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設置も簡単で、木材加工も丁寧です。木の香がしてます。お値段高めだし、注文して少し時間はかかりました… [ >> ]
最初図書館で借りたのですが、非常に内容が濃く、かつわかりやすかったので購入を決めました。最新のエン… [ >> ]
2026.03.30
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カテゴリ: Figure Skating (2023-


いや、いや、いや~、凄すぎるものを見てしまった。鍵山選手の 2026 ワールド、フリー。

『トゥーランドット』は日本人の名選手、荒川静香、宇野昌磨の作品も素晴らしかったが、今回の優真トゥーランは、美しさをともなう技術の向上という意味で、フィギュアスケートの可能性をさらなる高みへ押し上げる歴史的なものだった。

もう、出だしから目が離せない。浮き上がって見えるような、重さを感じさせない滑らかさとスピード感を両立させた滑り。あまりに effortless (苦労のあとがなく、非常に巧み)で、靴の下に加速装置でも仕込んでいるかのよう。

優雅で伸びやかなスケーティング、雄大なイーグル、高さ・飛距離・回転軸のすべてが素晴らしいジャンプ。 4 回転こそ 2 種類だが、非常に質が高く、まるで見えない糸が操っているかのような正確さ。そのうえ、連続ジャンプのセカンドに 3 ループをもってきたり、 3A から 3 サルコウに繋げたりと、多彩な技術を見せてくれる。

ジャンプの構成も濃いが、プログラム終盤にもってくるステップは圧巻の一言だ。あれだけ上下運動を含めて全身を使い、そのうえで見事なエッジ捌きを披露できる選手というのは、なかなかいない。いや、このクライマックスの作り方は、鍵山優真オンリーと言ってもいい。

この超絶ステップを見ると、現行の採点システムの欠点が見えてくる。つまり、ステップの基礎点が低すぎるのだ。高難度ジャンプに気前よく 10 点以上の基礎点を与えてしまって、ステップの点がコレでは、いくら「ジャンプ大会にしない」と言っても説得力がない。

ステップの基礎点は上げるべきだし、レベル 3 とレベル 4 の点差ももっと出すべきだ。でないと、「ま~、ステップは無理にレベル 4 取らなくてもね。レベル 3 でいいっしょ。ジャンプで体力使うからね」ということになりかねない(いや、誰とは言いませんけどね)。スピンも含めて、基礎点を上げて、ジャンプの比重をもう少し落とすべきだろう。

とは言え、 4 回転を跳びまくるマリニン選手の優勝に依存はない。日本は伊藤みどりを生んだ国だ。伊藤みどり選手の功績は、単に女子で初めてオリンピックで 3A を成功させたというだけにとどまらない。ジャンプの種類や質という、極めて客観的な技術の優位性を重んじることで、それまでほぼ白人のものだった女子フィギュアを真の意味で人種を問わないワールドワイドで公平な競技に変えた功績こそ語り継がれるべきものなのだ。

だから、いかに滑りが良くても、ルックスが良くても、感動的な表現ができても、それだけでは勝てないシステムというのは、客観的かつ公平だといえる。

優勝はマリニンで間違いない。だが、後年まで繰り返して見たくなるのは、すべての要素において高いレベルを揃えた鍵山選手のプログラムだ。

蛇足になるが、ショートで鍵山選手が 8 位と聞いて驚いた人も多いかと思う。演技自体は、それほど悪くは見えないはずだ。これはアクセルジャンプの失敗が響いたからだが、ショートでは決められた要素の条件をクリアしないと、ゼロ点になってしまう。この厳しい減点については、 Mizumizu の中で賛否両論がせめぎあっている。

オリンピックでの女子、アンバー選手にも起こったことだが、ショートのジャンプ1つのミスが致命的になり、優勝圏外にはじき出されてしまう。これは高難度ジャンプを備えたトップ選手同士のスリリングな勝負の面白さを削ぐというマイナス面があるが、旧採点システムから受け継いできた、「ショートはフリーの短いプログラムではない、ショートでは決められた要素をいかに確実にこなすかを見る」という理念に忠実な方針でもあり、大切にすべき概念のようでもある。

だが、ここには若干の矛盾がある。決められた要素というなら、すべてのジャンプの種類を統一すべきではないだろうか。

2Aでもいいし、3Aでもいい、あるいは3回転でなければいけないが、4回転でもいい、というのではそもそもの前提が違っていることになる。統一すると非凡な高難度ジャンプをショートで見る楽しみはなくなり、点差もつきにくくはなるが、「決められた要素」をいかにしっかりこなすかを見るというのなら、全部を統一すべきではないか。現行システムでは、高難度ジャンプをショートで決めての「逃げ切り」も多い。これもどうなのかな、と思う。

旧採点システムのころから、優勝候補がショートでのジャンプの思わぬ失敗1つで金メダルを逃すというシーンを何度も見てきた。今回のワールドで言えば、中井亜美選手が 3A の失敗でオリンピックから大きく順位を落としている。

ハイリスクハイリターンだから仕方ない、という言い方ももちろんできるが、現行の採点システムではリスクのほうがリターンより大きく、ジャンプへの挑戦をはばみ、特に女子のジャンプの進歩のスピードが落ちる結果になっているようにも思うのだ。

基礎点の高い高難度ジャンプを跳ぶ選手が増えている現状を鑑みると、 Mizumizu の心情としては、せめてショートでも基礎点ぐらいは与えるべきではないかとも思うが、それではショートは文字通り、短いプログラムというだけになってしまう。難しいところだ。単純に総合順位の結果だけから判断すれば、少なくとも今のところは、現行のままで良いのかな、とも思う。






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最終更新日  2026.03.30 11:49:43


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