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カルテ番号 り・1(42)力石静に息子から電話が入ったのは翌日だった。息子の言葉は意外だった。母親から離れ、一人で独立して生きていくのだと思っていた。それが、北海道に来ないか、という誘いだった。理由を聞いて、更に意外だった。息子も祖母の血を引いていたのだった。しかも、静よりも能力は強かったようだ。北海道の大学に進んだのは、首都圏が危ないと感じたからだそうだ。母の静に言っても、その感覚は理解されないと思ったという。事実、息子が北海道を受験する頃、静は何も感じていなかった。早く安全な場所で暮らしの基盤を作る。母親を守るのは、自分だ、と思っていたらしい。そして、その能力も使い、学生ながら一人前以上の収入を稼いでいた。やっと、手頃な貸家が見つかったのだという。静には思いもかけない嬉しい提案だった。だが、息子に今の状況を正直に話した。自分も首都圏の危なさに気づいて、群馬に住む決意をした事。災害からの復興に関連する仕事も見つかった事。信頼できる人達と巡り合った事。だから、当分は一人でやっていきたい旨を話した。むろん、息子はその決意を納得し、応援すると言ってくれた。(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/31
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カルテ番号 り・1(41)静は思った。確かに物事の正誤にとらわれていた。院長がいわれるように、その判断は時々間違う。年齢を重ねて判る事も多々ある。社会も新たな事実を発見し、以前の常識や知識が間違いだと発表する。それさえも、未来においては覆すかもしれない。正誤の判断は危ういもの。それよりも、もっと大切な事やモノがある。その為には、故意の嘘さえ使い様。そうなのだ。使い方が大切で、正誤が大切ではなかった。自分の能力は、使ってはいけないものでも無かった。知っても、知らせなければならないものでも無かった。「先生、心の霧が晴れたようです。私、ずっと迷いながら自分を責めていました。息子も一人立ちして北海道にいます。私も一人立ちして、こちらで暮らそうかと思います。そして、災害の準備の仕事をしたいと思っています。早速、柳さんに相談してみます。私の僅かな能力も、これからは活かせる時には使おうと思います」(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/30
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カルテ番号 り・1(40)院長は少し微笑んだ。「そういうわけでもないのですが・・・例えば私はクライアントの生命力を活性するのが仕事です。私が厳しい状況だと思って、そのまま言ったとします。生命力は活性しますか?未来の道は、それなりにあるのです。希望が持てる道幅が、どんなに狭くても、あるのです。人間の知識や常識では無くても、見えない道があるのです。いえ、あるのではないか、と思っています。社会的には嘘でも、生命力が活性するのは、嘘側にあるのですね」院長は一息ついてから話し始めた。「地震などの自然現象はかなり律儀に起こります。それが勘や感覚でも起こるものは起こります。でも、そのまま言っても対策をしてくれるわけではありません。力石さんが、どんなに確信を持って言っても、ほとんど聞いてくれません。それどころか、危ない人物とされかねません。それで、今後の多くの人に役に立ちますか?一人でも逃れて欲しいのなら、今は嘘をつく方がいいのです。そして、別のお手伝いをしてみてはいかがでしょう。故意の嘘でも、役に立つ事をお伝えしたかったのです」(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/29
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カルテ番号 り・1(39)院長は静かに、ゆっくりと言った。「嘘も間違いも善悪からは切り離して下さいね。人は故意でも無意識でも、避けられないで使っています。空気があるように、嘘も間違いもあるのです。更に大前提として、嘘や間違いを正確に判断できないのです。あまり、嘘にこだわると、何が大切なのか見失います。大切な事は、真実を知る事ではないのですよ」静は独り言のようにつぶやいた。「大切な事・・・命、平和、幸せ・・・」院長は言った。「大切な事、大切なモノは幾つもありますね。それほど多くはないですが・・・その大切な事、モノの為ならば、嘘も使い方ではないでしょうか?」静は、しばらく考えて言った。「先生、ありがとうございます。私が知ってしまう事を、他の人に知らない振りをする。それに罪悪感を持たないように言ってくれているのですね。私、長い間、どうしていいかわからなかった。言う事が、正しいと思っていました。でも、結果的には身内を不幸にしてしまっていた。嘘を言えば、よかったのですね」(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/28
