きょういく ユースフル! ~ 僕は触媒になりたい ~

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2023.11.02
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カテゴリ: 通級
LD学会の会員として10年以上学ばせていただいています。
最近全国的に通級指導教室の担当者が増えてきて、 通級指導 を受ける子どもたちも激増しているようです。
そんななか、「通級とはかくあるべき」という「指導」が担当者や学校に入ることも増えているのだとか。

ただ、その「指導」が行き過ぎているのでは、という懸念を持っています。
LD学会の論文集や機関誌で、上野一彦先生がそのことにふれられていました。
僕も同じことを思っていたので、「我が意を得たり」と思いました。

具体的には、次のようなことです。

(1)「通級」では「学習指導をしてはいけない」という行き過ぎた指導

(2)「通級」は「1~2年で終了する」という期間限定

(1)については通級の手引き等でも、「自立活動がメインであるから学習指導がメインになってはいけない」ということが書かれていて、それはそうなのですが、「学習指導を全くしてはいけない」とは書かれていません。LD通級開始当初から、教科の学習補充等は、それがメインでなければ、しても構わないという位置づけだったはずです。

僕もこのブログで再三書いていますが、通級指導を受けるお子さんは通常学級の集団授業を普段は受けており、通級はその集団での普段の授業につながる成果を期待されています。ゆえに、普段の学習を全く取り上げなければ、その連携が図れません。

「塾」のようになるのはもちろんダメです。
しかし、かといって、「国語」や「算数」で困っている子が通級に行って「国語」や「算数」に直接関係ない「○○トレーニング」ばかりしているようでは、普段の困り感の改善になかなかつながらないのでは、と思います。通級でしっかりと本人に合った学び方をみつけて、「あなたにはこのやり方が合っているから、これで学習するとよさそうだね」といった方略を身につければ、普段の学習につながるというものです。
「普段の学習」というものは、決して軽視していいものではありません。

上野一彦先生は『LD/ADHD&ASD』2023年10月号でこう書かれていました。


・「自立活動」を強調するあまり、「教科の補充指導ではない」ということが誤解されてはいないでしょうか。
 個の学び方に合った学習指導さえ軽視する空気が一部にあります。LDだけではなく発達障害系の子どもたちは、独自の学び方ゆえの困難さを抱えていることも多く、基本的な学習のキャッチアップは何よりも大切です。

(p17より)


僕はこれを読んで、「全くその通りである」と思いました。

(2)の縛りについても上野先生は続けて書いておられますが、そちらは引用なしで、僕の考えだけ書いておきます。

この雑誌はどなたでも購入できますので、興味のある方はぜひ買ってみてください。
特に通級担当者にはお勧めの雑誌です。


『LD ADHD&ASD』2023年10月号
(明治図書出版
​、990円)

通級指導対象児童生徒の激増に伴い、担当者が足りなくなっています。
国は「子ども13人に1人の通級担当者を配置する」と言っていますが、担当一人で20人くらいみているケースがざらにあります。
だから「通級は1年で原則終了」とか「2年まで」といったルールを新しくつくられている自治体があるようです。

でも、子ども自身の通級指導の必要性を無視して年限を決めるのは、「子どもを中心とした指導」になっていないと思います。
必要がなければ終了すればいいし、必要があれば延長すればいい。
必要があるのに終了してしまって、その子が在籍学級で困ることが格段に増えるようでは、なんのための通級か、と思います。

一方で、在籍学級でその子に合った指導や支援が受けられるようになって、通級しなくてもよい状態に周りが変わっていったということであれば、その子自身は変わっていなくても、通級の終了ということはもちろんあり得ます。通級指導の必要性は、その子だけをみて決めるものではなく、周りの環境との相互作用で決まるものです。

仮に通級を1年間限定で行うならば、通級終了後の在籍学級(通常の学級の教室)で通級でされていたような指導や支援を保障していかなければなりません。
それは最もめざすべきところなので、そうなっているなら、別に反対はしません。
でも、それが非常に難しいのではないか、ということも感じています。しょんぼり


僕自身が勤務している自治体では(1)や(2)の縛りはないので、あまり書くと無責任になりますから、もうやめておきます。

実際のところはどうなのか、気になっているので、ご存じの方がいらっしゃったら、ぜひ教えてください。スマイル



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Last updated  2023.11.02 20:57:46
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