2004.07.19
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
いくら彼が仲間を遠ざけようとも
円卓の騎士は逃げ出さない。
彼らは言う。
ローマのためでもない、
他の何者のためでもない。
「アーサー、あなたについてきたのだ」と。

ルシウス・アルトリウス・カストゥス
まだ王と呼ばれる以前のアーサーは
城壁を守る指揮官だった。
15年にも渡る兵役を終えたはずの騎士たちに
最後の指令と称する任務が与えられる。
ローマの理不尽な命令に対し
上官にあたるゲルマヌス司教であろうが
激しく怒りをぶつける男である。
氷上の決戦にても
アーサーは安全を確保しながらも
機敏に部下を指揮する。
割れない氷を割ろうとして
自らを犠牲にしたダゴネットを助けるため
アーサーは躊躇なく突進していく。
二人を助けようとランスロットたちは
必死に矢を仕掛けている。
アーサーと円卓の騎士たちの結束は固い。

「友よ、これが最後だ。」
サクソン軍に囲まれた城壁に一人残り、
自分の理想を貫こうとするアーサー。
負け戦に騎士の援軍を求める彼ではない。
彼らがやっと得た自由を奪うつもりなど毛頭ない。
そんな男だからこそ、
騎士たちはせっかく得た自由を捨て、
アーサーの隣りに馬を進める。
ブリテンを守ろうとするウォードも
マーリン、グウィネヴィアのもと
アーサーの援護に回る。
大軍の数を知略により見事に減らし、
最後の決戦は剣と剣の戦いとなる。

円卓の騎士。
その丸いテーブルに座る者に身分はない。
アーサーの理想は気高い。
それは奴隷を認知するローマの政治ではない。
殺戮や強奪を認めるサクソンでもない。
また、ウォードは彼の家族の命を奪った相手。
彼は理想を持っている。
それは現実にはありえないもの。
だが、彼は戦う。
だからこそ、彼に従う者がいる。
アーサーの激しく重い剣さばき。
グウィネヴィアは敏捷に
獣のような動きを見せる。
背中に二本の剣を背負ったランスロット。
舞うように華麗に剣を操る。
黒い土が飛び跳ね砂埃が立つ。
剣と剣を重ね合わせる激しい激闘は
日本の大作時代劇を思わせる迫力である。

伝説とは違う結末である。
すべては最後の決戦に収束する物語である。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2004.07.19 23:33:19
コメント(8) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

トーベのミー

トーベのミー

Favorite Blog

おすすめ映画館 ocobaさん
milkyの花魁? ミルキー5252さん
いろんなこと ジュンチ+さん
9と3/4 《Platfo… chihaya-Mさん
ちのぴぃの雑記録 ちのっぴいさん

Comments

坂東太郎9422 @ Europe支社 宜保律子「健やかな心と体を育てる学校給…
http://buycialisky.com/@ Re:●●●黒い家(06/02) safe dosage for cialiscialis denavir fl…
http://buycialisky.com/@ Re:●●●穴/HOLES(06/22) cialis med storehangisi daha iyi viagra…
http://buycialisky.com/@ Re:●●●ふたりにクギづけ(08/29) take both viagra and cialiscialis for s…
http://viagraessale.com/@ Re:●●●黒い家(06/02) viagra halicyte &lt;a href=&quot; <sma…
http://viagraky.com/@ Re:●●●穴/HOLES(06/22) types of viagra wiki &lt;a href=&quot;…
http://viagraiy.com/@ Re:●●●ふたりにクギづけ(08/29) can you order viagra online legally &l…
http://buycialisonla.com/@ Re:●●●ロザンナのために(04/21) cialis vs viagra vs kamagracialis recre…
チラシ@ Re:●●●終わりに見た街(12/03) 自分は2005年のドラマ版を観て、多くの人…

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: