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2005年08月08日
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カテゴリ: 戦争映画
1946 フランス 監督:ルネ・クルマン
出演:アンリ・ヴィダル、ポール・ベルナールほか
101分 モノクロ


 第二次世界大戦後まもなく製作されたサスペンス調潜水艦映画。監督はレジスタンスもの「鉄路の闘い」で著名なルネ・クルマン。登場人物の個性を重視した推理小説のようなタッチと、潜水艦の内部を中心としたカメラワークに特徴がある。
 題材は、敗色濃いドイツの高官らが南米に潜水艦で逃亡を図るというもので、実際にあった疑惑(実はヒトラーは生存しており、戦後にアルゼンチンに入港したU-977に乗っていたのではないかというもの)に影響されたものと思われる。
 サスペンス調であるが故に、作り事っぽい感は否めないが、それでも爆雷投下シーンなどには記録映像を用いたり、潜水艦内部の機器類の再現は細部にわたってリアルである。乗員の服装や艦の操作風景などは、単なるサスペンス映画の域を脱している。とはいえ、ある論評で後の潜水艦名画「U-ボート」に匹敵する程の緊迫感とあったりするが、さすがにそこまでのものではない。
 登場人物は、南米に逃亡しようとするドイツ将軍、ナチ党長官、学者、新聞記者、経済界の有力者、そして女性たちと多彩であり、ドイツ敗戦を知ったあとの、権威にすがる者、現実逃避を図る者、狡猾さを発揮する者など、混乱ぶりが良く描かれている。そこに、連れてこられたフランス人医師の視点を加える事で、客観的に顛末を見守る事となり、最後まで飽きさせない展開となっている。ただ、残念なのは、あまりにドライに描かれすぎているため、ドラマティックな感動には至らず、ちょっとあっけなさを感じる点だ。こういう、ドライさもいいけど、現代ならば、もっとドロドロした映画に仕立て上げられるんだろうな。

興奮度★★★
沈痛度★★★★
爽快度★★★
感涙度★


(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

 1945年4月、ドイツ第三帝国の崩壊が間近になったとき、オスロの港から一隻のUボート(U-327)が密かに出航した。ランク艦長のUボートに乗船しているのは、国防軍のハウザー将軍、ナチ親衛隊長のフォスターとその腹心(チンピラ)ウイリー、イタリア人実業家カロッシとその妻ヒルダ(実はハウザーの愛人)、対独協力者でフランス人新聞記者のクーチェリエ、科学者でスカンジナビア人のエリクソンとその娘である。これから、南米に逃避行し、そこで第三帝国の復興を図る先発要員の使命を帯びていたのだ。
 燃料を節約するために、Uボートは英仏海峡を通過する。しかし、英軍艦艇に発見されて爆雷攻撃を受ける。この攻撃でヒルダが頭を打って昏睡状態に陥ってしまう。冷酷なフォスターはヒルダを下船させようとするが、ハウザーは愛人ヒルダを手放さない。やむなく、ウイリー、クーチェリエら三人がフランスに上陸し、フランス人医師ギベールを拉致してくる。
 ギベールは拉致された事を知り、ヒルダの治療後には、いずれ抹殺されることを予感する。出来る限り延命を図るため、ドイツ語を封印し、艦内に伝染病が蔓延しているとデッチあげる。さらに、無線士と懇意になり、脱出の機会を図る。
 ギベールの思惑通り、次第に艦内に苛立ちが蔓延し、さらにはドイツが降伏し、ヒトラーが自殺したとの情報が入る。それでも、ハウザーは第三帝国復活の使命を信じて南米に達する。途中、ガロージが妻に見捨てられた事を嘆いて自殺する。また、母国フランスからスパイ容疑をかけられたことを知ったクーチェリエは、ギベールに接近し、取引を持ちかける。
 南米に達して、陸地の情報員ラルガに連絡を取るが、応答がない。やむなくウイリーらが上陸したところ、ラルガはドイツ敗戦の報を聞いて、すでに協力する意志を失っていたのだ。さらに、ラルガの説得で、ウイリーもフォスターから離れる事を決心する。
 これを知ったフォスターは、怒り狂い、ウイリーを捜し出し、暗黙のうちに再び服従させる。そしてウイリーにラルガを殺害させる。
 燃料や食料が得られず、上陸する事も出来ない事を知ったハウザーらは、付近を航行しているドイツ軍補給船を呼び出すことにする。その際に、もはやこれまでと逃亡を図ったクーチェリエはフォスターに射殺される。さらに、エリクセンは娘を置き去りにしてボートで逃げてしまう。
 運良く、補給船ポセイドン号と合流できたが、ハウザーとフォスターの意見が割れる。ポセイドン号の情報ではドイツ海軍は付近の港に寄港せよとの命令が出ているというのだ。ドイツ海軍の命令に従うべきとするハウザーは、単身ポセイドン号に乗り移ってしまう。愛人ヒルダもその後を追うが、海中に没してしまう。しかし、あくまで任務遂行を目指すフォスターは、味方のポセイドン号を魚雷攻撃で撃沈してしまい、生存者にも機関銃を撃ち放つのだった。
 一方、艦内では終戦を知った船員らが反乱を起こす。スカンジナビア人の娘らとともにボートで脱出を図る。フォスターもまた反駁したウイリーに刺されて死亡する。
 ところが、ギベールだけは艦内に取り残されてしまう。何日間も一人で漂流し、これまでの顛末を日記にしたためるのだった。そして、アメリカ海軍の魚雷艇に救われるのだった。

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最終更新日  2005年08月08日 09時14分21秒
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