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カルテ番号 り・1(38)「嘘を言うのですか?それって、騙すのですか?」院長は普通に答えた。「そうですよ。嘘なんて普通に皆さんしているでしょ」静は何と言っていいのかわからなかった。「故意かどうかは別にして、嘘をつくでしょ」静は首を振りながら言った。「いいえ、普通は嘘をつかないと思います」それに対して、院長は言った。「ついていますよ。日常生活で普通に・・・力石さんも私も、そこらへんに歩いている人も。新聞もテレビも国会も学校も学者も先生も同じです。ただ、それが嘘だと判らないだけです」静は言った。「嘘ではなく、間違いはあると思います」院長は言った。「故意が嘘で、間違いは嘘でない、と?でも結果は同じでしょう。いいや、思い込んでいる分、相手も信じてしまう。より、たちが悪いともいえます」(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/27
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カルテ番号 り・1(37)静はそういう院長はどうなのだろう?と思った。「先生は患者さんの悪い所がわかるのでしょ。やはり、知らないふりをしているのですか?それとも、本当の事を知らせるのですか?」院長は少し困った顔で言った。「ケースバイケースです。私は相手を患者とは思っていません。依頼者として接しています。そして治療師ですが、医者ではありません。必ずしも、病気を治すのが仕事ではないのです。相手の生命力を活性し、明るい方法で歩いて欲しいのです。その為には、知った事を教えなかったりもします。もちろん、私の感覚で、と説明して、そのまま伝える事もあります」患者でなく、依頼者?医者ではないが、治療者?教えたり、教えなかったり?この院長の言う事が、よくわからない。ただ、どうやら真摯に相手の生き方を尊重しているようだ。病気よりも、生き方を重視している、という事なのだろうか?院長が笑って言った。「嘘もつきますよ」(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/26
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カルテ番号 り・1(36)静は祖母を思い出しながら言った。「どうして不幸になるのでしょうか?」院長は言葉を選びながら話した。「依頼する人が負の氣を背負って頼るからです。占い師は、その負を浄化しているわけではないのです。一応能力がある、と仮定しての占い師ですが・・・浄化、つまり調和しないで、別の道を提示するのです。そうですねぇ・・・身体に例えれば、病を治さずに、痛み止めだけをする。本来の痛み止めの使い方。痛みを止めている間に、元の病を治す行為があればいいのです。ところが、依頼者も目の前の一時の満足で終わらせてしまう。負の氣は、依頼者と占い師の両方に残ったままなのです。しかも、占い師側は、多くの負を次々に背負う。これで不幸にならないわけがありません」確かに、あれほど他人の為に尽くした祖母の最後は厳しかった。どうして?神様、どうして?と思った。院長は静かに話を続けた。「決して占い師側が悪いわけではないのですが・・・仕組みと、浄化の方法を知らないのです。知っていても、多くの負を背負う現実。依頼側も大元を治すつもりが無い事。だから、依頼者は、問題が起こる度に依頼するようになる。結局、依頼者の為にならないのです」(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/25
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カルテ番号 り・1(35)静は祖母を思い出した。祖母には、そういう能力がある事を知られていた。だから人々が祖母に頼ってきていた。商売にしていたわけではないが、頼まれれば応じていた。だが・・・確かに、本意ではなかったと思う。できれば、したくなかったのだと思う。だから静に能力を隠すように伝えたのだ。知っても、知らぬふりをするように伝えたのだ。「占い師とか、霊能者とかで商売をしている人達がいます。皆さんが全てインチキとは思わないのですが・・・」院長の言葉は冷静だが、辛辣でもあった。「例えるなら、インチキが90%以上。残りの9.9%は僅かな能力を自己判断でする勘違いでしょう。ただ・・・更に残りの0.1%くらいに、かなり信頼できる人もいるでしょう。でも、表に出たがる人、高額を取る人は、まず関わらない方がいいでしょうね。インチキでなくても、その能力を使えば不幸を招いてしまうからです。つまり、不幸渦巻く処に相談に行っているのです。インチキでなくても、そんな事も判らない程度の能力しかないのです。だから、本物は表には出ようとしません」(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/24
