マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2011.11.10
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< 高校駅伝と老ランナー 

ワルミ大橋へ向かう途中、自販機でレモンティー購入。冷たいレモンティーが何とも美味い。それにしても「ワルミ」の意味は何だろう。周辺にこのような地名がないことは、朝乗ったタクシーの運転手に聞いた。それで「割れ目」の変化ではないかと考えた。つまり屋我地島と沖縄本島の間の海峡が「割れ目」だ。

橋から覗くと水深は結構あるようで、紺色の海水だった。その奥に運天港と古宇利島が見えた。港は風を防げ、大型船も入港が可能な好条件の位置。昔から交通の要衝だったことが頷けた。橋を渡り終えると今帰仁村(なきじんそん)。電照菊畑の前で、10人ほどの奥さんが手を振ってくれた。私も手を振り返す。まさか私が本土からわざわざ走りに来たなんて思っても見ないだろう。

照明を当てて、開花の時期をコントロールするのが電照菊の栽培方法。きっと花の少ない時期に本土へ出荷すると、高く売れるのだと思う。通過した後で、周辺の「百按司墓」について尋ねなかったことを後悔した。だが果たして彼女らが、古い墓のことを知っていたかどうか。ともあれ新しい橋のお陰で、初めてのコースを走ることが出来た。

村の中心部まで来ると、どうも様子が変。スタッフの人に聞くと、「高校駅伝」の県予選みたい。女子は間もなくゴールし、その後男子がスタートする由。道理で人が集まっているわけだ。道路脇でロープに短いビニール紐を結んでいる人達がいた。何の作業か聞くと、あーさの種付け用とか。あーさはアオサで、沖縄では良く食べる海藻だ。

私の姿を見て笑い声が上がる。その観衆の好奇心をパワーに変えて前進。間もなく先頭グループ。トップはコザ高校。次いで名護高校。地元北山(ほくざん)高校は3位。それにしても参加チームが少ない。10チームくらいと思ったが翌朝の新聞によれば13チーム。そして下位のチームとの差が大きい。暑い沖縄での駅伝は、余りにも条件が悪過ぎる。

話は変わるが、14世紀の沖縄本島には3国が鼎立していた。北の北山王国、中央の中山王国、そして南部の南山王国だ。3つの王国はそれぞれ中国と貿易していた。やがて中山によって全島が統一され、北山と南山は滅ぶ。北山高校は誇り高き祖先の名を校名に戴いたのだ。その本拠地である今帰仁城への坂道を登る。

初めは走って登れていたが、最後はトボトボ歩くだけ。11時50分、ようやく城の入口に到着。走り始めてから既に5時間半ほどが経過し、疲労と空腹の限界に達していた。無料休憩所の椅子に座って大休止。唸りながらメモしていると、外国人が私を振り返り、ランナーだと分かって安心したようだ。外は激しいスコールになった。<続く>





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Last updated  2011.11.10 18:44:05
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