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TDL30周年に、あのスターツアーズがリニューアルオープンします。1989年に東京にお目見えして以来25年ぶりにバージョンアップされる、ということで注目を集めています。TDLにスターツアーズができてからというもの、日本全国に類似アトラクションが造られました。そんな中、私自身も運営コンサルタントになって、数々のアトラクションの企画・制作プロジェクトに参加するようになりました。そうして、企画・制作側に回ってみると、ディズニーのスターツアーズがいかに凄いのか?を痛感するようになりました。実務をしてみてわかったことは、スターツアーの企画、制作の考え方や発想そのものが日本の他の施設とは違う、、、ということを思い知りました。例えば、スターツアーズのような通称「フライトシミュレーター」型アトラクションは、モーションベースと言われる「油圧制御の足」があります。これを使って映像と連動したリアルな動き再現するわけです。当時すでに、本物の航空機のトレーニング用に使われてました。この技術の多くは、日系企業のものでした。航空機シミュレーターの場合は、「6軸」つまり「6本の足」を使います。こうすることで、限りなく本物の動きを再現できます。反面、デメリットはコストが高い。さらにメンテナンスが難しく、そのコストも高い。しかしながら「より本物感を」というメーカーの方々の提案で、日本の多くのテーマパークがこの6軸を採用しました。一方、スターツアーズは3軸です。だから、アトラクションの企画書には「あのディズニーを上回る、、、」などのコピーが書いてありました(笑)。結果はどうなったか?スターツアーズが残って、その他のアトラクションのほとんどは不採算のため、後に消えて行きました。原因はいくつかあります。日本の技術の結晶と言われた6軸のシミュレーターも、結局は、映像ソフトが面白くなければ楽しくないのです。大抵の場合、アトラクションの制作の多くをこうしたハードに予算を使ってしまい、映像や演出ソフトは安価で、、、が多かったです。(ハード優先、ソフト軽視)また、どんなに「本物と同等の動きが可能」と技術力を保持しても、ここはテーマパークです。一般人は、本物の航空機の動きには耐えられません。だから、実はそれほどリアルな動きは必要ないのです。身長105cm以上の小学生も乗れるように、だけど大人も楽しめる、適度にスリルもあるけど、ゲストが具合悪くならない、、、ギリギリのセッティングを見つけ出しているわけです。この「さじ加減」こそが、ディズニーの凄さです。だから、6軸は不要で3軸で十分だし、その分、映像や演出ソフトに予算をかける。問題は、あくまでも映像と動きのセッティングだと。今でもスターツアーズより動きの激しいリアルなアトラクションは他施設にも存在します。が、それでゲスト楽しいのか?と言われれば、疑問が残ります。どんなに高度な技術を持っていても、お客の役に立つように使わなければ意味がないということですね。★レジャーサービス研究所のホームページ★【送料無料選択可!】ディズニーランドであった心温まる物語 (単行本・ムック) / 香取貴信/監修...価格:1,365円(税込、送料別)
2013/04/28
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先日「ディズニーランドであった心温まる物語」の出版記念パーティが開催されました。東京ディズニーランドの開業30周年の4月15日に間に合うように出版することができました。この本にはいくつかユニークな特徴があります。監修者である香取くんの呼びかけで、ディズニーランドの卒業生が、働いていた時にそれぞれに体験した「心温まる物語」を提供した、、、という本です。私も著者の一人として参加しました。そして、著者や出版社の印税は、東北の被災地の子どもたちをディズニーランドに招待する資金として使われます。さらに、実際に子どもたちがディズニーランドに来援した際にも、著者の誰かしらが園内を案内して本にある物語を解説してくれる、、、というものです。(すべて対応できるかどうか?わかりませんが、、、:笑)個人的にはパーティに参加してしみじみ噛みしめるものがありました。こうしてかつての後輩やその仲間たちと本を出版できたことに感無量でした。【送料無料選択可!】ディズニーランドであった心温まる物語 (単行本・ムック) / 香取貴信/監修...価格:1,365円(税込、送料別)===30年前の今日、TDLのグランドオープンの日。私はキャストとして現場で働いていました。その前は、ずーっと研修と準備業務ばかりだったので、4月15日が、本当の意味での社会人デビューの日だと思っています。今でも年に数回はパークを訪れます。改めて「凄いな」と思うことは、常に惜しみなく施設のリニューアルを繰り返している印象が強いTDLも、よく見ると、30年前と同じ什器を大切に使っているレストランもあったり、(クロスを張り替えたりして長く使用している)ベンチやゴミ箱なども、本当に大切に手入れをしながら長く使っている、、、その姿勢を徹底する持久力に驚かされます。当時、私はレストランのバッシング係(カストーディアルキャスト)だったので、自分が清掃した什器備品は良く覚えていて、それが今でも使われているのに、毎回のように感動してしまいます。★レジャーサービス研究所のホームページ★社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった 【Disneyzone】価格:1,260円(税込、送料別)
2013/04/14
