マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2015.09.23
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テーマ: ニュース(99434)
カテゴリ: 歴史全般
<病める巨象・中国>

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 今日も深夜に目が覚めて眠れなくなった。これは書くしかないだろう。今回のテーマは中国。恐らくは先日の「安保法案整備」に真正面から反対する唯一の国家だ。中国の歴史や政治をあまり知らない私が、一体何を書けば良いのか。まあ、頭を整理しながらボツボツ行こうか。

 中国が古い歴史を持っていることは誰でも知っている。先ずは敬意を表してそこから書き出そう。黄河文化は良く知られているが、他にも長江文化や遼河文化ってなものもあるほど中国の歴史は古い。奇妙な青銅器も作っていたし、漢字の源になった甲骨文字も生み出した。夏(か)や殷(いん)、商(しょう)と言う名の古代国家もあった。それらは確か全て漢族が黄河の中流域に興したものと記憶している。そしてそこからやがて「中華思想」が生まれる。


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 これは漢族の国家が世界の中心との思想。漢民族以外は全てが蛮族と言うわけだ。日本も中国に遣いを出して、国家として認めてもらったことがある。「漢の倭の奴の国王の印」。福岡の志賀の島から出土した金印に刻まれた古代の小国家だ。唐や隋に遣いを出したこともあった。新しい文化や宗教や政治体制などを学ぶためだ。だが、難破して多くの人命を失ってまで遣いを出すことはないと判断し、日本は独自の道を進むことになる。太平洋に浮かぶ島国だからこそ、大国の影響を排除することも出来たのだ。


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 中国にも変化があった。長い歴史の中で漢民族以外が興した国家も幾つか出現する。「元」(1271~1368)はモンゴル族が興し、「清」(1644~1912)は満州族が興した。清は近代国家となった日本が初めて戦った外国。明治27年(1894年)の日清戦争で勝ったわが国は、それで台湾を得、李氏朝鮮が独立するきっかけとなった。やがて日本は朝鮮を併合する。ロシアの南下政策を危険と観たのだ。そのまま放置すればロシアが半島を奪うだろうと。


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 病める巨象、中国はヨーロッパの列強に蚕食された。イギリスにはアヘン戦争で敗れて香港を失い、ポルトガルにはマカオを貸与した。またロシアへ遼東半島を、ドイツには山東半島などを割譲した。日本には台湾を譲るだけでなく、第二次世界大戦で大陸の奥深くまで侵入された。だが日本は敗戦国となって大陸から去った。ここから巨象の快進撃が始まる。内蒙古の一部を奪い、東トルキスタンから奪った領土を新疆ウイグル自治区とし、チベット族を完全に制覇し、インドの国境を犯し、王国ネパールに共産主義国家を打ち建てた。

 中国には55の民族がいる。中でも人口の多いチベット族が住む西蔵自治区は鉱物の宝庫。彼らの精神的な支柱だったダライラマは、迫害に耐え切れず、インドに脱出した。その後、チベットへは鉄道が敷かれ、漢民族教育が徹底した。最近は新疆ウイグル自治区のウイグル族への迫害が続いている。国外へ脱出したウイグル族が、先日タイでテロ事件を起こした。タイ政府によって仲間が中国に送還されたことへの抗議の由。そして脱出の理由がイスラム国(IS)でゲリラ兵の訓練を受け、中国政府を倒して自分達の国家を建てるためと言うから恐ろしい。


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 つい先日、中国は抗日戦争勝利70周年の記念式典を挙行した。中国共産党の八路軍が日本軍を打ち破った祝いだ。だが日本軍が戦った相手は蒋介石が率いる国民党軍。国家としての「中共」の誕生は終戦の4年後だ。実は歴史を捏造するのは中国の伝統なのだ。革命で勝った国が、敗れた前の国家の「正史」を書くのが通例。従って、あくまでも正しいのは勝った国。あの犠牲者は200人ほどとされる「天安門事件」でも、一体どれだけの人民が死んだか不明だ。

 十数年で40倍に膨れ上がった軍事費。無理に無理を重ねた工業化で、国内には深刻な公害が発生している。大気汚染、土壌汚染、水質汚染に食糧汚染。都市と農村の所得格差、政府首脳の汚職と不正蓄財と、子弟の海外流出。先日天津港で起きた大爆発も、権力争いのためとの噂もある。ともあれ不動産バブルで浮かれた経済が、今瀕死状態であることは確か。新機軸の「アジアインフラ投資銀行」も軌道に乗るかどうか。


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 東シナ海では、日本の尖閣諸島を狙うだけでなく、天然ガス油田開発に名を借りた軍備が着々と進んでいる。海上プラットホームもさらに増強したようだ。だが「環球時報」で沖縄を奪うとした中国にとって、今回の「安保法案整備」は思わぬ大敵になったことは間違いないだろう。

 ラオス、タイの国境を流れ、カンボジアとベトナムを潤すメコン川。ミャンマーの国土を流れるサルウィン川。これらの水源は中国奥地にあるが、中国はそこにダムを建築したため下流は水不足気味と言う。南シナ海の浅瀬を埋め立てて港湾や滑走路を造り、近隣諸国との軋轢を生んでいる中国。滑走路の着手はとうとう3本目になった由。


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 中国が国連安保理の常任理事国の席を得たのは、アフリカ諸国に大金をバラまいたため。それで貴重な金属資源を開発し、かつ世界のリーダーに躍り出たのだ。その巨象が今、熱病に苦しんでいる。日本軍による「南京大虐殺」の嘘も効き目が無かったようだ。不動産バブルが弾けて国土は鬼城(ゴーストタウン)化し、株価は下がり、外国資本は逃避し始めた。市場としての魅力も無くなって来たのだ。


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 元々中国への外国企業の進出に際しては、最新技術の公開などを義務付ける不当な要求があった。また、中国から企業を引き揚げる際は、財産没収などの恐れもあった。そこまでの制約も、どうやら巨象を再生させるカンフル剤にはならないみたいだ。病める巨象が倒れた時、13億もの人々の運命は果たしてどうなるのだろう。そして中国の影響下にある北朝鮮と韓国でも大きな動乱が生じるのではないか。

 ヨーロッパでは、目下百万人規模のシリア難民が押し寄せている。この東アジアでも、そうならないとは断言できないだろう。「一国平和主義」で浮かれる日本。「備えあれば憂いなし」。今般整備された安保法案は、そのための一助になるのではないか。だがわが国の前途は、決して平坦ではないとも感じている。<続く>





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Last updated  2015.09.23 11:18:11
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