きょういく ユースフル! ~ 僕は触媒になりたい ~

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2020.02.02
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テーマ: 教育改革(11)
カテゴリ: 教育改革
​​​​​​​​ 新しい時代がくる。
改革は必要だ。
しかし、現場は急に変わらない。
では、どうするか?

藤原和博『45歳の教科書』が、参考になります。


『45歳の教科書 戦略的「モードチェンジ」のすすめ』
(藤原和博、PHP研究所、2018、1400円)


▼【電子書籍版】

(藤原和博さんに興味のある方は、本ブログの過去記事も、参照ください。
 ▼ 藤原和博『負ける力』1 ~目標は4文字熟語?

藤原さんは、校長として実際に学校を変えた第一人者かもしれません。

何をどう変えたか。

例えば本書の中での具体例として、次のようなものがあります。
大変面白い取組みだ、と思ったものです。

​====================
​「Cラーニング」というシステム

・生徒がスマホから意見や質問を打ち込むと、たちどころに教員のタブレット(スマホでもパソコンでも可)にリスト化されるのです。
 さらにこれをスクリーンに表示すれば、各自の意見や質問が共有できる
・全員の意見を瞬時に反映させることが可能

(同書p235)
====================

同じような授業は、昨日読み終えた千葉大学の藤川先生の本でも提案されていました。
(藤川大祐『 授業づくりエンタテインメント! メディアの手法を活かした15の冒険 』)​

IT化が進んで、こういうことをやる学校は、どんどん増えてきている気がします。
全員参加のアクティブ・ラーニングを実現するうえで、ICTをうまく利用する好例だと思います。

ほかにも、 ▼ 藤原和博『負ける力』2 ~ITを利用した、新時代の授業改革  を見ていただくと、以前に書いたものがいろいろ出てきます。ご参照ください。

ただ、今回の話の重点は、 改革をしようとしたとき、どうやってそれを進めていくか 、という話です。

藤原さんの場合、『45歳の教科書』で、次のように書かれていました。

​====================
・私は教育の分野で「自分が1人で」何かをしようとしているわけではなく、
 150人の仲間とつながった「自分ネットワーク」で改革に挑戦しているのだと思っています。
 私という存在はいわば「アバター」で、仲間たちは、私が次は何をするのか、どんな手を打つのかに興味を持ち、ワクワクしながら面白がってくれています。

(同書p96)
====================

簡単に言うと、「1人では、できない」ということですね。

分かりきったことです。
しかし、自分の思いが強くなればなるほど、忘れてしまいがちです。
「自分で!」「自分が!」となってしまう。

そのとき、応援してくれる人たちがいなければ、当然、なしえるものも、なしえない。

逆に、応援してくれる人たちがいれば、一見無理そうなことでも、できてしまう。

「仲間」の存在は、大きいです。

それは、子どもでも、大人でも、変わりません。


ちなみに、「 誰を味方につければ目的が達成できるか 」については、本書のQ&Aに載っていました。

​====================
誰を味方につければ目的が達成できるか

・一般的には、女性を味方につけることが大事だと言われています。

・学校の場合は、生徒の背後にいる保護者を味方につけることが、改革を可能にする絶対条件でした。
 また、PTA会長、地域社会の実力者、若手の有望株の先生たちも味方につけ、それぞれの力を発揮してもらうことで、地域に開かれた学校をめざしました。

(同書p176)
====================

たぶん、「友だち」というのは、何かあったときに頼れる存在として、皆さん個人的には、いると思います。

しかし、仕事で改革をなしえるにあたっては、当然ですが、仕事関係のネットワーク、それも現場を動かすキーパーソンのネットワークが、欠かせません。

友だちとだけ仲良くする、という次元では、改革がなしえるわけがない。

学校は「協力」という言葉が好きですが、その「協力」の範囲が、たとえば学年教職員だけとか、教職員だけとか、範囲が狭く限定されていればいるほど、とれる動きが制限されると感じます。

「協力」の範囲を広げ、保護者や地域の方と一緒にやっていけるか。

自分が校長ではなくても、視野としては広く持って、関わりを広くしないと、おそらく改革の緒に就くこともできないのでしょう。



さて、その一方で、仲間がいるにせよ、自分が積極性をキープする、いわゆる「 やる気 」を維持するには、強靱なメンタルも、必要な気がします。

藤原さんのメンタルについては、どうなっているのでしょうか?

