きょういく ユースフル! ~ 僕は触媒になりたい ~

全て | カテゴリ未分類 | 生活をよくする | 本の紹介 | 共に生き、共に育つ | たのしいべんきょう | 個人的な日記 | 体育 | 音楽♪ | 道徳 等 | 問題解決 | 考え方 | 話し合い・話す・聞く | 特別支援教育 | 小学校 | 阪神間 地域情報 | PC・デジタル関係 | 教材・教具 | 食育(自立生活・家庭科)・園芸 | 仕事術 | 旅行(温泉含む) | 英語学習 | 環境保護・エコ | 作文・書くこと・漢字 | よのなか(社会) | いのち | 人間関係・コミュニケーション | 子育て | 地震・防災 | 算数 | 心理・カウンセリング・セラピー | 読む・音読・朗読 | エクセルでのプログラミング | 北播丹波 地域情報 | 教員免許 | 教育改革 | 休校期間お役立ち情報 | 映画 等 | 創造性をはぐくむ | プレゼン | 通級 | 健康 | ゲーム
2024.03.04
XML
カテゴリ: 教育改革
鴻上尚史 ロンドン・デイズ 』の読書メモを書いています。


ロンドン・デイズ 』[ 鴻上尚史 ]
【リンクは電子書籍版】

本日が、第3回。
↓過去記事は、こちら。
▼その1  言葉の勉強は、7割が聞くことだ。

▼その2  くだらないことを思いっきりやることがおもしろい!


今日は、「先生」と呼ばれる立場にある人が、
共通してはまりそうになる「 落とし穴 」についてです。

本書はロンドンの学校への留学記ですので、実際の授業のことがいっぱい書かれています。

その中には、当然、「先生」のことも出てきます。
ユニークなレッスンをする「先生」がたくさん登場します。

ただ、鴻上尚史さんが「先生」のことを書かれている記述の中で、「これは、僕たちも、気をつけておかないといけないな」と思ったことがありました。

今回はそのことを書きます。

「アン」という先生について、書かれた部分です。

4章の途中、p207から、「 みんな泣き出すアンの授業 」という話が始まります。

「演技練習」の授業の中で、アンという先生は、授業の中で感情を出すように生徒たちに促します。
自分の感情を語るレッスンです。
#チェッキング・インというそうです。

たしかに、感情を出すことは、大切です。

ただ、その授業は、「 なんだか、泣きながら自分の苦しいことを言わないといけないような雰囲気 」だったそうです。(p208)
あくまでも、鴻上さんの捉え方ですが。

たくさんの生徒が、順に、悩みや苦しみを正直に吐露し、大泣きしました。

それについて、鴻上さんは冷静にこう書いています。


​​​・アンは、生徒が自分の前で涙を流すことが、快感なんじゃないかと、僕は感じていた。
 生徒が、自分の言葉によって、泣き、救われるという快感。
 僕は演出家として、そこに、アンの歪んだ欲望を感じたのだ。
 そして、それは、演出家として、一番、戒めないといけないことだと僕は思っていた。
古今東西の権力者が語る権力の最高の快感は人間を操縦することだ。
演出家は、常に気をつけていないと、この落とし穴にはまるのだ。 ​​​


(同書p144より)


演出家として長年第一線でやってこられたからこその、洞察だと思いました。

人間というものの、危うさ。

権力者と呼ばれることが少しでもある立場にある者は、このことに自覚的にならなければならないと思いました。


ここで重要なのは、生徒が感情をあらわにし、自分の悩みを語って、みんなでシェアすること自体が、問題なのではないということです。

それは、もしかしたら、よいことなのかもしれません。

でも、それが「先生」によって、恣意的に行われることの危うさを、鴻上さんはおっしゃっているのだと思います。

そして、力量があって、生徒がその先生のことを尊敬し、信頼している場合であればあるほど、こういったことは、起こりやすいのです。

カリスマ教師ほど、起こりやすいのです。

生徒が「言うことを聞く」ということに、酔ってしまうのです。


僕は力量がない「先生」なので、こういうことはあまりないですが、
「カリスマ教師」に憧れたことは、何度もあります。

ただ、それは、鴻上さんが言うところの人間を操縦したいという欲望から来ていたものなのかもしれません。


僕は、「リーダーシップ」というものの、裏を垣間見たような気がしました。
決して、リーダーシップそれ自体を否定するものではありませんが、そういった危険性があるということです。


あなたは、どう思われますか?




「学ぶのは子どもだし。『わからない』ことは重要」 ~工藤勇一×鴻上尚史『学校ってなんだ! 日本の教育はなぜ息苦しいのか』その3
 (2019/08/30の日記)

コロナ禍の中こそ、自宅で演劇鑑賞!「観劇三昧」
 (2023/09/17の日記)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2024.03.04 21:18:50
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

にかとま

にかとま

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Archives

2024.09

© Rakuten Group, Inc.

Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: