マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2017.12.18
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テーマ: 短歌(1696)
カテゴリ: 短歌
<言葉に宿るもの>



 真夜中にソーラーの感知器が赤く点灯したことは書いた。私はこの20年ほどの間、2階の1室で過ごして来た。だからこの装置とはあまり馴染みがなかったのだ。それが現在は居間で寝ているため、感知器が作動する現場を見たのだ。結局青の点滅は発電中のサインで、赤の点滅は蓄電中のサインなのではないか。それが私が出した結論だ。間抜けな話だが、案外デジャブー(既視感)のようでもある。




 ヤク〇トのお姉さんが見本品の感想を聞きに来た。若くてきれいな人。自己紹介のパンフレットには3人の子持ちとあるが、とてもそんな風には見えない。お母さんは私と同じ学年みたい。すると彼女は長女と同年齢くらいだろうか。腸内細菌とウ〇チの話をひとしきりして帰った。自分も健康には関心があるが、月3千円近い支払いには戸惑いがあった。適当に繕って断ったが、丁寧に礼は言った。



 小麦粉がまだ大量に残っていた。パンを焼くため前妻が買ったのだろうが、もう賞味期限が切れて久しい。害はないと考え、小エビや冷凍のオクラ、挽肉などを入れてお好み焼きを作った。味付けは適当だが、これがなかなか美味しい。食べ物を粗末にせず、捨てずに済んだのが嬉しい。今後もなるべく負担に思わず、楽しんで使おう。



 ナタマメ入りの歯磨き粉が届いた。4本セットのお徳用だが、今回は1本おまけ。送料は無料で7千円近くを配達時に支払った。そして直ちに電話して、定期購入中止の連絡。その方法で安く買えるとオペレーターが話していたからだ。恐らくはこれで1年間は持つはず。スッキリ感が凄いが、口臭がどうかは1人暮らしのため不明。口臭外来へ行けば保険は利かず、治療に40万円はかかるだろう。



 歯医者へ行った。ほぼ3か月おきに歯石を除去しているのだが、この日も治療に先立ち、歯周ポケットの深さを検査。虫歯の部分を除き、歯茎やポケット内の状態が改善している由。ドクターには言わなかったが、これはきっとナタマメのお陰だと思う。残り少ない歯を、せめて今からでも大切にしたいもの。入れ歯はまだだが、時間との戦いになるのだろう。



 ある朝のこと、郵便受けに封筒が入っていた。差出人は短歌会を主催するK先生で、中には縦書きの原稿用紙と歌集、そして参考にするよう先生が推薦した名歌が紹介されていた。早速読み出したのは良いが、悲しいかな意味の分からない言葉が多い。短歌独特の表現も理解し難く、見本に挙げた名歌の良さが何なのか分からない。現実の厳しさを思い知らされた日だった。



 その夜、K先生宅へ電話してお礼を述べた。最初に出られた奥様も歌人のようで、歌集に作品が載っていた。先生には感じたままを話し、2月の新年会にも出席する予定と伝えた。先生が言う。「〇さんが私より歌が上手くなったら困ると」。クリーニング店の老婆のことだ。彼女らしくて笑えた。無論そんなことには拘泥していない。より短歌の本質に迫り、少しでも人生の機微に触れたいだけのこと。



 手作りの歌集と原稿用紙とをわれに届けし師のありがたき
 字も書けず言葉も識らぬ寡(やもめ)居て三十一文字の海に漕ぎ出す
 届けらる歌集に見ゆる物故者の歌の群れ読む寒き室内
 闘病のさ中に詠みしその歌に託した命何処彷徨う



 作歌とは厳しきものと教えらる歌集『木犀』薄き一冊
 幻日は小雪止みたる宙(そら)にあり煌くオリオン銀河の彼方
 死も生も未だ答は見つからず木立に墜ちる流星群は

 この他に1句。  生(あ)れましし御子眠りたる飼葉桶聖母マリアはただ微笑みて 

 これがその日詠んだ歌。いやはやとんでもない世界へ船出したものだ。





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Last updated  2017.12.18 00:00:07
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