三鷹、聞いたか、吉祥寺、二子玉川 and Shibata

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2020.07.18
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(月刊安心新聞plus)
コロナ対策と経済のバランス 細かく舵を切り、最適値探れ 神里達博

2020 7 17  朝日新聞

今年もまた、記録を塗りかえる 豪雨災害 が起きてしまった。そのすさまじい氾濫(はんらん)の映像を目にした時、ふと、1年前に見た「天気の子」のことを思い出した。幅広い支持を得たアニメ 映画 だが、実は優れて倫理的な問いを内包する作品である。

舞台は 異常気象 で雨が降り続く2021年の東京。 神津島 から家出をしてきた少年が、天気をコントロールできるという「晴れ女」の少女と出会う。2人は「晴れ」を呼ぶビジネスを始めるのだが、実は、その力を使いすぎると、副作用として地上での彼女の存在が消えていき、「天空」に召されてしまうのだ。

しかし少年は、そのような運命にあらがい、勇気を出して 積乱雲 の中から少女を救出する。ここまでならば単なる青春ファンタジーなのだが、重要なのはそこからである。本来は「人柱」となるはずだった少女を奪還した結果、気象のバランスは大きく崩れる。雨はいつまでも、何年も降り続き、ついに東京の東側はほとんど水没してしまう。物語は、武蔵野台地の端にまで海岸線が迫った、田端付近の風景で終わる。

つまり主人公の少年は、少女を救出した代償として、首都の水没を招いたのだ。そんな「からくり」が広く共有されているわけではないが、もしその事が「権力」に知られたら、安全保障を理由にこの2人は、大きな不幸を背負わされる可能性もあっただろう。そんなキナ臭い雰囲気が物語には埋め込まれている。

誰かが犠牲になって共同体を守る、という「美談」は昔からたくさんある。だが、この作品はちょうどそのネガになっている。同調圧力が強く、世間の目を気にしながら生きる人が多いと言われるこの国で、「世間様」をまるごと敵に回し、個人の幸福を追求する「身勝手な」姿を、 新海誠 監督は描き切った。そんな作品が、2019年の 映画 の国内の 興行収入 1位となったのだ。






     *

1年前は、個人と社会の利害がこれほど極端に対立することなど、ありそうにないと思われた。だが 新型コロナウイルス 感染症の拡大は、若干構図は異なるものの、似通った緊張感を日々、私たちに強いている。

当然ながら感染症は、患者個人のみならず、社会的にも影響を及ぼす。私たちのちょっとした行動が、社会に不利益を与えるかもしれない。しかもそれは 不確実性 が高く、多くの場合、責任の所在は不明瞭である。しかしそれでも、時には特定の個人に非難が集中し、実際、人権侵害というべきことも起きている。

また、 周知の通り、感染症のリスクと、社会経済的な不利益のバランスをどうとるのか、という対立は深刻である。 前者は直接、人々の健康を損なうが、経済的な危機は人々の生活基盤を破壊する。日本人の自殺の原因は、「健康問題」に次いで「経済・生活問題」が多いことを思い出せば、両者をバランスする天秤(てんびん)は、どちらの側にも人の命が乗っていると考えなければならない。

すでに私たちは「天気の子」で描かれたような世界に、ある意味で入り込んでいるのだ。「 究極の選択 」を至るところで迫られる私たちは、一体どう判断すべきなのだろう。

たとえば先日、イベントの参加人数の上限が緩和されたが、それによって生活が救われる多くの人たちがいる一方で、確率的に低くても、イベントが拡大したために感染し、場合によっては命を落とす人も、出てしまうかもしれない。因果関係ははっきりしなくても、可能性としてはそういうことが考えられる。

問題は、その詳細な確率の値や、行動変化による影響の程度が、事前にはよく分からないという点だ。

このような場合、一つ参考になるのが自動運転などで使われてきた フィードバック 制御」の考え方 である。これは、動的に対象を制御する際に、その動きをセンサーで監視し、目標との差を検出、その結果をコントローラーに戻すことで、動きを目標に近づける仕組みである。

自転車で言えば、ハンドルを右に切り、曲がり過ぎたと認識したら左に戻し、また行き過ぎたら右に、ということを細かく繰り返すことだ。原理は単純だが、ここで最も重要なのは、センサーの情報を得てからコントロールに反映させるまでの時間が、十分に短いことである。そうでなければ、制御対象はめちゃくちゃな動きをしてしまうだろう。

     *

これを感染症対策に当てはめるならば、 感染の広がり方のデータを、細かく、素早く、政策に反映させることが大切、 ということになるだろう。ただでさえ潜伏期間や検査によるタイムラグがあるのだから、データに変化が確認された際には、即座に対応することが肝要だ。

また、きめ細かな調整が必要なので、対象のメッシュは小さく分割すべきであり、 間違っても全国一律といった雑な対応をしてはならない。

首都圏での感染の再拡大が報じられているが、政府は「Go To キャンペーン」を進めるという(7月15日現在)。常識的に考えれば、比較的感染が少ない地域を選び、精密に感染者数を監視しながら、まずは少しだけ舵(かじ)を切るべきだろう。結果が良ければ、少し程度を強め、範囲を広げる。悪化したら即座に舵を戻す。こうした フィードバック を繰り返して最適値を探るのが、結局のところ、健康と社会経済の価値の和を最大化する早道ではないか。

功利主義も万能ではないが、少なくとも、合理性を軽視すれば不幸は増える。「私たちの政府」に対し、粘り強く、理性的行動を求めたい。

     ◇

かみさとたつひろ 1967年生まれ。 千葉大学 大学院教授。本社客員論説委員。専門は科学史、科学技術社会論。著書に「リスクの正体」など







親戚同士のふたりです。






東京はずし は渡りに船でした。
地元神奈川も感染急拡大中なのですが、どうするのでしょう。

思いつきなので、キャンペーンはずしの基準はありません。

今朝テレビで、箱根、湘南、TDRをかかえる神奈川や千葉の知事は賛成と、
辛坊が言っていましたが、
これと言った観光地がない埼玉はどうなのでしょう。






子どもの使い?
イエスマン?
きめ細かな対応ができるようには見えません。
宗教政党の出身とはいえ、性善説には笑ってしまいました。
でも、倍返しならぬ、不正には倍額請求だそうです。


やはり、地方自治体にお金を渡して地方の実情に合わせた対応を行うべきでしょう。
補助金かキャンペーンかの選択も必要でしょう。






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Last updated  2020.07.18 15:48:58
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