まいかのあーだこーだ

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2024.04.10
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テーマ: 日本の歴史(1062)
磯田道史が、
読売新聞で富雄丸山古墳のことを書いてます。
▶磯田道史の古今をちこち「もう1人の埋葬者 破格の謎」




奈良の富雄丸山古墳の話は、
NHK「古代史ミステリー」第2週にも出てきましたが、
卑弥呼 (3世紀) よりも後で、倭の五王 (5世紀) よりも前、
すなわち「空白の4世紀」に造られた円墳です。

前方後円墳ではないので、
たぶん大和政権の王墓じゃないはずですが、
それでも直径109mという国内最大級の円墳です。

きっと「丸山」という地名も、
この円墳に由来するのでしょうね。



この円墳には、
頂と麓に、すくなくとも2つの棺がある。

磯田道史は、

麓の棺の埋葬者は「盾持ち人のような祭祀の女性」

…だと推察しています。

そして注目すべきなのは、
祭祀の女性を埋葬したらしき麓の棺のほうです。
足元に 「9本の竪櫛」 があり、
棺を封じる粘土に 「蛇行剣」 「盾形銅鏡」 が貼りつけてあった。



一般に注目されているのは、
巨大な「蛇行剣」と鼉⿓⽂の「盾形銅鏡」のほうですが、
磯田道史が注目してるのは、むしろ「9本の櫛」です。

日本書紀によると、
イザナギは、イザナミのいる黄泉国から逃げ帰るときに、
8人の黄泉醜女に櫛を投げつけたとされてます。
(櫛の歯の一本一本がタケノコに変わったらしい)


磯田道史の推測は、
9本の櫛は「イザナミ+8人の醜女」の分ではないか、
(あるいは、それにちなんでいるのではないか)

…ってことですね。



一般に、黄泉国の出入口は、
島根の出雲にあったと考えられますが、
その出雲には「8」という数がよく出てきます。

そもそも「八雲立つ出雲」といわれるし、
そこは八百万の神々が集う土地でもある。

怪物の八岐大蛇 ヤマタノオロチ は、
八人の娘を食べて、八つの頭と尾をもってる。
そして秋田では、
八岐大蛇が八郎太郎になったんじゃないかと思います。

黄泉醜女も、やはり八人なのですね。



一方、
棺の外側に貼りつけてあった蛇行剣は、
日本最古かつ最大のものであり、
長さが2.37mという東アジア最大の鉄剣です。

蛇行剣は西日本各地で見つかってますが、

もともと、それらは、
ヤマタノオロチから抜き取った「草薙剣」に由来する、
…との説があります。
蛇の体内から抜き取ったために、
ぐにゃぐにゃに曲がっているのかもしれません。

クサナギという語も、
じつは「草薙」の意味ではなく、
「臭蛇 クサナギ 」「串蛇・奇蛇 クシナギ 」の意味ではないか、
との説があります。

この場合の「ナギ」は、
ウナギ の「ナギ」と同じ語源で、
すなわち蛇のことだというわけです。



草薙剣 (≒串蛇剣) は、
スサノオが八岐大蛇の尾から抜き取り、
のちにヤマトタケルの東征のために授けられました。

スサノオも、八岐大蛇と戦う際に、
クシナダヒメの姿を「櫛」に変えて頭に挿しました。
櫛になったから「クシナダヒメ」だという説もある。

ヤマトタケルの妻オトタチバナも、
夫の身代わりとして入水し「櫛」の姿で葬られています。

いずれにせよ、
女性の櫛には、男性を守護する霊力があったのでしょう。





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最終更新日  2024.04.11 19:37:47


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