まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2022.12.07
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カテゴリ: ドラマレビュー!
ドラマ「silent」第8話。

なるほどねー。
今回も重要な内容だった。



男子が女子に気を遣ったり、
母が息子に気を遣ったり、
健常者が身障者に気を遣ったり…

そういうことが、
やたらにまどろっこしいドラマだと感じてはいたけれど、
今回は、
その 「気を遣う」 ということがテーマになっていた。

実際、
健常者どうしならば気を遣わなくても済むし、
身障者どうしならば気を遣わなくても済むのに、

ひとたび健常者と身障者が向き合うと、
どうしても、たがいに気を遣わずにはいられない。
そういう問題を、どう乗り越えたらいいのか。

とりわけ身障者の恋愛を描くうえで、
このことは大きなテーマになってくるのですね。

まあ、日本人の場合は、
健常者どうしでさえ、
たがいに気を遣ったり忖度したりする民族なので、
身障者に対してはなおさらなんだけど(笑)。





そうそう簡単に答えが出せる問題じゃありませんが、
今回のドラマが示したひとつの答えは、
結局 「自分のために行動するのがもっとも誠実だ」 ってこと。

…たとえば、
(川口春奈) が手話を覚えたのは、
ただ想 (目黒蓮) と話したかったからだし、
一緒にいるのも、ただそうしたいからだよね、って話。

…たとえば、
入院した夫を見舞うのは、
相手のためじゃなくて自分のためだよね、って話。

…たとえば、
春尾 (風間俊介) が健常者の立場で身障者に示した気遣いよりも、
奈々 (夏帆) にとっては、
ひとりの男性として向き合ってくれてた姿のほうが、
よっぽど誠実だったのよね、って話。


誰しも、他人のことは心配するけれど、
他人から心配されるのは重荷になって鬱陶しい。

相手への気遣いや忖度は、ときとして不誠実であり、
むしろ自分のために行動するほうがよほど誠実だってこと。
「相手のためじゃなく自分のため」というほうが、
ほんとうは相手のためにもなってるんだ、ってこと。

日本人は、
ややもするとタテマエを重視しがちな民族だけど、
タテマエや忖度だけで向き合うのはむしろ失礼であって、
やはりホンネを示すことのほうが大事なのだし、
それこそが相手に対する本当の礼儀なのかもしれません。











一方、

中途失聴者の想が、
「なぜ声で話さないのか」 についても、
本人からの答えが示されました。

>声が出せないわけじゃない。
>でも、自分に聞こえないから、誰にも届かない感じがする。
>自分で感じ取れないことが、すごく怖い。

>いちど声で話すと、
>その先ずっと声で話さないと悪い気がする。
>聞こえる人は声で聞くほうが楽だって分かってるから、それが辛い。





相手は自分の声を聞いているのに、
自分にはそれが聞こえていないという不安。
同じ言語を相手と共有できていないことの不安。

やはり手話のほうが、
同じ言語を共有できている実感があるのですね。



今回の内容を見ると、

この脚本家が、
ありえないほどに繊細な機微まですくいあげて、
物語のなかに落とし込んでいるのが分かります。

あらためて、
これだけ難しいテーマを、
これだけの集中力を要するドラマ表現のなかで描き、
これだけの数字で成功しているのは、なかなかスゴいことだなあと思う。

ただ、
次回のしんどそうな内容にも、
視聴者が耐えられるかどうかは注目すべきところです。
シビアな内容になると、
かならず難癖をつけて脱落する人たちが現れますから。


なお、
今回は森口瑤子が出演してましたが、
同じヤングシナリオ大賞の坂元裕二の妻が、
この作品に参加していることの意味を感じます。

さらに、Tverでは、
このドラマの先行作品ともいえる、
27年前の「愛していると言ってくれ」が配信されてるようです。

そして、今日は、
ヒゲダンがFNS歌謡祭でテーマ曲を歌うらしい。












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最終更新日  2022.12.08 18:12:12


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