マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2015.10.15
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カテゴリ: ランニング全般
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 10月12日月曜日。体育の日らしいことが出来たら嬉しいね。で、先ず血圧を測る。上が155で下が97.かなりの高血圧だ。もう一度測り直しても似たような数値。でも心配ない。その原因が興奮であることが分かっていたからだ。なぜ興奮してるかだって?それはね。今から走ろうとしてるため。8月6日の未明、寝ていた時に不整脈の発生を感じ、翌日走ったきり、ずっと走れなかった私。あれは大変な発作だったもんねえ。一時は死を覚悟してたくらいだもの。


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 血圧は高かったが脈拍は非常に安定していて、脈拍数は47。不整脈は出てなかった。「あれっ、不整脈が消えたぞ」。そう感じたのは10日ほど前から。でも私は走らなかった。怖かったのだ。もし無理して走って、あの発作が出たら大変なことになる。10月19日には検査のために病院に行く予定だし、10月31日には、筑波へ行く積りなのだ。3年ぶりに悪友に会い、31年ぶりに2人の先輩に会う予定。それが台無しになったら困るのだ。多分、先輩に会えるのは、これが最後になるだろうから。


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 家の裏から道路へ出る。だが走らない。いきなり急な坂道なのだ。そこはゆっくり歩く。準備運動だと思えば良いのだ。信号機の手前で軽く脚や膝を屈伸。そしてM高校前の坂道を下って行く。心臓は大丈夫。脈は乱れていない感じ。ゆっくりゆっくり太白山への裏道を、自分のペースを確かめるように走る。きっと人が見たら、歩いているようにしか見えないだろう。でも自分は走っている積り。これでも立派なランニングだ。まさか、自分がまた走れるようになろうとは。


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 酷い発作で苦しんでいた頃、何気なく鏡を見て驚いた。そこには死相が浮かんだ青白い顔が写っていたからだ。思わずギョッとしたが、自分ではどうすることも出来ない。動悸、目まい、物の二重視、胃のむかつき、それに耳鳴りすら感じていた。それでも食欲とブログを書き続けようとする気持ちは残っていた。だがランニングは無理。もう二度と走れることはないだろう。そんな風に思っていたのだ。


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 風が心地良い。これがランニングの醍醐味だ。こんな無様な走りでも、自分にとっては立派なレース。ここ数年、思うように走れなかった。原因は老化と不整脈による体調不良だ。その間に、走るための筋肉はどんどん落ちて行った。大臀筋(お尻の筋肉)はプヨプヨになり、内転筋(太股の内側の筋肉)には痛み。山道を走っていたまだ元気だった頃には到底考えられない変貌ぶり。それに膝の周囲にも違和感と痛み。だが、そんな状態でも走れることは分かっていた。


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 太白山の麓、「自然観察の森」への入口で引き返す。ここまで来る途中、若いランナーに抜かれた。挨拶をして先を行く若者の姿が眩しい。あのすらりと伸びた脚は、トライアスロンでもしてるのだろうか。抜かれても全く気にならない。むしろ清々しいくらいだ。自分もまだ若かった頃は、颯爽と走っていたのだ。あれから37年。すっかり老いぼれたが、どっこいまだ自分は生きている。そしてヨタヨタながら、まだ走っている。


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 まだ暑かった夏の頃、Z川の畔を走ったことがあった。その時、前を走っていた若い女性が突然止まった。暫く前から並走していたのだが、そのスピードに耐え切れなくなったのだろう。直ぐに初心者だと分かった。年寄りの私に抜かれまいとして、必死に走っていたのだ。きっと自分のペースを知らないのだろう。「無理は禁物だよ」。心の中でそう呟き、私は彼女の前へ出た。ベテランは自分のペースを守る。まるでそう教えるかのように。


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 ともあれ67日ぶりのランニングは無事終了した。だが、ブログに書こうとして書くのを止めた。本当にこんなことを書く価値があるのか。それにまだ大きな不安が残っていた。このささやかな6kmのランが、再び不整脈を起こす引き金にならないのかと。それで翌日は別なテーマでブログを更新し、体もゆったり休めた。軽い畑仕事と6kmの散歩。それは夏に走ったコースの確認でもあった。


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 10月14日水曜日。つまり昨日だが、午前中から畑仕事を続け、雲南百薬の畝を始末した。タマネギの苗を植える準備のためだ。4時間ほどかかって作業を終え、ランニングスタイルに着替えて走りに行った。今日は8kmを走ってみよう。果たして体がどう反応するか。この夏、まだ元気だった頃に走ったコースが、ゆっくりとでも走れた。沼の樹が紅葉している。太白山が青空に映えている。素晴らしきかな人生。素晴らしきかなランニング。また走れて良かった。きっと奇跡とはこのことなのではないのか。


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 今のところ、後遺症はない。脚の筋肉も傷んではいないし、不整脈も出ていない。だが、油断はしていない。何しろ2度の手術と1度の電気ショックを受けても、その都度ゾンビのように復活した私の不整脈だ。今年の12月には3度目の手術を受ける予定でいる。この「業病」と付き合ってもう5年。年々症状は重くなる。だが、それも運命。全ては受け入れるしかないだろう。それでもたまには走らせてくれよな。秋風を受けながら、出来れば颯爽と。





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Last updated  2015.10.15 06:20:08
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