わたしのこだわりブログ(仮)

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2014年01月25日
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​​ 写真一部入れ替え追加しました。
オフ・シーズンに海外旅行をすると空いていてホテルも手頃だし、観光する教会や美術館もすいているから見やすいだろう・・なんて思いがちである。
しかし、これは問題があった。

実は観光客の少ないオフ・シーズンに合わせて当局が修復工事を行ったりするからである。
美しい教会の外観を撮影したくても、足場とホロがかぶっている事があるし、目玉の絵画が展示されていない事も多い。
大がかりな修復工事の時は、外貨稼ぎの為に海外にレンタルされる作品は結構多いのだ。

昨年の旅行ではテイトギャラリー(ロンドン)のラファエロ前派の作品が目当てだったのに無かったし、ハーグ(オランダ)では目玉のフェルメールが無かった。
美術館のホームページを見ても、「今は貸し出し中です」なんて案内は一切無い。
(ハーグに至っては美術館自体が修復工事で移転しているのに案内が無かった。おかげで工事現場の回りを3周もしてしまったぞ怒ってる)

だからわざわざ行って空振りだった時のショックは大きいのです。・°°・(>_<)・°°・。 ウエーン
そのかわり期待していなかっのに大きな収穫があるラッキーもあるが・・スマイル

サンカントネール美術館 2 (フランドルのタペストリー 他)

サンカントネール美術館(musée du Cinquantenaire)
タペストリー(tapestry)
フランドルのタペストリーとフランスのゴブラン織り
ソリ(sleigh)のコーナーから

タペストリー(tapestry)
タペストリーの歴史をたどると 古代エジプトまで遡るそうだが、 歴史に登場してくるのは古代ローマの交易の中からだそうだ。
同じくペルシャ絨毯も東西の交易の中で流通して広まった。

なぜ絨毯の話を持って来たか・・と言うと、フランドルの厚みのあるタペストリーを見ると、ちょっと絨毯のようにも見えたからである。

もっとも 遊牧民の生活の中から生まれた敷物の絨毯と高官の宮殿の壁掛け装飾のタペストリーは似て非なる存在だ

しかし絨毯は高級になると壁に飾られ、タペストリーと同じような機能を持つのである。
そしてフランドルのタペストリーは壁と床と両方の機能を持って使用されたに違いない


製作過程の展示もある。

13~14世紀になると欧州では、城や聖堂、貴族の邸宅などには装飾性の高いタペストリーがポピュラーに飾られるようになった。
タペストリーは装飾だけでなく、巻いて持ち運びができるので、旅先にも持ち歩きができたうえに窓を塞ぎすきま風を防ぐなどの防寒としての機能もあった と言う。
つまりカーテンの用途もあったわけである。
(だから大きく裾が床に着くほどの大きさで織られていたのだろう。)

前回の写真から
pict-サンカントネール 21.jpg

最初にこの部屋に入った時、バチカン美術館からシスティナ礼拝堂に向かう途中にタペストリーがたくさんつり下げられた回廊を通った記憶がよみがえってきた。
絵画のような精巧な絵が織り込まれた美しい大きなタペストリーは天上が高く、広い回廊のバチカンの中でも存在感があたからよく覚えている。

あのバチカンの回廊を飾っていた数多くのタペストリーはこのフランドルで織られた至極の逸品。ここに展示されているタペストリーと同じ物だそうだ。

王侯貴族のパーティー?


テーマからどこかの諸王の宮殿を飾っていた品であろう。


古来よりタペストリーは祭具や室内装飾布、袋物、帯地等に用いられたと言うが、 フランドルのつずれ織りのタペストリーは精密な絵画仕立てで品質がよく、上質な高級品として当時欧州一 だったそうだ。
しかし、ルイ14世が国策としてゴブラン工場を造ると仕事はフランスに持って行かれたのである。

部分

その精密さは拡大するとよくわかる。

実際タペストリーは今見ても本当に素晴らしい。
絵画にひけをとらない精密さと色使い。これが織物とはとても思えないできばえである。

女性のドレスのフリンジ部分


絵画のようなタペストリーにはフレームも花やフルーツなどの絵柄になっている。


とにかく細かくて凄い。


フランドルのタペストリーとフランスのゴブラン織り
つづれ織りの織物をゴブラン織り・・と言ったりするようだが、 本来のゴブラン織りは、ゴブラン兄弟の工房から出荷されるゴブラン家の家紋が織り込まれたもののみに与えられた呼称 だったそうだ。

が、 そもそもはゴブラン家は染め物工場で、そこにフランドルから職人を招き、フランドルの技術を受け継いで織られたのがゴブラン織 なのだそうだ。

そこにフランスの経済政策がのっかる。
時は1667年 ルイ14世(1638年~1715年)の元で財務総監だった ジャン・バティスト・コルベール ((ean-Baptiste Colbert)(1619年~1683年)は産業の発達と輸出を奨励 。その中にゴブラン織りもはいっていて、 国策として工場を買い上げゴブラン織りの生産、輸出を薦めた。

そして、先述のように 織物市場はフランドル産からフランス産にシフトしたのである。
※ 全然中身の質が違うが・・。しょんぼり

おまけ・・・バチカン美術館からシスティナ礼拝堂に向かう通路のタペストリー
pict-バチカンタペストリー 1.jpg

バチカンのタペストリー
pict-バチカンタペストリー 2.jpg
絵柄は新約聖書「ヘロデ王による幼児虐殺」であろう。

タペストリーだけではつまらないので、最後にめずらしいものを・・。
この博物館以外では見た事がない珍しいソリのコレクションを一部・・。

ソリ(sleigh)のコーナーから
pict-サンカントネール美術館 23.jpg
来歴などチエックしてこなかったのでコメント無し。

pict-サンカントネール美術館 25.jpg

アールヌーボーのソリは転んだら大けがしそう。
pict-サンカントネール美術館 24.jpg
いずれのソリも従者が後ろに乗ってコントロールするようになっている。

pict-サンカントネール美術館 5.jpg

アールヌーボーの部屋から
pict-サンカントネール美術館 10.jpg

サンカントネール美術館(musée du Cinquantenaire) おわり

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リンク ​ サンカントネール美術館 1 (ローマン・グラス 他) ​​​





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Last updated  2020年11月11日 01時29分25秒
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