●●●スカイキャプテンワールド・オブ・トゥモロー

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2005.08.30

●●●スカイキャプテンワールド・オブ・トゥモロー

(12)

テーマ：レンタル映画(818)

カテゴリ：合作映画

1939年、ニューヨーク。
突然飛来したのは、一つ目の巨大ロボット。
カメラで撮影しながら逃げまどうのは、
ＮＹクロニクル紙の敏腕記者ポリー。
実は彼女、世界的に有名な科学者が
次々の謎の失踪を遂げる事件を追っていた。
そして今、ニューヨークは大パニック。
応答せよ、スカイキャプテン。
空軍のエースパイロット、ジョーに指令が飛ぶ。
鮫の絵が描かれた戦闘機が
見事に巨大ロボットの動きを止める。

なぜ、こんな事件が。
すべての混乱はトーテンコフという
ドイツの科学者にあった。

ケリー・コンラン監督。
脚本とともに彼には初の映画作品となる。
全編ブルーバックでの撮影だと言う。
レトロ感覚あふれる町並みに、
科学者たちが生み出すメカは未来を感じさせる。
ジュード・ロウ、グウィネス・バルトロー、
そしてアンジェリーナ・ジョリー
役者の個性は失われないままに、
セピア色の世界の住人として、
見事に溶け込んでいる。

トーテンコフを追うジョーたちの活躍は、
この映画の見せ場なのだろう。
コンピューターのつくりだすカメラアングルは、
戦闘機を縦横無尽にとらえている。
巨大ロボットに水陸両用メカ、
玩具のような武器の光線は円を描く。
観ているだけで楽しい映像が最後まで続く。
だが、謎そのものにも
そして、人間の魅力も踏み込みきれず、
多少の物足りなさは残らないでもない。

だが、時代は1939年、
折しも、第２次世界大戦と重なる。
ニューヨークは大混乱である。
巨大ロボットは世界中にも出現していた。
ドイツの天才科学者は、先の大戦の頃より、
人間が再び愚かな戦争を起こすのを
予想していたかのように思える。
人類はもう消滅すべき、
だからこそトーテンコフは
ノアの箱船をつくり、滅びの日を設定した。
天才と呼ばれる科学者の狂気は、
人類の行く末など見えているようである。

2１世紀がやってきた。
愚かな戦争は今もなを続いている。
天才と呼ばれる科学者の頭脳は、
もう滅びの日を設定しているかも知れない。
反戦映画というほどではないが、
この作品の架空の世界は
どこかで現実とシンクロしている。

ただし現実には、
スカイキャプテンはいないのだ。
明日の世界を救えるヒーローなんて。