マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2021.02.04
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~揺れ動く世界~



 前夜何度もトイレに起き、布団に潜るたびに嫌な夢を見た。不連続の悪夢だが、朝までちゃんと生きていた。いつも通りカーテンとシャッターを開けると、ハイビスカスの植木鉢の中に、萎れた残骸が2つ落ちていた。それは一旦咲いた後のものなのに、不思議なことに咲いた姿は見ていないのだ。深夜の頻尿と言い、悪夢と言い、自らの老いを知らされる思いだ。



 ミャンマーで政変が起きた。軍部のクーデターで、この国の実質的な指導者であるアウンサンスーチー
さんが拘束されたようだ。軍の言い分は昨年11月の選挙時に、彼女が率いる政党NLDが不正を行ったとのこと。アウンサンスーチーさんはノーベル平和賞を受賞した有名人だが、今回の政変の裏側にはどうやらかなり複雑な事情がありそうだ。



 第二次世界大戦当時、日本は中国から転戦して東南アジアを植民地支配していた西欧諸国に宣戦を布告した。インドシナ支配者のフランス、そして当時のビルマやインドの支配者であったイギリスに対してだ。シンガポールを陥落させて意気上がる日本軍は西へと向かい、タイとビルマをつなぐ泰面鉄道(左)を敷設した。若き日のアウンサン将軍(右)は密かに日本に渡り、軍事訓練を受けて祖国に戻った。戦後はイギリスからビルマを独立させて独立の父となり、紙幣にも肖像が印刷された。彼女の父親だ。

    ロヒンギャ族   

 手を焼いたイギリス軍が当時インドの東部(現在のバングラディシュ)にいたロヒンギャ族をゲリラ兵に仕立ててビルマに送り込み、戦後は元からいた同族と一緒にビルマに居ついた。彼らはイスラム教徒で、仏教徒の多いビルマ(現在のミャンマー)とは民族も宗教も異なる。そのためミャンマー軍部から迫害や虐殺され、一部は難民となってバングラディシュへ脱出した。アウンサンスーチーは軍部の暴力を黙認したのだ。

  


 今回のクーデターの裏には複雑な事情がある。その一つは中国の関与。軍とアウンサンスーチーの双方が中国から援助を受けている。彼女は共産主義者で、中国はチベットからアンダマン海に抜ける道路を造る計画を持っていたこと。二つ目はタイ、ラオスとの国境がアヘンの材料となるケシの一大生産地で、長年麻薬密売組織の財源になっていたことだ。目下のボスは中国系のカナダ人らしい。

 彼女もイギリスで学び、イギリス人の夫と結婚した。夫はその後死んだが息子がイギリスに残っている。さてバイデン氏はミャンマー軍部によるクーデターと彼女の拘束を非難したが、同様に不正選挙をしてるので、今一迫力がない。ひょっとして自国での軍部のクーデターを怖れているのかも知れない。中国とロシアはこの件については静観中。ロシアは民主勢力を抑圧してるし、中国は一党独裁だしミャンマー軍部とのつながりがあるからだろう。<続く>





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Last updated  2021.02.04 00:00:09
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