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カルテ番号 り・1(34)静は言った。「それは身に染みて判っています。でも、教える事で助かる事もありますよね。例えば行方不明の犯罪の犯人。何処にあるのか不明の大切な物。誰も気づいていない病気の箇所とか。そういうのも、教えてはいけないのでしょうか?」院長は言った。「基本的には、特殊能力で知った事は知らせるべきではないと思います。世の中には、職業として、そのような仕事をする人もいます。でも、実体は、その事実を誰も確かめられないのです。ここに、インチキ、詐欺、勘違いが生まれます。でも、頼る人は藁にもすがる気持ちで訪れます。決して少なくないお金を用意して・・・私は、それが当たっていても、するべきではないと思っています」「では、そういう能力がある人は、どうすればいいのでしょう?」院長は即座に言った。「黙っている事ですね。そして、そういう能力がある事自体も隠すのがいいと思います。それは、本物なら自然と解っているはずです。逆な言い方をすれば・・・本物の能力者は、表には出てきません」(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/23
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カルテ番号 り・1(33)院長は少し目を見開いて力石静を見た。「力石さんは、そういう事がある方なのですか?場面が見えるような・・・」「いえ、少しだけです。普段は見えません。一昨日に感じた事が不思議だったので、久しぶりに集中してみました。実はもう母方の祖母が、そういう能力があったようなのです。知らない事を知る能力とでもいうのでしょうか。失せ物探しとか、その人が陰で何をしているか、とか。私も少しだけ、その血を引いているようです。でも、知らない事を無理やり見てしまうと不幸になると教えてもらいました。それを守らなかったから離婚してしまったのですけれど・・・先生、人は見えない事を知ってはいけないのでしょうか?」院長は少し考えているようだった。「そうですねぇ・・・例えば社会の中、という範囲に限定すれば、その通りです。社会生活は、お互いが無知と秘密と勘違いで成り立っています。ここに本当の事をその都度持ち出せば、トラブルになるでしょう。何しろ、見えているのは当人だけです。それに、力石さんも自分の秘密を勝手に見られたら嫌でしょう。社会生活は、多くの人が集まっているのです」(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/22
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カルテ番号 り・1(32)「先生、やっと判りました。何故、柳さんがここに来るように言ったのか。最初は治療なんて必要ない、って思っていたのです。でも、ここは治療だけではないのですね。道を示してくれる場所なのですね。必要な人だけが訪れる場所なのですね」院長は苦笑した。「いいえ、それは違います。私がアピールする能力が無いからなのです。結果的に、必要な人しか来ないのです。実に困ったものだ・・・仕事は出来るのですが、その仕事が来ない。多くの人は私を誤解しているのです。私の無能力とはいえ、私が本当に困っていると信じてくれない」そういう院長は少しも困ったように見えなかった。だから、静はその言葉を無視して、院長に訊ねた。「実は、ちょっと奇妙な光景が見えたのですが・・・一昨日の夜に私の頭の中で見た光景です。女性が三人と男性が一人。とてもいい雰囲気だと感じました。その女性の一人は柳さん。男性は・・・多分、先生・・・」(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/21
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カルテ番号 り・1(31)本当に地震が近く起きたとしても、どうする事もできない。悔しいがその通りなのだ。知らせる事は出来ても、信じてもらう事は出来ない。それが避難を伴うようになるには、公がしなければならない。その公には、もう何年も前から専門家が進言している。だが、予知は難しい。そして、基本的に行政は動きたがらない。院長はそんな力石静を見つめて言った。「力石さん、もう民間で対策に動いているところもあります。先ほど言った柳さんの会社ともつながっています。力石さんがそのつもりなら、そちらでも手伝えると思いますよ。何よりも必要なのは、そういう思いを持った人なのです。その思いがある人の働きは、とても有効なのです」静は、また一つここに来た意味が納得できた。導かれている。祖母が導いていると、ふと感じた。本当にしたい仕事がある。この危機に対して、本当の仕事に出会えた。あの不安感は、ここに通じる道だったのだ。(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/20
