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Feb 5, 2006

ヒンギス復活劇の理由は！？

(2)

テーマ：テニス(3385)

カテゴリ：イベント

マルチナ・ヒンギス
かつてのテニス界の女王。全豪では久しぶりの登場にも関わらずベスト８入り。今週行われている東レパンパシフィックオープンテニスでも、主催者招待選手として登場していますね。
　昨日行われたヒンギスvsシャラポアという、新旧女王対決。ヒンギスは6-3、6-1のストレートで勝ちましたが、これがどういうことなのか。ひさしぶりにテニスを見た感想として綴ってみます。

　昨今の21世紀の女子テニス界は「パワーテニス」が主流です。シャラポア、ダベンポート、ウィリアムズ、どれも長身から繰り出される強烈なサーブとショットは、いままでの女子テニス界では考えられませんでした。2002年に一時引退したヒンギスも、このパワーテニスを苦手としていました。

　しかし、今大会のヒンギスは以前のヒンギスとは違いました。正確に相手の裏を読むライン際の正確なショットと、徹底したバックラインギリギリの足元に放り込むショットをうまく使い分け、コートの主導権を握ったまま試合に勝利しました。ここまでであれば、引退する前のヒンギスと同じだったでしょう。しかし今大会では、その正確性と戦略はそのままに、「パワー」が増していました。この点が、ヒンギスが引退後、解説者などを通した経験から学んだ改善点なのだと思います。実際、サービスエースも数本ありましたし、シャラポアがあれだけ翻弄されて走っている姿は見たことがありませんでした。

　90年代の女子テニス界のように、戦略と正確性が主流であった頃を見てきた私達の年代に取っては、昨今のテニス界はあまり面白くないなーと思っていました。しかし、ヒンギスの復活によって、パワーと戦略・正確性を融合した新たなテニススタイルが生まれたと思っています。

　シャラポアは今回決して調子が悪いようには見えませんでした。シャラポアもパワーと正確性を備えた選手ですが、ヒンギスからブレイクポイントすら奪えませんでした。シャラポアは試合途中からいつも通りでは勝てないと思ったでしょう。実際、いつもはほとんど見たことがないようなドロップショットを出した瞬間、シャラポアの迷いを感じることができました。その迷いは最後まで晴れることはなく、ヒンギスの一度握った主導権を離さない天性の戦略性、そして正確性にパワーを融合したショットに敗れてしまいました。

　今日決勝が行われますが、ヒンギスと対戦するデメンチェワは、2002年に引退する前のヒンギスを最後に破った選手。さらに、小さい頃からヒンギスと一緒に成長してきた選手です。
　今日の決勝も見逃せませんね！

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