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2005年03月07日
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テーマ: ニュース(99398)
カテゴリ: 教育時事
教育がニート予備軍生産=子どもの競争意識醸成を-中山文部科学相(時事通信)
 中山成彬文部科学相は5日、松江市で開かれたタウンミーティングで、学校卒業後も就職しないフリーターやニートが増えていることについて「今の教育機関は、フリーターとかニートの予備軍を大量に生産していることに手を貸しているのではないか」との認識を示した。さらに「社会は厳しいということを、子どものころから教えないといけない」と述べ、教育現場で競争意識を醸成することの必要性を強調した。(時事通信)


 中山大臣のコメントは、まあまあ一理あるなとは思うだが、果たしてそれだけなのだろうか。
 私はちょっとした機会からフリーター・ニートの問題についての対策検討に参加しているのだが、この問題を調査していくうちに実に様々な要因があることがわかってきた。多種の要因が複雑に絡まり合って発生していることは間違いなく、単に一つの要因を指摘して解決する問題ではない。

 ニートやフリーターの増加現象は、競争社会に対応できない、もしくはする気のない若者の増加ということであり、中山大臣のいう競争意識の醸成ということも必要なことは十分理解できる。しかし、果たしてフリーター・ニートの増加傾向と学校教育での競争意識醸成が反比例しているのかどうかはいささか疑問がある。少子化の波を受け、受験戦争は一面激化しているとも言えるし、私の子供の頃に比せば塾通いなど格段の競争社会となっている。

 では、何がフリーター・ニート増加に拍車をかけているのか。フリーター・ニートと呼ばれる若者に聞いてみると、大部分が「会社という組織に馴染めない」「仕事のスピードについていけない」「対人関係がきつい」「自分のやりたいことと違う」「やりがいがない」と言った点に集約される。
 確かに上記の発言を見ると、バリバリ会社人間の世代から見れば、何を甘えたことをとか忍耐が足りない、努力が足りないと言いたくなるのもわかる。現代の若者に忍耐力が(戦前の若者に比べて)欠けつつあることは否定しないが、いつの時代でも若者というものはそういう存在ではなかったか。

 はたと困ったとき、あるニート(半フリーター?)青年と出会った。青年は一流大学を卒業し、決して精神的に問題があるわけではないのだが、最初の就職につまづいてから正職についていない。彼に何の問題があるのだろうかと観察してみるに、性格がやや大人しいこと、地道な積み上げ型の仕事が好きなことがわかってきた。最初の職場は証券系の企業だったそうだが、営業にまわされて良い成績があげられず、馬鹿にされたあげく無能者呼ばわりでいずらくなったそうである。一般知識は相当レベル持っているし、話せば敬語も人当たりも十分である。事務仕事も決して遅くはないし、丁寧なのがいい。何故、彼のような青年が競争社会に適応できないのか。

 そこで、視点を変えて雇用側の体制に変化があったのではないかと考えてみた。外資系の進出とともに、日本企業が徐々に終身雇用制度から個人能力制にシフトしてきたことは周知のことである。終身雇用制の場合、雇ってしまった人間は無駄に出来ないから、企業はその個人差に応じて職を与える工夫を図る。これが「適材適所」という考え方である。つまり、証券会社にしても外向的性格に向く営業職とデータベース作成など内向的性格に向く事務仕事がある。適材適所ならば、個人の能力に応じて職が得られるのだ。
 しかし、外資系の能力主義というのはどうしても数字に表れる結果で評価されがちとなる。この結果、営業能力のみが評価対象となり、さらには事務職は隅に追いやられる結果となる。隅に追いやられるだけなら良いが、実は能力主義は他の職業をも食っていくことが多い。つまり、事務仕事も出来る営業職などだ。近年の企業人員スリム化に伴って、こうした「使える」スーパースター社員が多くの企業で登場しているのだ。

 このスーパースター社員は特別な能力であり、誰でもできるわけではない。しかし、企業の能力評価の頂点がスーパースター社員を中心に据えられてしまった場合、もはやそのほかの個性的な能力を有する社員の存在価値は低い。加えて、スーパースター社員は「ワークシェアリング」を阻害する存在でもあり、ますます雇用機会を狭くしているのだ。

 日本人は欧米人と異なって基本的に内向的性格の遺伝子を持っている。他の人間を押しのけて優位に立とうとすることを嫌い、陰で支えることを美徳とする。こうした日本人的心は近年薄れてきたとはいえ、欧米人に比べればはるかに濃い。
 つまり、自分の長所をアピールして能力を開花させていく欧米型と、他人が適材適所の能力を見いだして開花させてやる日本型の違いがあるのだ。終身雇用制が崩壊し、能力主義を前面に出すようになった現代社会に若者のみならず日本人が適応できないのは自明の理ではないだろうか。

 スーパースター型社員のみがクローズアップされる競争社会で、スピードや業務についていけないタイプの若者がいるのは当然。そうした型のみが能力と誤解される社会に興味ややる気がもてないタイプがいるのも当然。言い方は悪いが、「のろい子」「使えない子」が活躍できる場を提供できる「競争社会」が必要なのではと思い至ったのだった。こうした社会構造の変化にも焦点をあてて論じる必要があるんだろうなあ。



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段々と暖かくなってきましたね。春先にはやはりMA-1です。新作は出揃ったところですが、冬物最終ということで大分安くなっている店もあります。
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最終更新日  2005年03月07日 14時17分05秒
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