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カルテ番号 り・1(30)静は院長の話し方から、何か知っているのではないか、と思った。「私も地震かと思ったのですが、根拠はありません。いえ、根拠はかなり以前から専門家の人達が言っていました。でも、不安に感じるのがそうならば、もう近いということですよね。それなら、多くの人達が暮らしているので、大惨事になります。これ、どうしたらいいのでしょう?」院長は静かに言った。「力石さん、落ち着いて下さい。もし地震が近く起きるとしても、どうにもなりません。力石さんが言われるように、すでに専門家が指摘しています。でも政府も行政も動きません。一応の防災意識向上はしているのでしょうが、それでは防げません。私や力石さんが何か言っても、誰も本気にしてくれません。専門家以上の根拠がないからです」「では、どうしたらいいのでしょう?黙って見ているだけなのですか?何もしないのですか?」院長はゆっくりと、静かに言った。「有効になる出来る事をするだけですね。声を張り上げても、人々を動揺させた罪になるだけです。それよりも、気づいた人が安全な場所に避難する事です。そして、話が通る人、通常は身内から話してみる事です。説得は無理です。気づいてもらうだけなのです。その後の行動は、本人が負うべきものなのですよ」(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/19
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カルテ番号 り・1(29)院長は先回りして言った。「もし、こちらで暮らすつもりがあるなら、仕事もありますよ。力石さんなら、柳さんの会社で雇ってくれると思います」それを聞いて、静はこちらに引っ越すつもりになった。柳玲香という女性は何をしているのか謎だった。どうやら会社を経営しているか、同様の立場なのだろう。そうでなければ、昼からゆっくり温泉に入っていられない。どんな職種かわからないが、何でもするつもりだ。もし同じ職場になれるなら、願うところだ。静は答えた。「私、こちらで住むかもしれません。その時はよろしくお願いします。ところで、私の不安感は、場所のせいなのでしょうか?」院長は頷いた。「力石さんは、薄々勘づいているのでしょう。首都圏が不安な感じがするなら、答えは一つでしょう。地震だと思います。それも、かなり規模の大きいものになるかと思われます」(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/18
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カルテ番号 り・1(28)院長の言っている意味がわかる。多分、そうなのだ。私は柳玲香さんとの縁をつかんだのだと思う。それが、この先、どう展開するのかはわからない。でも、きっと分かれ道だった。その時、行く方向に人が見えた。その人の縁をつかんで、道を一歩踏み出せたのだと感じている。院長はゆっくりと訊いた。「それで、力石さんはどうしたいのですか?」静はしばらく考えた。「どうしたいのか、わかりません。ただ、今まで固執してきた会社は辞めていいと思っています。住んでいたアパートも、正直言えば帰りたくないです。会社に対しても、同じような思いがあります。会社や仕事はいいのですが・・・その場所には行きたくない、という感じです」院長はアッサリと言った。「それなら、こちらで暮らしてみたらどうでしょう」静は戸惑った。実は、こちらで暮らしてみるのも心にあった。だが、実際問題として、仕事はどうする?まだまだ収入が必要なのだ。この年齢からの就職は難しいと知っている。(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/17
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カルテ番号 り・1(27)気功をするのではなく、止めている。それも想像外だった。どうやら静が知っている気功とはかなり違うようだ。院長は話を続けた。「この治療院は止めておく必要がないので、私は解放しています。だから、この中にいるだけで影響はあります。その影響による反応は、人により違う事があります。力石さんは、氣を深いところでとらえられる人のようですね」褒められたのだろうか?とにかく、静は話の続きをした。「あの柳玲香さんが、私には大きな関わりになるような気がしました。大げさでなく、運命の人、と思えました。何とか親しくなりたい。そうしたら、先生の事を紹介されたのです。ですから、私は治療とか、気功とかわからないままです。柳玲香さんが言ったから、来てみました」院長は微笑んだ。「人と人の縁は、面白いものですねぇ。でも、誰しもが縁をつかめるわけではありません。本当は重要な縁であっても、その縁をつかむのは本人です。自然とつながるわけではないのです。その点で、力石さんはしっかりとつかんだのですね。縁により大きな違いが出ますが、たった一歩の違いだけなのです。その第一歩だけが、大きな分かれ道なのですよ」(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/16
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カルテ番号 り・1(26)話しているうちに静は不思議な感覚になってきた。頭がクリアになる、というのではない。もっと深いところからの何かがしっかりとしてきている。自信・・・自分を信じる力・・・「先生、あの・・・変な質問ですが・・・今、こうして話しているだけでも、気功ってしているのですか?」院長は静を見つめて言った。「何故、そう思ったのですか?何か、感じたのですか?」質問に答えてくれてはいないが、やはりそうなのだ。「はい。といっても、私が想像していた気功とは違いました。私の中の、深いところにあるもの、それが何かわかりません。それが、しっかりと目覚めてきたような気がしています」院長は言った。「私が意識して気功をする事は当然あります。でも、そうでなくても、常に出ている部分もあります。通常、人前では気功をするのでなく、気功をしないようにしているのです。例えば、電車の中とか、不特定多数のいる空間とか、ですね。私は、外では気功をしないように意識しているのです。そうでないと、漏れてしまう部分があり、影響する人がいるからです」(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい (過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/15
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カルテ番号 り・1(25)「それでも、何らかの理由でこちらに来られたのですよね。住所は神奈川県ですね」静は、どう説明しようかと迷った。でも、昨日の柳玲香の言葉を思い出した。正直に何でも言った方がいい、とアドバイスくれていたのだ。「一週間ほど前に、急に不安感がありました。その後、家から外に出るのが怖いと思いました。思い切って受診した病院では、うつ病と言われました。でも、私には、そう思えなかったのです」院長は黙って聞いている。「仕事上や人間関係でのストレスは溜まっていません。それよりも、漠然とした土地からの不安感でした。こちらに向かうにしたがって、その不安感は少なくなったのです。今は全くありません。思い返せば、こちらに来るために不安感が起こったような気がします。わかりませんが・・・例えば、導かれる必要があったのかと」院長はそのまま黙っている。「実は一昨日、ここを通りました。この奥の露天風呂の帰り道でした。急に不安感とは全く逆の、期待感とでもいうドキドキがありました。そして、昨日、柳玲香さんと出会った時、どうしても知り合いになりたかった。遥か昔の青春時代の気持ちのようでした。男性ではありませんから、恋愛感情とは別ですけれど」(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい (過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/14
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カルテ番号 り・1(24)「ごめんください、予約した力石です」「どうぞ、上がって下さい」院長は40代の普通の人だった。癖というかアクというかが感じられない。気功ときいていたので、少し拍子抜けだ。特殊な能力があるようにはみえない。イスに座って、簡単な記入事項を書いた。「実は昨日、柳玲香さんから紹介されました。詳しい事が全くわからないのですが、どうすればいいのでしょう」院長は微笑んで言った。「柳さんの紹介でしたか。なるほど・・・それで、力石さんは、何か困っているわけですか?」普通、治療院に来るのだから、何らかの病を抱えている前提だろう。それが、そういう扱いではない。病気を持っていると思っていないようだ。もっとも、静も病気だとは思っていない。「あの・・・私、病気ですか?」「いいえ、私には病があるとは感じられません」何も診ていないのに、院長は即座に言った。(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい (過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/13
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カルテ番号 り・1(23)静はその言葉の意味もわからず、曖昧に頷いた。それにしても、柳玲香という女性は不思議な感じがした。自分よりもかなり年下のはずなのに、頼ってしまいたい年上に思えた。この温泉場も、振り返ってみると、自分を待っていたかのようだった。お互いの携帯番号を教え合い、治療院の印象を後日知らせる約束をした。先が見えないのに、不安は無かった。つい一週間前の外にも出られないような不安感はどこにいったのだろう。その日のうちに治療院に電話をして、明日の予約をとった。電話に出た院長の印象は、特に何も感じなかった。それよりも、今日知り合った柳玲香という女性が気になっていた。今度は、もっと訊いてみよう。どんな仕事をしているのか?どんな立場でいるのか?次の日、教えられた治療院に向かった。力石静の泊まっているビジネスホテルから30分ほどだった。やはり、一昨日の野天風呂の帰り道に感じた処のような気がした。その時は気づかなかったが、錆びついた看板があった。目立たない。これでは、普段は見過ごしてしまうだろう。それに、こんな山の中で・・・(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい (過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/12
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カルテ番号 り・1(22)これも運命かもしれない。今までなら断る。でも今回は受け入れてみよう。自分に何かが起きている。静はそう思った。「わかりました。その治療院の場所と電話番号を教えて下さい」場所を聞くと、昨日の帰り道に感じた不思議な感覚の場所のような気がした。奇妙な顔をしていたのだろう。柳玲香が言った。「力石さん、気が乗らない時は行かない方がいいですよ。その先生がよくおっしゃっていました。人と人、人とモノ、人と場所、全ては相性があるそうです。そして、理屈や評判やその他よりも相性を優先するのがいいそうです」「違うのです。実は・・・」と静は昨日の感覚の話をした。柳玲香は破顔した。「やっぱり、よかった。もう決まったも同然です。力石さんにとって、とても大きな出来事になると思いますよ。楽しみにして、行ってみて下さい」(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい (過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/11
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カルテ番号 り・1(21)柳玲香は少し考えてから言った。「力石さんの状態が本当はどうなのか、私にはわかりません。今の様子からは、どこも異常が無いように思えます。ですが、私の知っている治療院が近くにあります。もしかしたら、力石さんの力になるかもしれません。少し変わっている治療法ですが、よかったら紹介します。変わっている、というのは、治療しないかもしれません。でも、力石さんの解決になるかもしれません」静は、柳玲香の言葉の意味をはかりかねていた。「あの~、おっしゃる意味がわからないのですが・・・」柳玲香は微笑んだ。「そうですよねぇ。私もどう説明していいかわからないのです。でも、力石さんの心身の状態を診てくれると思います。その上で、アドバイスをしてくれると思いますよ」急に治療院の話が出て、静は戸惑った。今回、治療するつもりはなかった。それに、どんな治療師なのか、少しも見当がつかない。そんな静の顔色を見て、玲香が言った。「大丈夫ですよ。その先生は、とても穏やかな人です。気功の先生ですが、特に何もしなくていいです。一度会ってみれば、わかります」(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい (過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/10
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カルテ番号 り・1(20)柳玲香は興味深そうに聞いている。「土地というか場所のような気がします。車で離れるにしたがって、その不安感が消えていったのです。申し遅れました、私は力石静といいます。神奈川には30年くらい住んでいました。会社は都心にあって、20年以上勤めていたのですが・・・もう、帰りたくないような気がして・・・これからどうしようかと・・・」柳玲香が真面目な顔で言った。「ご家族はどうされているのですか?」「6年前に離婚して、息子が一人北海道の大学に行っています。ですから、私一人暮らしです。息子は独立心の強い子で、親の援助無しで生活しています。私もこの先、一人でキチンと生活していくつもりでした。定年までは会社に勤めるつもりでしたが・・・」力石静は、この柳玲香というかなり年下の女性に頼りたい気持ちだった。何を頼るのか?それもわからないが、きっと何とかしてくれる。それは、静の能力の勘でもあった。「病院では、うつ病とされましたが、私は違うと思っています。薬も飲んでいません。何かはわかりませんが、温泉でゆっくりしていたら、回復すると思ったのです。もっとも、こちらに着いてからは、不安感はありません」(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい (過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/09
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カルテ番号 り・1(19)力石静はこの相手と何とか話を続け、親しくなろうと思った。きっと静にとって、大切なキーポイントの相手だ。「私も大きな温泉風呂は、もう遠慮します。観光地の温泉という感じが私には合わないようで。ここは落ち着けてラッキーです。多分、明日からもここに来ようと思います」相手が名乗った。「あら、うれしいわ。私は柳玲香といいます。私も頻繁にここに来ていますから、よろしく。ところで、一週間の温泉三昧ですか?何か湯治的なことですか?いえ、立ち入った事ですからお答えにならなくても結構ですが」力石静は内心、しめた、と思った。立ち入った事を訊ねてくれれば、もっと話ができる。「特に秘密にするような事はないのですが・・・しっかりとした答えにならないのですよ。キッカケは、ある日、急に不安になって会社に行けなくなったのです。理由はわかりません。でも、こちらに来て、何となく思い当たりました」(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい (過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/08
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カルテ番号 り・1(18)先客がいた。30歳くらいだろうか。キリリとした美人だった。その顔に何となく見覚えがある。平日の午前中から温泉・・・湯治とも思えぬ健康的な身体だった。「こんにちは」静は軽く頭を下げて湯船に入った。「こんにちは。ここは空いていて、ゆっくり入れるのですよ。私のお気に入りな温泉場です」声もハッキリとした、いかにも仕事が出来そうな女性だった。そこで思い出した。昨夜の瞑想時に出ていた一人だ。運命の急展開。そう思うと、心臓がドキドキしてきた。「どちらからですか?」そう訊ねられた静は、出来るだけ落ち着こうとしていた。「神奈川からです。昨日から、一週間ほど温泉三昧に来ました。昨日はもっと奥の大きな露天風呂に行きました」(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい (過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/07
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カルテ番号 り・1(17)どのくらいの時が経ったのだろうか。時間の感覚はなくなっていた。何を見ようとしたのかも、忘れていた。数人の人が見えた。女性が三人。男性が一人。温かい雰囲気に包まれていた。これが何を意味するのか、少しもわからない。だが、判った事もある。自分の人生が大きく変わろうとしている。こちらで、自分の人生にとっての何かが起こる。何かの渦に入り込んだ。それは、吉事かどうかはわからないが、凶事ではない。力石静は、そのまま、眠った。次の日は、できるだけ小さな有名でない温泉場。昨日の立派な露天風呂は、もういい。あまり人のいない温泉場を目指した。山の中腹にある、町営の温泉場があった。町営だが、立地条件が悪いので、大勢は入れない。駐車場も数台しかおけない。(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい (過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/06
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カルテ番号 り・1(16)今のは、何だろう?力石静は考えを慌てて中断した。一つに集中すると、その先が見える。だが、運転中などは危険なのだ。周りの音や視界が脳に認識されなくなる。一人部屋にいる時ならいい。ホテルに入り、併設されている簡単な食事処で夕食にした。近くのコンビニで必要と思われるものも買った。飲み物、食べ物も買った。そして、殺風景ではあるが、一人の部屋に入った。何故か落ち着けるのだ。我が家といってもいいアパートよりも、落ち着ける。風呂もトイレも済ませ、ベッドの上で瞑想する。久しぶりだ。離婚前以来だった。息を静かに吐いて、今日の不思議な感覚を思い出す。そのまま、何もしない。深く潜ろうとしない。自然にゆっくり見えるのを待つ。(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい (過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/05
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カルテ番号 り・1(15)目指す温泉地は本当に山の中だった。ホテルも隣接しているが、周りには家がない。露天風呂は大きく、湯量も豊富だった。だが、宣伝され有名になった。多くの観光客が訪れる。商売意識が表に出過ぎていて、あまりいい感じはしない。有名になると質が落ちる割合は、かなり高い。料理でも旅館でも人でもモノでも・・・温泉自体はいいと思う。だが、再び来たいとは思わなかった。明日は、別な日帰り温泉に行くつもりだった。あまり落ち着けず、帰ることにした。ビジネスホテルへの帰り道だった。夕方だった。ある場所で、胸がドキドキした。車で数秒の事だった。理由はわからない。不安感とは全く違うドキドキだった。例えれば、遠い昔の青春時代。(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい (過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/04
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カルテ番号 り・1(14)しばらく忘れていた事だった。勘というのは、掘り下げなければ知らんふりできる。若い頃は知る事を追及してしまったのだ。だから、より深い秘密まで知ってしまう。知らない、解らないふりをしていれば、能力は動かない。それでも、ふっと感じる事もある。思い返せば、今回の不安感はそういうものだった。能力というのは使わなければ退化する。まして封印していた能力だ。使おうという意識が自動的に抑制する。それに今更、使うつもりもない。それでいい。ただの疲れた中年女でいい。疲れたから、温泉に向かっているだけだ。そんな事を思い出しているうちに、ビジネスホテルのある地に着いた。チェックインはできる時間になっていた。手続きして、再度ドライブに出た。今日は山奥の野天風呂が有名な日帰り温泉だ。今はナビがあるから、迷うこともない。夕方までゆっくり入れるだろう。(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい (過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/03
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カルテ番号 り・1(13)祖母の能力は並外れて高かったのだと思う。だが、決して商売にはしなかった。そういう能力は他人に隠す方がいい。そんな意味の事を幼い静に話してくれた憶えがある。静にとっては普通の優しい祖母だった。母も祖母ほどではないが、勘の鋭い方だったと思う。母も勘の鋭さは、平穏な暮らしを邪魔すると言っていた。人は知らなくていい事が沢山あるのだ。知ってしまうと、摩擦が生じて、平穏になれない。高校を卒業する頃の言葉だったが、静には意味がわからなかった。女系に引き継がれた勘の鋭さを心配してくれていたのだろう。知らない、解らない方が幸せなのよ。真意は不明だったが、言葉だけを憶えている。母の言葉の意味が解るのは、結婚してからだった。人には秘密がある。それに勝手に気づいてしまうのは、人と人との関係を壊す。結局は、そういう静の勘の鋭さから離婚になった。今は充分理解している。知っても解らないふりをするのに慣れた。知らない方が関係は壊れない。(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい (過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/02
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カルテ番号 り・1(12)車が首都圏から離れると、より気持ちが軽くなった。力石静は漠然と感じていた事を運転しながら考えている。私はうつ病ではないのではないか?危険察知だったのではないか?そうだとすれば、場所に関係していたのではないか?具体的にいえば、神奈川県や東京。神奈川や東京に不安を感じるのなら・・・地震だろう。もうずっと以前から知られていた。関東大震災の周期内。いつ起きても不思議ではない。でも、誰も信じたくなかった。知らないふりをして、毎日生きてきた。力石静の母方の祖母。実に勘が鋭い人だった。いや、鋭いという言い方は違う。勘以上の何かが働いていた人だった。それを知っている近所の人が、困ると来ていた。いわゆる、失せ物を言い当てるのだ。物だけではない。行方知れずの人も、ほぼ言い当てる。(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい (過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)
2017/01/01
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