マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2022.03.31
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~昼寝から目覚めると~



 あまりにも疲れすぎたので本格的に昼寝することにした火曜日の午後。洗面所の鏡を見ると、目が落ち窪んだ顔が目の前にある。連日連夜ロシアのウクライナ侵攻に関する情報を収集し、ブログのネタにしようとしていた。ついでにカットになる「絵」も。それが何日続いただろうか。心理学の専門用語で言う「共感疲労」。ついのめり込んで、心身の疲弊が現れる現象。そして何者かからの「妨害」も何度か受けた。



 目が覚めると「情報ミヤネ屋」で面白いことを話していた。なんとウクライナのデジタル大臣がウクライナへの寄付を呼び掛けるための広告を作った由。「プーチンを木星に送るための基金」の名目で、ロケットはウクライナカラーの青と黄色に塗り分けられ、丸窓から恨めしそうな顔をしたプーチンが外を見ている。何と言うブラックユーモア。若くて柔軟な頭脳からしか生まれない発想だ。



 ニュースを漁ると、次々に明るい話題が見つかった。何とイギリスのエリザベス女王がウクライナ支援のためにたくさんの支援金を拠出した由。それがヨーロッパの各王室にも波及したようだ。無論人道のためのチャリティーで、どの国を擁護すると言う意味ではない。さらに夕方になって、ビッグニュースが飛び込んで来た。

      トルコでの停戦協議   

 日本時間の16時。トルコのイスタンブールで対面方式でロシアとウクライナが4回目の停戦合意が持たれるとのことで、世界各国の報道陣が参集した。協議内容は明白ではないが、双方ともかなり前進があったと認識しているようだ。協議内容は今後両国の外相へ報告され、大統領へ伝えられる。対面での協議後さらにリモートでの協議が長時間続いた模様。



 さらに事態は動いた。バイデン大統領が両国の停戦協議に関してイギリス、フランス、ドイツ、イタリアの首脳と電話会談すると発表。その後はフランスのマクロン大統領がプーチン大統領に電話で協議する運びになった由。ロシア軍はキエフ付近から軍を撤退すると表明。たった1日で事態が大きく動き出した感があるが、果たしてその裏に何があったのか。



 アブラモビッチ氏はロシアの新興財閥「オルガルヒ」の一員でプーチン大統領の信頼も厚い人物。つい先日まで英国のサッカーチーム「チェルシー」のCOEを務めていた。その彼が今回のイスタンブールでの対面会議を実現させた黒幕との話に驚く。彼は先ずウクライナに赴き、ゼレンスキー大統領の親書を受け取ってプーチンに届け、次いでトルコに赴いた。すべて個人ジェットでの移動だった由。



 ウクライナの主張の要点だが、1)ウクライナがNATOに加わらない代わりに、米ロ、中国、トルコ、カナダ、イスラエルなどがウクライナの安全を保障する新たな体制を作ること。2)クリミア半島の統治に関しては今後15年かけて協議を継続すること。ドンバス地方も含め、現在侵攻している地域から2月24日以前の状態にロシア軍が撤退することなどだ。



 これに関してアメリカは、キエフからの撤退はごくわずかで、依然としてキエフを陥落させる野望を捨てていないと見ているようだ。また米国空軍Eー4B「ナイトウォッチ」機がイギリスに到着している。この機は核戦争時に空中指揮所となる特殊装置を保有する。大統領や重要閣僚が乗り込むのは当然だ。アメリカが事態を楽観していないことが分かる。



 しかしあれほど強硬だったプーチンが変化した原因は何なのだろう。一説によればウクライナ軍によって人的物的に大きな痛手を被った軍の内部で混乱が生じていると疑われること。オルガルヒなどこれまでプーチンを支持して来たグループからの離反やクーデターの噂もある。経済制裁の打撃は予想以上だったようで、このままだとロシア経済の破綻は目に見えており、さらに制裁が強まるはず。



 その一方でプーチンはチェチェンからロシア軍を呼び戻して東部ドネツク州の侵攻に当たらせたり、民間軍事会社「ワグネル」のゲリラ兵を投入したとも言われる。ロシア側にとってより有利な停戦条件を相手に飲ませるため、総攻撃を考えている節がある。生物化学兵器部隊の出番の有無も明確ではない。ただNATO側もロシア軍の生物化学兵器使用に対する断固たる意志を示しており、予断は許さない。



 一番の心配はウクライナ南部の都市マリウポリ市の戦況だ。ロシア軍による見境のない攻撃で建物の9割が破壊され、子供を含む4千人の死者を出し、数万人がロシアに連行され、未だに17万人余が餓死寸前の状態で瓦礫に身を潜めている。一刻も早い市民の救出が望まれる。ロシアの思惑に反して、世界中の人々が今回の戦争の実態を知ってしまった。ウクライナへの連帯の輪が広がってゆくのが唯一の救いだ。さて明日から4月。新たな展望が開けると良いのだが。





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Last updated  2022.03.31 00:00:10
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