まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2024.03.19
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カテゴリ: ドラマレビュー!
フジ月9「君ここ」が終了。

お世辞にも、
出来がいいとは言えなかったけど、
主演の2人も好きだし、映像も綺麗だったので、
なんとか我慢して見とおしました。


今季は、
月10の「春になったら」も、
クドカンの「ふてほど」も、
あらかじめ死ぬことが分かってる物語。

このドラマの場合は、
最後の最後に奇跡が起こってハッピーエンド!
…って予想もなくはなかったけど、
やはり死ぬのがデフォルトだったみたい。



五感を失なった暗闇のなかで、
何十年も生きていくと考えるだけでも怖い。

その暗闇に耐えつづけるために出来るのは、
唯一「希望の種」を植えつけること、
…ってのは第9話だったかな。
これはけっこう深い話だったかも。

でも、
最後はまた「逆の奇跡」が起こって、
恋人の命と引き換えに五感を取り戻しました。



五感を失なっても、
運動神経は失われないから、
声を出したり動くのは可能じゃないかと思ったけど、
どうやら脳死状態になる設定だったようです。

もしかしたら脚本家は、
「五感を失えばおのずと運動神経も失われる」
と考えたのかしら?

まあ、実際のところ、
「感覚神経だけ失なって運動神経が残る」
なんて症例は存在しないだろうし、
どうせファンタジーなんだから、
いかようにでも設定できますけどね。



今季は、TBSのドラマも、
「ふてほど」がタイムリープで、
「Eye Love You」がテレパシーだし、
SFファンタジーの設定が多い。

このドラマは、
さしずめゲーテのファウストって感じ?
メフィストフェレスみたいな黒服が出てきて、
魂と引き換えに望みを叶えてやる…と。

結果的には、
「五感を失なう=心を失なう」ってことだったので、
その意味でもファウスト的な設定でした。



たまたま最近、
1983年版の映画「時をかける少女」を見たのだけど、
あれは舞台が広島で、主演が長崎出身の原田知世。

このドラマも長崎が舞台だったから、
ちょっと80年代のSFジュブナイル的なものを期待してた。
荒唐無稽なファンタジーになるのも前提で。

でも、あまりにも子供だましがすぎた感じ。

クドカンの「ふてほど」の場合は、
ファンタジー設定が笑いのネタになってるけど、
「君ここ」や「Eye Love You」の場合は、
ご都合主義的なファンタジー設定が、
たんなる作品の欠点に見えてしまう。



たとえば、
母親だとバレたら月明かりに溶けるけど、
たがいに分かってても口にしなければ大丈夫、
…みたいな謎設定も、ご都合主義に見えました。

母であることを隠し通すのが条件なら、太陽が千秋を母だと認識した時点ですでにアウトなのでは?と思いきや、太陽が千秋を「母さん」と呼ぶまでアウトにはならないよう。
何だこのルールの既視感と思ったら、これ「ハリポタのヴォルデモートシステム」だわ。名前を呼んではいけないあの人の名を口に出すと、死喰い人に殺されてしまうアレです。

https://woman.mynavi.jp/article/240311-18_1190537/

それから、
赤色が見えないという設定も、
いまいち何の意味があったのか分からず。

色覚障害の男性と、
視力を失くした女性が、
心のなかで同じ色彩を感じる、みたいな結末?
…かとも思ったけど、

最後に予備の花火を見る結末は、
なんだか、かえってマヌケな感じもしましたね。
どっちにしろ彼と同じ色は見れないわけで。



長崎を舞台に選んだ理由もあまり分からなかった。
とくに花火が有名ってことでもないっぽい。

じつは1983年の「時かけ」には、
死者を蘇らせるという裏のテーマがある気がしてて、
そのことが被爆地を舞台にした理由かもしれないのだけど、
このドラマはどうだったのでしょうね。

ある意味、
存在しないはずの死者が存在する話ではあったし、
日下や千秋にかんしては、
過去の死者が時空を超えて現代に蘇る話でもあった。
太陽のセリフには、
「長崎で鳴らされる爆竹は死者の魂を呼ぶためのもの」
みたいなのもありました。

そして、これはたぶん、
クドカンの「ふてほど」にも関係する問題だと思う。



それから、
ずっと最初から気になってたけど、
本来は「根暗」なはずの2人が、
全然そういうキャラに見えなかったのよね。

これは演技の問題というより、
脚本と演出プランの問題だろうと思いますが。



山田くんは十分に演技派なのだから、
前作の「ペントレ」にしろ今作の「君ここ」にしろ、
こんな子供だましのファンタジーじゃなくて、
もうちょっと作品を選んだほうがいいのでは?

…と思ってしまいます。

宇多田ヒカルも、
なぜ今回の仕事を引き受けたのか不思議。
まあ、脚本のコンセプトに惹かれたのでしょうけど。


もっと長崎の情緒を味わいたかったな。











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最終更新日  2024.03.20 11:19:41


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