マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2013.10.16
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≪ 最終ランナーの不安 ≫

 国道1号線の橋を渡ると舞阪地区。かつての東海道五十三次の舞阪宿だ。小道へ入ると古い常夜灯や脇本陣などがあり、宿場町の面影が残っている。さらに進むと松並木。ここは旧東海道なのだ。道路に誰かがうずくまっていた。薄暗くて良く分からないが、女性ランナーみたいだ。まだ1kmしか走ってないのに、ハプニングでも生じたのだろうか。



マ4朝4km.jpg 薄明かり



 東海道線を潜って北へ向かう。周囲が次第に明るくなると浜名湖につながる水路が見え出す。橋の上から東の空を撮る。懐中電灯はポシェットに入れた。そしてもう大勢のランナーが先へ行った。きっと私が最終ランナーのはず。それは最初から覚悟の上。コースは知らないし不安もあるが、何とかなると思って進むしかない。



マ3仮装.jpg

 スタート前の仮装ランナー(左:水戸黄門 右:悪代官)


 5km辺りの角にスタッフが立っていた。そこから浜名湖を通る道路まで折り返す。橋を渡って行くと前方からトップランナーが来た。悪代官のタフマンさんだ。袴をヒラヒラさせて走る後から2名のランナーが追いかける。やがて続々とランナーがやって来て、狭い橋の上でエールを送り返す。既に1km以上の差だ。

 折り返し地点には「呼びかけ人」のH田さんがいた。前方には浜名湖が広がっている。まさに絶景だ。ここで記念写真を1枚。ミカンを手渡すH田さんに、ナップザックに入れるよう頼んだ。ナップザックの紐はピンで止めており、一々開けるのが面倒だったのだ。帰路、弁天島方面の写真を撮る。遅いランナーがますます遅れるが仕方がない。



マ5折り返し.jpg 弁天島方面を望む


 再び広い道に出て北上。左手に見える湖水が浜名湖の東部に当たる庄内湖。やがて前方に有料道路の「はまゆう大橋」が見えて来る。そこで道を間違えた。暫く走った所で姫路ナンバーの車から声。遠方から応援に来たスタッフだ。正規のコースは湖岸の道とのこと。慌てて左折し、橋の下の第1AS(エイドステーション)に到達。10.8km地点のここでスポーツドリンクを飲んだ。

 仙台から来たことを知って驚く地元の方々に、私は東日本大震災の話をした。この大橋を渡ると約10kmのショートカットが出来るが、まだその段階ではない。お礼を言って正規のコースを進む。入り組む湖岸に何度か戸惑う。とある小学校の前で不安が最高潮に達した。ナップザックから地図を取り出して見たが現在地が分からない。

 道の向こうの中学生に地図を示して聞いた。ようやく現在地が分かった。元の位置に戻ると、風で地図が飛んだ。慌てて道路に飛び出し、1枚ずつ拾う。見兼ねた中学生も手伝って何とか回収したが、全体図が無くなったことに気づいたのはゴール後のこと。坂を登る。湖がどんどん遠くなる。本当にこの道で良いのだろうか。

 坂を登り切った所が浜松市立湖東中学校。さっきの中学生がそこから左折せよと教えてくれた。急な坂を下りコンビニから左折。少し進んでさらに左折。ようやく湖岸が見えた。やれやれ。


マ7矢印.jpg コースの矢印

マ6-18km?.jpg 湖岸風景


 コースの矢印がある。この道で間違いなさそうだ。安心して写真を撮る。やがて後からランナーがやって来た。折り返し地点で見えた人だ。1km以上差があったのに私が道に迷い、写真を撮っているうちに追い着いたのだ。彼は岩手県の釜石出身とのこと。横浜に出てから40年近くなる由。ウルトラ歴は21年。走りながら、しばし東北の話に花が咲く。<続く>





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Last updated  2013.10.16 04:43:01
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