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某企業の新入社員のカリキュラムに「上海視察研修」を提案しました。それが受け入れられたので、現地で合流しさっそく視察研修を実施。やれ「国際化だ」「グローバル化だ」と叫ぶ割には、研修内容は相変わらずの企業が多い中、海外拠点もないこのA社の姿勢は素晴らしい。国内で働く社員に対しても、少しで海外を見て視野を広げるきっかけにして欲しい、、、という経営者の一言で決まりました。どんな企業でも新入社員が入社すると、会社のこと、業界のことを中心に学習します。そこで私の役割は、「業界バカ」にならないよう、他業種に目を開く訓練です。上海のとある交差点。(日曜日のお昼時)そこで新入社員の皆さんと定点観察をしました。例えば、アパレル業界の社員だとして、この交差点を観察して、どんな考察が導き出せるか?という実習です。2h観察してホテルの会議室に集合。そこで、各自が撮影した写真やメモから議論してもらいました。その中の一例を紹介します。===女性を観察しました。すぐに「パンツが多い」ことに気が付きました。それで交差点の信号が変わって人が溜まる度に交差点周辺の写真を撮影しました。その写真を元に、女性の「パンツvsスカート」の比率を数えました。写真は拡大できるので、容易に数えることができます。すると、大体「パンツ=9:スカート1」でした。このことから日本のファッションが海外で「可愛い」と言われる理由もわかりました。日本はスカート率がもっと高いからです。(渋谷ではスカート率の方が高い)スカートやワンピースの着こなしが進んでいるということです。では、上海でビジネスをする場合どうするか?まずはジーンズなどパンツルック中心のブランドの方が受け入れやすいと思います。パンツスタイルには慣れている分、新しいもの(組み合わせ方など)を提案しやすいと思います。一方、スカートやワンピースはまだまだごく一部の人たちのファッション。そこをターゲットする方法もあるけど、コーディネートが難しいので、しっかりとした店員教育が必要。よって、急速な展開は難しいかと考えました。しかし、組合せる商品(靴やバッグ、アクセサリーなど)が多い分、ビジネスチャンスの広がりは大きいと思います。===などなど、、、。正しいかどうか?よりも、交差点を観察して、そこからどんな考察に進むか?という意味ではとても素晴らしい発表でした。(明日は、引き続きこれらの考察の裏付けの数字などを調べる予定です)それ以外にも「人気のiphoneを持つ人と、それ以外の人の違いは?」など、ユニークな発表がありました。ちなみに、この実習でも「最低100枚の写真を撮影しなさい」と指示しました。別に写真をコレクションするためではありません。写真を撮影すること前提で観察すると、視野が鋭くなるからです。シャッターチャンスを狙うハンターの眼になります。まさに視野が鍛えられるわけです。また、初めての外国に訪れると、観るもの聴くもの全てが新鮮で、人間の能力が一斉にフル活動します。普段あまり使ってなかった能力が動き出すそのタイミングでこういう研修を行うと大変効果的なのです。(とてもじゃないが、会社の会議室ではできないですね:笑)★レジャーサービス研究所のホームページ★中国人観光客にもっと売る新“おもてなし術”価格:1,470円(税込、送料別)
2013/04/07
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先日、ある地方都市にある企業(観光関連)からSkypeのセミナーの依頼がありました。新入社員たちがインターネットで調べて自分が教えて欲しい講師を選んで、Skypeで講演をしてもらう、、、という試みでした。私のところには外国人観光客対応についてのオーダーでした。実際に始まると、すでに皆さんが私のブログや書籍、雑誌の記事などを熟読しているので、講演は30分程度で、あとは質問の嵐、、、(汗)。こんな風に約一ヶ月間のカリキュラムのほとんどは新入社員が自分たちで考えて会社がそのサポート(講演依頼など)をするわけです。他にも、サービスマナーや集客戦略、ランチェスター、SNS、マーケティング、ブランディング、、、などなど、およそ30を超えるカリキュラムになってました。正確には、社内の教育部が新入社員研修に必要な主なカリキュラム項目をリスト化して提示します。新入社員はそのリストを見て、どのように学びたいか?を考えます。近場であれば「視察する」などもありますが、その他は「どんな人に教わりたいか?」と検討して選定するわけです。主にインターネットを駆使して、それぞれのジャンルの専門家(スペシャリスト)を探しだして、できるだけ自分たちに合うと思われる企業や講師を見つけ出すわけです。それで見つけ出した「教わりたい専門家」をリスト化して教育部に提出し、教育部がアポイントを取り日程や金額など交渉します。この時のルールは、本社が地方なので、講師はSkypeを使って実施することになります。これにより旅費交通費のコストを抑えているのです。もちろん打合せもSkypeです。Skypeを使えない講師には依頼しないということです。インターネットをフルに活用することで、地方でも他社に負けない新入社員研修ができる、、、というお手本のようでした。この企業の教育方針は、「本を読んでいいなと思ったらそこに視察にいく」「インターネットで良い情報にであったら連絡して直接話しを聴く」「見ただけ、読んだだけの情報は、自分のノウハウではない」というものでした。どちらかと言えば「情報を発信するツール」として使われるインターネットのツール。また他人の情報を読んだだけで、さも自分のノウハウのごとく振る舞う人間にはならないように、、、という警告もあるとのことでした。そうした膨大なインターネット上の情報を確実に自分たちのノウハウにするための研修、、、というのがこの新入社員研修の趣旨でした。結果として、新入社員が自分たちで選んだ講師の話は、もう聞きたくて仕方ないわけです。居眠りする、、、なんてことはない。逆に、大変貪欲に吸収する、、、そんな雰囲気でした。新入社員研修と言えば、偉い先生が来て「社会人とは、、、」「ビジネスマナーとは、、、」などの研修を受けて、眠さとの戦い、、、そんな経験は誰にでもあるものです。積極的に参加しないその研修の費用と時間は本当に無駄ですね。であえれば教えて欲しい人を自分たちで選べば良い、というこの教育部の方針はとても素晴らしいと思いました。あいにく社名は公開できませんが、そういう企業もある、、、ということで書いちゃいました。
2013/04/02
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