まいかのあーだこーだ

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2022.12.29
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滝沢馬琴 (=正しくは曲亭馬琴) は、
里見氏の内紛があった 「犬掛合戦」 の地を舞台に、
いわゆる 「八犬伝」 の物語を書きました。


…ときは室町時代です。

南房総の 「犬掛 いぬかけ に生まれた八房 ヤツフサ というワンちゃんが、
結城合戦に敗れた里見氏の生き残りの伏姫と結婚。
そこから仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の8つの霊玉が生じ、
その玉をもった 「八犬士」 が里見氏再興のために活躍する物語。



なお、
南房総の「犬掛」とは別に、
鎌倉にも「犬掛 (犬懸) 」という同じ地名があります。
どちらの地名も、狩りで犬が駆け回ったのが由来とのこと。

犬は、武士の狩りにおいて、
獲物を追うだけでなく、
標的として追われる側にもなったそうです(T_T)
≫≫ 徳川綱吉=名君説。

ちなみに、
鎌倉の犬掛を拠点にしたのが 「犬懸上杉氏」 で、
この一族は、憲房、朝房、持房…というように、
その名前に「房 フサ 」の字を受け継いでいました。

もしかしたら「八房」というワンちゃんも、
《八つの黒斑 くろぶち がある》とか、
《八徳をもたらすフサフサの犬》というだけじゃなく、
犬懸上杉氏との連なりがあるからこその名前なのかも。

ただし、
犬懸上杉氏の血を引く上杉持房は、
結城合戦では里見氏と敵対しました。



鎌倉の「犬掛」と南房総の「犬掛」は、
何か関係があるのかしら?
なんとなく頼朝と因縁がありそうな気もする。

源頼朝の巻狩、義経の愛犬、北条義時と白犬など、
鎌倉幕府にも犬がらみのエピソードがかなりあります。

≫ 和樂web:犬犬犬犬犬だらけ!「南総里見八犬伝」
≫ サライ:犬で栄え犬で滅んだ北条氏



露伴先生の飼い犬の名は、なぜ「馬琴ちゃん」なのか。

幸田露伴は、滝沢馬琴について、
「日本文学史上の最高の地位を占めている」と述べ、
八犬伝の校訂の仕事などもおこなっています。

泉鏡花の作品にも、
やはり馬琴からの影響があって、
彼の金沢の自宅には、
犬がらみの草紙をコレクションしたものが、
通称「八犬伝の箱」の中に収めてあるそうです。
≫≫ 泉鏡花記念館:職員ブログ

あらためて考えてみると、
荒木飛呂彦の「岸辺露伴は動かない」という作品は、
そのマニエリスム的な志向を、
幸田露伴や泉鏡花の擬古典主義へ寄せたものなのですね。
いわば"日本風バロック"なのだと思います。





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最終更新日  2023.02.09 23:14:47


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