マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2014.11.20
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<山の辺の風景>


0山の辺の道標識.jpg 山の辺の道標識

 山の辺の道踏破の話を5回かけてようやく書き上げた。私はこの道を3回歩いたと言う想いが強い。1回目は古本にあったコース図を確かめる中で、2回目は当日のウォークで、そして3回目はこのブログを書きながらだ。何度も言うが、歩いた当日は知らなかったことばかりで、いかにも知ってるように書いてるが、これは後日ネットなどで調べたことを加味している。掲載後の推敲も毎度のこと。多い時は1日に15回以上、文章に手を入れた。


70サザンカ.jpg79街道.jpg

 この間の体調は最悪だった。酷い風邪を引き、喉の痛みに苦しんでいた。免疫力が落ちたのか、歯まで疼き出した。そんな中で、私は部屋に閉じ籠ってこの旅日記を書き続けていたのだ。それが終わって、ようやく少し安心した私だが、本当はまだ翌日第3日目の話が残っている。今はそれを暫し忘れ、山の辺の道のまだ紹介しなかった写真を載せたい。ともあれ日本最古のこの街道が、古代史の宝庫であったことだけは間違いない。


0-1街道.jpg

 それにしても山の辺の道は、なぜ険しい山麓にあったのだろう。あれだけアップダウンが厳しいと、牛車(ぎっしゃ)を走らすことも困難だったのではないか。私が考えたのは川の存在。奈良盆地を流れる川は、全て大和川に注ぐ。橋を架けるだけの土木技術が発達してなかった古代は、川幅が狭い上流の方が歩き易かったのではないか。それが私の推論だ。平城京が置かれる頃になると、平野部にもようやく大きな橋が架かったのだろう。行基の架橋もその頃の話だ。



31池.jpg71赤い大根.jpg

        街道沿いの池(左)と畑の赤い大根(右)


 歩きながら色んな風景を楽しんだ。道は様々な表情を見せ、ごく稀に集落にも出会った。それでも全般的に見れば、とても静かな道であった。古代の頃はさらに淋しく、人々はきっと難儀しながら歩いたのだろう。


82チョウセンアサガオ?.jpg83実.jpg

           道端のチョウセンアサガオとその実



57大和三山.jpg

                    大和三山

 丘の切れ目から時々奈良盆地が見える。ある個所から大和三山が見えた。それが唯一で、その後は全くその姿を見ていない。天の香具山、畝傍山、耳成山が大和三山であることは知っているが、どの山がそうかは分からない。きっと調べれば推定出来ると思うが、幻のままにしておくのも良いだろう。古代から親しまれたそれらの低山にまつわる話も、きっとたくさんあると思う。ブログに載せた写真はパソコンから消すのが私なりの流儀。後は心の中の映像だけだ。


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          柿の紅葉(左)と柿本人麻呂の歌碑(右)


 奈良は柿が多い地方。どこにも柿の木があり、柿の紅葉が美しかった。その枝にはたわわな柿の実。そして山の辺の道のそこかしこに歌碑や句碑が立っていた。柿本人麻呂は有名な古代の歌人。この歌は楷書で明瞭なため再掲しない。「衾道」や「引手の山」は、多分一番最後に載せた写真の風景だと思う。



61二上山遠望.jpg 二上山


 大和(奈良)と河内(大阪)の境に聳える二上山は、古来から人々に親しまれて来た山で、歌の対象になることも多かった。特徴ある山容は、遠くからでも良く目立つ。だが私の安物のデジカメでは、ここまで近寄るのが精一杯だった。


86歌碑.jpg85歌碑.jpg


 左側    さとはあれて人はふりにしやとなれや庭もまかきも秋ののらなる

       (里は荒れて人は古りにし宿なれや 庭も籬(まがき=垣根)も秋の野良なる)
         平安前期の僧、僧正遍照の作

 右側    月待て嶺こへけりと聞ままにあはれよふかきはつかりの聲

       (月待ちて嶺越えけりと聞くままに 哀れ夜深き初雁の声)
         室町時代~戦国時代の武将、十市遠忠の作 


76お旅所石仏.jpg44宝筐印塔.jpg

 左側の「石仏」は大和神社御旅社のもの。昨日も1枚掲載したが、良く見ると陽物(男根)のようにも見える。すると白い布は褌(ふんどし)なのかも知れない。そう考えると、神社との関係に興味をひかれる。右側は玄賓庵付近の宝筐印塔(ほうぎょういんとう)。



63条里制.jpg

 のどかな山間の田圃にも、古代の条理制の姿がまだ残っているようだ。


 引手の山付近か 73山の辺風景.jpg

 多分8時間以上は歩き続けたこの日の旅。山の辺の道の風景を、私はきっといつまでも忘れないだろう。明日は大神神社と石上神宮の残った写真を掲載する予定。<続く>





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Last updated  2014.11.20 13:31:54
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