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2011年01月06日
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カテゴリ: 戦争映画
2009 ロシア 監督:アレクサンドル・ブラフスキー
出演者: ミラ・ソルヴィノ、ガブリエル・バーン、アーミン・ミュラー・スターン、オルガ・ストルゥーヴァほか
110分 カラー LENINGRAD


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 第二次世界大戦の独ソ戦の中で熾烈を極めたレニングラードの戦いにおける、レニングラード市民の姿を描いたヒューマンドラマ。初見、かの大作「レニングラード攻防戦 (1974,1977ソ)」を彷彿とさせるが、アクション性は低めで、より欧米的映画風のタッチを取り入れた、人情的な人間模様が展開される。ソヴィエト時代の芸術記録映画的な抒情的でアジテート満載のものではなく、普通のヒューマンドラマとなっているので、比較的見やすい。

 レニングラードの戦いは、ドイツ軍の対ソヴィエトの主要攻撃地点として、指導者レーニンの名を掲げた都市レニングラードを対象にしたことにはじまる。 1941年の攻撃開始から約900日にわたってドイツ軍が町を包囲し、食料および武器の欠乏したレニングラードは飢餓の町と化したのだ。本作では食料不足に飢え、生きるために奔走する市民の姿をありありと描いている。そのリアルさは先のレニングラード攻防戦に勝るとも劣らない出来となっている。、

 ストーリーは英国人女性記者とソビエト女性警官、さらに知人の家族と幼い子供たちとの交流がメインとなっている。レニングラードにおける飢餓状態の中で、いかに生き抜いていくかである。次第に減っていくパンの配給ややせ細っていく子供の姿は痛々しい。ロシア映画にしては政治的な匂いはあまり前面に出ず、むしろスターリンが滑稽に描かれるなど、ロシア映画の変化を感じさせる。ただ、アクション部分の割合が低いために、レニングラード包囲戦900日間という長い時間をあまり感じることができなかったのは残念。淡々とした時系列が浮き彫りになれば、より飢餓の苦しさが感じられただろう。
 また、ヒューマンドラマ部分の出来は良くできた部類だが、スターリンやほかの指導者たち、ドイツ軍部の描写が手抜きで、歴史的な描写が適当なのもいただけない。中途半端に描くならば、むしろ描かずにヒューマンドラマの登場人物に特化しても良かったような気がする。

 映像はレニングラード(サンクトペテルブルグ)で行われたそうで、ロケ地、エキストラともに立派な部類。破壊される建物や、氷結する湖などのスケール感は良い。会話もロシア語は当然として、ドイツ軍がドイツ語を話しているのは良い。

 登場する兵器類はドイツ軍の戦車、装甲車が出てくるが、何かの改造と思しきIV号戦車風のほかは、MT-LB装甲兵員輸送車改造の装甲車程度。それも自走するだけであまりリアルな戦闘シーンはない。航空機では、地上駐機するドイツ軍機がYAK-18そのままの形で数機登場するほか、ソヴィエト軍では輸送機とLa-5風の機体が登場する。飛行するシーンは全てCGで、FW-190風のものが編隊を組んだり、レニングラードを攻撃する。ただ、戦闘機のFW- 190が地上にロシア人をみつけて急降下するシーンで、機銃掃射ではなく爆弾が破裂するのはちょっとおかしい。

 全般に、そこそこの出来で、起承転結もしっかりしているので映画として楽しむことはできる。ただ、どうせレニングラードを描くのならばもう少しインパクトが欲しかったのも正直な感想だ。

