マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2020.08.29
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~彷徨える巨人・中国(1)~



 古代出雲への旅の話を書きながらも、脳裏には常に中国の動向が意識されていた。「新型コロナ感染症」の蔓延による、世界的な大恐慌。その原発国として責任を果たすべき中国の動向が、ここ数年おかしいことに危惧の念があった。新型コロナ以降、あるいはそれ以前から中国は破滅の道に向かって突き進んでいるのではないか。そう思わせるほど中国には不安要因が目立っていた。久しぶりにニュースを取り上げるが、やはりその中国から書き始めるのが妥当だろう。

    コロナを模した中国国旗   

 中国が世界から信用を失った第一は「新型コロナ」だろう。発生の時期、場所、初期対応、WHOへの通告など、そのすべてにおいて中国の対応は適切さを欠き、秘密裏に隠ぺい工作を行った。その初動対応のミスが、世界にこの凶悪で未知のウイルスを物凄い勢いで蔓延させ、各国における治療手段を奪い、結果的に多くの死者を出す要因になったと言っても過言ではない。中国に忖度したWHOの責任も大きい。



 今年、中国では実にさまざまなことが起きた。新型コロナの収束を待たず、黄河、揚子江など国内の主要河川で度重なる水害の発生。なかんずく長江(揚子江)中流域の「三峡ダム」が決壊するほどの大雨が長引き、その後も幾つかの台風来襲による被害が重なった。元来地盤が脆弱な地への巨大ダムの建設に対しては、計画段階から専門家の反対があった。だが、当時の指導者が強引に工事を強行した由。



 6月中旬から降り出した大雨は三峡ダムの安全水位を遥かに超えた。このためダム上流部では何か所もで土砂崩れが発生してダム湖の水位を押し上げ、そのことが洪水と土砂崩れの連鎖を起こした。中・下流域でも大雨による洪水が発生して穀倉の半分が被害に遭い、約6千万人が被災した。党は「三峡ダム」の決壊を防ぐため連日大量の水を放水し、都市の大洪水を防ぐため、遊水地である湖の土手を軍が複数個所爆破し農村部に濁流を誘引した。大都市の水害を防ぐためだが、農民は踏んだり蹴ったりだ。



 それでも武漢、南京の大都会が浸水し、河口の上海ですら50cm以上冠水したと聞く。この地区は中国のGDPの50%が集中し、軍の兵站部や外国の企業も数多く進出しているのだが、停電の発生などでかなりの被害が出た模様。ダム上流の漢口や成都などの被害も甚大。だが、習近平が被害地への視察に行ったのは状況が落ち着いてからで平服のまま。一方首相の李克強は長くつ姿で泥水の中を視察した。



 毎年避暑地の北戴河では政府首脳と共産党OBの会合が持たれるが、今年は習近平の失政に対する追及が厳しかったと言う。鄧小平以来中国は不利な時はじっと身を潜めてやり過ごすという方針で成功した。ところが近年はトランプ大統領ともろに殴り合いを始め、経済的な損失が一気に増えた。また「一帯一路」への疑念が世界で起き始めた。それらを方向変換せよとの忠告だ。だが習近平は批判をそらすため強気に出、一気に国際緊張を高める手段を取った。

    

 台湾の奪取、尖閣や南シナ海領域の死守、香港への干渉、アメリカへの対抗意識などを中国共産党の名において宣言したのには驚いた。だがその後も長老達から叱責されたようで、過激な言動を一旦控えた。この間に李克強首相との間で壮絶なバトルがあったようで、習近平は軍における力を誇示し、逆に首相に迫ったようだ。だが、今年の中国は上層部同士でバトルをしてる暇はないのだ。



 6月中旬からの長雨で、黄河や長江(揚子江)など、国内の広範囲で大きな水害が発生していた。中でも長江の上流、中、下流の被害は著しく、6千万人の被害者が出たと言う。これに加えてバッタやイナゴの害も加わって、国民の食糧確保すら危うくなった。加えて、新型コロナ、香港への弾圧、ウイグル族への人権侵害を理由に、中国に対する世界の圧力が一気に高まった。中国の本質に世界が気づいたのだ。



 中国が推進してきた「一帯一路」への風当たりが強くなった。スリランカ、モルジブ、パキスタン、マレーシア、ケニアでは「債務のわな」による港湾や鉄道、道路などの建設施設が中国の手に渡った。不正な契約内容を知らされなかった国民が、契約は無効として最高裁に訴え、ケニアでは逆転有罪。一旦は中国の手に渡った港湾や鉄道を取り戻し、コロナ対策に要した経費と相殺させる措置に出た。



 トランプさんは一切妥協せず、中国のIT企業を追放し、中国のプロパガンダ組織である「孔子学院」を解体させ、中国共産党と香港政府幹部の資産を凍結し、香港における香港ドルと、米ドルとの交換を廃止する措置に出た。その上中国が居座る南シナ海で、空母などによる訓練を行った。東シナ海、南シナ海における中国の覇権を決して許さないとの強硬な姿勢だ。



 これに対して、中国は自国が訓練中の海域へ中距離弾道ミサイルを4発発射した。中国も不退の姿勢を示したのだろう。また米国債の大量売却に出ようとしてるようだが、これは自国の首を絞めることにもつながる。ドルでの決済が出来なければ貿易は成り立たず、弱い人民元の価値がさらに下がるだけだからだ。香港抑圧の影響は、今後一層中国に強い反作用となって表れるはずだ。



 4人の預言者が今年中に崩壊すると宣言した中国だが、確かにその雰囲気が出て来た。いち早く「新型コロナ」のワクチンを開発したかに見える中国だが、国民の生活は実に悲惨。自己中心的な上層部の実態があぶり出され、全体主義国家の裏面が世界へ知れ渡った。これまでのような独裁を貫くことは困難だろう。日々大きく変化する世界情勢。新型コロナに負けず、厳しい目を世界に向けたいと思う。<続く>





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Last updated  2020.08.29 11:17:59
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