藤原さんは、「 ​信頼と共感をゲットしたものが、この社会では力を得る​ 」(p108)と述べた上で、 信用がある人の10ヶ条 を挙げています。
その10ヶ条の最後が、次の項目です。

​====================
感謝と畏れの感覚がある

・全体がつながっている中に自分がいるという真摯で謙虚な気持ち。
 自分を生かしてくれているすべてのものに対するリスペクト

(同書p115)
====================​​

これは、「自分が!」の対極にある感覚だと思います。

「おかげさま」「ありがたい」という感謝の気持ち。
自分を遙かに超えた存在への畏敬の念。

傲慢な人間に、人はついてきません。

また、自分のエネルギーで頑張ろうとする人は、たかが知れています。

マンガ「ドラゴンボール」の中で、主人公がみんなから少しずつ元気をもらって「元気玉」というのを作りますが、そんなイメージ。
この社会、この世界に生かされていることに感謝し、人や自然からエネルギーをもらって、「させていただく」という精神が、一段上の行動力を生むのでしょう。


同書には付録として、
「自分の『信用度』を数値化できるチェックリスト」 がついています。

子どもの頃から 大の付録好き なので、もちろんやってみました。

結果・・・

基礎編 41/50 点   金融編 6/10 点   応用編 16/40 点

総合評価  63 /100 点 でした。

微妙なところです・・・。

ただ、同じチェックを1年前にもしたのですが、一応今の感覚でチェックすると、8点ぐらい上がってました。自分に甘くなっただけかもしれませんが・・・。

基礎編最後のチェック項目が、 感謝と畏れの感覚 があるかどうかでした。
1年前に僕がチェックしたときは、5点満点で2点をつけていました。
今は、4点かなあ、と思います。
具体的に何がどう、ということはないのですが、感覚的に・・・。

最後に、学校改革を進めるための、藤原さんのとっておきの作戦を紹介します。

​====================
学校改革のための「出島作戦」

・全体の意識というのはどこでも保守的で、「できれば前からの習慣や行動を変えたくない」
・ですが、一部を「特区」のように開いて、外からモードの違うエネルギーが流れ込むようにし、そこで生まれた新しい意識を周りに伝播させていくことは可能です。
・明治維新を準備した長崎の出島のような役回り

(同書p241)
====================​​

​​​変えやすいところから変えていかないと、抵抗が多いところでは、苦労多くして益少なし。

学校改革も、学校の中で、一部だけなら変えられるかもしれないし、そこが突破口になるかもしれない。

もっと言えば、市の中で、ある学校で改革ができれば、そこから他の学校に伝播させて、市全体を変えていくことが、できるかもしれない。

もっともっと広く考えると、日本全体の中で、「出島」を出現させることで、日本の学校がどんどん変わっていく、というイメージも持てます。


特色ある学校は、いろいろなところに生まれてきています。

自分の足下しか見ていないと、なかなか変えられないものですが、広い視野に立つと、変えられるところは、案外たくさん見つかるかもしれません。

このあいだ、尾木ママの講演に行ってきました。

主体性を伸ばす教育が必要 尾木ママが三田で講演
  (神戸新聞ネクスト)

そこでもいくつかの、改革推進校や推進地域を紹介されました。
東京だと、今までの前例を大きく変えた中学校が出てきています。

▼​ 荒れる生徒、校則あえて全廃…「常識」破った桜丘中校長
 (朝日新聞デジタル)

日本全体を視野に、自分の学校とつなげて考えられると、「あそこは出島で、これから日本全体が変わっていくんだ!」というワクワク感を持てるかもしれません。





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Last updated  2020.02.02 06:50:34
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