興奮度★★★
沈痛度★★★★
爽快度★★
感涙度★★★





1941年9月、レニングラード郊外では攻め込もうとするドイツ軍に瀕死のソヴィエト軍が抵抗している。前線の塹壕には中尉の部隊がいるが、もはや全滅必至で、女性警官ニーナが老人ら市民による義勇軍を連れて応援にやってくる。武器もままならない義勇軍たちはドイツ軍の戦車に突撃し、バタバタと撃ち倒れるもなんとか攻撃を食い止める。
 レニングラードの市内はドイツ軍の包囲により食糧、弾薬が欠乏し、1日300gのパンの配給制となっている。ドイツ軍はなかなかレニングラードを攻め落とせないレープ将軍を非難するが、将軍は包囲による兵糧攻めに転じていく。現在はラドガ湖における船輸送が細々と行われ、ドイツ軍の攻撃で20隻のうち1隻がつく程度だが、湖が凍る冬季になれば氷上輸送が可能になってしまう可能性があった。
 モスクワでは外国人記者たちのレニングラード取材が計画されていた。英国人女性記者ケイトは仲間のフィル、フィンリーらとレニングラード入りを熱望し、なんとかレニングラード入りを果たす。だが、ソヴィエトは飢餓状態の市民の姿を悟られたくなく、取材規制を敷く。ニーナも命令により、市民に芝居をうたせ、姿を見せないようにするが、ケイトと偶然出会う。ケイトはソヴィエト人記者ヴァルニク、コルネエフらと前線の取材に行くが、そこでドイツ軍の空襲に遭遇し、行方不明になってしまう。ニーナらの捜索でようやくケイトは発見されるも、外国人記者団の帰りの飛行機に間に合わなかった。ニーナはケイトを自宅に保護するが、警官上司はケイトが死亡したと報告してしまい、存在を消そうとする。そこでニーナは偽のスペイン人難民の証明書を偽造してケイトに持たせる。ニーナの家ではオペラ歌手や幼い男の子(チェス名人)ユーラ、妹のシーマとその母親ソーニャが住んでいた。ユーラは栄養失調のため歩くことすらままならない状態だった。パンの配給はますます減り、1日 150gになる。
 市民の飢えはますますひどくなり、ドイツ軍の落したパラシュート爆弾に砂糖と書いてあったため、殺到するが爆弾は爆発する。ユーラの母親は生き残るため、ユーラと自分の食料を減らし、元気なシーマに分け与える。そんな姿を見たケイトはユーラにチョコをあげる。
 イギリスに戻ったフィルはケイトの父親が白ロシア軍の将軍だったことを知る。ケイトはどうしても祖国ロシアに足を踏み入れたかったのだ。その情報はスターリンの耳にも入り、怒ったスターリンはケイトの捜索と逮捕を命じる。そのことを知ったニーナはケイトに怒るが、その素性を明かすことはしなかった。オペラ歌手はレニングラード脱出を計画する。ケイトは彼女の持っていた指輪を盗んで売り、食料にかえてユーラに与える。町では闇商人が横行し、盗みもひどくなる。ニーナは盗人を追い詰めるが、まだ幼い少年だった。だが抵抗したため殺害する。一方、攻めるドイツ軍パイロットのヴァルターは飢えに苦しむ市民への攻撃が嫌になり、自殺行為の攻撃で自爆する。
 食糧事情は一層悪くなり、ケイトも幻想を見るようになる。さらにソーニャが餓死し、ユーラとシーマが残され、ケイトがその面倒をみるようになる。そんな中、レニングラードにやってきたコルエネフがケイトを発見し、飛行機での帰国を勧める。だがケイトはユーラらを置いていくことができず、断念する。町では人肉を食らう人々も出始める。
 いよいよオルガ湖が凍結を始め、輸送ルート探索のため数隊の捜索隊が結成される。遭難者が多く出る中、ニーナの所属する隊がなんとかルートを発見。その功績から捜索隊の家族のレニングラード脱出が認められる。ニーナはケイトとユーラ、シーマを家族として脱出させることに。だが、脱出の日ユーラはもはや歩くことができなかった。ケイトもおぶることもできず、泣く泣くシーマだけを連れて輸送車に乗って脱出する。湖のほとりにはニーナから連絡を受けたフィルが待ち受けていた。だが、ケイトはユーラのことを捨て置けず、シーマをフィルに託し、またレニングラードに戻っていくのだった。
 1965年のレニングラード。大きくなったユーラとシーマはフィルに再会する。そして1943年に死亡した恩人ニーナとケイト(ゴンザーレス・カテリナ・ガルツェブナ)の墓標を偲ぶのだった。





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最終更新日  2011年01月06日 21時25分47秒
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