『 教師とスクールカウンセラーのためのやさしい精神医学(1)
(LD・広汎性発達障害・ADHD 編
)
』
(森俊夫、ほんの森出版、2006、2100円)
上の本の読書メモの第8回。
「第6章 注意欠陥/多動性障害(ADHD)への対応
」
に入っていきます。
今回は前半の、薬物療法のところです。
ADHDの定義や診断、どういった障害なのか、ということについては、
前回
に書きました。
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『教師とスクールカウンセラーのためのやさしい精神医学(1)』読書メモ8
(p135~:「第6章」の前半から)
「第6章 注意欠陥/多動性障害(ADHD)への対応
」
1.ADHDの薬物療法
・「対症療法」的な薬物
・状況が困難なものである場合には、
薬物療法の導入は躊躇されるべきではありません。
・ メチルフェニデート(リタリン)
精神刺激薬(通常、突然眠ってしまう睡眠障害の治療薬)の1種
ADHDの症状である<不注意><衝動性><多動性>のすべてに
効果がある。
通常1日量10mg。朝と昼に半分ずつ飲む。
効果は4~5時間。
朝、学校に来る前に家で飲む。→午前中いっぱいはもつ
→お昼休みにまた飲む。→下校まではもつ
夜は飲ませてはいけない。眠れなくなる。
・ADHDのある人は精神刺激薬を飲むと落ち着き、
そうでない人は活動性が高まる。
※ADHDのある人とそうでない人で、
この薬物に対する反応が違う
・朝ちゃんと薬を飲ませたかどうかの確認を保護者から受ける。
飲んでいる場合と飲んでいない場合の本人の様子の違いを確認するため。
・お昼の薬は保健室で管理しておいて、
担任の先生が毎日、本人に指示して保健室に行かせ、
そこで飲むようにするのが普通。
・精神刺激薬の副作用は、不眠、食欲低下など。
・身体依存性はない。精神依存もほとんど発生しない。
飲んだからといって、別に気持ちよくなるわけでない。
・ADHDによる日常生活上の困難は、
多くの場合成長とともに克服できたり、
コントロールできるようになる。
薬は、 最も困難な時期を少しでも落ち着かせるために用いられるべき
。
2.薬物療法について最低限の知識をもつ必要性
・ 抗てんかん薬
(カルバマゼピンやバルプロ酸ナトリウム) も、
ADHDのある子に対して処方されることがある。
・抗てんかん薬には、<衝動性>を抑える効果がある。
ただし、副作用に注意。
カルバマゼピン:傾眠やめまい、吐き気や嘔吐
バルプロ酸Na:鎮静作用(眠くなる、頭が回らない感じ)、手指の震え、脱毛症
・かかりつけの病院名、担当医名を控えておく。
子どもに変化が現れたとき、または緊急の事態に遭遇したとき、
その病院や担当医からの指示を仰ぐことができる。
・かかりつけでない病院にとりあえず運ぶ時にも、
病院のドクターに
「○○病院の○○ドクターが担当で、
○○という薬を○○グラム飲んでいます」
と明確に伝えることができる。
・(公立中学校 木原先生の話) 「自分のクラスにいる子が、
どのような疾病に対して、どのような薬をどのくらい服用しているのか
を知っていると、私はとても安心できます」
「突然の出来事というのが一番驚くわけですが、
その突然に出合わないように、また出合ったとしても
その驚きを最小限にとどめておくことができるのです」
(p149まで)===============================
メチルフェニデート(リタリン)
については、
最近はほとんど処方されていないような気がします。
メチルフェニデートは コンサータ にも入っています。
コンサータなら、1日1回の服用でいいようです。
持続時間はなんと12時間!
詳細は
▼ メチルフェニデート
- Wikipedia
森先生は本書の中で、依存性はほとんどないと言われていますが、Wikiによると、依存症はあるようです。
次回は、 ADHDの学校での対応 に入っていきます。
本書では大きく3点にまとめられています。
(1) ADHDの認知特性に合わせた対応
(2) 一貫した対応
(3) 子どもたちの自尊感情や自己効力感を高める対応
次回、詳しく参照します。
(^0^)いつも読んでくださって、感謝します!
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