚が20頭にヤギが10頭・・・」なんて牧場主の説明をぜんぶ絵で描いてみた。 結果、どれも丸い頭と体に足が4本で、どれが牛だか豚だかヤギだか分からずじまい。やはり自分で工夫するしかないのね・・・。
2020.03.13
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通訳で必要とされる力のひとつは、「瞬発力」かもしれない。だって、相手が言ったことをササっと外国語(あるいは日本語)に訳すのが仕事ですから。業界には「5秒ルール」というのがあって、相手が話してから通訳するまでに5秒以上あけると、相手は「この通訳さん、大丈夫かぁ?」「ちゃんと訳してくれてるのか?」と不安になるらしい。実際にカウントしてみてください。5秒ってけっこう長いですよ。なので、できるだけ相手を待たさないように訳すのです。しかし、そのプロセスで脳みそはフル稼働!で、何が起こるって? それは、「言い間違い」・・・初めて某連盟の会長さん、いわゆる「お偉いさん」の通訳をしたときのこと。はい。私、ド緊張状態です。丁寧な日本語に訳さなければ・・・との思いにとらわれて、ついに発してしまいました。「そうでござる。」もちろん、クライアントの外国人が日本の時代劇ファンだったわけじゃありません。「そうなんです」と言っただけなのに、通訳が勝手にサムライに仕立ててしまったんです。ごめんなさい。さらに・・・身体障がい者リハビリの現場で、義手や義足などの装具をスペイン語で “prótesis”と言うのだけど、ずっと “próstata(前立腺)”と言ってたことも・・・。「この前立腺は脱着可能で・・」とか「柔らかくて手触りがよく・・・」なんて。穴があったら入りたい!!そんな失敗談を通訳仲間で話してみると、結構、みんなやってます。「私なんて子育て中だったから、つい言っちゃったわよ、そうなんでちゅー、って。」この業界を生きぬいている通訳の脛(すね)はキズだらけです。
2020.03.12
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私の通訳デビューは都内のある大学での「水族病理学」の講義通訳。 え?「水族病理学」って何?? 水族病理学とは養殖魚に起こる微生物による病気(細菌病、ウイルス病)、平たく言えば魚に生えるカビなどの研究かな。 で、すみません! 私、通訳というお仕事を完全に舐めていました。一応、外語大のスペイン語学科で学び、海外留学もしていたので、通訳なんてチョチョイのチョイで出来ると思ってた。 でも、最初の仕事で完全ノックアウト! 何が起こった??なんと、次から次へといろんなカビに侵された魚の写真がプロジェクターで映し出され、「この魚は〇△×のカビに侵されています」の説明をえんえんと通訳するのよ。文章は簡単。だって「この魚は・・・のカビに侵され・・・」ばっかりだから。じゃ、なんでノックアウトした?それは病名がすべて学名だったから。日本語での通称を、スペイン語に訳すときには学名(ほとんどがラテン語!)にしなければならなかったのよ。そんな恐ろしいことが起こるなんて想像もしてなかったから、事前に資料ももらってなかった。はい。完全に頭はフリーズ。一発アウト!退場!!とまではいかなかったのは、講師の先生が困り果てている私を見て、黒板にラテン語で学名を書いてくれたから。〇〇先生!あの時はありがとうございました!私、学びました。通訳は、まず準備、次に準備、さらに準備。具体的にいうと、資料をもらうこと、その資料を基にいろいろ調べること、その過程でピックアップした単語や表現を日本語とスペイン語の両方で暗記すること!30年ちかく経った今も通訳を続けていられるのは、最初にこの痛~い経験をしたからかもしれない。
2020.03.12
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