マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2013.01.30
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 迷う 

 先頭を走る引率者は、頭に白いタオルを巻いた青年。迷子にならないようその後に続く。初めはゆっくりのペースに感じたのだが、結構速いようだ。それにしても葛西臨海公園はきれいな公園だ。暫く行ったら海岸に出た。海の向こうに真っ白い雪を被った富士山が見えた。この日2回目の対面だが、こんな晴天でお目にかかれるとは嬉しい。

 園内を走る電車にもあった。走っているうちに暑くなり、ウインドブレーカーを脱いで腰に巻いた。その間に先頭グループは遠ざかり、ついに追い着くことが出来なかった。雲峰師匠がカメラを構えている横を通る。後日師匠の掲示板を見たら、S木さんとの2ショットの他、颯爽と園内を走る私の写真が載っていた。屈託ない笑顔と、案外脚が伸びたランニングフォーム。多分必死で追いかけていたのだと思う。

 園内を一周した後、芝生の土手を横切って舞浜大橋の歩道橋へ上がった。この橋は昨年の大会後に完成したものとか。下には広い川。そこを渡ると千葉県の浦安市だ。ディズニーランドとディズニーシーの周囲をグルリと廻る。舞浜駅には大変な人だかり。皆遊園地に行く人なのだろう。ちらっと見えていた先頭グループの姿がとうとう見えなくなった。大きな客船の煙突から煙が上がり、ディズニーリゾートラインの豪華な電車が何度も通る。

 もう一度舞浜大橋を渡って東京側に戻ると10km。ここで最初の迷子になった。一旦環状7号線の歩道橋を渡って道の向こう側に出、そこから川の堤防まで戻る。本当は潜れるガードがあったようだが、ここで早くも600mほど余分に走った計算。地図を良く見てないのと、新しく出来た橋のために、昨年参加した人も間違ったのだ。

 私にも誤解があった。その川をてっきり江戸川だとばかり思っていたのだ。浦安市との境を流れていたからだが、ここは旧江戸川で、江戸川と出会うのはもっと先なのだ。13km地点付近で左足底部に痛み。多分最近はこんなスピードで走ってないため、足が負担に耐え切れなくなったのだろう。まあ、行けるところまで行くしかない。

 手術前の元気な頃、1月は「勝田マラソン」に出るのが常だった。だが申し込む日まで、フルマラソンを走り切る自信がなかった。風の強い勝田で走れなくなったら、低体温で倒れるのは必定だ。12月に入って、制限時間の長い「寅さん詣で」なら何とか40km近く走れるかもと思ってエントリーしたが、ポシェットに3500円ほど入れたのは、最悪の場合タクシーに乗ることも考えたからだ。

 狭い堤防上のサイクリングロードから川が見える。そして岸辺には釣り船や船宿も。へえ~っ、東京にもこんな風景が残っていたのか。ひょっとして川向うが「青べか物語」の地かも知れないなあ。走りながらそんなことを考えていたのだが、後日調べたらやはりそうだった。川向かいの浦安市猫実や堀江が、まさに山本周五郎の小説の舞台。TDLはかつて広大な荒れ地だったようだ。

 浦安橋のある妙見島が15km地点。工場などが建て込み、ごちゃごちゃした下町の印象だ。16km地点の今井水門は直ぐに分かった。小さな橋を渡って右折し、交通公園の中を通って再びサイクリングロードへ出る。ここで腹が空いて来たため休憩し、ポシェットからお菓子を出して食べる。と、後からK藤さんの声。彼女は間違って水門を行き過ぎ、もう一つ先の橋を渡ったとか。やはりここは迷子になり易いコースのようだ。<続く>





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Last updated  2013.01.30 08:39:49
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