マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2013.01.31
XML
 柴又帝釈天への道 

 「もうすぐASがありますよ」と凛峰さん。彼女の言葉通り、やがてサイクリングロードの左側に数人のランナーが固まっているのが見えた。ここがレース唯一のASで、約17km地点。主催者のS木さんと雲峰師匠が甲斐甲斐しく働いていた。先ず小さめのお稲荷さんを2個食べ、次に生ハムを3枚。再び稲荷ずしを2個と生ハム。そしてバナナ半分とカップ1杯の水。

 大会要項には「マイカップ持参のこと」と書かれており、ポシェットの中に小さなアルミ製のカップを入れていたが、全く不要だった。スポーツドリンクも良いが、普通の水が何より美味しい。水を半分追加で飲んでいると、雲峰師匠が私にそっとささやく。「あんまり真面目に走らなくて良いんだよ」。それは私の体調を気遣って、適当にワープしたらと言うことなのだろう。

 でもねえ、折角走れるようになったのだから、行けるところまでは頑張るのが自分流。お礼を言って再びランナーに戻る。18km地点に真っ白で高い煙突が見えた。散歩中の人に聞くと、江戸川区の清掃工場とのこと。へえ~っ、そうなの?私には瀟洒なタワーみたいに見えるのだが。「水辺のスポーツガーデン」が19km地点。1km先にトイレありの標示。

 間もなく右手に大きな水門と砂洲。これが「江戸川水門」で、江戸川との合流地点だ。江戸川大橋を潜ると、河川敷にはサッカーコートなどの運動施設が連なり、土手には子供の試合を見学する父兄の姿。道路の左手には篠崎公園が見えた。川の向こう側は千葉県の市川市。大きなマンションや大学の高い塔。あれは東京医科歯科大学の分院と教養部のはず。河川敷に下りて最初のトイレ。ここが23km地点。

 散歩中の人に折り返し地点の「帝釈天」はまだか尋ねると、遥か向こうの大きなマンションまでが約3kmあり、帝釈天はさらにそこから3kmくらい先とのこと。鉄橋が見えたので青年に「何線?」と聞く。彼の答えは「各駅停車も通るし、快速も通るよ」。どうやら知的障害者だったようだ。そこで「総武線?」と聞くと、「そうそう、ソーブせ~ん」と去って行った。「河口から11km」の標示あり。

 総武線の小さなガードを潜ったまでは良かった。そこから進んだ国道14号線(通称千葉街道)の交差点で再び迷う。河川敷への降り方が分からないのだ。一緒にいた仲間と近くの交番で帝釈天への道を尋ねると、サイクリングロードよりも街中を行った方が近いとの返事。東京のランナーが地図を見ていたが、私には川沿いの方が近いように見えた。後で考えると現在地が分かってなかったのだが、そこが25km地点だった。

 もちろん道路には距離表示も、コース案内もない。初めての人は地図だけが頼りなのだが、細かい点は不明。鉄橋がある場合はサイクリングロードから一旦河川敷に下りると良いのだが、それは後になってから分かったこと。皆は街中を走ることを選んだ。これが私にはとても遠く感じた。川に沿った方が近いとの思い込みがあったためだが、街中はとかく信号が多くて待たされる。ノンストップの堤防の方がよほど走り易いのだ。

 ようやく「柴又街道」の標示を発見し、右折。最初に京成電車の線路を潜る。近くの駅は小岩駅だ。そこから帝釈天は近いはずだが、なぜだかやたらと遠い。多分疲労が溜まって来たのと知らない道を走るせいだ。次に潜ったのが北総鉄道の高架。ええ~っ、こんな鉄道ってあったの~?そこも突っ切って先へ進む。あの後も何度か交番で確かめた。草臥れ果てた頃、ようやく柴又帝釈天の参道にぶつかった。大勢の観光客がゾロゾロと歩いている。<続く>





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2013.01.31 05:10:55
コメント(6) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR


© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: