マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2009.09.26
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 黒いリボンとピンクのリボン >

同室のランナーは宮城UMC仲間のT田さん、新潟のF川さん、福島のA井さん、そして名前を知らない関西の方。一番の年長者はA井さんで69歳。福島県内で手広くウルトラレースを開催しているE藤さんの仲間だ。その歳で206kmもの佐渡へ参加するだけあって、相当に走りこんでるようだ。関西のランナーが一番若く、体型からして一番速そうな感じを受けた。

大広間で説明会が始まる。先ずはSパパから挨拶と亡くなったR子さんの紹介があった。次いで縮尺2万5千分の1の地図25枚に基づき、コースの注意点が丁寧に説明。迷子になりそうな場所、4箇所のエードステーション(AS)と仮眠所の位置、レースの途中で買い物が出来そうな集落などだ。皆真剣に地図に書き込む。

最後にSパパの携帯電話の番号が知らされる。コースを間違ったり、リタイヤする時は連絡する必要があるからだ。と言っても、自分でスタート地点まで帰るのはとても困難な技。つまり島をグルリと一周しているバスはない。無論運行している箇所はあるが、それもせいぜい夕方まで。でも携帯を持っていない私は、結局自分の足で206kmを走らざるを得ないのだ。

説明会に引き続き懇親会に突入。皆大いに飲み、大いに食べた。そして1人30秒の持ち時間で挨拶が始まった。それでも出場者は80人だから、終わるまで相当の時間がかかった。40数名の参加だった第1回に比べれば雲泥の差がある。沖縄から参加したランナーの顔を覚え、後で挨拶に行った。名古屋出身の方だとか。7年ぶりに再会したボクシ~どんにも挨拶に行く。

懇親会が終わる頃、F川さんが舞台へ上がって何やら話し始めた。彼は亡くなったR子さんが好きだったピンク色のリボンを大量に用意していたのだ。希望者は明日のスタート時に、そのリボンを着けて欲しいとのこと。ピンクのリボンを着けた大勢のランナーが、R子さんを追悼しながら島を一周する。なんて素敵なアイデアだろう。そして心優しい配慮なのだろう。私は初めてF川さんの人柄を見直した。

その夜、室内にはF川さんの大きないびきが響き渡った。彼が外出から帰って来たのが10時過ぎ。島にいる知り合いと飲んで来たとか。仕事柄島内には知人が多いようだ。そのいびきが気になって、眠った時間は5時間半ほどだったと思う。それでも全く眠れないよりはマシ。ウルトラレースなんてそんなものだ。

9月20日(日)のレース当日、5時前には朝食を摂った。小ぶりのイカの煮付けなど、おかずはまあまあの内容。これから島をグルリと廻るためには、エネルギーになるものを摂る必要がある。ご飯を2杯、味噌汁も2杯お代わりする。そして宿に残す荷物は1箇所に集められた。まるまる1日不在になる間、他の客を泊めるためだ。

身支度を整えて外へ出る。いよいよスタートの時間が近い。胸に黒い喪章を着けた秋田のJunさんが外に居た。昨夜の真夜中2時に着いて、車内で眠ったとか。神経が興奮して眠った時間は2時間ほどと知ったのは後日のこと。遥々秋田から車を運転し、ほとんど眠らずに206kmを走るJunさんの体力には驚かされる。前夜はバレーボールの試合直後に車で出発したとか。互いの健闘を誓ってがっちり握手。

亡きR子さんを偲ぶ小さな祭壇がスタート地点に準備された。一人ずつその前に進み、お線香を上げる。周囲に線香の香りが漂う。煙の向こうには特徴のある「夫婦岩」。全員のお参りが済んだところで、記念写真の撮影。そしていよいよスタートだ。6時ちょうどランナーが一斉に走り出す。その胸に翻るピンクのリボンと黒いリボン。風が涼しい朝だった。<続く>





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Last updated  2009.09.26 19:38:41
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