マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2008.11.05
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アメリカの大統領選挙でオバマ候補が圧勝したようだ。長引く不況。泥沼化したイラクやアフガニスタン情勢。北朝鮮との不毛な関係。国内に渦巻くブッシュ政権への不満が、オバマ候補への投票となって表れたのだろう。

 WASP(白人でアングロサクソン系出身でかつプロテスタント信者)が中心とされたこれまでのアメリカ。だがオバマ候補はこの国初の黒人大統領になるのが確実になった。明晰な頭脳。端麗な容姿。人の心を惹きつける声。希望を抱かせる演説。共和党のマケイン候補と違って魅力と誠実さに溢れていた人柄。

「チェンジ!」。彼が自信に溢れて変革を叫ぶ時、ひょっとしたら彼なら今の混迷したアメリカ合衆国を救ってくれると思えたのだろう。アメリカは強大な国だ。「世界の警察」を標榜するだけの軍事力も経済力も持っていた。だがイラクなどへの派兵が長引いて、国民の間には厭戦的な空気が流れていたのだろう。そして最近の経済的な破綻が変革を求める声に変わったのだと思う。

若さ。黒人と言う出自。ケニア出身の黒人である父親とアメリカ人(白人)である母親から生まれたこの青年は、これまでに見られない斬新な政治家として注目を浴びたようだ。堂々とした演説は若者だけでなく、広く国民の心を掴んだのだ。なかなか容易には崩れなかった人種の壁、言語の壁、貧富の差。柔軟な思想の彼ならきっとそれらを解決してくれるだろう。一度彼に政治を任せて見ようと。

もし彼が大統領に就任した場合、日本にとっては良い点ばかりじゃないとも言われているようだ。保護的な経済政策を採ることによる貿易摩擦。中国や北朝鮮などとの対話を進めるあまり、これまで「良きパートナー」だった日本寄りの姿勢が見直されるのではと。でも一強国だけで世界を動かす時代は終わったと思う。アメリカは今後CO2の規制などにも本腰を入れることになるとの予測もある。彼の言葉じゃないが、今はともかく「チェンジ」が必要な時。価値観を見直す時期なのだろう。

ただ一つ、私はあることを怖れる。かつて同じ党で大統領候補を争ったヒラリー女史が図らずも口走った次のことだ。「もし黒人の彼が大統領になった時は、暗殺される可能性がある」。銃砲が溢れる国アメリカ。白人至上主義者団体KKKがはびこる国アメリカ。現職の大統領がこれまで何度か暗殺された暗い歴史が存在する国アメリカ。

希望の星オバマが不幸にして暗殺されるような事態になれば、自由主義国家アメリカの信用は地に落ちるだろう。願わくば彼が次期大統領として、存分に力を発揮出来る機会を与えて欲しい。それはアメリカの願いだけでなく、全世界の願いでもあると思うのだ。変革はもっとも勇気を必要とする行為。さらに世界的な見地からの変革を可能とするのは、強い信念を持った勇気ある政治家だけだと確信しているので。





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Last updated  2008.11.05 15:45:56
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